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中小企業だからこそオススメしたいリクルーター制度とは

年間の新卒採用人数がさほど多くなく、採用活動に割けるリソースが限られている中小企業にとって、自社の特性や魅力を的確に伝え、効率的に採用活動を進めることはとても大きな課題です。大量採用ではないからこそ、自社にマッチした人材と出会い、またその人材を確実に採用までもっていくための手段のひとつが「リクルーター制度」です。

本稿では、中小企業だからこそ効果を生み出す「リクルーター制度」について、その役割と効果、メリット・デメリットを紹介していきます。
 

|リクルーター制度について理解しよう

リクルーターとは言葉の定義だけでいえば、採用担当者全般を指しますが、新卒者の採用活動においては、人事部門に属さず、採用担当ではないものの、採用活動に関わる社員のことをリクルーターと呼んでいます。

主に、就活生とコンタクトを取って窓口を担うことが多いため、比較的就活生と年齢が近く、親しみを感じやすい入社1年目~5年目の若手社員が多いようです。
 

○リクルーター制度とは

リクルーター制度とは、一般の社員がリクルーターとして就活生に接触し、採用活動の一翼を担う制度です。活動時期に制限がある新卒採用においては、採用活動が本格的に始まる前に就活生と接触することで、他社に先駆けて自社への囲い込みや、事前の面接の一部を先行することを目的として行われています。

リクルーターに任せる範囲や役割は企業によって異なりますが、「出身大学での人材発掘」「就活生との面談」「志望度の向上を目的とした自社PRの実施」「選考通過のアドバイス」「内定後のフォロー」など多岐にわたります。

就職みらい研究所「就職白書2020」によると、情報提供やコミュニケーションの手段としてOB・OG訪問を予定している企業は26.6%、リクルーターを予定している企業は20.7%となっています。また、ディスコの「キャリスタ就活2020」によると、リクルーターに接触した経験者は2019年卒の29.4%から2020年卒では48.1%と増加傾向にあります。

▼情報提供やコミュニケーションとして、実施予定のもの
"情報提供やコミュニケーションとして、実施予定のもの

出典:就職みらい研究所「就職白書2020」情報提供やコミュニケーションとして、実施予定のもの
https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2020/06/hakusyo2020_01-48_up-1.pdf

▼リクルーターとの接触経験
"リクルーターとの接触経験

出典:「キャリスタ就活2020」2020 年卒「リクルーターとの接触経験」
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/10/recruiters.pdf
 

○リクルーターの役割

 
①採用母集団形成
一般に応募してくる就活生の他に、リクルーターの出身校や所属していたサークルをターゲットとした独自の母集団を形成することができます。
また、「ひとまず聞いてみる」といった応募意欲が高くない場合と異なり、企業が求める人材にピンポイントでアプローチすることで質の高い母集団形成が可能です。

②自社理解の促進とPR活動
リクルーターは就活生と直接対話ができるため、会社説明会などでの一方通行になりがちなコミュニケーションに比べ、相手の理解度や価値観に合わせてアピールすることが可能です。就職みらい研究所「就職白書2020」では、リクルーターとの接触によって入社意欲が高まったとする就活生が18.8%に上ります。

▼就職確定先の入社意欲が高まった情報や企業との接触
"就職確定先の入社意欲が高まった情報や企業との接触

出典:就職みらい研究所「就職白書2020」就職確定先の入社意欲が高まった情報や企業との接触
https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2020/06/hakusyo2020_01-48_up-1.pdf

③情報収集
人事、採用担当ではないリクルーターの立場から、就活生とフランクに接することで、就活トレンドや他社の採用活動の動向、就活に対する意識などの情報収集をすることができます。

④面接官としての役割
人事や採用担当者に代わって、リクルーターが面接官としての役割を担うこともあります。いわゆる「リク面(リクルーター面談)」と言われ、面接、選考時期に制約のある人事、採用担当に先駆けて、就活生と面談し、優秀な人材に対してスカウト活動を行うことも可能です。また、限られた人事、採用担当のリソースに加え、リクルーターを動員することで多くの就活生にアプローチでき、じっくりと時間をとって面談することも可能となります。

就職みらい研究所「就職白書2020」によると、企業が学生1人あたりにかける面接の平均時間が62.7分である一方、「OB・OG訪問受け入れ、リクルーターによる接触等」では学生1人あたり94.3分もかけていることが報告されています。

▼企業が学生1人あたりにかける面接の平均時間
"企業が学生1人あたりにかける面接の平均時間

出典:就職みらい研究所「就職白書2020」企業が学生1人あたりにかける面接の平均時間
https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2020/06/hakusyo2020_01-48_up-1.pdf

