【新卒採用担当者向け】OfferBox | ダイレクトリクルーティングサービス

もう迷わない!新卒採用フローの作成ポイントを紹介

採用活動全体の流れを把握するために欠かせない「採用フロー」ですが、みなさんは目的や意義を意識して作成されていますか?

企業によっては選考過程やスケジュールを決めるために当たり前のように作られていることも多く、採用活動を行っている全ての組織は意識していなくても何らかの形で採用フローを構築しているといってもいいでしょう。

しかし、実際に新卒採用のフローを新たに作るとなるとハードルが高く、どのように作り始めたらいいのか難しく感じておられる方も多いのではないでしょうか?
また、採用フロー自体は決して難しい取り組みではありませんが、採用フローが的確に整理されているかどうかで、採用活動の効率や振り返りへの影響が変わってくるという重要な施策であるため、押さえておくべきポイントも多く、なんとなく作れるというものでもありません。

そこで本稿では、採用フローがどういうものであるかをわかりやすく解説し、ステップを追うだけで誰でも簡単に作れるフロー作成の方法をお伝えします。
 

|そもそも採用フローってどういうもの?

採用フローとは、採用活動として行われる「会社説明会」「書類選考」「面接」「内定出し」といったさまざまな施策を一連の流れにまとめたものを指します。採用フロー構築の目的は、採用戦略から導き出された「自社が求める理想の人物像」にマッチした人材に、「自社のことを理解してもらい、入社へとつなげる」ことにあります。

ですから、採用フローの構築は採用を成功させるためには非常に重要な要素です。とはいえ、難しく捉える必要はなく、考え方はいたってシンプルです。採用戦略で考えたターゲットに対して、自社の魅力をより理解してもらえるような施策を、順序立てて構築していくだけでいいのです。

また、採用フローを構築するもう一つの目的として「採用に関わるメンバー全員の認識のズレをなくす」ことが挙げられます。それぞれのステップにおける目的やとるべきアクションなど、メンバー全員が採用成功に向けて認識をすり合わせていくことが大切です。

さらに、採用フローは企業が「自社が求める理想の人物像」を選別するという一方的な視点ではなく、学生の側からも「自社のことを理解してもらい、入社へとつなげる」ような視点を併せ持って構築することも重要です。

選考過程が少ない場合、採用フローの必要性をあまり感じないかもしれません。しかし採用フローを構築することで選考過程の明確化はもちろん、振り返りや円滑な社内運用にも活用できるのです。
 

○採用フローを作成するメリット

採用フローを作成することには以下のようなメリットがあります。

・選考過程の効率化
採用フローがあることにより、採用活動の各段階の行動が明確になります。その結果、進捗を共有しやすくなります。人事担当者や面接官など採用に関わるすべての社員に採用の流れを伝え、社員間の認識のズレをなくすことで採用に関する一連の活動を効率よく運用することもできるでしょう。特に、人事部にとっては当たり前の過程でも、他部署にとってはなじみがないケースもあるため、現場の社員や経営者など、採用担当者以外の社員が多く携わっている場合に効果を発揮します。

・採用活動の改善に役立つ
採用活動で課題やトラブルが発生したとき、採用フローに沿って振り返ることで問題点が明らかになり、改善に取り組みやすくなります。

採用活動のステップを細かく分けて採用フローを設定したり、進捗の各段階における正確な計測・記録をできる限り残すのも有効です。エントリー数や通過数、辞退率などを細かく把握できるようになり、次年度に向けた採用活動のPDCAサイクルを回しやすくなります。

このように採用フローを活用することで、採用戦略実現の一助になります。
 

|採用フロー作成のステップ

全体の流れは以下の通りです。順番に見ていきましょう。

1. 集める
2. 見極める
3. くどく
4. フォローする
 

○STEP1.『集める』

『集める』ステップでの目的は、採用活動そのものを学生に知ってもらい、エントリーしてもらうことで、選考を希望する候補者集団を形成することです。このステップでは学生への露出方法や、出会いの手法を決めましょう。

このステップで重要なのは、「どれだけ多くの学生を集めるか」ではなく、「自社の理想とする人材をどれだけ集めるか」です。そうはいっても予算や企業規模などの制約もありますので、自社に見合った方法で有効な活動を見極めることも大切です。

