企業の採用試験では、面接などのほかに「適性検査」が実施されることがあります。
適性検査とは、文字通り、「どういった仕事に適性があるか、どのような行動を取る傾向があるかなどを測るテスト」のことです。
適性検査として有名なのが、リクルートマネジメントソリューションズが販売するSPIや、日本エス・エイチ・エルが販売する玉手箱です。
非常に多くの企業で使われています。しかし、適性検査はSPIや玉手箱以外にもあります。
数ある適性検査の中で難解とされているのが「TG-WEB」です。近年、幅広い業界で実施企業が増えています。
実施企業はSPIや玉手箱に比べると多くありませんが、日系の大手金融や外資系企業などの有名難関企業で出題されることもあります。
OfferBoxは、就活生の約24万人(※1)に利用されている新卒逆求人サービスです。
OfferBoxに登録するプロフィールや自己PRがES(エントリーシート)の代わりになるため、効率的に就活を進めることができます。
また、登録企業数は約19,242社(※2)で、大手から中小・ベンチャー企業まで幅広い企業に登録されていることも特徴です。
効率的に就活を進めたい方は、ぜひ活用してみてください。
(※1) OfferBox 2024年卒利用実績データより
(※2)当社アカウントを開設した企業数で、直近で利用していない企業含む(2024年10月時点現在)
就活におすすめ!人気記事
就活面接の質問集|対策・コツをマナーから回答例まで解説
頻出質問例をおさえて、面接の準備を進めよう!
無料の適性診断AnalyzeU+の結果から自己PRをつくる方法
251問が無料で受けられて、28項目の診断結果がもらえる!
逆求人とは?就職活動で利用するメリットやポイントを解説
やりたい仕事をこれから見つけたい人必見!企業が自分を見つける就活とは?
自分に合う企業に出会いたい人は、OfferBoxに登録
OfferBoxは、自己PRなどのプロフィールを充実させれば、企業の方からオファーが届きます。
利用企業は、一斉送信することなく、一人ずつプロフィールの内容を見てオファーを送信しています。
思いがけない企業から、意外な仕事のオファーが来るかもしれません。
目次
Webテストの「TG-WEB」って何?どんなテスト?
ヒューマネージという人事コンサルティング会社が、企業向けに販売しているもので、SPIや玉手箱と同様に「知的能力」と「性格適性」を測定します。自宅のPCで受けるタイプのWebテストですが、テストセンターで実施するタイプのものもあります。
難易度が比較的高く、高校や大学で習うのとは違う、なじみのない問題も出題されるため、「初めて見たときは戸惑った」という感想が多く聞かれます。しかし、一度解き方を知っておけばその心配はありません。あらかじめ対策しておくことが重要です。
TG-WEBにはどんな問題が出る?
では、具体的にTG-WEBがどんなテストかを見ていきましょう。
TG-WEBのテスト形式
TG-WEBのテスト形式は、主にWEB方式、テストセンター方式、オンラインAI監視型WEBテスト方式の3種類があります。WEB方式では、自宅で受験することができます。この方式は、企業から送られてくる指定のURLを自宅のパソコンでアクセスして受験をします。
テストセンター方式では、会場に行き受験をします。この方式では、指定された専用のテスト会場に行き、そこにあるパソコンでWEB方式と同様に試験を受けます。AI監視型WEBテスト方式は、監視機能があるWEB試験です。受験方法はWEB方式と同じですが、AIが受験中に不正やカンニングなどの行為をチェックします。
従来型と新型の違い
TG-WEBには、従来型と新型の2種類があります。従来型の特徴は、問題数が少なく、解答の目安時間が長いのが特徴です。問題内容は、他の筆記試験とは違い、比較的難しい問題が出題されることがあります。
一方で、新型の特徴は、従来型と異なります。問題の数が多く、回答の目安時間が短いことが特徴です。新型のTG-WEBでは、従来型のような難しい問題は少なく、比較的簡単な問題を要領よく解くことが求められます。
TG-WEBの出題内容
TG-WEBは、大きく4つのジャンルで構成されています。
【1】 言語問題
【2】 非言語問題
【3】英語問題
【4】性格適性検査
言語問題では長文読解や空欄補充などが出題されます。非言語問題は、特殊な問題が多く、展開図や推論、またこの後紹介する暗号を読解する問題などで構成されています。
言語問題、非言語問題ともに、難易度が高いですが、問題数はあまり多くはありません。
なお、テストセンターでは、英語適性検査が行われることもあります。
言語問題
