年間約500名の学生と面談をしている筆者が、就職活動を始めた、もしくは始めようとしている文系の方とお話をしていると「文系だからアピールできることが少ない」「専門的なスキルを学んでいる理系と比べて、就職できる会社が少ないのではないか」という悩みをよく聞きます。
たしかに専門性の違いはあるものの、応募できる職種は理系とほぼ同じだったり、アピールできることもたくさんあったりと、実は理系と比べて不利ということは間違った考えなのです。この記事では、理系と比べた文系の就職事情から、文系の就職活動の仕方まで徹底解説します!
目次
文系より理系が有利と言われる理由
まず、文系より理系が有利と言われる理由はなんでしょうか?
この章では、文系より理系が有利と言われる理由と、実は企業が学生に求める資質・能力は文系と理系で大きく変わらないことをお伝えします。
理系の専門性の有利はたしかにある
理系学生の特徴として、専門的なスキルを保有していることがあげられます。
もちろん、文系でもゼミや研究室に入って研究している学生もいます。しかし、理系の方が研究室に入ることが必須になっている学部学科が多いため、ゼミや研究室に入って専門的な分野を研究をしている学生が多いです。
そのため、機械・電子系や土木系など、仕事に直結する専門的なスキルを求められる職種では、理系の方が有利に働くことはあるでしょう。
就活時期の違い
就職活動の時期の違いから、理系が文系より有利と感じる方もいます。
特に専門的なスキルを活かせる職種に就職する場合、学部生で言うと大学3年生、大学院生で言うと大学院1年生の時点で就職活動が終わっている人は少なくありません。研究で忙しくなる前に、就職先を決めてしまいたいという人が多いのも、理系の活動時期が早い理由の1つです。
一方で、文系の就職活動開始時期は一般的に学部生で言うと大学4年生になる直前、大学院生で言うと大学院2年生になる直前です。
大学3年生、大学院1年生の3月に情報解禁があり、活動を始め、次の年次の6月から内定がで始めるというケースがほとんどです。
実際は活動する時期が違うだけなのですが、早くに就職活動を終えられる理系の方が文系より有利と感じる方もいるでしょう。
研究室単位の推薦
かつては理系のほとんどの学生が活用していたとさえ言われる研究室単位の推薦。内容としては、大学や教授が繋がりのある企業の求人から選んだものに対して、研究室の教授の推薦を添えて応募するものです。企業からの内定が出る率が高く、学生の辞退もほとんどないため企業と学生にとってお互いがWIN-WINの方法でした。
現在はどれくらいの学生が使用しているのでしょうか。
面接まで進んだ企業への応募ルートに関する下記グラフをみると、推薦応募も28%ほどいるものの、就職サイトを通じた面接がメインになっていることがおわかりいただけるかと思います。
【図表】面接まで進んだ企業への応募ルート 出典:ProFuture株式会社/HR総研(https://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=275)
企業が学生に求める資質・能力は、文系・理系でほとんど変わらない
上記で文系より理系が有利と言われる理由を見てきましたが、実は理系も自己応募で文系と同じような就職活動をしていることがわかりました。つまり、専門性を求められている仕事に応募する以外の人は基本的に同じ就職活動の方法になるのです。
つまりは、企業が学生に求める資質や能力は専門性で理系に求めているものはあれど、それ以外は文系・理系でほとんど変わらないということになります。
大前提として、企業が新卒に求めているものは即戦力ではなく、企業で働いた際に活躍してくれそうなポテンシャルがあるかどうかです。
ポテンシャルを見極めるポイントとして、以下のようなポイントをみていることが多いです。
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- つまずいた時、失敗した時に乗り越えられそうか
- 社内外を問わず、問題なくコミュニケーションがとれそうか
- 活かせそうな能力と応募している職種がマッチしているか
- 社風に合うか
下記記事には企業がポテンシャルを見極めるうえで、さらに具体的な質問が載っているのでよろしければ参考にしてみてください。
【例文付き】面接でよく聞かれる質問と具体的な解答例
文系の就職事情:職種編
前の章で文系と理系で、企業が基本的に学生に求める資質・能力は変わらないことをお伝えしました。それでは実際に、文系が応募できる職種としてはどういった職種があるのでしょうか。
