新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、21年卒採用から22年卒採用へと忙しない日々をお過ごしの企業様も多いのではないでしょうか。
例年OfferBoxを利用いただいている企業様から次年度(22年卒)のインターンシップについてご相談いただくことが多いのですが、本年は特に「オンラインインターンシップ」について非常に多いです。
そこで、OfferBoxを提供する株式会社i-plugが自社でオンラインインターンシップを企画し、本記事で実施事例として公開することに至りました。
弊社の実施事例を参考にしていただき、是非オンラインインターンシップの開催を検討していただけますと幸いです。
▼目次
- 22年卒採用におけるオンラインインターンシップの現状
- 学生の状況
- 企業の状況
- オンラインインターンシップの企画内容
- オンラインインターンシップの流れ
- 実施内容の詳細
- オンラインインターンシップの効果
- 終わりに
22年卒採用におけるオンラインインターンシップの現状
学生の状況
22年卒の学生状況について解説します。22年卒採用の学生は例年と比較すると非常に早い時期から活動を始めていることが伺えます。
以下が弊社が提供しているOfferBoxの登録学生数になります。5月以降、昨年対比を大きく上回り169%の推移で増加しています。現在集計中の7月の登録学生数も同様の増加傾向にあります。
早期からOfferBoxを登録する学生がどういった背景から、OfferBox登録済みの学生約1,800人に調査致しました。その結果、半数を超える登録学生が「就職活動への不安」から早期からの登録につながっていることがわかりました。
また同様のアンケートにてサマーインターンシップの参加希望を取得したところ、90%を超える学生がサマーインターンシップへの参加を希望しています。サマーインタイーンシップへの参加理由は、以下コメントからも就職活動に繋げるための意向が高いことがわかります。
▼インターンシップへ参加したい理由
- インターンシップが選考に影響していると思うから
- インターンシップを通して、志望業界・企業についてさらなる知識や経験を増やしたいため
- 自分にとってどのような業種が向いているか知りたいため
- 実際インターンシップに参加することで、その企業の雰囲気や仕事をより深く理解したいため
- 少しでも企業、社会について知りたいため
回答一覧:https://offerbox.jp/company/wp-content/uploads/2020/05/q4b.pdf
企業の状況
22年卒の企業の状況について解説します。企業のサマーインターンシップへの考えについて前向きに考えられています。
5月末時点で登録企業600社にアンケートを取得したところ、9月までにインターンシップを開催予定の企業は約42%と半数近くの企業が実施しております。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、22卒採用の学生からの接点の場としてインターンシップを重要視していることが伺えます。
21年卒採用で選考のオンライン化への変更を取り入れた企業が多いにも関わらず、インターンシップに関しては、まだ十分に対応しきれていないことがわかります。
22年卒でオンライン実施しているもしくは、実施が確定しているもので「説明会」や「面接」は50%を超えているのに対して、1dayインターンシップで22%、1dayインターンシップ以外で11.6%と低い結果となっております。
近年、説明会や面接をオンラインで実施する企業は見られましたが、インターンシップに関しては情報が聞かなかったため、新たに導入する企業が大半ではないでしょうか。そのことから、オンラインインターンシップに関して、企業側では十分な環境整備がされていないことが考えられます。
オンラインインターンシップの企画内容
学生、企業のオンラインインターンシップの状況を踏まえて、株式会社i-plugでも自社でのオンラインインターンシップの開催と記事執筆による実施報告をすることが決まりました。
複数あるインターンシップの中から、「学生から最も人気のある就業体験型の営業インターン」「日程は1week」の内容にて企画・実施しました。
オンラインインターンシップの流れ
オンラインインターンシップの実施日程ですが、準備を含めて計13営業日で実施をしました。セミナーや本記事での公開を予定していたため、非常にタイトな日程になりましたが『最短で13営業日』で実施できることが分かりました。