TG-WEBの言語問題は、従来型と新型で出題形式や内容が全く異なります。TG-WEBの従来型では、12分間で12問の問いに対して解答します。抽象的で難解な文章を読み筆者の主張や文章の要旨を答える文章読解や文章の空欄に接続詞や熟語、二語補充を埋める空欄補充、そして、文章の並べ替えが出題されます。
一方でTG-WEBの新型では、7分間で34問の問題に対して解答をします。新型のテストでは、同義語や対義語、ことわざなどの問題が出題されます。この形式は、一問一答の形式で問題の難易度はそこまで高くありません。しかし、短時間で多くの問題を処理することが必要になります。TG-WEBの従来型と新型の言語問題の出題内容は全く異なるため、自分がどちらのテストを受験するか見極めることが重要です。
非言語問題
TG-WEBの非言語問題も、従来型と新型で出題形式や内容が全く異なります。TG-WEBの従来型の非言語問題では、18分間で9問の問題に解答します。出題内容は、ウソつき問題など推論や図形の展開図や立体図、暗号、集合の問題などです。これらは、これまで数学を勉強した学生にとっては馴染みのない問題でレベルも難易度が高いことが特徴です。
一方でTG-WEBの新型では、8分間で36問の問題に解答をします。出題内容は、四則演算や図表の読み取りなどが出題されます。このタイプは、従来型と異なり、問題のレベルが易しいですが、短時間で多くの問題を処理することになります。
英語問題
TG-WEBの英語問題は、従来型と新型ともに同じ形式になります。どちらの形式も、15分間で10問の問題に対して解答します。1つの長文に対して5問ずつ、合計2つの長文が出題されます。質問内容は主に、言い換え問題、空欄補充、読解の3種類です。言い換え問題では、下線部で引かれている英単語の同義語を選ぶ問題があります。空欄補充の問題では、空欄の前後の単語や文章から、単語や熟語を選択する問題です。読解の問題では、英文を読み本文と合致する選択肢を選ぶ問題になります。
英語問題の出題レベルも比較的高く、言語や非言語の問題と同様に短時間で多くの問題に答えます。そのため、TG-WEBの英語問題は難易度が他の筆記試験よりも高くなります。このようなことから、英語が苦手な受験者は、早めにTG-WEBの英語試験の対策を始めることが必要です。
性格適性検査
TG-WEBの性格適性検査も従来型と新型ともに同じです。他のWebの性格適性検査とは異なり、解答する数が非常に多く、一貫性を求められます。この適性検査の最大の特徴は、企業が見極めたいポイントや特性によって検査の出題内容が変化することです。
そのため、企業は自社の求める人材をより的確に見分けることができます。この試験の性格適性検査は、下記のとおり7種類あります。
A8:成果を出す能力があるかどうかを測定
CAM:人や組織への性格を測定
CP:仕事の成果につながる性格(キャリアパーソナリティ)かどうかを測定
G9:ストレス耐性を測定
T4:意欲的に仕事に取り組めるかを測定
Vision:会社と受検者がマッチするか・適応度を測定
W8:社会性を測定
これらの中から、企業が求める人材像に照らし合わせ出題されます。そのため、対策することが他の試験の性格検査よりも難しい傾向があります。
TG-WEBはこんな問題が出る【非言語問題のイメージ】
非言語問題の例として、「暗号」のイメージ問題を見てみましょう。
TG-WEBの暗号問題では、言葉を「ローマ字で表す」「数字で表す」「英語で言い換えて、さらに暗号化する」といったパターンがよく出題されます。
この問題は「ローマ字で表す」パターンの例になります。
解法としては、どのパターンでも、
- 例示されているものから法則性を見出す
- 解くべき暗号を解読する
というステップになります。
実際に解いていきましょう。
暗号を解くためのヒント
- 文字数を確認する
- 繰り返し出てくる文字に注目する
- 母音・子音がどう表現されているかを整理する
まず文字数を確認すると、「ぶつり」は6文字、「せかいし」は8文字の暗号となっていることから、この例では英字の小文字と大文字を組み合わせて、1つの音を表す暗号となっていると推測できます。
また、「ぶつり」では「X」が2度、出てきます。「ぶ」「つ」いずれも母音が「ウ」で終わるものがXで表されているようです。
同様に考えて、「ぶつり」「せかいし」で「Y」が3度、出てきます。「り」「い」「し」いずれも母音が「イ」のものです。
これをヒントに考えると、「せ」は「W」、「か」は「Z」で終わっていることから、母音は
ア→Z イ→Y ウ→X エ→W
と表されていると想像できます。
ここでははっきりとは分かりませんが、「オ」は「V」かもしれませんね。
