どうする?エントリーシートの見極め -3つの視点から考える活用法とは?-

すれ違う企業と学生、エントリーシートの目的とは?
例年、採用したい層に限らず、多くの学生が集中するプレエントリー。
企業側は、多数の応募の中から、採用選考に進める学生を絞り込む工程が必要であり、
その絞り込みに使われているものの一つにエントリーシートがあります。
元々は企業の、人物重視の採用を目的に活用され始めたエントリーシートですが、
選考開始までの期間が短いこともあり、応募が集中する企業では、1通を数分、
短いところでは数秒で判断しているとも言われています。
これは、最初におおよその数を絞る意味で判断しやすいのが大学名だという慣例に繋がっています。
一方、提出する側の学生は、説明会参加や面接対策などの中で、
時間をかけるのがエントリーシートだという声もあり、人事担当者の目に留まる内容を研究しながら、
自分を伝えたいという思いで作成しています。
人事担当者が、限られた時間で多数のエントリーシートをすべて読みこむことは困難です。
では、学生の想いや大学名ではない能力を読み取るにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、多数のエントリーシートをどのように見極めるのか、
また見極める以外の方法はないのかについて、
弊社で開催したセミナーの講演レポートをヒントに、3つの視点から考えます。
1.見極めのための設計はできているか?
企業は、多数のエントリーの中から「自社に入社して欲しい優秀な人材」を見つけなくてはなりません。
19年卒に必要な「採用設計」について考えたセミナー、
『優秀な学生とは?服部先生と考える19卒採用設計-パネルディスカッション編-』の中では、
昨今の新卒採用で学歴や留学経験だけではない能力にも目を向けられてきているが、
その能力の優秀さを「コミュニケーション能力」や「積極性」といった定義しにくい曖昧な言葉で表現されている。
そのため、どうしても面接ありきの採用になりがちである。
など、このレポートでは、見極めるための前提として「自社に入社して欲しい優秀な人材」は誰なのか、
そのための設計が重要だと語られています。
→優秀な学生とは?服部先生と考える19卒採用設計-パネルディスカッション編-
2.学生との相互理解のためのツールにしているか?
18年卒採用を振り返りながら19年卒の動向と変化について考えたセミナー、
『どうなる?2019年卒の新卒採用の動向・変化予測 – トークLive -』では、
売り手市場の中で、採用したい人材をしっかり採りきるには、学生との相互理解の数が重要であり、
コミュニケーションの数と質を重視し、就活生の一人ではなく個人として接することで、内定辞退にも影響する。
といったことや、Chapter4の「エントリーシート活用の目的」では、学生が5時間、
10時間かけて作成したエントリーシートを見極めだけに活用せず、
コミュニケーションツールとして活用することで、学生との相互理解を深めることができると語られています。
→どうなる?2019年卒の新卒採用の動向・変化予測 – トークLive –
3.ツールが代われる部分と人を介すべき部分とは?
パネラーに日本アイ・ビー・エム株式会社の民岡良氏、株式会社日立製作所の中村亮一氏をお招きし、
人事領域におけるデータ活用の可能性について議論したセミナー、
『TECH SHIFT 2017 ~ データを活用した人事戦略ではじめに取り組むべきこと ~』では、
採用には3つのプロセスがあり、その中で動機づけるのは人でないと難しいが、
見極めのための学生を探す部分においては、ツールを活用することができる
と語られています。
先日、サッポロビールがエントリーシートの選考にAIを導入したというニュースもありました。
そこで削減できたエントリーシートの選考時間を学生とのコミュニケーションに活用するなど、
人が介すべき部分とツールが代われる部分を明確にした事例と言えます。
→【セミナーレポート】TECH SHIFT 2017 ~ データを活用した人事戦略ではじめに取り組むべきこと ~
どの考え方においても、すでに走っている計画を一気に変えることは難しいのかもしれませんが、
取り組みとして徐々に進められる内容となっています。
各視点でのレポートから、貴社ではエントリーシートをどう見極めるのか、
そもそも見極めは必要かについての参考にしてみてください。