就活でつい「嘘」をつきたくなってしまった時の思考変換法

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「嘘」とまではいかないものの、「自分をよく見せようとして話を盛ってしまった」という経験は”失敗談”として語られます。ではなぜ、先輩就活生は嘘や盛った話を”失敗”と捉えているのでしょうか。

それを紐解けば、「嘘や盛った話は不要だ」ということがお分かりいただけるかと思います。

まずは、現在、社会人として活躍する方に、「就職活動中にどんな嘘をついてしまったか?なぜ嘘を不要と感じたか?」などについて、語っていただきました。

嘘つかず よかったと思う 入社後に

はじめまして!

私も就職活動で嘘をついてしまった経験があります。

技術職志望だったので、その企業のエントリーシートに、”分析機器について経験年数を2年、人に教えられるぐらい”と嘘を記載して提出してしまいました。「これくらいの嘘なら大丈夫だろう。」という気持ちでしたが、1次面接を通過してみると「嘘をついたままでいいのか」という後悔の気持ちが芽生えました。

迷った結果、面接中に「実はエントリーシートに嘘を書きました。大変申し訳ございません。」と謝罪しました。

すると、面接官から「しかし結構話を盛ったね(笑)」と言われ、笑い話となりました。雰囲気が悪くなることはなく、落ち着いて面接を受けることができ、結果として内定を貰って入社することができました。

入社後、半年ぐらい経ったころに当時の面接官に呼ばれ、「今度からこの分析機器を担当してもらうから、使い方とか勉強しておいてね」と指示されました。もし嘘をついたまま入社していたら、と思うとゾッとします。「あの時、正直に話しておいて良かった」と思いながら使い方の勉強を始めました。

つまり、嘘をついたまま入社をしていたら、損するのは自分だったというわけです。この経験を踏まえ、就職活動における嘘について考えていきましょう。

嘘をつくことにメリットは無い

嘘をつくことにメリットは無い

 

なぜ嘘・話を盛るという選択をしてしまうのか

就活の準備をしているうちに、「自己PRやガクチカでアピールすることが見つからない」「資格を持っていない」ということに焦る人は多くいます。

そんな時に、「嘘をついたり話を盛ることができたら、どんなにラクか…」という考えに陥ってしまうのかもしれません。また、集団面接などで、他の人の回答を聞いているうちに、自分の経験がちっぽけに思えてきて、つい話を盛ってしまったという学生もいます。

それを繰り返していくことで、前述の経験談のように、いつしか嘘をつくこと自体に躊躇がなくなり、「大丈夫か(バレそうか、バレなさそうか)」という判断軸になってしまうのです。

就活での嘘はメリット無し

不安感から少し話を盛ってしまいたくなる気持ちはわかります。ですが、就活での嘘はNGです。たとえ、小さな嘘・少し盛っただけだから大丈夫、と思っていても相手は採用のプロ。何十人、何百人、下手すると何千人の学生と接してきた採用担当者もいます。

実際、リクナビが運営する「就職ジャーナル」というメディアによると、7割を超える面接官が、就活生の嘘や盛った話に気付いているというデータがあります。

緊張している中でとっさに嘘をつくのは難しく、目線が泳いだり、声が上ずったり、態度に出やすいものです。また、提出した書類に嘘が多い場合、面接中の質問に対する回答と合わない部分が多くなるため、嘘がバレやすくなります。「少しでも気になったら矛盾点を質問してみる」という人事担当者も多いようです。

嘘がバレてしまうと、心証としては最悪です。「嘘をつく人と一緒に仕事はできない」「嘘が多くて弊社との適性が判断できない」と次のステップに進めなくなります。

もし面接の場では嘘がバレなかったとしても、最初の経験談のとおり、入社後に自分の首を絞めてしまう可能性もあるのです。

そもそも嘘をつく必要はない!

そもそも嘘をつく必要はない!

嘘をつきたいと思った時はチャンス!

なぜ嘘や話を盛るという選択をしてしまうのか、という章でも触れましたが、嘘をつきたいと思うのは、自分自身で何かが足りていないと感じているからです。そんな時は、最大のチャンスだと思いましょう!

つまり、嘘をついたほうがいいのでは…と思った時は、こんな風に考えてみて欲しいのです。

①自己分析や企業研究が足りていない

②アピールポイントが間違っている

この視点を持つことで、あなたの就活はグッとよくなります。ここからは具体的な思考方法をみていきましょう。

嘘をつきたくなってしまったときの思考変換法

就活の基本は、自分と相手を知ることです。そして、内定がゴールではないので、入社後、生き生きと働くことができるかという視点をもつべきです。その視点で、話を盛りたいな、と思ったときの思考の変換方法を考えていきましょう。

①自己分析や企業研究が足りていない

例えば、TOEICやTOEFLの点数が企業が求めているものより低い場合、少しだけなら…と点数を盛ってしまいたくなることもあるかもしれません。ですが、企業は、英語力が業務に必要なので、そのような制限を設けているのです。

その嘘をついて、入社後に困ることはないでしょうか?もしそのレベルに追いついていないなら、業務を行うことができるのでしょうか?

どうしてもこの企業に入りたいという思いに囚われず、自己分析をしっかりやり直し、「どのように働きたいか」「生き生きと働ける企業なのか」をイメージしてみましょう。

逆に、点数が少し足りなかったため、面接で実際に英語で会話をしてみたら、点数よりも会話力が高く、全く問題がなかった!ということで内定を得た学生もいます。嘘をつかなかったことで、企業も突っ込んで質問することができ、業務に対する適正が判断できたという事例です。

つまり、企業にとって大事なのは、ビジネスレベルの会話ができるのか(もしくはできる可能性が高いか)ということなのです。企業の立場になって考えること、自分が生き生きと働くためにどういう会社を選ぶかを考えるだけで、自ずと答えは出てきます。

②アピールポイントが間違っている

学園祭で「500個売り上げた」というところを「1000個売り上げた」というような、数字を少しでも多くしようとする嘘はどうでしょうか?

確かに500と1000では見た目のインパクトは違います。ですが、企業で使われる単位と、学園祭の単位は違うのです。例えば、毎日100万個もの商品が流通している企業だったとすれば、500でも1000でもどちらも大差はありません。

なにより、企業が知りたいのはそのような実績ではありません。学生時代に得られる実績は、それほど大きなものではないことが多いからです。

最も大事なことは、「どのように考え、どのように行動したか」なのです。

例えば、学園祭の来場者が〇万人。出店数は〇件。そこで、来場者の〇%である500人に来店いただけることを目標として、達成した。達成要因は、〇〇なことを行ったからだと思う。など、実績に嘘をつかなくても、語れることはたくさんあります。むしろ、企業としては、目先の数字にまどわされず、しっかり考えられる学生だと思ってもらえるのではないでしょうか。

アピール力が弱いから実績を盛ってみようかな、とふと思ってしまった場合は、ぜひアピールポイントを変更するという視点をもってみてください。

まとめ

本記事では就職活動での嘘について解説してきました。

就活での嘘はメリットはひとつもありません。頭では分かっていても、つい話を盛りたくなってしまうのは、それが「ラクにアピールできる」に感じるからです。それは、誰にでもあることです。

ですが、嘘や誇張をしたくなってしまった場合はチャンス!一度立ち止まって、そのアピール方法が正しいのか、他に方法はないのかなどを考えてみてください。そうすることで、あなたのアピール力を高めるきっかけになります。

それが就活の近道であることを忘れないようにしましょう。