では、与えられた設問を考えてみましょう。
「かがく」は「か」「が」がア段、「く」がウ段ですので、「Z」が2度、「X」が1度出てくることになります。
選択肢を見てみると、その条件を満たすのは、「2 dZeZnX」「4 nZeZnX」「5 oZlZgX」です。
3つに絞られました。
ここで、最初の例文を見てみると「せかいし」に「か」が出てきます。2文字目ですから「か」は「nZ」と推測できます。3つの選択肢のなかで「4」のみ、「nZ」が出てきます。したがって、正解は
「4 nZeZnX」
です。
この暗号の場合、アルファベットと五十音の関係は下記のようになっています。
ですが、すべての暗号を読み解かずとも、正解を導き出すことができます。
問題文や選択肢を、注意深く見るようにしましょう。
なお、他の選択肢は以下のようになります。
1 oWoYeV えいご
2 dZeZnX ざがく
3 lYeZnX ちがく
5 oZlZgX あたる
「暗号」はSPIや玉手箱では出題されないジャンルです。
TG-WEBでは「暗号」のほかにも、「立体の展開図」や「図形の軌跡」などが、難しいレベルで出題されます。
初めて目にすると戸惑いが大きいかもしれません。市販の問題集などで、しっかり解法をおさえておきましょう。
TG-WEB攻略のノウハウ【攻略のポイント】
どの適性検査にも共通して言えることですが、押さえておきたいポイントを紹介します。
志望企業がTG-WEBを使っているか、情報収集をする
自分が受ける企業が、TG-WEBを使っているのかどうか、インターネットで調べたり、先輩に聞くなどして、情報収集をしましょう。
TG-WEBは難解で対策が必要なテストですが、SPIや玉手箱ほど使用企業は多くありません。やみくもに勉強するのではなく、きちんと調べてから対策を始めるようにしてください。
選考スケジュールを確認する
自分が希望する会社の選考フローを確認して、どのタイミングでTG-WEBを受験するのかを確認します。なぜなら、効果的に筆記試験の対策をすることができるからです。どのタイミングで筆記試験があるかどうか理解することができれば、それに合わせて筆記試験の準備をすることができます。
自分が筆記試験が得意だと判断できたら、試験対策を遅らせることや、苦手だと感じたら、就活する初期の段階で筆記試験対策をすることができます。このように選考フローを確認することで、効率的なテストの対策をすることができます。
出題傾向をチェックする
試験の出題傾向を確認することも大切です。なぜなら、効率的にテスト対策をすることができるからです。この試験は、言語、非言語、英語そして、性格適性検査の4種類から構成されています。
言語や非言語、英語、性格適性検査の各分野でどのような問題が出題されるのかを確認し、自分の得意不得意分野を把握して、効率的にテストの対策をしていきましょう。
問題集で、解法パターンを覚える
自分が受ける企業でTG-WEBが課される可能性があると分かったら、TG-WEBが掲載されている問題集で練習しておきましょう。
問題集は、最新の情報に更新された本を使用すべきです。
できれば、先輩から譲られたものや、古本は避けたほうがよいでしょう。
TG-WEBの出題ジャンルはSPIや玉手箱に比べてそれほど多くないため、逆に対策がしやすいです。
何度も解いて解法パターンを覚えれば対応できるでしょう。
問題を記録しておく
受検したら問題をメモに残すなど、記録に残しておきましょう。
ややグレーゾーンに入る行為ですが、友達とどんな問題が出たかを共有するという方法もあります。
なお、スクリーンショットとして画像が保存できないようになっています。
とにかく回答しておく
SPIの一部では「誤謬率(ごびゅうりつ)」といって、間違えの割合がはじき出されます。
そのため、でたらめに回答することは避けるべきです。
しかし、TG-WEBでは、誤謬率は測っていません。答えられない問題が出てきた場合や、回答時間が足りない場合でも、とにかく回答しておいたほうがよいでしょう。
自宅受検は電卓、テストセンターは筆算に慣れておく
自宅で受けるTG-WEBの場合、計算に電卓を使うことができます。メモ用紙も用意して、スピーディーに解けるよう、電卓の使い方に慣れておくとよいでしょう。
逆にテストセンターで受けるタイプのTG-WEBでは、電卓を使うことができません。あらかじめ筆算で解く練習をして慣れておくとよいでしょう。
TG-WEBのおすすめ参考書
TG-WEBの参考書と言えばどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、一例としてTG-WEBのおすすめ参考書3選を紹介します。紹介した参考書でTG-WEB対策の参考にしてください。
