代理店希望はこちら 就活生の方はこちら

お問い合わせはこちら

新卒採用の戦略を見直す際にチェックするポイントを紹介

いま新卒採用市場は、複数の要因により大きな転換期を迎えています。

  • 就活ルールの形骸化による採用活動(就活)の早期化
  • デジタル社会を反映した採用プロセスのオンライン化
  • 22年卒から始まる大学新卒の減少

など従来の採用戦略の踏襲では、必要な人材を確保するのは難しいことが予想され、採用担当者は戦略の見直しを迫られています。

本稿では、新たに採用戦略を見直そうとしている担当者様のために、その手順を「新卒採用の市場動向を知る」「自社の採用戦略を見直す」の流れで紹介・解説していきます。
 

はじめに、新卒採用市場の動向を整理・把握しましょう。

 
採用戦略を立てるためには、採用市場の動向を把握しておくことが必要です。

市場全体のマクロ的データは厚生労働省が公開している求人倍率調査などを参考に、学生や企業の動向はマイナビなどの就職(採用)支援企業の調査データを参考にするとよいでしょう。また、競合会社の動向分析・把握も忘れてはいけません。

このようにさまざまな観点から市場動向を分析することで、時代に即した採用戦略を立てることが可能になります。
 

新卒採用市場は「売り手市場」に変化の兆し。

 
株式会社ディスコが企業を対象に21年卒採用について調査した結果、「売り手市場だ」と回答した企業は全体の4割と、昨年の9割から激減しました※図1。

※図1)採用市場についての考え

図1

 
ただし、全体では「やや」を含めて「売り手市場だと思う」が「思わない」を上回っているため、売り手市場でなくなったというわけではありません。
採用見込みで見ると、前年比で「減少」と回答した企業が「増加」を上回り※図2、近年続いてきた売り手市場に変化の兆しが見えています。

※図2)2021年3月卒業予定者の採用見込み

図2

参照:図1、図2とも2021年卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2020年7月調査)(https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/07/2021_chukanchosa_k-.pdf

 

22年卒の就活ルールは維持。ルール策定は経団連から政府主導に移行。

 
2018年10月に経団連が発表した「就活ルールの廃止」を受け、政府主導の新たなルールの策定議論が進められています。しかし、急激な変更は学生のみならず企業側にも混乱を招きかねないという理由から、21年卒・22年卒の就活ルール(解禁日)は現行日程を踏襲する方針が表明されています。

ゆえに、22年卒採用スケジュールの解禁日は、急展開の指針発表がない限り

  • 広報(会社情報)解禁日=2021年3月1日
  • 選考解禁日=同6月1日
  • 内定解禁日=同10月1日

となることが予想されています。

就活ルールは就職協定や倫理憲章として制定されて以来、経団連未加入企業や外資系、IT・ベンチャー系企業の一部をはじめルールを守らない企業も多く、解禁日順守の足並みは乱れる一方でした。それにともない学生の就活期間も、3年生の夏(サマーインターンシップ)から始めることが一般的になるなど多様化の傾向が見られます。
 

自社の採用戦略を見直す4つのポイント

 
本章では、採用戦略を見直すにあたってポイントとなる4つの観点を紹介します。

<目的> 新卒を採用する目的を明確化できているか?
<ターゲット>  求める人物像が定まっているか?
<訴求> 求める人物像に届くメッセージをつくっているか?
<方法>  求める人物像と実際に出会える適切な採用手法を選択しているか?

 

<目的> 新卒を採用する目的を明確化できていますか?

 
まず、「なぜ新卒(人材)を採用するのか」という、採用自体の必要性や目的を棚卸ししてみましょう。そこで前提となるのが経営ビジョンや事業計画です。そこから逆算して、「この目標、計画を実現させるために、いま人材を採用する必要がある」という明確な目的を言語化することが必要です。

新卒採用の場合、中長期的に見た会社の在りたい姿、成し遂げたい目標に必要な人材を採用し育てるということが目的になっているケースが多いでしょう。

逆に現場に欠員が出て、すぐに補いたいといった目的であれば、中途採用の方が適しているかもしれません。

このように採用の目的が明確になっていないと、採用戦略をミスリードすることになりかねません。採用戦略を策定する第一歩として、採用の目的を明確化しましょう。
 

<ターゲット> 求める人物像を定め、社内で共通の理解を得られていますか?

 
次に、目標実現に必要な「求める人物像」を設定し、社内全体に情報共有します。人物像を設定するにあたり、採用担当者だけの判断にならないように、最初に複数の意見を聞くことが大切です。

経営トップの描く企業の方向性と、現場が抱く「どの部署にどのような人材が必要か」とをすり合わせることは、人物像をまとめるために重要です。

新卒の場合は社会人経験がなく、基本的にポテンシャル採用になるため、多くの条件を満たすことは困難です。そのため条件を絞ったうえで、適材適所の配置ができるように「最初から備わっていてほしい資質」と「後から育てられるスキル」を見極めることが大切です。
 

<訴求> 求める人物像へ、しっかり届く内容のメッセージになっていますか?

