スペシャルインタビュー

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苦労して内定を出した優秀な人材を、もう辞退させない。内定者フォローのカギは、タイプの把握、そして同質な者同士を引き合わせるアレンジ力。

 

― 自社のポテンシャルを最大に生かした採用か。それとも粉飾か。

 

株式会社i-plug 中野智哉(以下、中野):

「自分が楽になれる方法」をとる採用担当者がいるというお話でしたが、経営者から見たときに、どういう点で判断できるでしょうか?なかなか見えにくい部分ですよね。

 

株式会社人材研究所 代表取締役 曽和利光氏(以下、曽和氏):

自社の採用ブランドにおんぶに抱っこで、ファン採用しかやっていない会社は、採用の数字を見ればだいたいわかります。まず、エントリーしてきた人の3割くらいに会えているのが普通です。しかし、ファン採用をしている会社は、1~2割にしか会えていません。ファンしか来ていないから、後工程としては楽です。辞退を防ぐ苦労はほとんどないですから。会えていない層に優秀な学生がいるだけのことです。

 

中野:

学生に会えている確率。そして辞退率。そのあたりの数字から見えてくるということですね。

 

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曽和氏:

楽な方法をとる担当者は、人に会うのを億劫がったりしますから、エントリー時点で重い課題を課したりします。ハードルを高くするんですね。「やる気のあるやつだけでいいんだ!」と。しかし、いきなりこの会社だけにしか行きたくないという学生はごく少数。それを基準にするのはおかしいですし、結局はファン採用をしてしまっているということになります。

 

どういう採用がいい採用なのかを、きちんとわかっておかなければなりません。採用の実績は粉飾できるんです。採用目標を達成することくらいはできます。ですが、それがその会社のポテンシャルを最大限生かした採用なのかというところまではわからない。

 

中野:

なるほど。確かに数字上採用できているかどうかは確認できますが、それが最高の仕事をした結果なのかどうかまでは見えにくいですね。

 

曽和氏:

ほかにも「採用競合はどこか」と聞くこともポイントです。チャレンジングな採用をしていない企業は、大抵同業他社と答えます。スカウト採用など、ダイレクトリクルーティングをしている企業は、異業種や、違う業態のトップ企業などになりますね。顔ぶれが変わってきます。敵が強くなってくる。その分採用力を高めていかないといけませんが、少なくとも何十万人いる就活生の中で、“いい学生”にリーチが出来ていることがわかりますね。

 

中野:

そうですね。ダイレクトリクルーティングを始めたばかりの企業は特にですが、志望業界が自社のビジネスと一致している学生から探す傾向がありますね。

 

曽和氏:

それは無意識か、楽をしようとしているということだと思います。
どう考えても理屈には合わないですね。

 

― 辞退を防ぐ、内定者フォローの極意。

 

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中野:

ところで、2016卒は就活後ろ倒しの影響で、数社内定を持ちつつ8月からの大手の選考を受ける学生が多いですし、内定辞退を心配する声が多く聞かれます。何か対策はありますか?

 

曽和氏:

人への興味から内定へ進んだ学生は、結局はどこまで行っても人重視です。何が問題かと言うと、人事担当者とうまくいっていても、そのあと内定者同士で会った際「こんな奴と働くのはいやだ」となってしまうケースがあるということです。ダイレクトリクルーティングで内定を出した学生のフォローは、内定者同士を会わせるときに気を配らなくてはなりません。

 

いきなり大勢の内定者懇親会や内定者研修に呼ぶと、事故がどこで起きるかわかりません。気の合わない内定者同士が会うと「あんな人たちが同期になるのであれば、やめておきます」となる。そういった辞退理由が、実は結構多いのです。

 

中野:

確かに、内定者イベント後に辞退するケースは聞きますね。本当の理由を言わず辞退して、実はそうだったということも多そうですね。

 

曽和氏:

今まで採用してきたような人ではなく、ちょっととがったような学生を採りたいというニーズもありますよね。そういう人を採りたくてダイレクトリクルーティングを始めたということも大いにあると思います。今まで羊しかいなかったところに狼を採りたいと思って採った。それなのに、羊ばかりのところに狼を放りこんだら「なんだこの羊の群れは」となります。そりゃあ、狼は逃げますよ。

 

その場合は、狼同士で先に会わせることが必要です。誰と会わせるかをこちらでコントロールするのです。2~3人でもいいのです。そのあと大人数の懇親会をすれば、自然に知っている者同士で固まります。本来なら、立食ではなく着席スタイルをすすめますね。パーソナリティーを考えて、席順も決めます。できるだけ同質の似た者同士を会わせると「自分の選んだ会社は、こんなに共感できる同期がいる。ああ良かった」と感じます。細かいことですが、大切なことですね。

 

中野:

確かにそうですね。内定者同士もそうですし、既存社員と会わせるにも注意が必要ですね。

 

曽和氏:

私は前職でも、面接官も学生と同じ適性テストを受けてもらっていました。同じタイプを会せるようにします。そうすると、好き勝手話してもらってもタイプが同じなので「この人が言っていることはいちいち納得できるな」と感じるわけです。

 

中野:

既存社員の方にぜひ採用に多く携わってもらいたいですね。本当の意味でマッチングが進むと思います。

 

曽和氏:

社員を巻き込んで採用活動をするというのは、採用力をあげるという意味もありますが、社員のためにもなります。学生はキラキラした目で話を聞いてくれる。すると社員も元気になります。初心を思い出すのですね。組織開発のひとつの方法として、採用プロジェクトを磨いていけば、一石二鳥ですね。

 

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― オープンエントリーがメインの、待ちの採用だった企業も徐々にダイレクトリクルーティングを利用した攻めの採用に転じてきている。ベンチャー企業だけでなく、大手企業の動きも顕著になってきた。しかしそれも、きちんと運用しなければ意味がないことは明らかだ。ダイレクトリクルーティングを取り入れるかどうかではなく、自社の採用において「ダイレクトリクルーティングを用いてどのような人材を採用しにいくのか、それを実現するために採用体制をどう整える必要があるか」を考える方がはるかに重要だろう。

 

「ダイレクトリクルーティングによって“採用”という無味乾燥なものが、人と人との出会いに変えていく」

 

印象的だったのは、曽和氏のこの言葉。本来、採用は人と人との出会いだ。ダイレクトリクルーティングは新しいものではない。当たり前のコミュニケーションだ。改めてそれを深く実感する言葉だった。

 End.

(文:松田真弓 写真:大丸剛史)

 

 

■株式会社人材研究所 代表取締役社長 曽和利光
採用後ろ倒し対策のコンサルティング、面接官・リクルータートレーニング、イベント選考アウトソーシングなどの採用をすべて一気通貫で行う。京都大学で学んだ心理学とリクルート人事部GMとして培った営業スキル・2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法「プラチナ採用」を確立。リクルート、ライフネット生命、オープンハウスで一貫として人事畑を進み、株式会社人材研究所設立。

 

■株式会社i-plug 代表取締役 中野智哉
1978年12月9日兵庫県生まれ。2001年中京大学経営学部経営学科卒業。2012年グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻修了(MBA)。株式会社インテリジェンスで10年間求人広告市場で法人営業を経験。また新卒採用面接や新人営業研修など人材採用・教育に関わる業務を経て、2012年4月18日に株式会社i-plugを設立。

 


2015年8月10日公開 | 曽和利光氏 対談

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