これが本当のWebテストだ!【TG-WEB編】
「これが本当のWebテストだ!【TG-WEB編】」は初のTG-WEB専用の参考書です。性格適性検査を含む、全ての問題に丁寧に解説があり、TG-WEBの問題の全体像を把握することができ効率的に学習ができます。
この本はTG-WEBの再現問題と解説が掲載されているため、TG-WEBを初めて勉強する方に特におすすめです。
スピード攻略WebテストTG-WEB
「スピード攻略WebテストTG-WEB」は分野別の解説と実力模試から構成されており、実力模試では旧型と新型の2つの問題タイプが掲載されています。
この本では素早く解答するポイントやコツが掲載されているため、TG-WEBをある程度勉強している方におすすめです。
Webテスト2 【TG-WEB・Web-CAB・WEBテスティングサービス】完全対策
Webテスト2 【TG-WEB・Web-CAB・WEBテスティングサービス】完全対策は、TG-WEBだけではなくて他の筆記試験の問題も掲載されています。TG-WEBの問題や解説もありますが、他の参考書と比較すると解説が簡潔です。
より多くのTG-WEBの問題を解答したいという、中級者以上の学習者におすすめの本です。
企業が就職試験にTG-WEBを導入する理由
企業はなぜ就職試験にTG-WEBを導入するのかご存知でしょうか。ここでは、企業が就職試験にTG-WEBを導入する理由について詳しく説明します。この試験を導入する意図を把握し、企業に求められるよう試験を乗り越えましょう。
欲しい人材を見極めて採用活動を効率化するため
企業が就職試験にTG-WEBを導入する理由の1つは、欲しい人材を見極めて採用活動を効率化するためです。大手企業や人気のある企業は、倍率が100倍を超えることもあります。その応募者全員を面接することは、時間や費用の面で非常に難しい状況です。
そのため、企業はこのテストを実施して、自社の求める人材像に近い学生を見分け、より優秀な学生を絞り込む必要があります。
ストレス耐性を見て社員の早期離職を避けるため
TG-WEBにてストレス耐性を確認し、社員の早期離職を避けることも1つの理由です。令和3年度の厚生労働省の調査によると、大卒の3年未満の離職率は約3割以上になります。このように早期離職を防ぐために、採用選考の際での見極めが大切になります。
多くの面接官はESや面接からでは、ストレス耐性があるかどうかを判断するのは非常に困難です。そのため、TG-WEBなどの試験を用いて客観的な指標で応募者のストレス耐性を測定します。
性格を測定して適切な人材配置をおこなうため
性格を測定して適切な人材配置をすることは、企業が就職試験にTG-WEBを導入する理由となります。会社内の職種や部署ごとに求められる資質や能力が異なります。応募者の性格を面接で評価することは、面接官の主観が入る可能性があり、適切な人事を実施することが難しいかもしれません。
しかし、TG-WEB試験を使用することで、客観的にその本人の性格を測定することができます。そのため、客観的なデータから効果的な人材配置をすることができます。
TG-WEBに関するよくある質問
TG-WEBでどのようなことに悩みや不安があるでしょうか。ここでは、TG-WEBに関するよくある質問にお答えします。疑問を少なくして、安心した状態で試験に挑みましょう。
替え玉受験ってバレますか?
替え玉受験はバレる可能性が高いため、絶対にやめておきましょう。WEB試験での結果とエントリーシートの記述内容や面接の受け答えで矛盾し、替え玉受験が露呈してしまう可能性があります。
また、テストセンター方式やオンラインAI監視型WEBテスト方式では、受験をする際に、身分証明書を提示したり、PCのカメラを使用して不正対策がされています。
TG-WEBの合格ラインはどれくらいですか?
TG-WEBの合格ラインは、企業によって異なり非公開となっています。外資系企業や大企業など人気があり、応募者が非常に多い企業などは、筆記試験の合格ラインが高い可能性があります。
友人と一緒に受験しても大丈夫ですか?
お互い協力行為など不正をしなければ、友人と同時受験することは問題ありません。しかし、オンラインAI監視型の場合は、友人と一緒に受験をしたらカメラで写ってしまう可能性がありますので、注意をしたほうが良いでしょう。
TG-Webに関するまとめ
TG-WEBは、SPIや玉手箱同様に就職活動の適性検査として受験する可能性が出てくるでしょう。今回ご紹介したテスト形式や攻略のポイントなどを参考に、今後の就職活動にぜひ活用していきましょう。