 
求める人物像の要件は、逆にその人物から見れば、「そうなりたい」「その目標に向けて自分が貢献したい」「ここが強みだ」といった、求める自分像・会社像とイコールです。「これは自分に向けられている」と思わせるくらい、会社(自社)の魅力・強みをメッセージに載せアピールしましょう。
 

<方法> 求める人物像と出会える適切な採用手法を選択していますか?

 
求める人物像や自社のアピールポイントが整理できたところで、募集・採用手法の選定を行います。そこで重要なのは、求める人物像と出会える確率の高い募集メディア・手法・チャネルを選択することです。

求める人物像が利用していないメディアやチャネルにメッセージを送っても、出会いは生まれません。活動する時期はいつか、どういったメディアを利用しているかを考えたうえで選択することが重要です。
 

新卒採用の戦略見直しで使えるフレームワーク

本章では新卒採用の戦略見直しで使えるフレームワークを紹介します。
 

PEST分析

 
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境を把握し、事業の戦略立案などに活かすためのフレームワークのことを言います。

「PEST」は、Politics(政治・法律的要因)、Economy(経済的要因)、Society(社会・文化・生活的要因)、Technology(技術的要因)の一文字目を合成したものです。これらを分析することで、市場のトレンド変化、自社に対する影響などを見出す(推測する)ことができます。
PEST分析のフレームワークは、「機会と課題」「チャンスとリスク」を見出すツールと言われています。採用戦略に当てはめれば、市場の変化を先読みし、自社にとってのチャンスを見つける、もしくはリスクを見つけることが意図されるところです

PEST分析で採用市場に強い変化を及ぼす要因は何かを探り、他社と差別化する採用戦略を立案してみてはいかがでしょうか。
 

3C分析

 
3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの角度から分析し、自社の課題や立ち位置を明確化する分析手法です。「市場・顧客」にターゲットの学生を置いたときどういう見え方ができるのか、問いを立てて考えてみましょう。
 
<Customer(市場・顧客)→ターゲットの学生>
・企業選びで重要視していることは何か
・現在の採用市場において、ターゲットの学生数はどのくらいか
・動き出すタイミングはいつか
 
<Competitor(競合)>
・新卒採用市場で競合となるのはどのような企業か
・競合他社の採用活動はどのような方法で行われるか
・競合他社は学生に対してどういったアピールを行っているか
 
<Company(自社)>
・仕事の面白み、やりがいは何か
・採用における自社の強み・弱みは何か
・自社のブランド力やネームバリューはどうか
・独自の商品やサービスは何か
・給与・賞与や福利厚生はどうか
 

SWOT分析(クロスSWOT)

 
SWOT分析とは、「Strength (強み)」「Weakness (弱み)」「Opportunity (機会)」「Threat (脅威)」の4つを軸に、自社の現状と外部環境を分析することを指します。

強み・機会の生かし方や、弱み・脅威の改善方法を考えられるのがメリットです。ターゲットとなる学生に対し、自社の強みをどのようにアピールするべきかを考える際に役立ちます。

自社のSWOT(強み・弱み・機会・脅威)が出揃ったら、クロスSWOTで「そこから何を導き出せるか」、多面的な分析をすることが大切です。例えば「強み(S)×脅威(T)」で「強みを生かして脅威を最小限に抑える」といった形です。
 

まとめ

 
本稿では、現在激しく揺れ動いている新卒採用市場に対応するための、採用戦略の見直し手順を紹介してきました。

簡単に「自社の採用戦略を見直す」と言っても、そこにはしっかりしたロードマップが必要です。まずは新卒採用の市場動向を把握することからはじめ、先述した「§2見直す4つのポイント」を振り返ったうえで、新たな戦略を立案していきます。

<目的>新卒を採用する目的を明確化できているか?
<ターゲット> 求める人物像が定まっているか?
<訴求> 求める人物像に届くメッセージをつくっているか? 
<方法> 求める人物像と実際に出会える適切な採用手法を選択しているか?

また立案に際しては、3C分析などの分析方法をフレームワークとして使うことも有効です。

採用市場動向を調べてみると、例年通りの採用活動を続けるだけでは、新卒採用がうまくいきそうにないと気付くことでしょう。本稿を参考に、自社の目的を達成するのに有効な採用戦略を策定し、ぜひ22年卒採用を満足いくものにしていただけたらと思います。


2021年1月15日公開