
「自己分析ツールの診断結果って信用できるの?」
「診断結果を自己分析にどう活かせばいいのか分からない」
就活を進める中で、このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
自己分析を深めるために役立つ自己分析ツールですが、色々なものがありすぎてどれを使えばいいのか分かりづらいですよね。自分の目的に合うツールを探すのが面倒になって、結局使わずじまいになっている人も少なくないはずです。
そこで今回は、診断結果の活用方法や、おすすめの自己分析ツールについて紹介します。各自己分析ツールの特徴とどんな人に向いているのかも紹介するので、自分の目的に合ったツールをぜひ自己分析に活かしてみてください。
自己分析ツールで分かること
診断結果を自己分析に活かすために、まずはどんなことを明確にできるのかを正しく理解しましょう。自己分析ツールによって分かる要素として、以下のようなものが挙げられます。
【自己分析ツールで分かること】
- 自分の強みと弱み
- どんなタイプの人間なのか
- 価値観の傾向
- 向いている業界と職種
- モチベーションが高まる場面
- 得意なこと、苦手なこと
- 社会人としての基礎能力
自己分析ツール診断結果の活用方法
ただ単に自己分析ツールを使って診断するだけでは、深い自己分析にはつながりません。診断結果を自己分析のヒントにし、さらに自分自身の特徴を深掘りしていくことが大切です。
自己分析の最初に長所・強みを洗い出す
診断結果の具体的な活用方法としては、自己分析を始める際に自分の長所と強みを洗い出す使い方が一般的です。
強みを自分自身で正しく理解できれば、自分の能力を活かせる業界や職種を見つけやすくなるうえ、選考時の自己PRの回答にも説得力を持たせられます。
きちんとした方向性を持って就活を進めるために、まずは自己分析ツールを活用して強みを洗い出す方法がおすすめです。
自己分析結果が正しいか、確かめる
自己分析の最初に自分の強みを把握するための活用方法とは反対に、自己分析の最後に自分の分析結果が正しいかを確かめる活用方法もあります。
たとえば自分の強みは「粘り強さ」だと考えていたとしても、周りからは粘り強い人間ではないと思われているケースもあります。このような主観的評価と客観的評価の食い違いを避け、正しい分析をするために役立つのが自己分析ツールです。
自己分析の仕上げとして自己分析ツールの客観的なデータと自分の分析結果を比較すれば、強みを誤解していないか、活躍できるフィールドを間違って認識していないかなどを確認できます。
自己分析ツールを活用したおすすめの自己分析手順
1. 自己分析ツールで長所・強みに目星をつける
まずは自己分析ツールの診断結果をもとに、自分の長所と強みに目星をつけていきましょう。あらかじめ強みを明らかにしておけば、業界・企業探しや選考対策など、就活のあらゆる段階を効率的に進められます。
自己分析ツールでは自分の考えと合わない結果が出る場合もありますが、最初の段階でその強みを候補から外す必要はありません。自分では思っても見なかった診断結果が出た場合でも、まだ自覚していないだけの強みである可能性もあります。
自己分析は自分の本当の強みを明らかにするためのものなので、先入観や否定的な考えを持たず、幅広い視点での分析を心がけましょう。
2. 自分の過去を洗い出す(自分史)
自己分析ツールでいくつかの強みに目星をつけたら、次は自分の過去の出来事を振り返りながら候補を絞っていきましょう。過去の出来事を振り返る方法としては、「自分史」を作成するのがおすすめです。
自分史とは、小学校、中学校、高校、大学というような年代別に過去の経験を振り返る方法のこと。紙などに書き出して視覚的に過去の自分を見つめ直すことで、自覚していなかった強みや価値観を見つけやすくなります。
自分史で振り返る出来事は、必ずしも大きな出来事である必要はありません。友だちとの遊びや兄弟喧嘩など、どんな小さなものでも構わないので、自分が活躍した出来事や印象に残っている出来事を洗い出してみましょう。
自分史のワークシートは、以下のリンク先でダウンロードできるのでぜひご活用ください。
自己分析シート無料ダウンロード|手順や便利なツールを紹介
3. 自分の強みを過去と照らし合わせて整理する
