採用サイトや合説イベントより応募を待っている状況で、集客目標の未達や、採用コストの増大が起きていた。
−−まずはじめに、OfferBox導入前の採用状況について教えてください。
a.新卒採用体制
採用担当者は1名、学生との日程調整などをフォローする担当者が1名の計2名で行いました。
b.従来の採用フロー
採用サイトから学生のエントリーを待ち、インターンシップ、会社説明会、選考会、内定という流れでした。
c.導入以前の採用ツール・サービス
採用サイトを3つ運用し、そのサイトが主催する合同説明会イベントに数多く参加していました。
学生と接点を持つために、京都だけでなく大阪や広島などの遠方にも出張していました。
−−どういった採用課題があったのでしょうか。
介護業界は、ネガティブなイメージが強く、そもそも応募数が少ないという問題がありました。
またせっかく応募してくれた学生に対しても1人1人に時間をかけることができなかったため、充分に魅力付けをすることができていませんでした。
更に、接点を持つために遠方出張も増えていたため、交通費や人件費などが年々高まっていたことも課題でした。
介護業界を志望している学生以外へのアプローチもチャレンジ。
−−どのような理由でOfferBoxを導入されたのでしょうか。
待っているだけでは、学生との接点数に限界があると感じ、ダイレクトリクルーティングサービスを検討する中でOfferBoxに出会いました。
ほかのダイレクトリクルーティングサービスも比較しましたが、オファーの流通制限機能があったため埋もれることなく自法人の存在を知ってもらえることができると感じましたし、プロフィールの内容から学生の熱意を知ることができ、適性診断機能から自法人にマッチした学生を採用できると感じたことが導入に至った理由です。
−−導入に際し、OfferBoxにどのようなことを期待されていましたか。
介護に興味のある学生だけでなく、介護を全く知らない学生、マッチしているけど知るきっかけがない学生、資格がないと働けないのでは?と考えている学生に対してアプローチができるのではないかと考えました。
また、学生の介護に対するネガティブなイメージをオファー文面や1対1の対話の中で払拭できるのではないかと期待していました。
−−OfferBoxの活用方法について教えてください。
a.Targeting:自社に合った採用ターゲットの設定
医療福祉業界志望はもちろんですが、「対人職」としてスーパー、飲食などの接客系、「人と関わるのが好き」の観点から人材・教育業界志望、「人に喜びを与えたい」の観点からアミューズメント・冠婚葬祭業界志望、「社会貢献」の観点から公務員・環境業界志望など、介護業界志望のみの枠に囚われず幅広く学生を検索しました。
このような業界や職種だけでなく、フリーワード検索も活用しました。例えば「老人ホーム」や「高齢者」「ボランティア経験」など。実際に過去入職してくれた職員も約8割が未経験者だったので、スキルよりも思考性がマッチしているかを重視し、検索していきました。
b.Messaging:ターゲットに対して打ち出す内容の作成
大変そう、しんどそうといった介護業界のイメージを変えることができるような内容で自法人の魅力を打ち出すようにしています。
例えば職員の約7割は20代で若手が活躍していることや、AIやICT、IoTを駆使した最先端のシステムを導入し、利用者様の安全を守ることだけでなく、働く職員の業務負担軽減にも注力していることをアピールしました。
c.Processing:採用プロセスの設計
初回の接触はオンラインで1対1の個別面談を実施。1時間~1時間半ほどじっくりお話しています。
そもそも介護業界を志望していなかった学生との面談が多いため、話す内容は介護業界の話が6割、雑談が3割、自法人に関してが1割くらいの割合です。
対面は更に学生の不安を払拭できるような内容にしており、目で見て「介護を感じる」ことができるコンテンツを用意しています。
例えばAIシステムなどを導入している施設の見学や、車椅子の体験、、階級別職員との座談会などを行い、自法人のことをより深く理解できるようにしています。
−−プロフィール情報で見ているポイントは?どんな学生にオファーを送りたいですか?
特に注目しているポイントは、「他者に対してのエピソードがあるか」です。
介護職は利用者様に対して献身的に接していくことが重要になります。
そのため、家族や友人などと関わったエピソードが含まれているかを注目しています。
−−学生とコミュニケーションをとる際に意識した点はありますか。
こちらが伝えたいことではなく、学生の知りたいことを聞きだし話すように意識しています。
福祉を知ろうと一歩を踏み出してくれた学生に対して、時間の限り誠意をもって対応しています。
−−面談・面接で学生の何を見ていますか。
スキルなどで学生を評価していませんので、100%人柄評価です。
面談ではフラットに見て判断したいので私服参加にしています。
コミュニケーション能力はもちろんですが、「相手に対して気を遣えているか」も重要視しています。
例えばオンラインであれば照明は明るいか、背景に余計なものは写っていないかなどオンライン環境でも相手に配慮ができているかをよく見ています。
−−実際にオファーした学生の印象はどうでしたか。
じっくりとプロフィールを読み込んでいるので、想像通りの学生が来てくれている印象です。
素敵な笑顔があったり愛嬌があったりと、オファーをする前の想像と違った!といったことはほとんどありません。
採用した学生の7割が元々別業界を志望していた学生に。
−−OfferBoxの効果について教えてください。
2021年卒採用は目標人数30名に対してOfferBoxから18名の採用、2022年卒は13名の採用ができています。
高い効果を得ることができており、優秀な学生の採用に繋がっています。
更には採用できた学生の7割が介護業界志望をしていなかった学生であり、今まで出会うことができなかった学生と出会えている実感があります。
−−OfferBoxを導入してみて、採用活動に変化はありましたか。
まずOfferBox導入前と比較して、会えた学生の人数が約3倍になりました。
集団の説明会やイベント、出張の時間が削減できているので、1人1人に関わる時間を増やすこともできています。
既に入職している職員もおり、以前よりもミスマッチなく働いてくれている印象を感じています。
また、学生のことを選考前の段階で深く知ることができています。
コスト面でも参加イベント数や採用チャネルの減少、出張費の削減ができており、以前と比較して約40%ほどのコスト削減に繋がりました。
−−OfferBox導入前と現在で、印象に違いはありますか。
思っていた通りのサービスだと感じていますし、期待以上に業界のイメージ払拭や自法人の目指している採用活動にマッチしていると感じています。
−−最後に、今後採用において力を入れていきたいポイントを教えてください。
OfferBoxをメインツールとして活用しつつ、現在のオファー送信数よりも少ないオファー送信数でミスマッチのない採用ができればと考えています。
採用活動を効率的にするだけでなく、学生にとっても貴重な就職活動の時間を、より良い企業さんに会う時間として活用して欲しいと思うんです。
そのために自法人として適性診断の分析などを行い、マッチした学生に注力してオファーできるようにしていきたいと考えています。