「想像と違う」をなくす。IT業界の全体像を伝えミスマッチを防ぐ採用戦略

ーどういった採用課題があったのでしょうか。

以前は、グループで実施する会社説明会と面接を組み合わせた選考フローでした。 しかしコロナ禍以降、売り手市場が加速し、会社説明会の参加人数が減少したのです。最終的には、わずか数名の学生のために大きな会議室を予約するという、非効率な状況が課題でした。
また、入社後のミスマッチのなかで最も多い理由が「入社後に任された仕事と、入社前にやりたいと思っていたことが違った」でした。
従来の採用手法では、このようなミスマッチが起きていることも課題のひとつだったのです。

ーOfferBoxの活用方法について教えてください。

a.Targeting：自社に合った採用ターゲットの設定
ターゲティングの軸はシンプルで、IT業界を志望する学生のみにオファーを送っています。IT分野に対する意欲がある学生を求めているからです。
b.Messaging：ターゲットに対して打ち出す内容の作成
オファー文は、採用コンサルタントのアドバイスを受けながら、学生のプロフィールを読み込んだことが伝わるような、個別性の高い内容を意識しています。
 

ーオファー承認〜内定までのフローはどのような流れですか。

OfferBox導入後、大人数向けの説明会を廃止し、個別対応を重視した選考フローに変更しました。
個別会社説明会では、採用担当者とエンジニアが同席する2対1の形式で実施します。約1時間のうち、会社概要やIT業界の構造、自社の立ち位置を説明します。同席するエンジニアが実際に携わったプロジェクトの実例を見てもらうことで、当社で働くイメージをより深めてもらいます。
続いて、一次面接・適性検査です。個別説明会後に選考を希望する学生のみが面接へと進みます。
そして役員による二次面接を実施し、内定の流れです。
 

ー会社概要だけでなく、業界の構造や自社の立ち位置を説明する理由を教えてください。

「面接に行ったら違った」「入社したら違った」というミスマッチが絶対に起きないようにするためです。「IT企業」といっても、企業のなかにはさまざまな仕事があります。
たとえば、委託されたものを扱う企業、自社製品を扱う企業、上流工程を専門に担当する職種などです。IT業界全体の構造を理解してもらい、そのなかで当社がどの位置でどのような役割を担う企業なのかを理解してもらう必要があります。
また、IT業界の全体像を把握することで、学生さんがIT業界のなかで、どういった仕事をしたいのかを理解するきっかけになると考えています。
 

ー学生さんとコミュニケーションをとる際に意識する点はありますか。

「親しすぎず、でも堅苦しすぎない」距離感を保つことです。特にオンライン上で話す時は、表情をしっかり作ることを意識しています。
また、IT業界の構造や当社の立ち位置を説明する際は、他社を悪く言うことは絶対にしません。学生さんがどの視点でIT業界を見て、どう働きたいかという意思を一緒に考える。そのうえで当社にマッチしているかを伝えるようにしています。
無理やり自社をよく見せたところで、結局はミスマッチが起きてしまいますからね。

ーOfferBoxを導入してみて、どうでしょうか。

OfferBoxの導入をきっかけに、個別の対応とミスマッチ解消を徹底して行うようになりました。当社の採用活動にとって大きな変化です。
個別で対応して、親密な信頼関係を築けるからか、学生が積極的に質問してくれるようになったと感じています。通常であれば聞きにくいはずの残業時間や有給取得などについても聞いてくれます。入社前の学生さんの不安を取り除く良い循環になっていると思います。
 

ーこれから採用担当として意識していきたいことは何ですか。

これまでと変わらず「ミスマッチを防ぐ」ことです。IT業界全体の構造や自社が担う工程について時間をかけて伝えて、学生の入社後の活躍をサポートしていきたいです。