知名度の壁と「受け身の採用」からの脱却
ー新卒採用の体制について教えてください。
a.新卒採用体制
採用チームは2名体制です。私は新卒採用と研修を主に担当しています。
b.導入以前の採用ツール・サービス
OfferBox導入前は、人材紹介をメインに使用していました。
ーどのような採用課題がありましたか。
当社は、学生からの知名度が高い企業ではないため、学生のエントリーや紹介を待つ「受け身の採用手法」では、理想の学生を採用することが難しいと感じていました。ナビサイトの導入も検討しましたが、知名度の壁を超える一手にはならないと考えました。また、応募数が多くなったとしても、私たちのような少人数の採用チームでは対応しきる工数が足りないと判断しました。新卒採用の目標人数が多くない当社だからこそ、一人ひとりにじっくりアプローチできるオファー型サービスが自社に合っていると感じました。
オファー文章にこだわり、相互理解を徹底
ーどのような理由でOfferBoxを導入されたのでしょうか。
OfferBoxの導入を決めたのは、学生登録数の多さとオファー数の制限があったことが理由です。OfferBoxは、企業が学生へ送れるオファー数だけでなく、学生が一度に受け取れる企業からのオファー数にも制限があります。この制限があることで、「なんとなく」ではなく、意思を持って精査しながら企業と会おうと決めるモチベーションの高い学生が多いことに期待したからです。
ーOfferBoxの活用方法について教えてください。
a.Targeting:自社に合った採用ターゲットの設定
はじめに、ログイン日時と、プロフィール入力率が6〜7割以上の学生に絞り込んで検索しています。積極的に就職活動をしている学生と会いたいからです。
また、対面のインターンシップを開催している期間は関東圏の学生を検索することが多いです。加えて、「20代から責任ある仕事を任せる環境」を企業選びの軸に選択している学生も検索軸に加えています。
b.Messaging:ターゲットに対して打ち出す内容の作成
OfferBoxを導入した初年度から、一人ひとりにカスタマイズした文章を添えることを徹底しています。誰にでも同じ文章を送るだけでは、オファー型サービスを導入する意味がないと考えているからです。せっかくオファー型サービスを活用するのであれば、熱意を込めてオファーを送ることにこだわってきました。
オファー文章は世の中の流行りや、若手社員の意見も取り入れながら、少しずつブラッシュアップしています。
実際に学生から「オファーの内容が嬉しかった」「自分にオファーがきた理由がわかりやすく、自信持って選考に参加できた」などの声が届くことがあるので、熱意が届いているのであれば非常に嬉しいですね。
c.Processing:採用プロセスの設計
選考は、基本的に複数回の面接と適性検査を実施しています。選考だけでなく、座談会などを通じて先輩社員とのコミュニケーションをとる機会を設けて、会社への理解を深めてもらう場を用意しています。
インターンシップは、2日間の対面形式で実施。内容は、会社紹介、グループワーク、自己分析会などです。2日間のランチ時には、さまざまな社員との交流の場を設けています。
内定を出した後、学生が入社を納得するまで期限を延長することもあります。せっかく入社しても、相互理解が浅いことが原因で、早期退職につながったり、十分に活躍できなかったりしても、お互いが幸せでないですよね。「絶対に入社してほしい」という気持ちを抑えつつ…(笑)。納得して入社してもらうために、このようなコミュニケーションを行っています。
ーどんな学生さんを採用したいですか?
「自分で考えて動ける、つまり自走できる学生」です。少数精鋭で会社も個人も成長し続ける当社だからこそ、自ら手を挙げて打席に立つチャンスが多いため、そんな学生が当社にマッチしていると考えています。
そして「何かに尖っている学生」もターゲットにしています。「全てのスキルが平均点の人」ではなく、「1つの分野に長けている人」の集団でありたいという考えがあるからです。「1つの分野に長けている人」が集まることで、1つの綺麗な円になり、成長できる組織になるという当社代表の考え方です。
ーOfferBoxのプロフィール情報で見ているポイントを教えてください。
何か1つでも一生懸命取り組んだエピソードや、成果を求めて努力したエピソードに惹かれます。スキルや条件だけではなく、その背景にある具体的なエピソードを重要視して読み込んでいます。
また、写真がある方が目に留まりやすいですね。就活らしい写真よりも、スポーツや演劇、楽器など、学生のバックグラウンドが想像できるような写真だとより人となりが想像しやすく、目に留まります。
ー面接や面談で、学生とコミュニケーションをとる際に意識している点はありますか?
就活は企業が選ぶ立場にあるのではなく、企業と学生がお互いに選び合う場だと考えています。だからこそ、誠実に嘘をつかないことを大切にしています。
面談や面接では、学生が本音で会話しているかをみています。相互理解を徹底し、学生に納得して入社してもらうことを目的としているので、良いことも悪いこともしっかり話せる学生の採用を目指しています。
知名度の壁を超えて、求めていた学生の採用を実現
ーOfferBoxを導入してみて、採用活動に変化はありましたか。
求めていた学生の採用につながっていて、毎年4〜5名ほどの採用ができています。
導入当初は、知名度の壁を超えて採用ができるのかが不安でした。熱量を込めて学生一人ひとりにオファーを送り続けた結果、「知らない会社でも見てくれるんだ」という確かな手応えに変わっていきました。
ー今後採用において力を入れていきたいポイントを教えてください。
自社とマッチする学生を採用するために、質の追求を続けていきたいです。具体的には、オファー文章や選考フローの設計です。大量採用ではないからこそ、学生一人ひとりに最適なコミュニケーションを提供することにこだわっていきたいと思います。
ー最後に、学生さんに伝えたいことありますか?
就職活動を通して、色々な企業や業界をみてください。私自身、偏った業界しか見てなかったことに後悔しています。社会人になると、仕事で関わる業界や企業のことを自分で調べることが当たり前です。説明会などで企業から直接話を聞ける時間をチャンスだと思って、多くの業界に触れてください。たとえ異なる業界で働いても、そこで得た学びや知識は、きっと将来の仕事で活かされるはずです。
そして、当社は挑戦する気持ちがある学生と親和性が高いと感じています。「成功するまでトライ」という文化が根付いている会社なので、若いうちから活躍・挑戦したい人はぜひ当社に興味を持ってくれたら嬉しいです。