自分の強みをある程度絞り込み、過去の出来事を洗い出せたら、今度はその強みと出来事を照らし合わせて整理しましょう。両方に共通点が見つかれば、おのずと自分の強みが明確になります。
たとえば自己分析を進めて「計画性」と「チャレンジ精神」という2つの強みが浮かび上がった場合、過去の出来事の中でどの強みがどんな場面で発揮されたのかを考えていきます。
自分の強みと過去の経験を照らし合わせることで、自分の強みをアピールする際に裏付けとなるエピソードがスムーズに出てくるようになります。
4. 周囲の人と結果をすり合わせる(ジョハリの窓)
最後に、自分なりに分析した結果が、他者からの評価と一致しているかを確認しておくとより分析の精度が上がります。家族や友人など、周囲の人から自己分析の結果に対する意見をもらいましょう。
特に、長い時間を一緒に過ごしてきた人物であれば、自分以上に自分のことを理解していることもあります。場合によっては、まだ自覚していない特徴を知るきっかけになるかもしれません。
周囲の人から意見をもらう際は、「ジョハリの窓」を活用するのがおすすめです。ジョハリの窓は誰でも簡単に使える自己分析ツールで、自分から見えている自分と、他人から見えている自分の差を把握しやすくなります。
ジョハリの窓のワークシートは、以下のリンク先でダウンロードできるのでぜひご活用ください。
自己分析シート無料ダウンロード|手順や便利なツールを紹介
自己分析ツールおすすめ一覧
おすすめの自己分析ツールを一覧で紹介します。
ツール名 | 特徴 | おすすめの人 | 質問数/時間 |
---|---|---|---|
AnalyzeU+ | 詳しいデータを得られる | 詳細なデータをもとに自己分析したい | 251問 /約20分 |
リクナビ診断 | 適職へのアドバイスが充実 | 向いている業界・職種を知りたい | 110問 /約15分 |
適性検査GPS | 手軽に診断できる | 試しにツールを使ってみたい | 23問/約5分 |
ストレングス・ファインダー | 自分の強み診断に特化 | 自分の長所がよくわからない | 177問/約30分 |
適性診断MATCHplus | 向いている業界・職種がわかる | 他の人と自分の結果を比較したい | 162問/約15分 |
キャリタスクエスト | 1分で自己分析できる | 遊び感覚で自己分析したい | 20問/約1分 |
キャリアパーク自己分析シート | 質問数が少なめ | どんなタイプの人間なのか知りたい | 36問/約10分 |
キミスカ適性検査 | 9つの観点から自分の特徴を分析できる | 多角的な視点から自己分析したい | 150問/約15分 |
FutureFinder | 社会で役立つ実践的な能力を分析できる | 信頼性の高いデータがほしい | 151問/約20分 |
m-gram | 性格診断に特化 | 自分の性格がよくわからない | 105問/約15分 |
それぞれの詳細を紹介します。
自己分析ツール1. AnalyzeU+
AnalyzeU+は、オファー型就活サイトのOfferBoxで利用できる自己分析ツールです。251の質問に答えることで、働くうえで求められる能力を、社会人基礎力11項目+次世代リーダー力14項目の他、役割思考タイプ、認知・思考スタイル、職種適性の計28項目で診断します。
質問数は他の自己分析ツールに比べて多めですが、その分かなり詳細なデータをもとに自己分析を進められるのがAnalyzeU+の特徴です。
【おすすめポイント】
- 社会に出たときに活かせる強みを詳細なデータで分析できる
- 診断結果のアドバイスを自己PR文の作成に活かせる
- 診断結果を見た企業からオファーをもらえることも
自己分析ツール2. リクナビ診断
リクナビ診断は、就職情報サイト・リクナビで利用できる自己分析ツールです。日常の行動や考えに関する約100問の質問に答えることで、自分の価値観の傾向や向いている職業を診断できます。
生きていくうえで大切にしていることや、会社や仕事に対して求めるものなど、自分の価値観を明確にできるのがリクナビ診断の特徴です。診断結果にある「仕事探しのアドバイス」の項目では、自分に向いている仕事のタイプを3つ紹介してもらえます。
【おすすめポイント】
- 自分の価値観を明確にできる
- 向いている仕事のタイプと具体的な職種を紹介してもらえる
