【2017年卒市場動向】どうなる?2017年新卒採用の動向・変化予測

この記事は、2016年卒の新卒採用の動向・変化を予測するレポートです。2018年卒の動きの予測ついては、「どうなる?2018年新卒採用の動向・変化予測」を、2019年卒の動きの予測については「どうなる?2019年卒の新卒採用の動向・変化を予測」ご覧ください。

 

どうなる?2017年新卒採用の動向・変化予測

 2016年新卒採用(以下16卒採用)は、「後ろ倒し元年」ということもあり、多くの企業が「漠然とした不安」を抱えた状態で、従来の採用手法だけに囚われず、新たな採用手法を取り入れ、早期から試行錯誤をしながら取り組むことになった。「リクルーターの復活」「キャンパスリクルーティング」「採用活動のアングラ化」「ダイレクトリクルーティングの台頭」といった話題が紙面に取り上げられることも多くなり、確実に、従来の画一的な採用活動から多様な採用活動へという流れを感じられる1年となった。
では、2017年新卒採用(以下17卒採用)ではどのような変化が起こるのだろうか?

 

「待ち」の採用から「攻め」の採用へシフト加速

 

 一言で言うならば“「待ち」の採用から「攻め」の採用へのシフト加速”だ。
16卒採用と17卒採用で異なる最大のポイントは、「後ろ倒しスケジュール」における学生の動き、採用競合となる企業の動きを「知っている」ということである。経営の定石である3C分析で例えるならば、「市場=顧客」と「競合」がわかっている状態、つまりどのように戦えば勝てるかを考える材料が揃ってきている状態にある。16卒採用で早期から多様な手法を取り入れ試行錯誤してきた企業については、「どの時期のどの手法が効果的だったか/効果的でなかったか」を実績ベースで捉えることができるため、3Cの「自社」についても知っている状態となる。
このような16卒採用活動を通じて得たファクトを分析し、そこから「KSF=自社が成功する要因」を得ることができた企業は、より17卒採用において戦略的な「攻め」の採用活動ができるということになる。

図1

16卒採用は、「後ろ倒し元年」であったため、これまでの経験則が通用しない不確実な中で採用活動をしなければならなかった。
17卒採用は16卒採用で得た学生や採用競合となる他社、そして自社に関するファクトをもとに自社の採用活動が成功するKSFを見い出せるか否かが肝となる。

 

優秀層の採用獲得競争は加熱。採用したい学生にいかに出会うか

 

 マクロ的な観点から、現在の新卒採用市場を考えてみると、その競争環境がいかに厳しいものかがわかる。有効求人倍率は上昇傾向にあり、ナビサイトの掲載社数の推移からも新卒採用を行う企業数の増加が伺える。日本企業の多くが、新規事業の創造やグローバル展開強化といった事業戦略上のテーマを抱えており、それらを担える人材の要件を満たせる学生は限られているため、そういった誰もが採用したいと考える優秀層においては「超売り手市場」であると言えるだろう。

(グラフ1)大卒者の有効求人倍率(出典:第32回ワークス大卒求人倍率調査,2016年卒,リクルートワークス研究所)

有効求人倍率

16卒の有効求人倍率は1.73倍と前年の1.61倍より+0.12ポイント上昇。全国の民間企業の求人総数は前年比3.6万人増の71.9万人となった。製造業、流通業、サービス・情報業の求人数が大きく増加、従業員規模別では全ての区分で求人数が増加。300名未満の企業における求人倍率は3.59倍と、5,000名以上の企業との倍率差は2.89ポイントと高い。

 16卒採用における学生の動きにおける変化として特筆すべきは多様化と分散化である。15卒採用までは、夏のインターンシップと4月からの本選考に大きく区分できたが、16卒採用からは夏のインターンシップ、秋のイベント・セミナー、冬のインターンシップ、春の選考、夏の選考(=後ろ倒しスケジュール)といったように、これまでよりも複雑なスケジュールとなった。また、学生が使える就活支援の仕組みもナビサイトだけではなくなった(図2参照)。このような変化は、学生の活動を多様化させ、分散化させることになった。
つまり、ナビサイトを活用すれば網羅的に学生にアプローチできていたが、これからはナビサイトだけではアプローチできなくなる可能性が高いということである。特に、多くの企業の採用要件を満たすような優秀層は、ナビサイトを利用しない就職活動を選択する動きが見られる。
自社にとって必要な学生が、どの時期に、どのような仕組みを活用して就職活動をしているかを捉え、アプローチしていくことが17卒採用ではより強く求められるだろう。

図2

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2015年5月29日公開