博士人材の就活を劇的に変えるたった1つのこと – OfferBox(オファーボックス) | オファーが届く逆求人型就活サイト

以前、ある国立大学の博士課程後期の学生向けに自己PRの添削講座を担当した。どの学生も研究だけでなく、ボランティア活動や留学など多様な経験をしており魅力たっぷりな学生ばかりだった。そこで私が思ったのは、なぜ企業はこういう魅力的な博士人材に対して積極的にアプローチをしないのか、という疑問である。学生に話を聞くと、就活ではその魅力を企業に対して伝えられず、苦戦も強いられるとのこと。。。なぜか?

読み手、聞き手は誰で、知りたいことは何か?

1つ質問したい。日常のコミュニケーションと就職活動のコミュニケーション(ESや面接)には明らかな違いがある。それは何でしょう?実は、この違いを理解し、意識するだけで博士人材の就活は劇的に変わる。

日常のコミュニケーションは、お互いをよく知り合えている家族や友達との間で交わされるわけだが、互いに好きなことを伝え合いながら楽しむものである。ゆえに、そのコミュニケーションが良かったか悪かったかを決めるのは自分自身であり、もしかすると良し悪しなんてどうでもいいのかもしれない。

一方で、就職活動におけるコミュニケーションはそうはいかない。なぜならば、伝え手(あなた)にも読み手・聞き手(企業)にも目的があり、それを達成できたかどうかがそのコミュニケーションの評価となるからだ。また、決定的に違うのは、そのコミュニケーションの良し悪しを評価するのは読み手・聞き手である企業側であるということだ。

いくら自分では満足のいくESや面接ができたと思ったとしても、読み手・聞き手である企業(人事や面接官)が◯と評価してくれない限り、伝え手であるあなたの目的は達成されない。これが就職活動におけるコミュニケーションであり、ビジネスにおけるコミュニケーションなのだ。

よって、ESを書くとき、面接に臨むときには、読み手・聞き手となる企業や人の立場になって、どんな企業・人なのか、目的は何か、何を知りたいと考えているのか、を自分なりに想像し、考えるということが重要となる。聞き手に想いを馳せることで、何を伝えればいいかが見えてくる。

研究に関する情報は欠かせない、でも研究一辺倒では足りない

企業のことは、webサイトなどで情報を収集すればおおよそ何をやっている会社なのか、どういう研究をしているのか、どんな専門性を持った人材を必要としていそうかがわかるだろう。これが企業分析である。

一方、難しいのは読み手や聞き手となる人の分析である。会ったこともない人のことを想像するのは簡単ではない。ただ、冷静になって具体的に考えていくと見えてくる。

例えば、一次面接ででてくるのは大抵人事の採用担当か、現場の若手社員である。彼らの次に出てくる面接官は研究開発の役職者など部課長クラスとなってくるので、一次面接官の心理からすると「変な学生を通過させてはまずい」といったものが働く。ゆえに見た目やコミュニケーションにおける違和感がないかをチェックされる可能性が高い。また、そこまで面接官としての経験も豊富ではない人が多いので、ESに書いてある内容についての確認、とくに博士人材の場合は、専門性が自社の事業、研究開発で活かすことができそうかどうかの確認になる場合が多い。面接が進んでいくと、専門性(知識、能力、経験)だけでなく企業の価値観と学生の価値観とがマッチするかどうか、会社の戦略の方向性と学生のキャリアの方向性とがマッチするかどうか、といった点にチェックの比重か変わっていく。

理系の博士人材の場合、多くの企業の最も高い関心事は、企業が求める専門性を保有しているかどうかである。専門性でのミスマッチは双方にとって有益ではない。ゆえに、学部から博士課程後期にかけて、あるいはそれ以降にどのような研究に取り組んできたのか、そこでどのような知識や技術を得てきたのかを具体的に知りたがっている。にも関わらずだ。博士人材のESなどを見ていると研究の内容よりも先にボランティアやアルバイトのことを書いている学生が結構いる。研究内容の欄だけでなく、自己PRや頑張った経験の欄にも研究に関することを書いてもいいし、むしろ読み手、聞き手である企業はそれを期待している。

難しいのは、かといって研究一辺倒になるのも良くないという点だ。企業は最終的に専門性だけでなく、その学生の人物面も含めて評価する。どんな学生(特徴や専門性)で、どんな価値観を持った学生で、今後どんな方向に進んでいきたいと考えている学生なのか、ということを多面的に捉えたいと考えているのだ。

企業に入ると、今のようにやりたい研究だけをやっておればいいかというとそういうわけにはいかない。今やっている研究領域とは異なる領域の研究を任されたとしても心の火を灯し続けて頑張れそうかどうか、そういう行動特性を企業は捉えたいと思っており、研究の側面だけでなく、アルバイトやボランティア、海外留学、クラブ・サークル活動とった側面からも学生のことを知りたいと思っている。

企業は、専門性を含めあなたのことを知りたいと思っている。自社で活躍してくれる人材かどうかを見極めたいと思っている。そういった読み手・聞き手である企業の関心事をおさえるだけで、就職活動におけるコミュニケーションは劇的に良くなるはずだ。ぜひ、実践してみてほしい。

図1