先日、広報解禁の3月1日時点での内定率がすでに6%を超えているとの発表がありました。増え幅としては昨年の約3倍にもなると言われています。就職活動の早期化がより一層進む中、学生の動きもより複雑化しています。実際どれほど複雑化しているのでしょうか?
この記事では、2018年卒の学生の動きや活動の傾向を、2018年卒のアンケートデータを元に検証したレポート「OfferBox 就活生活動スケジュール実態調査アンケート(2018年卒)」の一部を公開します。
|いつ学生は就活を意識し始めるのか
(引用元:調査結果1:就職活動を開始した時期 – OfferBox 就活生活動スケジュール実態調査アンケート(2018年卒4月版) p4)
このグラフから、約半数の学生が夏インターンシップの時期(7月〜9月)に就職活動を始めることが分かります。半数の学生が夏までに動き出す一方で、秋から、年末の広報解禁に合わせてという学生が一定数いることも事実です。必ずしも動き出しの早い学生が優秀ということではなく、授業・ゼミ・部活などの事情で動き出しが遅めになりがちな学生もいます。先に動き出す学生に対して早めに打ち手を用意することはもちろん、後から動き出す学生の動きも把握し、その彼らの情報網にアプローチしていくことも1つの戦略です。
|夏インターンシップは有効なのか
先日、インターンシップの最低日数要件を削除したことが発表され、事実上1Dayインターンが認められました。これにより、より多くの企業のインターンシップに参加できることにもなりますので、18卒よりもさらに19卒のインターンシップ競争が激化・複雑化・多様化することが予測されます。これからは、実施するインターンシップのコンテンツを差別化するなどの工夫も必要になってくるのかもしれません。
(引用元:調査結果2:いつまでに各アクションを開始したか – OfferBox 就活生活動スケジュール実態調査アンケート(2018年卒4月版) p4)
このグラフは、全体の46.8%を締める夏(大学3年の9月以前)に就職活動を始めた18卒学生の活動傾向です。多くの学生が、夏のインターンシップをきっかけに就職活動を始めていることがわかります。
学生がインターンシップに参加する目的として、よく耳にするのは次のような理由です。
・インターンシップに参加していると有利と聞いたから
・インターンシップに参加すると、自己PRに書くことができるから
・志望業界や志望職種を絞り込む参考にしたいから
・「インターンルート」なる特別選考があると聞いたから
このグラフでもう1つ着目すべき点は、「OB・OG訪問」や「リクルーター面談」といった特別選考ルートを利用する学生が4割を超えていることです。OB・OG訪問について、3月以降の予定も含めて実施したと答えた学生は、夏グループの学生のうち44.44%。リクルーター面談について、3月以降の予定も含めて実施したと答えた学生は45.51%でした。
夏のインターンシップに参加することで志望業界を固め、秋以降は「OB・OG訪問」や「リクルーター面談」といういわゆる特別なルートの選考にシフトしているのかもしれません。「OB・OG訪問」や「リクルーター面談」以外に、特別な選考ルートに学生を呼び込む方法として「逆求人」と呼ばれるダイレクトリクルーティング型の新卒採用サービスも、種類、利用企業、利用学生ともに急増しています。
|18卒の重要な情報収集チャネルは企業との面談
(引用元:調査結果3:企業からの面談などのアプローチを経験したか – OfferBox 就活生活動スケジュール実態調査アンケート(2018年卒4月版) p13)
65%と多くの学生が「面談」などの形でのアプローチで、繋がりがない企業とも接触をしていることがわかります。中でも顕著に利用している学生が多いアプローチ方法は逆求人系のアプリやサイトを利用しています。
これまでの情報から、学生は業界や業種の絞り込みも兼ねてインターンシップに参加していることや、逆求人系就活サイトなどを通じて直接アプローチを受けた企業に、広報解禁の3月よりもずっと前から接触を受けていることが分かります。適切なタイミングで、適切な手段を使い学生に接触する、あるいは露出を増やしていくには、できるかぎり正確な学生スケジュールをタイムリーにキャッチしていく必要があります。
今回紹介した調査データの全調査結果を無料で公開しています。2018年卒の動きや傾向を把握し、2019年卒の採用計画の参考にしてください。