学生の集客や事前準備に8営業日、実際の受け入れ期間が5営業日となっております。
実施内容の詳細
インターンプログラムは、事前研修、営業同行、事後研修の流れになっております。学生集客を含め、目的やどういった点に注意すべきかなど詳細にご説明します。
学生集客
弊社が運営するOfferBoxを活用しました。「本気度の高い、確実にインターンに参加してもらえる学生」「OfferBoxの体感価値をまだ十分に感じれていない学生」の2点の条件に満たしている学生をターゲットにして、検索条件に一致する学生にメールを送付しました。そこから、実際に応募があった18名の学生から合格者3名に合格オファーを送付しました。
企業様がオンラインインターンシップの集客を行う際は、是非OfferBoxを利用していただければと思います。2020年6月28日時点での22年卒の承認率は63%となっており、年間を通じて非常に高い数値となっております。早期の時期でのOfferBoxの承認率は高い状態が続くためターゲット学生に対しての効率的なアプローチが可能になります。
案内メールの際に利用した募集要項
事前研修
目的、研修資料の準備、当日の流れ、気をつけたことの4点についてご説明します。
1.目的
事前研修をプログラムに組み込んだ目的は、以下2点です。
- 営業の経験がない学生のために「営業とは何か?」のインプットを行う
- 営業同行した時間が価値的になるために、宿題を持って参加してもらう
1については、私たち社会人はすでに数年現場で活動しているため、いざ営業同行を行うとなっても参加前と後で大きなイメージの乖離がなく体験することでしょう。しかし、学生は社会人経験がないため「営業は頭を下げる仕事」「モノ売り」とネガティブなイメージがどうしても先行してしまいます。そのため、私たち社会人と同じ目線で営業という仕事について理解してもらう必要がありました。
2については、せっかく体験してもらう時間を最大限生かしてもらうために考えました。聞くことでも得られる経験だけでなく、自分の頭で考えることで得られる経験をしてもらいたいと思い、「企業の課題の仮説を持つこと」を宿題に課しました。
2.研修資料の準備
次に研修の資料準備に関して、ご説明します。研修の事前準備で最も大変なのは研修資料の準備ではないでしょうか。弊社でも研修資料をどうするか非常に悩みましたが「既にあるものを活用する」ことが最も良いという結論に至りました。
i-plugでは新卒向け営業研修を実施しているためその資料を活用しました。資料の修正にかけた時間は約1時間ほどに止めることができ、準備工数がかなり少なくすみました。本資料もダウンロードいただけるように公開しております。
3.当日の流れ
実際に運営側での当日の運営スケジュールになります。研修時間は全部で1時間ほどになります。
4.気をつけたこと
事前研修での気をつけたことになります。ぜひ参考にしてください。
- 営業研修の内容が、自社の営業の実態に沿うかどうか。
- 詳細までは伝えない。細かくしすぎない。(視点が小さくなりすぎるから)
- 社内で使われている言葉をできる限り使う。学生は事前研修で聞いた内容を元に社員とコミュニケーションをとる
営業同行
重要なこと、概要/当日の流れ、注意事項の3つについてご説明します。
1.重要なこと
営業同行で最も重要なことは『普段通りの営業活動をそのまま見せること』です。学生のインターンシップへの参加理由は仕事のリアルについて知りたいためです。普段通りの営業活動を見せることで学生は具体的な仕事のイメージを持ってもらうことができます。
2.概要/当日の流れ
営業同行では、計3社の企業様に学生の同席に許可をいただき、全ての企業様に3名とも同席させていただきました。また、参加方法に関しては各自自宅からZoomを利用して打ち合わせに参加しました。
営業同行の当日の流れは以下の通りになります。
3.気をつけたこと
営業同行での気をつけたことになります。ぜひ参考にしてください。
- 事前MTG
- 打ち合わせのゴールと、それに向けたストーリーを共有する
- 営業同行中
- Notゲスト扱い、学生にも先方と話をしてもらう
- 学生が同席しているからといって生々しい話を避けない
- 事後MTG
- 打ち合わせ後、事前の仮説が正しかったかどうかの振り返りをする
- 営業として「できたこと」「できなかったこと」を伝える
事後研修
目的、研修資料の準備、当日の流れ、気をつけたことの4点についてご説明します。