代表的な活動としては、採用広報での周知と、会社説明会などのイベントの実施があげられます。近年は少人数の座談会や個別面接なども多いので、以下にまとめたさまざまな活動から自社の課題に合わせて選択してください。

『集める』ための二つの手法

『集める』には、自社が採用活動を行っていることを学生に知ってもらい、接点を作ることを目的に行う活動です。手法としては、オーディション型とオファー型に大きく分けることができます。

オーディション型は、就職ナビに募集を出し、学生が応募してくるのを待つ従来の手法です。

近年増加しているオファー型は従来の採用手法とは異なり、企業の採用担当が自ら学生にアプローチして接点作りを行う手法です。『攻め』の採用手法であり、知名度が低いBtoB企業や、事業規模は小さくても特色のある企業に向いているといわれています。代表的なものとして、ダイレクトリクルーティングなどがあります。

目的別におすすめの採用広報活動をご紹介

目的:自社に興味のある学生にアプローチしたい

・自社でイベントを実施する(企業説明会や企業セミナー)
すでに自社に興味をもってもらっている状態なので、ウェブサイトや募集要項では伝えられない情報を伝えるように心掛けましょう。また少人数の座談会などは、短時間でも濃い情報を伝えれます。

・インターンシップ(募集期)
インターンシップは7、8月の夏の時期に多く開催されています。これは、大学生の長期休暇にあわせて参加者を確保しやすいからと考えられます。就活の手始めとして参加する学生も多く、仕事の内容を知ってもらういいチャンスとなります。

目的:たくさんの学生に自社をアピールしたい

・就職ナビ会社が主催するイベントに参加する(合同説明会や就活イベントへの出展)
学生と直接会える合同説明会や就活イベントは、企業認知の向上や企業の特色をより詳しく知ってもらうのに有効です。そこで出会った学生とコンタクトを取り、選考応募に導いていきましょう。

目的:専門的な知識のある学生とのパイプを作りたい

・ダイレクトリクルーティング
就職ナビに頼るだけでなく、ダイレクトリクルーティングにも注目が集まっています。
ターゲットに直接アプローチするため、ピンポイントで専門的な知識をある学生と出会えます。

・大学の研究室やキャリアセンターへの訪問
専門的な知識は、研究室の特徴によって違います。また、専門的な分野の場合は大学で特化している場合もあります。一度の訪問で接点を作ることは難しいため、何度も足を運びましょう。また、訪問する際はただ訪問するだけではなく、自社だからこそ提供できる情報をしっかりと伝えることで関係性をつくるようにしましょう。

目的:自社だけでは限界があり、支援を受けたい

・人材紹介
自社の採用工数だけではどうにもならない場合に活用すると有効です。エージェントに依存するため、多くの応募は見込むことは難しいです。
 

○STEP2.『見極める』

集めるステップで情報発信を十分に行ったあとは、選考作業である『見極める』ステップに進みます。このステップでは、応募してきた学生の中から自社の適性に合う人材を見極めます。

選考とは言っても、今の時代は「ふるい落とす」という感覚で接するべきではありません。大事なのは相互理解であり、お互いの特性を見極めることが大切です。『見極める』とは、学生側も企業を見極める機会であるのだという視学生が複数の内定をもらうことは想定しておかなくてはいけません。自社を選んでもらうためには不安を払拭する必要があります。特にオンライン採用は学生を集めやすいですが、口説きにくいのが特徴なので注意が必要です。口説くための一工夫が結果を大きく左右します。それでは具体的な施策をみていきましょう。点を忘れないようにしましょう。

自社の魅力を伝えることはもちろん大事ですが、相手の魅力を知ることも大事なことなのです。

また、『見極める』ステップであっても、後述する『くどく』という感覚を忘れないようにしましょう。「選考時の印象が良かったからその企業に魅力を感じた」という例も多いのです。候補者を見極めるための具体的な選考方法は下記の通りです。

・書類選考
履歴書、成績証明書、エントリーシートなどから選考します。履歴書や成績証明書は、人材の技能や能力に関する情報から、学生が自社に適合するスキルを備えているかどうかを判断する基準となります。エントリーシートは就職への意気込みや人物像、行動特性などを読み取る材料として有効です。

・筆記試験
筆記試験には一般常識、専門知識、適性試験、小論文・作文などがあり、一定の能力を判断する資料として有効です。

・面接試験
面接試験には個人面接、グループ面接、グループディスカッション、ディベートなどの方法があります。一人ずつの個人面接は本音を引き出しやすく、性格や適性を判断しやすいという特徴があります。グループ面接はある程度まとまった人数に対応でき、効率はあがりますが、一人ひとりの適性を掘り下げるのが困難になる場合もあります。

