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【2021年卒/2022年卒】新卒採用のスケジュール戦略と変化

〇2021年卒採用戦線は、新型コロナウイルスの影響で長期化
〇2022年卒採用戦線は、2021年卒のズレ込みが微妙に影響
〇意図と戦略を持った採用スケジュール構築が必要

企業の採用戦略において新卒採用は非常に重要な位置を占める。年単位のプロジェクトになるため、事前準備やスケジュール調整が大切だ。
今回は学生の動向や採用トレンドを押さえた、新卒採用スケジュール構築について紹介していくが、年初から続く新型コロナウイルス禍によるさまざまな自粛制限は、企業の採用活動、学生の就職活動に多大な影響を及ぼしている。第一波の収束も見えない状況のなかでの、最新の企業動向調査などの数字を交えて解説していく。

 

新卒採用スケジュールとは

2021年卒の新卒採用スケジュールは、これまで主導的役割を果たしてきた経団連が、2018年10月に「採用選考に関する指針」(就活ルール)廃止を表明したことで、政府主導に変更となった。
しかし、直ちに変更するのは「学生の混乱を招く」という政府の判断で、2021年卒の採用スケジュールはこれまでと同じ「3月1日:採用情報公開解禁、6月1日:面接など選考解禁、10月1日:内定解禁」を維持している。

 

2021年卒、2022年卒採用はどうなるのか

〇2021年卒採用戦線、新型コロナウイルス禍の影響で長期化

2021年卒採用活動は、現在までおおよそ以下のような形で展開してきた。
・例年通り2019年サマーインターンシップ受け入れで実施的にスタート
・インターンシップ参加者を対象にした早期選考会が横行
・2020年1月は予定通りウィンターインターンシップ受け入れ
・2月に入り、新型コロナウイルス禍の影響が出始め、ウィンターインターンシップの中止も
・3月からの合同企業説明会、学内企業説明会が軒並み中止
・4月には緊急事態宣言発令の下、外出自粛や在宅勤務の影響を受け、対面型の会社説明会や面接は実施できず

しかし、これまで導入率の低かったWeb(オンライン)による会社説明会や面接の導入が一気に進み、最終面接までオンライン面接で完了してしまう企業も現れ始めた。※1

※1 i-plug調査:採用手法のオンライン化


当初は、2021年卒採用の早期化を表す数字が、各就職情報会社から月次の内定率の形で発表されている。
例えば、リクルートキャリア・就職みらい研究所発表の内定率調査の推移はこうだ。

2020年
3月1日時点の内定率:15.8%(前年:8.7%)
4月1日時点の内定率:31.3%(前年:21.5%)
5月1日時点の内定率:45.7%(前年:51.4%)
6月1日時点の内定率:56.9%(前年:70,3%)

4月1日時点までは、2020年卒採用を上回るペースで内定出しが進んでいたものの、緊急事態宣言が発令された4月から採用スケジュールが大きく遅れはじめ、6月1日時点では2020年卒採用と比較して、内定率は13.4ポイントも減少している。経団連の「就職ルール」撤退、7月からの東京オリンピック・パラリンピック開催を前提にした採用スケジュールを組んでいたものの、それが大きく崩れる結果となったわけである。

 

※2 リクルートキャリア: 2020年6月1日時点2020年卒内定率

〇2022年卒採用戦線は、2021年卒のズレ込みと新型コロナが微妙に影響

2022年卒の採用スケジュールも、2020年卒、2021年卒同様という見解が出ており、年間の流れでは齟齬は見られない。前出のi-plugの調査によると、2022年卒採用に対してインターンシップをいつ行うかの問いに、約30%が2020年7月・8月と回答※5している。つまり大学3年のサマーインターンシップが採用のスタートと見ている。ただし、これはここ数年の傾向である。

見出しに「2021卒のズレ込みが微妙に影響」と書いたのは、2021卒の採用が遅延した場合、2022卒のサマーインターンシップとバッティングしてしまう恐れが出てくるだけでなく、新型コロナウイルスの収束はまだまだ見通すことはできず、大人数の1Dayインターンシップ(2022年卒からは1Day仕事体験)の開催が困難なだけでなく、リアルなインターンシップそのものの開催が難しいかもしれないからだ。図1  2022年卒採用は、インターンシップからオンライン開催も考えておく必要がある。

〇新型コロナウイルス感染拡大による新卒採用や新入社員受け入れへの影響

HR総研では、「新型コロナウイルス感染拡大による新卒採用や新入社員受け入れへの影響」に関する最新動向を調査している。その結果の概要だけ紹介する。

・新卒採用活動にすでに影響が出ている企業は8割、大企業・中堅企業では9割前後。
・企業規模別にいうと1,000名以上の大規模企業への影響が顕著である。
・採用スケジュール遅延・変更への懸念が7割近く出ている。
・8割以上の企業が1か月以上の遅れが出てしまう懸念があり企業規模感や業種・業態によって違いがあるものの最大で3か月以上遅れるという企業もある。
・全体的に後ろ倒しになる影響も加味し、セミナー・説明会の開催の延期・中止やインターンシップの延期・中止も出ている。
・人事担当者からは、学生に配慮する言葉やこれを機に選考方法やスケジュールの見直しも検討していくなど、通年採用の動きにも連動したコメントも出ている。

 

新型コロナウイルス禍の影響を見極めつつ、意図と戦略を持ったスケジュール構築が必要

新卒採用活動を戦略的に行うには、自社を理解し、求める人物像を明確化し、競合他社を理解することが欠かせない。それらを踏まえたうえで新卒採用スケジュールを組み立てるのが常道である。しかし、採用活動の多様化が進むなか、トレンドを読み、さまざまなケースに対応可能な戦略・スケジュールを立てておくことが必要だ。

2020年卒は新型コロナウイルス禍の影響で例年通りの採用活動ができていない企業が多いが、リスクマネジメントも含めた採用戦略ができていれば、突発的なイレギュラー対応も可能なはずである。例えば、会社まで学生が来られない状況ならば(外出制限だけでなく自然災害、交通障害も考えられる)、すぐにWeb面接・セミナーに切り替えられるようなインフラを整備しておく、競合他社を知るだけでなく、大学の動きもウォッチする必要もある。場当たり的な活動ではなくトレンドを見極めた、自社に合った採用戦略をしっかりと立てていくことが重要である。
 

まとめ

今回は、学生の動向や採用トレンドを押さえた、新卒採用スケジュールについて紹介した。

要点だけ挙げてみると

・2020年初から続く新型コロナウイルス禍によるさまざまな自粛制限は、企業の採用活動、学生の就活に多大な影響を及ぼしている。
・2021年卒採用戦線、新型コロナウイルス禍の影響で長期化
・2021年卒の採用が後ろ倒しに2020年夏まで遅延した場合、2022年卒のサマーインターンシップとバッティングしてしまう恐れがある
・8割以上の企業が1か月以上の遅れが出てしまう懸念があり企業規模感や業種・業態によって違いがあるものの最大で3か月以上遅れるという企業もある。

この先、日本の経済(世界も含めて)がどのようにこの危機をカバーしてゆくのか不透明ではあるが、2021年卒も2022年卒も、新型コロナウイルス禍の影響はどうしても免れそうもない。これを機にもう一度、採用戦略から振り返って新卒採用スケジュールを組み立て直してみるのもよいだろう。


2020年12月22日公開