- すべて4択で質問が出題されるのでスラスラ答えられる
自己分析ツール3. 適性検査GPS
適性検査GPSは、逆求人型の就活サイト・dodaキャンパスで利用できる自己分析ツールです。23の質問に答えることで、自分の強みや弱みなどのパーソナリティの特徴を把握できます。
診断結果の項目は、「レジリエンス(適応力)」「リーダーシップ)」「コラボレーション(協調性)」の3つ。質問数が少ない分、得られるデータも他の自己分析ツールと比べると少なめですが、手軽に診断できる点は適性検査GPSならではの強みです。
【おすすめポイント】
- 質問数が23問と少ないので手軽に診断できる
- 結果が「Sランク」「Aランク」などのランクで表示されるため理解しやすい
- 診断結果を見た企業からオファーをもらえることも
自己分析ツール4. ストレングス・ファインダー
ストレングスファインダーは、アメリカのギャラップ社が提供している自己分析ツールです。177の質問に答えることで、思考・感情・行動の反応パターンや自分の強みのもととなる才能を分析できます。
「弱みを改善するよりも強みを伸ばしていく」ことに重きを置かれてつくられた自己分析ツールなので、自分の強みを明確にしやすいのがストレングス・ファインダーの特徴です。有料で約2,000円ほどかかるツールですが、その分より詳細な診断結果を得られます。
【おすすめポイント】
- 自分の強みを明確にできる
- 就活や仕事以外の場面でも診断結果を活かせる
- 日本語で受験できる
自己分析ツール5. 適性診断MATCHplus
適性診断MATCHplusは、就職情報サイト・マイナビで利用できる自己分析ツールです。162問の質問に答えることで、パーソナリティの特徴や社会人基礎力、向いている業界・職業を診断できます。
MATCHplusの特徴は、過去の自分の診断結果や他の人の診断結果と比較しながら自己分析を進められることです。1984年の導入以来、30年以上にわたって蓄積され続けている豊富なデータベースのおかげで、信頼性の高い診断結果を得られます。
【おすすめポイント】
- 具体的かつ多角的な診断結果が出る
- 全国平均と比較して表示される
- 過去最大3回分の結果と比較できる
自己分析ツール6. キャリタスクエスト※登録不要
キャリタスクエストは、就職支援サービス・キャリタス就活で利用できる自己分析ツールです。20問の質問に答えることで、パーソナリティの特徴や自分に合った働き方を診断できます。
キャリタス”クエスト”という名前が付けられているように、RPGゲームを遊ぶような感覚で自己分析を進められるのがこのツールの特徴です。診断結果では「ごぼう軍曹」「味付けのりハンター」などの自分の性格に合うキャラが表示されるので、楽しみながら受験できます。
【おすすめポイント】
- 1分ほどで回答できる
- ゲーム感覚で楽しみながら自己分析できる
- 登録やアカウント開設が不要
自己分析ツール7. キャリアパーク自己分析シート
キャリアパーク自己分析シートは、キャリア情報プラットフォーム・キャリアパークで利用できる自己分析ツールです。36の質問に答えることで自分の強みや弱み、向いている職種を診断できます。
診断結果の項目は、「創造性」や「ストレス耐性」といった社会で求められる5つの能力。回答の傾向から自分がどんなタイプに属するのかがわかり、さらに具体的な職種も紹介してもらえるのがキャリアパーク自己分析シートの特徴です。
【おすすめポイント】
- 質問数が36問と少ないので手軽に診断できる
- 結果が「Sランク」「Aランク」などのランクで表示されるため理解しやすい
- 自分のタイプと適職がわかる
自己分析ツール8. キミスカ適性検査
キミスカ適性検査は、逆求人型の就活サイト・キミスカで利用できる自己分析ツールです。150の質問に答えることで、性格の傾向や価値観の傾向、ストレス耐性などの9つの観点から自分の特徴を分析できます。
なかでも面白いのが「戦闘力」という項目です。これは社会人としての適性を表す値で、慣れない環境への適応能力を測る一つの指標になります。そのほか「虚偽回答の傾向」といった項目もあり、独特の評価項目を楽しみながら自己分析を進められるのがキミスカ適性検査の特徴です。
【おすすめポイント】
- 質問が多いわりに所要時間は15分程度
- 独特の評価項目を楽しみながら自己分析を進められる