この章では、一般的に文系向きと言われる職種から、理系向きに見えるけれども実は文系にも向いている職種まで具体例を用いてご紹介します。
応募できる職種は理系とほぼ同じ
実は理系と文系で応募できる職種はほとんど変わりません。なぜなら、前述したように、企業が求める基本的な資質・能力は同じなので、文系か理系どうかは関係ないからです。
日本の新卒採用は、学生を1から育てようとする傾向が強くあり、一部の専門職を除き、在学中の資格やスキル取得を求めない職種がほとんどです。
「私は文系だから、営業職か事務職のどちらを選択しようか迷う」というお声も日々いただくのですが、営業職と事務職以外にも応募できる職種はたくさんあるのです。
この章では営業職、事務職も含め、どんな職種があるかを職務内容を含めて解説します。
一般的に文系向きと言われる職種
まずは一般的に文系向きと言われる職種を紹介します。
総合職
いわゆる総合的に業務に取り組む職種のことを指します。
総合職=営業職と思われる人もいますが、実際は営業職もあれば、企画や人事、マーケティングなどさまざまな職種の中から、研修や面談を通して希望や適性によって配属先が決まります。
1年目に配属された職種をずっと仕事を続けるというよりも、数年後に違う職種に配属されることが多く、幅広い職種を経験しつつ、スキルアップに努めたい人におすすめの職種です。
営業職
営業職はご存知の方も多いかもしれませんが、会社のサービスや製品を売る仕事です。
営業=辛そうという声も聞きますが、営業が会社の売り上げをつくるからこそ会社の経営が成り立っていたり、クライアントの声を一番最初に聞いてサービスに反映できるよう働きかけたり、とてもやりがいのある職種です。
筆者自身も合計2年間ほど営業職として働いていますが、営業先のクライアントはたしかにお客様ではあるものの、一緒に目標に向かって頑張る仲間という認識の方が強いです。そのため、人と一緒に取り組むことが好きな人におすすめの職種です。
また、営業数字を追う必要があります。数字を積むことによって達成感を感じる人や、成績による給与アップが最も顕著な職種でもありますので、成果給を望む人にもおすすめの職種です。
一般職
総合職と対比の職種として取り上げられるのが一般職です。主な業務としては総合職の補佐をおこなうことが多いです。
補佐することが多い職種なので、サポートをすることが好きな人におすすめの職種です。パソコンスキルや、業務範囲によっては経理など専門的な知識も身につけることが可能です。
残業がない、転勤がないという理由で事務職を希望する人も多い中で、一部残業や転勤がある一般職もあるようです。募集要項をしっかり読んだ上で応募しましょう。
一般職応募で就活した方に関する以下記事もあわせてご覧いただくとイメージがつきやすいと思います。
総合職・一般職って何?「職制」は会社によって違う
文系不向きは嘘!理系向きに見えて実は向いている職種
一般的に文系に向いている職種を前の項でご紹介しました。では、「理系向きに見える職種は文系に不向きなのか」というと実は不向きではありません。むしろ文系に向いているといえる職種もあります。文系にも向いている職種例は以下の通りです。
ITエンジニア職
ITエンジニア職は、IT関連の技術者の総称のことを言います。
昨今、ITエンジニア職の需要が高いために未経験歓迎でITエンジニア職を募集している会社が多くなってきています。
また、ITエンジニア職と一言で言っても、プログラミング中心の職種もあれば、クライアントと話してシステムの仕様を決めていくという、コンサルタントに近しい仕事が多い職種もあります。各企業によって、役割の幅が異なるのも特徴です。
未経験で募集している企業が評価しているポイントとしては、新しいことに対してもめげずに頑張ることができるかという点になります。そのため、文系でもコツコツと何かに取り組んだ経験がある人にとっては向いている職種です。
生産管理職
生産管理職は商品を提供するにあたって在庫管理や生産スケジュールを管理する職種です。技術者をまとめるような職種なので、どちらかというとマネジメントやスケジュール管理・タスク管理が得意な人におすすめの職種です。
また、多くの部署との連携や、さまざまな意見の取りまとめをする必要があるために、コミュニケーションが得意な人に向いている職種とも言えます。メーカー系に行きたいけど営業職や事務職は違うなと感じている人などは生産管理職を検討してみるといいでしょう。
年間500名以上の就活生をみてきた筆者から伝えたいこと:就活の目的を改めて考えてみてください!