⑤内定辞退の防止
就活生の中には、内定をもらったものの、入社に不安を感じて内定辞退する人も多いようです。また、「マイナビ 2021年卒 大学生 活動実態調査」8月末時点での内定保有者数の平均は2.1社、10月1日時点での内々定率が80.6%でありながら「12月末まで」就職活動を続けるという学生が31.8%に上ることが報告されています。

これは内定者の2人に1人が内定を辞退し、12月末までは企業として安心できないことを意味しています。そこで、内定者と年齢的にも近いリクルーターが定期的かつ深いコミュニケーションを取ることで、安心感を与え、内定辞退を防止することにつなげます。

▼内定率時系列推移
"内定率時系列推移

▼いつまで活動を継続するか
"いつまで活動を継続するか

出典:マイナビ 2021年卒大学生活動実態調査「内定率時系列推移」「いつまで活動を継続するか」
https://saponet.mynavi.jp/release/student/katsudou/202110_now/
 

○リクルーターの効果

企業にとってリクルーターは効率的に就活生と接触できるほか、採用する人材の適性をじかに判断できるなどのメリットがあります。また、限られた人的リソースを、リクルーターによって補うことで、より広範囲かつ密度の濃い採用活動を展開することができます。
 

|中小企業がリクルーター制度を導入するメリットとデメリット

ここでは、中小企業がリクルーター制度を導入するメリットとデメリットについて、企業側と就活生側、双方の立場から解説します。

リクルーターのメリットデメリット

【メリット】

□企業側

①幅広い人材と接触できる
リクルーターの出身校、ゼミ、サークルなどの人脈を活かすことで、より多くの人材との接触を可能にします。特に中小企業においては、多くの学校を網羅するよりもピンポイントで効率的にターゲットを絞ることができます。

②面接だけでは分からない就活生の本音を引き出す
大量採用方式とは異なり、リクルーターが選考とは離れ個別に対応することで、就活相談やアドバイスなど親身になって面談することができ、就活生の本音や本質を引き出すことができます。

③就活生の心をつかみやすい
就活生の悩みに寄り添うことで信頼を得ることはもちろん、面談を重ねる中で自社の魅力を伝え、入社意向度を高めることができます。また、リクルーターの人物そのものが社風を伝える手段となり、知名度などで不利になりがちな中小企業にとって、就活生にアピールする絶好の機会となります。

④早い時期から接触できる
2022年卒採用においても3月会社説明会、6月選考開始のタイムスケジュールは維持される中、表立った早期活動をとることができない大手企業に対し、OB・OG訪問やリク面など建前上「面接ではない」リクルーター活動を通じ、早期の就活生への接触、囲い込みが可能となります。

□就活生側

①企業理解をより深めることができる
大量採用企業によく見られる、企業対多数の図式になる企業説明会では、コミュニケーションが一方通行になることも多く、企業理解が進まないことや、就活生が知りたいと思っている情報が的確に入手できないことも考えられます。リクルーターの場合、個対個のコミュニケーションが図れるため、より一層の企業理解を促進、不安の解消にもつながります。

②企業の内情を知ることができる
志望企業で実際に働くリクルーターと会うことで、より具体的な情報を収集することができます。また、将来のモデルとして、入社後の姿を描くことができます。

③選考のステップを簡略化
リク面を繰り返すことで、自分自身を早期からアピールすることができ、説明会の参加や一次面接など初期段階のプロセスをスキップできることもあるようです。企業規模によっては、早期から社長や役員などのキーマンとリレーションを築くこともできます。

【デメリット】

□企業側

①リクルーターの質によっては逆効果
適切ではないリクルーターを選抜してしまった場合、就活生の印象を悪くすることも考えられます。

②アプローチする対象に偏りができる
リクルーターの顔ぶれによって大学に偏りが出る、属人的なアプローチによって応募者の傾向に偏りが出る、などが考えられます。

□就活生側

①公平感がない
出身大学によって差が生じる、人脈のありなしによってハンディがある、といった印象を与えてしまいかねません。

②進捗・結果がわからない不安
リク面はあくまでも「選考」ではないため、自分が志望企業の選考に残っているのかがはっきりせず、不安を抱かせることにつながります。
 

|中小企業がリクルーター制度を導入するためのステップ

中小企業が効果的にリクルーター制度を導入するためのステップや乗り越えるべきハードルを解説します。
 

○リクルーター制度の構築

 
①全社で意識共有
採用の方針、リクルーター制度を活用する理由、リクルーターへの期待値などを全社で共有します。特に中小企業においては、組織のトップ・経営者がリクルーター制度に対して積極的な姿勢を見せることはモチベーションアップにもつながる上、就活生に向けても企業姿勢のアピールとなります。

