【2019年卒学生調査】速報!2019年卒の学生の最新動向と今後の展開予測(4月末調査)

[シリーズ]どうなる?2020年卒新卒採用動向・変化予測 #1

2019年卒採用も3月の広報解禁から2ヶ月、各社の発表にもあるとおり、昨年よりも早い展開となっています。本記事では、2019年卒採用の今後の展開の予測や取り組みの検討材料となればと、弊社にて4月末に実施した2019年卒のOfferBoxユーザーが対象の「就職活動の状況に関するアンケート調査」の速報データを中心にご案内します。
※本記事は「【市場レポート】どうなる? 2020年新卒採用の動向・変化予測」の一部を抜粋したものです。

 

■就職活動の開始時期は二極化がより鮮明に

 

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【グラフ1】2019年卒就活開始時期(前年比較,n=1,000)

 

まずは、2019年卒の学生の動向を振り返りたいと思います。以下のグラフは就職活動の開始時期について2018年卒と2019年卒との比較を表したものとなります。ご覧いただいてお分かりのとおり、活況となった夏と冬のインターンシップの時期に動き出す学生が増加し、2018年卒では見られなかった「谷」が見てとれます。これは大学のキャリアセンターや就活メディアの運営者から得ていた情報とも一致した結果となっており、全体的に前倒ししたのではなく、早く動き出す群と遅く動き出す群との二極化がより鮮明となったと考えて間違いないと思われます。今回の調査はOfferBoxユーザー(1,000名)を対象としておりますので、実際には1月以降に動き始めた学生は調査結果よりも多いと考えられます。

 

■4月末時点での内定取得状況は38.6%、就活終了は11.5%

 
グラフ2 4月末時点での2019年卒学生の状況(n=1,000)

【グラフ2】4月末時点での2019年卒学生の状況(n=1,000)

 

内定(内々定)を取得している学生は、他社の調査と同じく4割程度に達していることがわかります。しかしながら、実際に活動終了する学生はその内の1割強に止まっており、9割弱は引き続き就職活動を継続する状況にあります。
以下のグラフは、就職活動の開始時期別に見た4月末時点での学生の状況となります。3月までに動き出した学生と3月以降に動き出した学生とでは内定(内々定)の取得状況に大きな乖離が見られます。

 
グラフ3 就職活動の開始時期別に見る4月末時点での状況(n=1,000)

【グラフ3】就職活動の開始時期別に見る4月末時点での状況(n=1,000)

 

2019年卒新卒採用動向レポートでも予測したとおり、インターンシップなどの早期からの活動と選考の接続は強まり、選考活動が前倒しの展開となっていることは明らかと言えるでしょう。今年3月に経団連より東京五輪開催年となる2021年卒では選考解禁を3月に前倒しするなどの見直しの検討を行うことが発表されました。「広報解禁と選考解禁との一体化」といった議論も起こっていますが、2019年卒の学生や企業の動きを見ても既に一体化となっていることが伺えます。

 
グラフ4 ※「2019年卒新卒採用動向レポート」でも指摘した面接開始の前倒し

【グラフ4】「2019年卒新卒採用動向レポート」でも指摘した面接開始の前倒し

 

■2019年卒後半戦の展開はいかに

 

先に述べたとおり2019年卒学生の二極化はより顕著となっており、この背景には学生側の「売り手市場ゆえの楽観」「大手志向の強まり」があると考えられます。株式会社ディスコの調査結果では、一人あたりのエントリー社数の平均は 26.2 社(4月時点)となっており、前年同期調査(31.7 社)を 5.5 社も下回ったと発表しています。株式会社リクルートの「第35回ワークス大卒求人倍率調査(2019年卒)」によれば従業員数5,000名以上の大卒求人倍率は0.37倍と前年の0.39倍から-0.02ポイント低下、つまり人気大手企業は益々学生にとっては狭き門となっている状況があります。この2つの調査の結果や学生の動向から、一次募集で内定(内々定)を得られなかった学生や満足のいく結果を得られなかった学生が昨年よりも増加し、二次募集に山ができるのではないかという予想をしております。
実際に、OfferBoxの新規登録ユーザー数の月別の推移を見ても、例年ならば2月をピークに右肩下がりとなるのですが、5月に入ってからの日単位の登録ペースは昨年比較2倍以上で推移し、4月の月間の登録数を上回る可能性がでてきております。6月中には10万名の登録にも達する見込みです。

 
グラフ5 2019年卒のOfferBox学生登録推移

【グラフ5】2019年卒のOfferBox学生登録推移

 

2018年卒のOfferBoxの利用状況を見ても、5月以降からオファーを開始した企業でも複数名の採用実績を得られています。人材獲得難が強まる中で、早期市場への注目が集まりがちですが、5月以降の市場においては海外留学からの帰国者や、進学や公務員からの進路変更者といった早期市場には少ないタイプの人材がOfferBoxにも登録してきています。

 
表 2018年卒で5月以降オファーを送った企業の実績(一部抜粋)

【表】2018年卒で5月以降オファーを送った企業の実績(一部抜粋)

 

■ポイントは企業の魅力の伝え方と、活躍イメージが持てる選考プロセスにある

 

今回の調査では、オファー(あるいはそれに近しいアプローチ)を企業から受けた際に、そのオファーを断る理由についても確認しました。結果は以下の円グラフのとおり、企業やオファーの内容に「魅力」を持たせることが重要であることがわかります。

 
グラフ6 オファーを断る理由について(n=1,000)

【グラフ6】オファーを断る理由について(n=1,000)

 

今年の1月に2019年卒の学生を対象に実施した「働き方」に関する意識調査の結果では、実に2人に1人近くが「活躍でき評価されればやりたいことでなくても良い」と回答しています。

 
グラフ7 入社後の活躍・評価についてどう思いますか?(単一回答,n=551)

【グラフ7】入社後の活躍・評価についてどう思いますか?(単一回答,n=551)

 

つまり、「活躍できそうか」、「評価されているか」という点を今の学生は求めているということです。2018年卒でOfferBox経由で決定した学生の内、当初志望業界1位-3位としていた業界以外の企業に就職を決めた割合は半数を超えています。

 
グラフ8 2018年卒OfferBox経由決定学生の就職先業界について

【グラフ8】2018年卒OfferBox経由決定学生の就職先業界について

 

これらの情報から言えることは、学生を振り向かせるためには、きちんと企業の魅力と、評価が伝わるようなオファーを届けること、学生が入社後に活躍できるイメージをしっかりもてるようなコミュニケーションを行うことを意識することがポイントだということです。毎年、二次募集の時期には、大学でリスタートの講座をいくつか担当させていただきますが、その際に学生からもらう声として多いのが「二次募集をやっている企業を探すのが大変」、「どの業界、どの企業が自分に合っているのかわからなくなってきた」という内容です。同様に企業からも「二次募集以降にターゲット学生を集めるのが難しい」という声をよくいただきます。直接企業からターゲット学生を探してアプローチできるオファー型の特性は両者のこれからの時期の課題の解決に有効だと考えられます。

 

■最後に

 

後半の時期になると毎年学生ユーザーから届く嬉しいコメントがあります。「企業からオファーがもらえて嬉しかった」、「自信になった」というコメントです。後半戦でオファー型の採用に取り組むことは、実は学生の助けにもなっています。すべての学生がOfferBox経由で就職先を決めることは難しいですが、オファーをもらい、それを自信に変えて、また就活を頑張ろうと思ってもらえるならばそれだけでも価値があると考えております。もちろん、企業の皆様の採用目標の達成にも貢献できるようお手伝いしていきたいと考えております。

 
 
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2018年5月11日公開