ワークショップ型業界研究「仕事マップ」で知るインテリア業界

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インテリア①

日々の生活を快適に過ごすための室内環境を整えるインテリア。インテリアといえば、ホームセンターなどの小売店や家具メーカーが想像しやすいかもしれません。けれども、消費者の家に家具が届くまでには、私たちからは直接見えないたくさんの企業が関わっています。また、広義には、インテリアは家具に加え、キッチンやお風呂などの住設機器、床や壁などの内装建材なども意味します。実は気付いていないだけで、まだ知らないインテリアに携わる仕事があるかもしれませんね。

ここでは、住宅・インテリア関連業界の企業と一緒に行なったワークショップの様子を交えながら、インテリア業界の業界研究を行います。このページは内装に焦点を当てたインテリア編をお伝えしますが、後日予定公開の住宅編も合わせて参考にしてください。

インテリアとは

インテリアとは、広義で室内装飾品全般を意味します。具体的には、カーテンや壁紙などの内装建材、窓や照明器具、キッチンなどの住設機器家具、家電やOA機器などがインテリアに含まれます。

インテリア関連業界

■建材・住設機器

まず、住宅の一部となって機能する、キッチン・バス・給湯器などの住設機器と、窓・クロス(壁や天井)・床材・ドア・照明・エクステリア(外壁)といった建材に関連する仕事を見てみましょう。新築住宅の場合は、建築工程の全体を管理する工務店やハウスメーカーが、窓メーカー、床材メーカーなどにインテリア製品を発注します。各メーカーには、商品の企画部門、デザイン部門、製造を担う技術部門、小売店や商社への営業部門、マーケティング部門などの部署があります。

大阪に拠点を持つ、中西金属工業株式会社さんも窓の製造に関わっている企業の1つ。ですが、中西金属工業さん自体は窓メーカーではありません。

中西金属工業さん
(中西金属工業株式会社 大崎孝則さん)

大崎さん「当社には3つの主要な事業がありますが、特機事業という事業部がインテリアに関わる製品を扱っています。BtoBなのですごく渋い仕事ですが、この写真に出ている部品を作っています」
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(中西金属工業株式会社さんのプレゼンテーション資料より)

大崎さん「これは皆さんのお家の窓に使われている部品なんですね。窓をスムーズに開閉するための戸車と呼ばれる部品の他に、鍵、出窓を支える金具、レバー、取手、ハンドルなどを作っています。これらの部品もLIXILさんやYKK APさんのような窓メーカーが作ってるんじゃないかと思う方も多いと思いますが、実は窓のメーカーは窓枠を作り、我々のような部品メーカーが作ったパーツを組み合わせています。」

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(中西金属工業株式会社さんのプレゼンテーション資料より)

大崎さん「窓のガラスはガラスメーカーが作っていて、当社のような会社が窓枠に付く部品を作っています。窓1つ作るにしてもいろいろな企業が協力して作っているんです

ここで一度、建材や住設機器が住宅やマンションに設置されるまでの流れを整理してみます。

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(※上図に記載されている事業は一例です。)

このように一連の流れを整理して、表からは見えない部品は一体誰が作っているのか?などにも視点を広げてみると、新しい企業の発見がありそうですね!

■家具

今度は家具に関わる仕事を広げていきます。

皆さんが家具を購入する時、家具店、ホームセンター、インテリアショップで購入するケースが多いでしょう。近年は、家具を含む生活雑貨や食品など衣食住に関わるさまざまな商品を取り扱い、ライフスタイルそのものを提案していくというライフスタイルショップも増えています。インテリアの販売を担う企業には、商品を仕入れるバイヤー、消費者と直接やりとりをする販売部門、広報・宣伝を担当するマーケティング部門などの部署があります。

家具メーカーにも、商品の企画部門、デザイン部門、製造を担う技術部門、小売店や商社への営業部門、マーケティング部門などの部門があります。企画やデザインは自社で行い、製造は海外の工場に外注するなど、一部の工程を外部に委託している企業もあります。

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(※上図に記載されている事業は一例です。)

さらに直接家具を作っていなくても、オンライン上で家具を販売するためのシステムを開発しているIT企業や、広告宣伝を代理で行うPR会社や広告代理店なども、家具に関わっています。縦の流れだけでなく、横にも広げてみると、意外な仕事が見つかるかもしれません。

■DIY

昨今はメーカーの既製品だけでなく、自身で住まい環境を変えるDIYも一般的になってきました。「DIYカルチャー創造事業」というユニークなビジネスを展開する株式会社大都さんの政明佳奈未さんに、DIYをテーマにどんな仕事をしているのかを説明していただきました。

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(株式会社大都 政明佳奈未さん)

政明さん「最近では自分でものづくりをするというDIYが有名になってきました。当社は、オンラインショップを運営するEC部門と、実店舗でのDIYレッスンの開催や、DIYに特化したWEBメディアを開発・運営するメディア部門の大きく2つの事業を展開しています」

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(株式会社大都さんのプレゼンテーション資料より)

政明さん「当社ではDIY用品の製造はしていません。取り扱い商品のほとんどをメーカーから仕入れています。仕入れを担当するのは、バイヤー部門。バイヤー部門が新規商品の仕入れや、既存商品の売り方を考えています。MD(マーチャンダイザー)は売上や在庫を数字で管理している部門。SC(サプライチェーン)は、お客様に商品をスムーズに届ける流れを作ります。CS(カスタマーサポート)は、電話やメールでお客様対応をしています。運営部門は、オンラインショップに商品を登録するなどの管理業務が仕事です」

これは主要事業であるオンラインショップの流れですが、さらにDIYの道具の使い方を発信するWEBメディアを運営していたり、DIYの対面レッスンを開催していたりと、DIYに関する幅広い事業を展開しているそうです。

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(※上図に記載されている事業は一例です。)

仕事の流れを意識した業界研究

これまでに、家具や住設機器、建材などのインテリアが消費者の手元に届くまでにいろいろな企業が関わっているということを見てきました。このように、どのような企業や仕事が関わってものやサービスが提供されているのかを考えてみると、インテリア関連企業なのに今まで視野に入れていなかった企業を発見したり、選考を進めている志望企業が業界内でどのような役割を果たしているのかを俯瞰することができます。

【インテリア業界マップの一例】

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業界研究をESや面接に応用

業界研究によって住宅業界の全体像を俯瞰することは、
①住宅業界について広い知識を得るだけではなく、
②選考を受ける企業を探す

③面接で志望理由を説明する
④複数の企業から内定を得て、入社する企業を最終決定する
など、さまざまなシーンに役立ちます。

あなたが今興味を持っている、または、エントリーしている企業は住宅業界の中でもどの役割を担っている企業でしょうか?その企業の周囲には、どんな企業が関わっていて、その企業の仕事内容も、あなたが活躍できる領域かもしれません。

自分が興味を持つ業界や仕事や役割が見えてきたら、OfferBoxのプロフィールにもその業界や仕事に関連するできごとを書いておきましょう。採用担当者にとっても、自社に興味を持ちそうな学生かを判断しやすく、オファーを送りやすくなります。ぜひ仕事マップを使った業界研究の成果をあなたの武器にしてくださいね!