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【2020年卒市場動向】学生を振り向かせるには?データで考える就活生の特徴

前回は、2020年卒採用のインターンシップ市場の動向についてお伝えしましたが、その中で学生は「売り手市場」を鵜呑みにして楽観モードな層と、夏からインターンシップに参加する積極層とに二分する傾向があるとご紹介しました。また、全体的にエントリーする企業の社数が毎年減少しており、その枠に入るためにいかにターゲット学生にアプローチするか、いかにインターンシップの内容を磨くかが勝敗の分かれ目となるとお伝えしました。今回は、採用活動全般を磨いていく上で、あらためて昨今の学生の実態について詳しく見ていきたいと思います。


※本記事は「【市場レポート】どうなる? 2020年新卒採用の動向・変化予測」の一部を抜粋したものです。

 

社会の変化、テクノロジーの進化が与える学生への影響とは何か

 
2020年はオリンピックイヤーとなるわけですが、そこに向けての確かな景気回復を背景に「生産性向上/働き方改革」や「テクノロジーの活用」はいずれも実行・実用フェーズへと移ってきており、企業経営だけでなく、大学生含む人々のライフスタイルにも大きく影響を与えはじめています。
 

 
大学で議論されているのは、学生の質的多様化への対応です。進学率が高止まりし、入試形態も多様になってきたことで、総合大学における学生の多様性は増しています。中には、十分な目的意識を持って進学してきていない学生もおり、大学のキャリアセンターの課題意識はそういった学生たちにいかに能動的な選択、主体的な就活への移行を実現するかに向いてきています。低学年次からのキャリア開発支援を強化する動きはこの一環によるものです。大学におけるキャリア開発支援、就職支援でも最近頻繁にでてくるキーワード、それが「個別最適」です。
 
上記の表にもあるとおり、テクノロジーの進化は目覚ましいものがあり、すでに製品化されて日常に溶け込みはじめてきています。政府も「Society5.0」の実現を強く進めており、テクノロジーにリードされたライフスタイルの変化の速さは加速してくると考えられます。テクノロジーを用いた「個別最適」は学生にとっては当たり前になりつつあります。この学生の当たり前の変化を理解することが今後の採用活動を左右すると言っても過言ではないと考えています。
 

 

学生の就業観を一括りにしてはいけない

 
デロイト・トーマツが世界的に実施したミレニアル世代の調査において、日本のミレニアル世代(2000年以降に成人を迎える世代)について以下のような特徴を述べています。「自信のなさ」はミレニアル世代の特徴とも言え、裏返せば「承認への欲求」が高いとも考えられます。
 

 
「働き方改革」は学生の就業観にも影響を与えていることは確かです。弊社の調査の結果、半数以上の学生が「長時間労働やサービス残業があるか」(59.9%)、「ブラック企業かどうか」(56.5%)を気にしていることがわかっています。「がむしゃらに働くので働き方は気にしない」(11.8%)、「今は気にしない」(16.0%)と回答した学生は少数派であり、総じて政府や企業が進める「働き方」に対する関心は高いと考えられます。
 

 
さらに「どのような企業に魅力を感じるか」という設問に対する2018年卒と2019年卒との回答を比較すると、「安定した事業を続けている」は▲2ポイント、「知名度がある」は▲4ポイントと大きく順位を落としており、一方で、「新しいことにチャレンジしている」や「社会貢献度が高い」、「経営陣に魅力がある」といったものが2〜3ポイントずつ順位を上げている。昨今の学生を「安定志向」と一括りにする風潮は未だ健在ですが、実際は多様であることを押さえておく必要があります。
 

 
また、入社後について質問したところ、2018年卒、2019年卒ともに「活躍でき評価されればやりたいことでなくても良い」が4割以上を占める結果となっている。経年で見れば「自分のやりたいことにチャレンジしたい」が2018年卒よりも2019年卒は3ポイント増加、「まだやりたいことがわからない」も2018年卒の15%から2019年卒では11%と4ポイント減少となっています。「今の学生はチャレンジしない」、「将来について熱心ではない」という解釈は適切ではなく、むしろ逆ともとれます。
 

 

まとめ

 
いかがでしたでしょうか。ポイントを整理すると以下のとおりです。
○テクノロジーの進化がライフスタイルを変え、学生にとって「個別最適」は当たり前になってきている
○多くの学生が求めているのは「認めてもらうこと」
○企業選択の尺度は多様。一括りにすると見誤ることになる
○決め手は「評価されるか」と「活躍できるかかどうか」であって「やりたいことかいなか」ではなくなってきている
 
20年卒採用以降の成功の秘訣は、学生一人ひとりと向き合える採用活動ができるかどうか、そして企業としての魅力度をいかに高めていけるかにあるように思います。

 
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