なないろ就活:就活に恋した俺物語。(3/5)

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 ~第3話:お祈りメールであきらめるの?~

みなさんこんにちは。

先日、映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』を観に行きたいと言ったら

「女子高生か!」とツッコまれた清水です。

心は乙女ですのでお取り扱いにはご注意ください。笑

 

さてさて今回のテーマは「お祈りメール」ということでそれにまつわる僕の就活(れんあい)ストーリーをご紹介したいなと思います。

そもそもお祈りメールとは、企業から送られてくる不採用通知のことを指す俗語で、その末尾が「今後のご活躍をお祈り申し上げます」や「充実した学生生活を送られることをお祈り申し上げます」といった一文で締められていることが多いことから、こう呼ばれるものですよね。

だから多くの就活生の間では「また、祈られた」などの会話が飛び交うわけですが、僕はここでひとつの疑問を投げかけたいです。

 

「それであきらめるの??」

 

お祈りメールは、恋愛で例えるなら、振られたのと同じことですよね。それも実際に会って告白したのにメールで。

でも、本当に好きな人ならそれであきらめますか?電話して「なんで?」と訊きませんか?もっと仲良くなってリベンジしようと思いませんか?

もし、そう思わないのであれば、その企業はあなたが心底行きたいと思っていた企業ではなかったということです。

それに気づかせてくれた企業に感謝しましょう。

僕はこれまで、就活は合う・合わないだという話をしてきました。

でも、時にはそんな理屈だけでは抑えられない「どうしてもこの企業に行きたいんだ!」という感情が芽生えることがあると思います。

僕はそういう時は、その気持ちに素直になった方がいいと思います。

これからお話しするのは、そんな僕の熱狂的な片想いのお話です。

一次選考で落ちる

僕はとある保育業界の会社にめちゃくちゃ興味がありました。

就活で知り合った友達がその会社から内定をもらったのが、その会社を知ったきっかけなのですが、ひとめぼれでした。

Facebookで社内の雰囲気や催しを投稿されているのを見て、こんなキラキラ働いている人たち素敵やと思いました。

投稿が更新される度に「いいなー」と憧れていました。

そこで会社のHPからコンタクトをとって、早期内定のイベントでお会いする約束をし、事前に自分の想いを伝えるために履歴書(ラブレター)も送りました。

そんな準備万端、ウキウキ・ワクワクな状態で当日を迎えたわけですが、あえなく不採用通知をいただきました。

しかも、その場で結果を知らせるというイベントの性質上、僕はお祈りメールすらももらっていません。もらったのは、合格なら企業名が書いてあるはずのただの白紙の紙切れ。

とてもショックでした。もう何がなんだかよく分かりませんでした。

そんな放心状態のまま僕はイベント会場を後にしました。

背中を押してくれた友の言葉

なんで、なんで、なんで・・・

あ~う~ん、くそ~!やっぱりあの会社に行きたい。”

当時の僕の心の中にはそんな感情が渦巻いていました。そして、ひとつの案が僕の中に生まれました。

 

「よし!リベンジしよう!」

 

こんなモヤモヤしたまま終わらせたくない。

やるだけやってみようと思いました。正直怖かったです。

でも、そんな僕の背中を後押ししてくれた言葉がありました。それは、その会社を知るきっかけにもなった友達Aの言葉です。

僕はこの会社に会う前にAに会社のことを訊いていました。そのメッセージを読み返していました。

 

「正直めちゃ良い会社だと思う!たぶん、会社の内部に入るまで、社員のひとたちが、どれくらい熱い思いで、この保育業界にアプローチしてるのか、教えてくれないというか、感じられないと思うんだけど、少しでも気になるなら、とことんしがみついていくべき!(中略)もしそれでも興味持つなら2回目だけどめげずにしっかりしがみついて!!

 

2回も念を押されたこの言葉、「とことんしがみついていくべき」

これは僕が不採用通知を受ける前の言葉なので、彼女がどういう意図を持ってこの言葉を言ったのかは分かりませんが、僕の背中を押すには十分すぎる言葉でした。

 

そんな勇気をもらって再チャレンジの電話を・・・というところなのですが、ここにきて電話をするのが怖くなり

僕はFacebookのメッセンジャーで人事の人にメッセージを書いていました。今思えばバカです。

バカすぎます。

もし、リベンジをするという人がいるのであれば絶対に電話の方がいいです。案の定なかなか返信は来ず、余計にモヤモヤしていたのを今でも覚えています。

それでもなんとか返信をいただき、再チャレンジの許可をいただくことができました。

ただし条件付きで・・・

徹底的な電話面談

一度落とした学生に無条件でリベンジさせてくれるほど世の中は甘くありません。会社からひとつの課題が与えられました。

それは営業の社員さんとの電話面談。

そこで自分の想いだとか志望理由をぶつけてその社員さんを納得させること。

僕はこれが最後のチャンスだと思い、会社のHPを改めて見直したり、志望理由も頭の中で整理していきました。

面談の前はほんとドキドキでした。

 

19時半の約束なのに18時頃から机の前でスタンバって

これ時間ぴったりにかければいいのかな?でも、ぴったりすぎるのもあれよな?5分前とか?いやでも前の予定とかあったら迷惑だろうし1分後?