- 診断結果を見た企業からオファーをもらえることも
自己分析ツール9. FutureFinder
FutureFinderは、主に新卒・20代の就職支援を強みとする株式会社ジェイックで利用できる自己分析ツールです。心理学統計に基づく151問の本格的な自己分析によって、自分の強みを活かせる企業を探すことができます。
分析できる特徴は「マッチする組織風土」や「得意な組織行動」など、非常に広範囲にわたります。自分と企業の相性を見極めるための実践的な能力を分析できるのが、FutureFinderの特徴といえるでしょう。
【おすすめポイント】
- 科学的分析手法を用いているため診断結果の信頼性が高い
- 企業選びに役立つ実践的な能力を分析できる
- 診断結果を見た企業からオファーをもらえることも
自己分析ツール10. m-gram(エムグラム)
m-gramは、日本と韓国で1,100万人を超えるユーザーに利用されている自己分析ツールです。105問の質問に答えることで、自分を構成している8つの特徴的な性格を診断できます。
m-gramでは性格の要素が「#感受性高め」「#主張が強め」といった60種類のハッシュタグに分類されており、ひとりひとりの回答に合わせて異なる組み合わせの結果が出るのが特徴です。
【おすすめポイント】
- 就活や仕事以外の場面でも診断結果を活かせる
- 無料コンテンツと有料コンテンツがそれぞれ用意されている
- 登録やアカウント開設が不要
自己分析ツールに関するよくある質問
不安を解消して自己分析ツールを就活にうまく活かすためにも、以下の内容をチェックしておいてください。
自己分析ツールは無料と有料どちらがいい?
無料と有料でわかる項目は大きく変わらないため、無料の自己分析ツールでも十分です。大手就活サイトが提供する無料の自己分析ツールはユーザー数が多く、蓄積されているデータも多いので高い信頼性が確保されています。
どうしても有料の自己分析を使ってみたい場合でも、まずは無料のものを試してから有料のものを使うか考えるのがおすすめです。
自己分析ツールの結果は信用できる?
信頼性の高いデータを得るためには、質問数の多いツールや、多くのユーザーが利用するツールを選ぶことが大切です。質問数が多ければ詳細に分析できますし、多くのユーザーが利用していれば、豊富なデータベースのおかげで診断結果がより精確になります。
自己分析ツールを試しに使ってみたい場合は手軽に診断できるもの、より精確なデータが欲しい場合は質問数の多いツールや多くのユーザーが利用するツール、といったように目的に応じて使い分けてみてください。
自己分析ツールの入力内容は悪用されない?
悪用されることは基本的にはありませんが、どうしても心配な場合は上場企業が提供するツールや、登録・アカウント開設不要のツールを利用するのがおすすめです。
【上場企業が提供するツール】
・AnalyzeU+(株式会社i-plug)
・リクナビ診断(株式会社リクルートホールディングス)
・キャリアパーク自己分析シート(ポート株式会社)
【登録・アカウント開設不要のツール】
・キャリタスクエスト
・m-gram(エムグラム)
自己分析ツールでどこまで自分のことが分かる?
就活に役立つ手段であることは間違いありませんが、自己分析ツールの診断だけで自己分析が完結することはありません。信頼性の高いデータとはいっても、やはり自分のことは自分が1番わかっているものです。
そのため自己分析ツールの診断結果を見て満足せず、あくまでも自己分析を深めるための手段の一つと捉えることが大切です。診断結果を参考にしつつ、強みや弱み、価値観の傾向を自分の力で明らかにしていきましょう。
まとめ
以上、自己分析ツールの活用方法や、おすすめの自己分析ツールについて紹介しました。
ツールを使って自己分析を進めることには、自分の強みや弱み、価値観の傾向を明らかにする以外に、向いている業界・職種を診断できるメリットもあります。やりたいことが決まらないままなんとなくで就活を進めないためにも、まずは自己分析ツールを使って自分自身のことを正しく理解しましょう。
自己分析ツールには、ゲーム感覚で受験できるものや性格診断に特化したものなど、さまざまな特徴を持ったものがあります。今回紹介した内容を参考に、自分の目的に合った自己分析ツールをぜひ活用してみてください。