スパムメールと同じなのか?一括エントリーと一括DMの光と影

「スパムメール」という言葉を、どこかで聞いたことがあると思います。

スパム(メール)
スパム (spam) とは受信者の意向を無視して、無差別かつ大量に一括して送信される、電子メールを主としたメッセージのことである。(Wikipedia)

今では、電子メールだけでなく、大量に送りつけられる迷惑行為を「スパム」と呼ぶようになりました。
就活にも「スパム」は存在します。

就活で起こるスパムの仕組み

ドワンゴの川上量生会長は雑誌取材にこのように述べています。

「リクナビ」はひどいと思います。学生をたくさんの会社にエントリーさせようと煽っている。会員登録すると人気ランキング上位の会社に全部エントリーしてみましょう、と勧められる。「まとめてエントリー」ボタンを押すと上位50社とかにいきなりエントリーされる。
ランキングは業種ごととかにも細かくあって、どこにも、「まとめてエントリー」ボタンがついている。エントリーした会社数はカウントされ、あなたは現在15社エントリーしています。昨年、内定をもらった先輩は50社エントリーしています、もっとがんばりましょう、みたいなメッセージが送られてくるのです。
リクナビは、学生のエントリー数が増えると、企業からの広告費を獲得する交渉が有利になる。だから、盛んに学生にエントリーを勧める。
100社にエントリーして、すべて落ちた学生もいる。人気企業には膨大な数の学生がエントリーするから、学歴などで足切りをせざるをえない。
学生のツイッターなどを見ると、リクナビの「エントリー煽り」と呼ばれていて、不満を持つ人が少なくない。でも、彼らは社会で発言力が弱いから、大人は今の就活がいかにひどいかを実は知らないんです。(2014年03月24日(月)WEDGE)

エントリー型ではスパム発生はしょうがない?

また、エントリー型の新卒採用についてこのような意見も持っています。

学生の企業へのエントリー数は制限していいと思います。それができないならば、せめてその数を公開するようにしたらいい。学生もむやみにエントリーしなくなると思います。
ほとんどの学生は文句を言わずに、就活をする。日本の学校教育が「社畜」を養成するようなもので、素直な人を作っているからですかね。
就活を始めるときには「夢を実現しよう」とか「自己実現」といった文句に踊らされている。それで就活サイトに騙されて就活に失敗し、社会人としてひどい人生をスタートする(苦笑)。(2014年03月24日(月)WEDGE)

せっかくエントリーシートを書いて企業に送っても、「スパムとして処理」されてしまう。
また、大量に送られてくるエントリーシートから学生を選ぶには、足切りや学歴での選別で効率化を図ろうとする企業も多いはず。「学歴フィルター」が起こってしまいます。
面接どころか、説明会にも参加できなければ、「どうして自分は参加も出来ないのか」就活生は落ち込みます。企業側も、自社に対してそれほど強い志望動機のない学生が大量にエントリーしてきても、対処に困ります。エントリー型の新卒採用は、企業、学生共に疲労を起こし、結局ミスマッチを起こしてしまう…そんな悲惨なケースは少なくありません。

紹介型なら効率的でいい学生に出会えるのか

エントリーシートを大量に送られるよりも、スペックのいい人材を紹介してもらいたい、そう思う企業もあるでしょう。新卒採用にも紹介型のサービスが増えてきています。
紹介型の特徴は、「すべておまかせ」ということ。企業側はスペックや条件を紹介会社に伝え、紹介会社がリストアップした学生とマッチングする、と言った手順です。
企業は何もしなくてよいので楽なのですが、紹介会社の人材のストックには限りがあることと、優秀な学生は複数の紹介会社に登録しているため、ここでも競争は厳しくなります。条件だけで選ぶので、自社の風土や文化に合うか合わないかは、企業側は確かめようもありません。
そして、紹介型はすべて紹介会社が準備するので、費用が高く設定されています。
手間を省きたいという場合には有効ですが、「良い人材と出会いたい」という場合は効率的とは言いがたいでしょう。

採用手法は多様化の時代

エントリー型だけでなく、紹介やソーシャルリクルーティングなど、様々な手法が展開されています。
「オファー型」新卒採用サービス、「OfferBox」シリーズでは、学生が自分で書いたプロフィールを見て、企業側から学生にオファーをします。
学生はエントリー型のようにスパム扱いはされず、企業側は自分たちで学生を見極めることが出来ます。OfferBoxの学生プロフィールは、項目や記録的な経歴だけでなく、アピールポイントや適正検査から検索、閲覧することが出来ます。学生は一人一人心を込めて書くことが出来、写真や動画でより企業にアピールすることが出来ます。

オファー数を制限し、クオリティを高める

OfferBoxは、オファー数を制限しています。学生は15社、企業は100人を同時選考の上限として設定しています。厳選したオファーを、一人一人丁寧に送信することで、学生もしっかりと情報を受け取ることが出来ます。


2014年4月9日公開