こんな風にまるで初デートかのような、わけの分からないことを自問自答してあたふたしていました。

そして、面談本番。

結論から言うとダメダメでした。

ツッコんだ質問に対して全然答えられず、会社に対する知識も甘いと言われました。

他にも、電話では声がどもりやすいから、もっとはっきりとゆっくりしゃべるべきなど数多くのダメ出しをされました。

 

あー終わったと思いました。

 

が、「そこらへんをもっと明確にして、もう1度電話してこい!」と言われました。

「えっ!」2度目でもダメだった僕にまたチャンスをくださったのです。

電話が終わった後、部屋の中で「やばっ!いい会社ぁ!!」と叫びました。

 

そこからはもういろいろやりました。HPは、紹介されている社員さんの名前まですみからすみまで覚え

運営されているサイト、どんなお客さんがいるのか徹底的に調べました。

また、保育士の友達にもインタビューをして、働く上での悩みを聞き出し、新しいビジネスを考案したり、自分自身がなぜその会社に入りたいのかも徹底的に掘り下げました。

それに加え、電話も受け身な対応ではなく

「今日は前回の内容も踏まえ、こんな風に進めていきたいと考えているのですが、よろしいですか?」

のように自分主導の形で進めていきました。

 

ですが、ここまでやってもまだOKはもらえませんでした。

あ、この会社はよほど本気なんだなと、自分が本気になってみて、やっと気づきました。

 

そして3回目の電話面談が終わる時、こう言われました。

「今の清水くんならいけそうな気がする」と。

 

計3回。毎回1時間以上の電話面談。1人の学生にここまで時間をさいてくれる会社さんへのありがたさと

ここまで本気でやってきた自分自身のことが一気にあふれてきて、僕は涙を流しました。

就活に絶対のマニュアルなんてない!!

結局この会社さんの選考は、最終の1つ手前までいったのですが、僕が最後の覚悟を決めきれずに不採用となりました。

ですが、ここでの経験は僕の就活の中で大きな自信と財産になりました。その経験をさせてくださった会社さんには本当に感謝しています。

 

と、ここまでの話の流れだと、もしどうしても行きたい企業があるのなら、再チャレンジしろよ

というのが、僕の伝えたいメッセージのようにも思えますが、実は違います。

今回の話を通じて僕が伝えたいのは、企業へのアプローチ・就活のやり方には決まりきったものなどないということです。

この話以外にも僕はいろんなことをやってきました。

 

・面接で私(わたくし)を使わない。(その方が自分が伝わると思ったので)

・履歴書の強調したい見出しに【 】をつけたり、絵を描いた。

・某出版社のESに「かめはめ波は未だ打てません」と書いた。(これは通りました)

・「OfferBox」というウェブ上にESを書いておいて、企業からスカウトが来るサービスを利用して20社以上の会社に逆指名された。(https://offerbox.jp/

・選考に落ちた会社さんのお客さんの会社を紹介してもらった。

・最終選考の前に友達に近況報告をしたら、その会社の内定者を知っているということで紹介してもらった。

などなど

他にも

・業界研究のために各業界の最大手を全部受けた。

・新卒採用をしていない会社にインターンを懇願して1年半後に入社した。

なんていう話も聞いたことがあります。

 

これらに共通しているのは周りの意見ではなくて自分の意志を尊重したということ。もちろん相手の立場から考えることも大切です。

でも、僕が何度も言ってきたこと「就活は合う・合わない」、中途半端に自分を出さないよりも、自分を全部さらけ出して

それを受け入れてくれる会社を探した方がよっぽど幸せだと僕は思います。

今回の話もそこに熱意や積極性を感じてくれる人もいれば、無礼だと思う人もいる。

それは、人それぞれ、会社それぞれ。

だから、みなさんも他人に流されたり、一般的に言われていることだけを鵜呑みにせず、自分がいいと思うものを信じて就職活動をしてほしいなと思います。

 

次回、清水がやっていた「就活プチ楽しみ」を明かします!!(第4話はこちらから)

前回は第2話のこちらから

 

この物語はノンフィクションであり、実在の人物・団体とはめちゃめちゃ関係があります。(一部写真を除く)


 

なないろ就活とは?

就活にはいろんな形があっていい。そんな想いを伝えたいという一人の学生の発案から始まった連載企画。シリーズ毎に、就活を終えた先輩が自分のやってきた就活について赤裸々に綴る完全実話(リアル)ストーリー集。様々な主人公の就活をエールに、当たり前のない就活を楽しむ糧にしてほしい。

全国の就活生に枠にとらわれない就活を!