本記事の筆者は仕事を通して年間500名以上の学生の就職活動を見てきました。見てきた学生のうち9割が文系で、文系の方々の就職活動を振り返ってみて思うことしては、結論文系も理系もあまり関係ないということでした。
文系が不利ということはない!選択肢はたくさんある
入社まで見守ってきた学生の中にはさまざまな選択をした人がいました。総合職を選択した人、事務職を選択した人、公務員を選択した人、未経験からITエンジニア職を選択した人。
どの選択肢を選んだ人でも就職活動が進むに連れて、「自分にはこういう選択肢もあったんだ!」と目を輝かせて報告してくれるのです。報告してくれた中で、文系が不利に働いたと聞いた覚えはありません。つまり、就職活動が進むにつれ、自分が持っている選択肢の幅の広さに気づくのだと筆者は考えています。
そのためにも、しっかりと自己分析をしつつ自分のことをアピールし、企業の視野を広げることが大事になってきます。自己分析・自己アピールの方法や企業の視野を広げる方法については後述します。
なにと比べて不利?就職活動の目的を考えてみよう
この記事をご覧の方々の中には理系より文系の方が就職活動で不利で不安だと思っている方もいるのではないのでしょうか。
そんな方に考えて欲しいことがあります。
なぜ理系と比べているのでしょうか?
たしかに周りの同じ卒業年の就活生の動向が気になるのはわかります。ただし、よく考えてみると、理系の学生やもう少し広い意味で捉えると周りの学生と比べることが就職活動の目的ではないはずです。もう少しわかりやすく、敢えて言葉を選ばずに伝えるのであれば、周りの学生と比べて優位に立つことが就職活動の目的ではないはずです。加えて、有名企業、大手企業の内定を獲得することが目的でもありません。
就職活動はあくまで社会に出て働いていくにあたって、自分らしく生き生きと働ける場所探しの手段の一つでしかないと思っています。
OfferBoxで、文系ならではのアピールをしっかり伝え、内定に繋げよう!
この記事では文系が理系に比べて不利ということはなく、職種も「文系だから」という理由で狭める必要はないことをお伝えしました。
一方、自己PRなどで、明確なスキルや専門性がなく、アピールしづらいところはあるかもしれません。そんな文系学生の就職活動には、普段の自分の良さをしっかりとアピールできる就職サービスOfferBoxを使うのがおすすめです。
OfferBoxは普段の自分をアピールできる!
OfferBoxでは普段の自分をアピールしつつ、企業からオファーをもらえます。掲載する写真も、証明写真よりも普段のスナップショットが推奨されています。理由は、「飾らない素の学生を見たい」という企業がたくさん利用しているからです。
そのため、自分自身が考えてもなかったような業界の企業や職種からオファーをもらえることもありますし、オファーをくれた企業が思いがけず自分にとても合っていたなんてケースも多く発生しています。
自分の可能性を最大限活かすために、ありのままの自分をアピールできるのでおすすめです。
OfferBoxはサークルや趣味の写真や動画も載せられる
OfferBoxでは写真や動画も載せることが可能です。そのため、文系ならではの教育実習やゼミの発表、ほかにも趣味やサークル活動の様子など、アピールしたい内容をわかりやすくアピールすることができるのです。
写真や動画だと人となりも伝わりやすいので、「うちの会社にいそうだな」と、カルチャーマッチを感じた企業からオファーをもらえるかもしれません。
文系でも理系に比べて不利ではないことが理解いただけましたでしょうか?
文系ならではのアピールをしつつ、OfferBoxを活用してしっかり内定まで獲得していきましょう!
(書いた人)
森瑞貴
Twitter:https://twitter.com/mooleesan
新卒採用イベントを運営している株式会社ジースタイラスで年間500人ほどの学生と面談をしつつ、企業支援も経験。現在は株式会社AppBrewで営業をしつつ、複数の副業をこなしている。