1.目的
事後研修をプログラムで行う目的は「面談希望に繋げる」ためです。そのためにも学生に伝えることが2点あります。
- 短期間ながら学んだことの整理・言語化してもらい、自己認知を促す。
- インターンに参加して知り得たi-plugの情報を整理することで、まだ見えていない部分も認識してもらい、「もっと知りたい!」状態を作る。企業理解の確認、自己認識の促進。
2.研修資料の準備
事後研修に関しては、選考につながるうえで重要だと考えイチから作成しました。インターンシップの振り返りとi-plugの企業分析がメインコンテンツになります。
企業分析は、i-plugが大学のキャリアガイダンスの講座で活用しているものになり、学生からの満足度が高いものになります。こちらの資料も公開しておりますので、ご活用ください。
3.当日の流れ
実際に運営側での当日の運営スケジュールになります。研修時間は全部で1時間ほどになります。
4.気をつけたこと
事後研修での気をつけたことになります。ぜひ参考にしてください。最も気をつけたことは2点あります。
- 学び・気付きの整理・言語化
- 企業理解の確認
まずは「学び・気付きの整理・言語化」についての要点は以下になります。
- 自分たちで考えてもらう、語ってもらう
- 事実の整理→学びの抽出→次への示唆という順での問いかけ
- 事実の整理:インターンでどんな経験をしたか?
- 学びの抽出:何を学んだか?どんな気付きがあったか?イメージとのGAPは?
- 次への示唆:今後の生活で続けたい事/やめたい事/新しく始めたいことは
次に「企業理解の確認」についての要点の確認は以下になります。
- 大学にて実施している志望動機作成講座で使用している
企業分析のフレームワークを流用、理解度を確認。 - フレームワークに沿って、知り得た企業の情報を整理すると見えた部分と見えなかった部分が明確になる。
オンラインインターンの効果
オンラインインターンを実施して「選考につなげることはできるのかどうか」が実施企業で気になる点だと思います。この度のオンラインインターンシップに参加した3名全員が選考を希望すると後日連絡をもらうことできました。
では、実際に参加した学生はオンラインインターンシップを通じてどのように感じたのでしょうか。学生にお聞きしました。
国際基督教大学 Mさん
事前研修で、「仮説を立て、目的をもって取り組むことを学んだ」ので、それを実践できるように勤めていました。
そのおかげで、営業活動の際には、きちんと目的を持って事前準備をしたので、企業様に質問をすることができました。
営業という仕事については、押し付けるのではなく、どのようにしたらサービスを最大限に使ってもらえるかを目的として進めることが大事だと学びました。
この「仮説を立て目的をしっかりもつ」という考え方は、就活をする上でも役立つと感じました。
また、実際の営業に同行させていただいたことで、事業への理解が深まり、自分なりに課題や今後の業界について考える中でi-plugの行う事業に対して興味が高まりました。
また、対面でのインターンシップが難しい状況の中ですが、社員の方のお話しを聞いたり、営業同行をする中で社風も感じることができました。
山口大学 Kさん
営業のスキルを身に付けたいと思い、このインターンに参加しました。
実は、営業というと、”押し売り”なイメージを持っていました。
ですが、実際に経験してみると、まずは相手の情報を引き出し、そこから相手が気づいていないニーズを掴み、提案することが大切だと感じました。なにより重要なのは、相手の情報を聞くこと。これが一番のコミュニケーション能力であることを学べました。
日本大学 Oさん
「自分の長所をどう活かせるか」を考えながら、i-plugのインターンに参加していました。
インターンを行って行く中で、自分にはお客様の背景を想像してどんな問題があるかを考える力がある気がしました。
準備もしっかり行えたので、打ち合わせ中に視点を変えて質問をすることができました。
また、事前研修から「目的の手段としサービス使うのであって、サービスを使うことが目的ではない」ことを学んだので、お客様のニーズにきちんと目を向けることができました。
終わりに
まだまだ事例の少ないオンラインインターンシップは、実際に導入する場合不安も大きいと思います。ぜひ公開中の導入資料(ダウンロード形式)を是非ご活用ください。
オンラインインターンシップについての質問・相談があればOfferBox営業担当もしくは、フォームにてお問い合わせください。