私たちが目にしているものや使っているサービスは、たくさんの仕事に支えられています。しかしその全容、特に消費者からは見えない裏側を自分一人で知ることはとても難しいことです。そこで、その裏側への知見を広げる目的で開催しているのがこの仕事マップです!!その業界で実際に働く社員の方と就活生が、テーマに関わる仕事や企業、その先の繋がりを解明し、オリジナルの業界地図を作っていくワークショップです。(ワーク内容の詳細は前回レポートをご覧ください。)
今回のテーマは「ファッション」。肌着の企画・製造・仕入れ・販売を行う片倉工業株式会社さん、繊維専門商社として提案型OEM/ODMを手がける株式会社サンマリノさん、デジタルマーケティング領域において統合的なマーケティングソリューションを提供する株式会社 Roseau Pensantさんにご協力いただきました!
実際にできた業界マップの一例はこちら。
このレポートでは、このようなマップができるまでのワーク流れを、順を追ってご紹介します。
Step1.ファッション業界レクチャー
最初に参加企業から、自社の事業や業務内容の話を交えながら、ファッション業界にはどのような仕事があり、どのような職種の人が働いているのかについてレクチャーをしていただきました。
■片倉工業株式会社さん
片倉工業さんは肌着の企画から製造、販売までを行っている会社です。片倉工業さんからはファッション業界の基本となる商流をご説明いただきました。
商流とは商品がつくられて販売するまでの流れのことで、それぞれの工程を「川上」、「川中」、「川下」という言葉で表現します。川上とは洋服に必要な糸や布といった原料を生産する工程で、川中とは川上で作られた原料を用いて商品を製造する工程です。そして最後の川下とは出来上がった商品を消費者に販売する(小売)工程を指します。
次に説明していただいたのは、2017年から販売を開始した高品質なシルクを利用した肌着である「KatakuraSilk」を例に社内の業務の流れをお話いただきました。新商品を販売するにあたっては、まずコンセプトやターゲット、デザインを社内で企画し、次に展示会で商品を展示します。展示会にお越しいただいたお客様の反応を見て、商品の生産数などを決めていきます。できあがった新商品は百貨店やセレクトショップ、あるいは片倉工業さんのECサイトなどで販売されます。
普段身に着けている洋服も様々な工程を経て、皆さんの元に届いているのですね!
■株式会社サンマリノさん
サンマリノさんは各社ファッションブランドの生産を請け負うOEM/ODM企業です。OEM(Original Equipment Manufacturing)は何をするのかと言うと、「もともとOEMという言葉自体は生産リソースを供給することを意味しますが、当社は各アパレルメーカーさんのブランドイメージに合った企画を提案し、採用していただけたら、その生産を請け負う「企画提案型OEM」ということをしています(サンマリノ 山野辺さん)」。
各アパレルで企画提案を採用していただき、デザイン、設計までを自社で担うのがODM(Original Design Manufacturing)。最近は、生産だけを委託されるOEMは少なくなってきているとのこと。ブランドで働く以外にも、デザインを行う道があるものですね!
ちなみにこのOEMやODMというものは、ファッション業界に限らず、自動車やIT業界など様々な業界でも使われている業務体系です。Apple社のiPhoneなどもわかりやすい例ですね。
■株式会社 Roseau Pensantさん
フランス語で「考える葦」を意味する社名の株式会社Roseau Pensant(ロゾパンサン)さん。今回の参加企業の中で、最も川下の「販売」に近いお仕事をされている企業です。
我々ロゾパンサンは、デジタルマーケティング全般において、主にアパレル業界のお客様の業務改善のお手伝いをしています。デジタルマーケティングというと、Web上でのマーケティング活動を思い浮かべられると思いますが、そのような狭い領域を指す言葉ではありません。「デジタル」=「Web」ではなくて、データ化された全ての領域を指します。つまり、膨大なデジタル化されたデータを使い、Web(EC)だけではなく、店舗を巻き込んだ形で、マーケティング活動を行えるということです。
例えば、あなたはあるブランドのECサイトで欲しかった在庫切れの商品をお気に入り登録したとしましょう。そのブランドはスマホアプリを出していて、あなたがブランドの店舗の近くを通った時、アプリから店舗に在庫ありのプッシュ通知を受け取ったとしたら、あなたはどうしますか?このように、デジタルマーケティング活動は、マーケティング部門のみならず、サプライチェーン、ロジスティクス、システム、営業部門とが一体となって行う活動なのです。
ファッションブランドやアパレル店舗以外にも、出来上がった商品の売上を上げるために、どうしたらいいか?を考える仕事や職種があるのですね!
Step2.ファッション業界の仕事マップの作成
■マップ作成のステップ
今、ファッション業界にある業種、職種、商品名などをマップに記入していく。
2)未来編:
将来、ファッション業界はどうなっていきそうか?予測を立ててマップに記入していく。
3社がどのように「ファッション」に関わり、どのような仕事があって、どのような企業と取引があるのかについて知識が入ったところで、実際にマップを作成していきます!
■1班のファッション業界の仕事マップ
最初は自分たちに馴染みのあるところに関するキーワードが多く出たという1班。販売促進に関わる仕事内容や業種のキーワードが多く書かれています。それ以外にも、CSRなどの会社全体のことに関わるものにも広がったそうです。
繊維の輸入をコーディネートする「乙仲」という仕事があるというのも新たな発見でした。
■2班のファッション業界の仕事マップ
1班と同じく、自分たちに馴染みのあるものを中心にキーワードを埋めていったという2班。中でも関心が高かったのが「広告という欄を新たに追加しました。ネット、テレビ、ファッション誌など、普段からこれらを見て服を買うことがあります」ということだそう。
■3班のファッション業界の仕事マップ
3班はメンバー全員が生産に関わる仕事をしたいということで、「オーダーメイドで服を作るときに計測する人が必要だよねとか、そこから派生して全部土地がいるから不動産も関わりがあるよねとか、そもそも研究開発が必要だから大学・研究所などにも話が広がり、新しいカテゴリを作っていきました」と、3つのグループの中ではもっとも枠が外に広がったグループでした。
参加学生の感想
自分たちが思っているよりもファッションに関わる仕事がたくさんあるのだと知った。興味を持った部分について、自分でもより詳しく調べていきたい。(私立大学・文系)
自分の学部がファッション業界でどう活躍するのかがイメージ出来ていなかったが、社会人の方にその部分の話を詳しく聞くことが出来て貴重な時間だった。(私立大学・理系)
この「仕事マップ」ワークショップは、今後別のテーマでも開催を予定しています。興味を持ったテーマにはぜひ参加して、より納得した就活の実現をお手伝いさせてくださいね!
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