・『見極める』場としての座談会
企業から学生、学生から企業への『見極める』機会を創出するという意味で、座談会という形式で学生とコミュニケーションをとることも有効です。この場合、選考をいったん度外視して、学生の本音を引き出したり、自社の良さをさり気なく知ってもらうというアプローチになります。
 

○STEP3.『くどく』

学生が複数の内定をもらうことは想定しておかなくてはいけません。自社を選んでもらうためには不安を払拭する必要があります。特にオンライン採用は学生を集めやすいですが、口説きにくいのが特徴なので注意が必要です。口説くための一工夫が結果を大きく左右します。それでは具体的な施策をみていきましょう。

・インターンシップ(選考期)
これまで多くの企業は、採用解禁前年の夏頃からインターンシップを開催し、学生たちへの最初の接触を行っていたものの、インターンシップで学生を囲い込むことは禁止されてきました。しかし、就業体験やインターンシップを通して与える情報は学生の志望度を大きく左右します。そのためインターンシップを採用と直接結びつけたいと考える企業も実際には少なくありません。

・面談
オーディション型からの応募ではなく、オファー型からの誘導者に対しては、選考前に応募への動機づけが必要になります。面接ではなく、まずは面談という形でお互いのことをざっくばらんに語り合える場を設けるのが良いでしょう。

・『くどく』場としての座談会
座談会は、学生に自社の魅力や風土を知ってもらい、志望度を高めるくどきの場としても有効です。それだけでなく、面接とは異なった角度から学生の考え方や志向性を見極めることもできるでしょう。例えば対象となる学生を十分研究した上でモデル社員と触れ合わせることで「こんな人と働きたい」と思わせたり、オフィス環境が強みなら、洗練されたオフィス空間を会場にするなど、規模やテーマなどもさまざまに工夫できますので、オンラインも含め、『くどく』場として大いに活用しましょう。
 

○STEP4.『フォローする』

内定承諾がゴールではありません。入社後の活躍までがゴールです。入社までに不安にならないようにフォローを行い、必要であれば研修も企画しましょう。

内定者が離脱する大きな理由は「不安」です。コンタクトを取ってから時間が空いてしまうと内定者は不安になり、より頻繁にコンタクトを取ってくれる企業に気持ちが傾きがちです。反対に何度も連絡は来るけれど、いつもパターン化した事務連絡だけというのも気持ちが離れる原因となります。ですから、内定者フォローの基本は、入社するまで学生を放置せずに、さまざまな形で機会をつくって、内定者が求めている内容でコミュニケーションを取り続けることです。

例えば、社内外のイベントがあれば声をかけるのもいいでしょう。そのとき、スタッフの一員として参加してもらえば、社員との仲間意識を醸成させ、そのままオンボーディングに結びつけることも可能です。

また、内定者専用SNSを活用し、近況を報告しあったり、最近の会社のトピックを伝えたりすることも有効です。同期意識の醸成にも役立ちます。程良い距離感を保ちながら学生に質問したり、逆に質問を促すなど、双方向コミュニケーションを繰り返すことも大切です。そのようにして信頼関係を築きながら内定者の不安を払拭することができれば内定者の気持ちは入社へ傾きますし、入社後もすんなりと会社に溶け込み、活躍してくれることが期待できるのです。

内定者フォローの具体策としては以下のようなものがあります。

・内定者研修
・採用担当者との面談
・先輩社員との懇親会
・社内メンター制度
・内定者SNS
 

|まとめ

採用担当としては、採用戦略の策定や検討、各種スケジュール調整を優先する中で、採用フローの作成がつい後回しになったり、前年度の使い回しで作成してしまったりということもあるかと思います。また、新任の方や経験が浅い方はどこから手をつけたらいいのかとまどうこともあるでしょう。

しかし、日々の業務の中で他業務と並行しながら自社に最適な採用フローを整備すれば、その後の採用活動が把握しやすくなり、チームとして効率よく活動できるようになるのです。

ここに記載したとおりに採用活動の全体像をつかんでから、流れを4つのステップに落とし込んでいけば、簡単に採用フローが作成できます。難しく考えずに、まずはトライしてみてはいかがでしょうか。