②求める人物像を明確にする
人事、採用担当はもとより、リクルーター全員の共通言語として「求める人物像」を明確にすることが必要です。配属される現場の部署、面接を担当する役職者とリクルーターとの間で密にコミュニケーションを取ることも大切です。

③ルールの策定
採用専任者ではない社員をリクルーター活動に従事させることの多い中小企業において、活動に対する評価を明確にすることは重要です。所属部署の上長や同僚などの理解を得て、通常業務と同じようにリクルーター活動に注力できる体制づくりも欠かせません。また、リクルーター活動は業務にあたるのか、活動にかかる費用の扱いをどうするのかを明確にしておくことも忘れてはなりません。
 

○リクルーター制度の対象の選定

人的リソースに限りがある中小企業では、効率的にリクルーターが活動できるよう、ターゲットとなる大学を決めていきます。出身大学の教授などと面識がある場合は、ゼミや研究室に直接コンタクトを取って採用活動の旨を伝えるといいでしょう。リクルーターが実際に大学に訪問する、ゼミ生などに対して個別説明会を開くなど、活動の範囲を明確にします。
 

○リクルーターの選抜

 
①リクルーター候補を選ぶ
リクルーターを選抜します。その年に必要とする人材の方向性、配属予定の部署、大学ごとのバランスなどを考慮して選抜していきます。

②リクルーターの基準を検討
大前提として、就活生にとってロールモデルとなる人物を選抜することが有効です。一般的に、就活生に近い1年目~5年目の若手を選ぶことが多いですが、専門性や研究内容などを考慮して、より高い知見を持つ中堅・ベテランクラスの人材を選抜することも考えられます。

③リクルーターに求められる能力とは
リクルーターは会社の代表であり窓口であります。求められる能力としてコミュニケーション能力、会社や仕事の魅力を伝える説明能力に加え、就活生の本音を引き出す能力も重要です。かといって、一概に積極的なタイプのみが向いているのではなく、就活生に親身に寄り添う姿勢や、粘り強くフォローする能力も必要です。また、リク面などで選考の一部を担う場合においては人物を見極める力も求められます。
 

○リクルーターに活動内容を周知し、育成

 
①リクルーター候補者に目的と方法を説明
リクルーター制度の内容、目的、そして実行の方法を説明する必要があります。資料を作成し、リクルーター説明会やキックオフ集会を行うこともひとつの手段です。

②リクルーターの均質化
会社の窓口となるリクルーター。中小企業においては「リクルーターの印象≒会社の印象」となります。就活生がどのリクルーターに会っても同じ情報が得られるようにしなければなりません。今年の採用計画はもとより、先にお話しした求める人物像や伝えるべき会社の魅力について、リクルーター全員が共通認識を持っておく必要があります。

③育成
リクルーターには、高いヒューマンスキル、ストレス耐性、コミュニケーション能力が求められます。リクルーターとして、スタートアップ時の教育だけでなく、場面ごとのロールプレイを行うなど定期的にスキルアップのトレーニングをするとよいでしょう。
 

○リクルーター活動の実施

 
①各種活動の開始
いよいよリクルーター活動の開始です。活動計画に沿って、「学校訪問」「OB・OG訪問」「リク面」「説明会のサポート」「スカウト」「フォロー」を行っていきます。採用の人的リソースが少ない企業でこそ、それぞれの場面においてリクルーターにフルに活躍してもらいましょう。

②情報共有とフォロー
半年から1年にも及ぶリクルーター活動においては、さまざまな局面にぶつかります。成功体験、失敗談などをリクルーター同士で情報共有し、スキルアップに努めます。また、リクルーター自身のモチベーション向上やフォローも忘れずに行ってください。
 

|まとめ

本稿では、中小企業における「リクルーター制度」について、その内容、メリット・デメリット、実施方法について述べてきました。人事、採用担当のリソースに力を割けない中小企業にとって、採用活動の補完や新しいチャネルの開拓に役立つことがご理解いただけたと思います。

また、制度を導入することに加え、リクルーターの認識共有、定期的なスキルアップ、フォローが必要不可欠であることも認識いただければ幸いです。

中小企業におかれましては、本稿をきっかけに、リクルーター制度を積極的に導入することで、多様な採用活動と人材獲得につなげていただけることを願っています。


2021年3月5日公開