【セミナーレポート】CARES-Osaka主催「外国人留学生採用促進セミナー」

「外国人留学生採用を始めたい」という企業の声が上がってきていますが、そこにはどんな壁があるのでしょうか。留学生との交流や、吉野家ホールディングスの留学生採用事例を通じて、解決策のヒントを探るプログラムを実施しました。

これからの時代、企業の持続的な成長を実現するには、熾烈な人材獲得競争下を勝ち抜いていかなければなりません。政府の成長戦略の1つにも掲げられている「留学生30万人計画」により、今後日本で学ぶ外国人留学生は2020年までに30万人に到達する見込みです。その戦略の1つとして考えられるのが、「外国人留学生採用」です。

2016年10月21日に開催いたしましたこのセミナーは、企業の皆様に「外国人留学生採用」をご検討いただくため、事例やノウハウをご紹介し、実際に外国人留学生と交流していただくプログラムを実施いたしました。

 

CARES-Osakaとは:
関西大学、大阪大学、大阪府立大学、大阪市立大学をはじめ、産・官・学が参加し、外国人留学生の住環境、就職支援を目的として活動するコンソーシアムです。文部科学省の住環境・就職支援等受入れ環境充実事業に採択されています。


 

【プログラム】

第1部:留学生と一緒に考えるワークショップ(PBL)
第2部:留学生とのランチ交流会・インターンシップ活動報告
第3部:吉野家、はなまるが実践する戦略的留学生採用とは?

 

【参加者】

企業参加者:59名

食品・製薬・アパレルなどのメーカー、小売、不動産、飲食、貿易など、幅広い分野の企業の人事責任者・担当者の方々がご参加くださいました。

外国人留学生:34名

関西大学、大阪大学、大阪府立大学、大阪市立大学、大阪経済大学などの在阪大学に加え、神戸大学、奈良女子大学など府外からもご参加いただきました。国籍は、中国、韓国、台湾、ロシア、モンゴルなどアジアを中心とした国々の留学生が集まりました。

 

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【セミナーに参加した企業担当者の声】

 

◇セミナーに参加して良かった点(抜粋)

・留学生へのイメージが変わった。
・留学生と接点が持てた。他社の採用状況を知ることができた。
・直接留学生と情報交換ができた。
・新しい可能性を感じた。
・聞きたい話が聞けた。

 

◇セミナーを通じて留学生採用のイメージが変わったか(抜粋)

・レッテルを貼らず、その人に合った働き方、キャリアプランを提案していきたい。
・レベルの高い留学生が多かった。
・日本人が採用できないからというネガティブな姿勢では留学生を採用できないと感じた。
・日本人と同様、不安を感じている方も多いようで親しみを感じた。
・以前からダイバーシティ環境であるため、変わらない。
・皆さん非常に真面目であると再認識した。

 

第1部 留学生と一緒に考えるワークショップ(PBL)

講師:NPO法人グローカル人材センター 専務理事 事務局長 中谷 真憲 氏
進行:関西大学 国際部 教授 池田 佳子 氏

大学教育でも積極的に取り入れられている問題解決型プログラム(PBL)を用いた留学生とのワークショップ。「留学生から見た日本企業のイメージ」「日本企業から見た留学生のイメージ」「日本企業で働くこと」など、留学生からの視点と企業からの視点のギャップを見いだして、どうすれば解消できるのか、その方法を一緒に考えるというワークを実施しました。

 

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▼企業が考える留学生のイメージ(抜粋)

・いつかは帰国しないだろうか
・無名な企業に来てくれるだろうか
・文化の違い
・コミュニケーションの心配

▼留学生が考える企業のイメージ(抜粋)

・残業が多い
・会社の飲み会が多い
・日本の企業は理念重視
・就職ではなく就社

など、様々なイメージが飛びだしました。「飲み会が多い」というイメージに対して、旅館業を営む企業は「24時間稼働しているので、みんな働いている時間はまちまち。そのためうちは飲み会は一切ないですよ」と話す場面も。留学生が日本企業に対してどんなイメージを持っているのか。不安に思っていることは何かを企業は知ることができ、また留学生も同じ体験をし、お互いにギャップを埋めることの重要性を実感したワークショップになりました。

 

【ワークショップに参加した企業担当者の声】

・お互いのギャップが発見されて解決に繋がると思う。
・留学生が不安に思っていることや、それに対する企業の回答を聞き、理解し合える面接を実施すれば志望度UPに繋がると感じた。
・留学生の就労意識の高さを強く感じることができた。

 

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第2部 留学生とのランチ交流会・インターンシップ活動報告

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【立食形式での留学生との交流】

会を実施しました。企業と留学生、また企業と企業、留学生同士、といった、様々な交流が会場のあちこちで行われました。採用面接では、なかなか企業の本音、留学生の本音を聞くことは難しいですが、立食で食事しながらざっくばらんに話すことによって、本当に聞きたいことが聞け、話したいことを話せたという声が留学生からも挙がっていました。

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また交流会中には、エバオン株式会社のインターンシップに参加した留学生が、その活動報告を発表しました。「このセミナーに参加していただける企業を飛び込みで探す」という活動を事前に行っており、「こんなに多くの企業があるのだということを知らなかった」「想像していたよりも話を聞いていただけた」「中には社長が対応してくださった会社もあった」など、活動を通じた気づきが発表されました。実際に、インターンシップの活動からこの日のセミナーを知ったという企業の方も数社ご参加いただきました。

 

進行:エバオン株式会社 谷口 慎吾 氏
インターンシップ活動報告者:大阪大学 張捷さん(写真上)、関西大学 崔世明さん(写真下)

 

【ランチ交流会に参加した企業担当者の声】

・気兼ねなく会話ができた。留学生の想いがよく伝わってきた。
・留学生の生の声が聞けた。
・他の企業の留学生採用についての具体的なアプローチを教えてもらった。

 

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【実施概要】

日 時:2016年10月21日(金)
場 所:りそなグループビジネスプラザおおさか
参加者:経営者、人事責任者、採用担当者、日本で学ぶ外国人留学生

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2016年12月26日公開