コミュ障じゃヤバい?!社会人として求められるコミュニケーションとは

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人見知りで友達がいない、コンプレックスの固まり、オタクな趣味だし…「コミュ障」と聞くとこんな風に思いがち。しかし、社会人からみた「コミュニケーションが出来ない人」は、学生が考えるコミュ障とは少し違うようだ。

社会でのコミュニケーションとは

①新卒社員・職員のコミュニケーション力「きく・話す」における問題点

全体の集計での問題点は,「自分の言葉で必要なことを伝える力」が1位で,「相手が求めていることを理解する力」が2位,3位に「分からない点について質問する力」と続く。
しかし,全回答項目の数値の詳細な分析を試みたところ,一般企業では「話す」より「きく」に,幼稚園・医療等では「きく」より「話す」に問題があるとする傾向が見られた。
この結果は,2つに分類した業種の職務内容が異なるからであろう。一般企業の新入社員は,研修に始まり,先輩や上司の指示を受けて職務を遂行する日々が続く。顧客の前でも,多くの仕事は聞き手に回ることで,相手との距離を測ってコミュニケーションをとる。(略)

②「読む・書く」における問題点

一般企業,幼稚園・医療等のいずれにおいても,「必要なことを文章化する力」が問題点として最も高く,全体集計でも22.7%で1位であった。しかし,2位とは僅差であり,一般企業の2位は「要領よくメモを取り,仕事に活かす力」19.8%,幼稚園・医療等の2位は「仕事上の文書を読み書きできる語彙力」19.8%となっている。新人が仕事上必要なことや自分の考えていることを文章にするためには,学生時代に本を読むことが最も効果的であろう。読書においては,多くの日本語を読み,多くの語彙の意味をつかみ,多様な言い回しの方法を学ぶ。そして,「書く」ということを何度も何度も重ねていくうちに,すらすらと読みやすい文章が書けるようになると筆者は確信している。(略)
判明したことは,「きく・話す」「読む・書く」いずれにおいても,新人は発信力が非常に弱いということである。

③仕事上求められるコミュニケーション力

新人に仕事上必要とされるコミュニケーション力の質問では,1位は「きく」であり,続いて2位は「チームワークでのコミュニケーション全般」,3位「話す」,4位「読む」5位「書く」という順であった。(略)その結果,仕事上求められるコミュニケーション力としては,「読む・書く」よりは「きく・話す」への要求度が高く「きく・話す」においては,「きく」が「話す」より要求度が高いことが判明した。

引用記事は仕事での関係を前提としているので、当然言ったこと、言われたことを理解し、実行することが主題なのだが、こと新人に求められることは「話す」よりも「聞く」ことに主眼がおかれている。しかし、「新人は発進力が弱い」とあるように、自分の意見を言うべきときに言わなければ、これもまたコミュニケーションが出来ていない、ということになるようだ。
ネットで言われるコミュ障では「趣味がおたく」や「人見知り」などが意味として通じそうだが、社会人では、外交的で明るく、リア充っぽくても話が聞けない人間は「コミュ障」と言われそうだ。外見や趣味、行動範囲ではなく、接している人との関係での関わり方が重要なのだ。

社会人になってストレスを溜めないために

社会人でのストレスはコミュニケーションがうまくとれないと感じることが大きく、コミュニケーションがうまくとれないと、ストレスを溜めることになる。しかし、社会に出たばかりの新入社員にとって、また就活で社会との接点を初めて持つ学生にとって、最初からうまくコミュニケーションが出来ないことは少なくない。悩んだり、ともすれば自信を失うことにもなりかねないケースも。コミュニケーションをうまくとろうとテクニックに走る前に、心構えとして必要なことは何だろうか。

その1:中立性を保つ

どんな厳しいメッセージであっても、いつもと変らない平静さを保って内容を伝える―これはNASAや航空会社で行われる訓練の一つです。難しいことではありますが、心がけるだけでも大きな効果はあるはずです。

その2:明確に内容を伝える

相手に伝えにくいことは、ともするとお茶を濁して伝えたり、比喩を使ったりしがちですが、それがかえって誤解を招きかねません。自分の感情を伝えるのではなく、事実を実用的な言葉を使い、明快に伝える。それが第二のポイントです。

その3:抑制の利いた節度のある表現で伝える

相手と緊張関係にある場合はなおのこと、正確に相手の話を聞き、正確に伝えることが大切です。たとえ怒鳴りたくなっても、その感情は飲み込み、抑制の利いた表現を用いましょう。相手を激昂させることは、どんなときにもよい結果を招きません。重要なのは「どのような言葉で表現するか」です。

引用元:「ストレス・コミュニケーション編 ストレスを受けない、かけない会話術」(ノバルティスファーマ株式会社)

ノバルティスファーマは有名な製薬企業だが、製薬会社は医療情報などの取り扱いで難しいコミュニケーションをせねばならないことが多く、ストレスを感じる人が多いのだろう。製薬業界だけでなく、責任を持って仕事をこなすには、いいことだけでなくクレームなどの対応を迫られることも多くある。
社会人でも悩むことだが、学生から心がけることで、少しでもストレスを軽減させる方法を自分で模索することは、長い人生で役立つだろう。

アサーティブネスなコミュニケーションを

アサーティブネスという言葉をご存知だろうか。Wikipediaによると、「アサーティブなコミュニケーションをする人は、自分の心の中を開示することを恐れず、他人に影響を及ぼそうとしない。他人の「個人の境界」を尊重し、攻撃的な侵入から自分を守ろうとする」という説明がある。
上司や同僚、採用担当者や経営者の「話を聞く」ことはとても重要だが、「聞きすぎて分からなくなる」ということではまずい。また、「自分はこんなことしたい、これじゃなければ嫌だ」「これはしない、したくない」という一方的な自己主張でもうまくコミュニケーションがとれているとは言えない。
アサーティブネスなコミュニケーションは、社会人でも出来ている人は決して多くはないだろう。採用基準として「コミュニケーション能力のある人」をあげていても、明確なガイドラインはおそらくあまりなく、それぞれの企業文化に根ざした暗黙的なルールを理解できるかが実際に能力のある人と評価される。
相手の話や情報から求めていることを理解し、反応することが求められるが、画一的なマニュアル的なテクニックを駆使することが、本当に自分にあったコミュニケーションと言えるだろうか。また、画一的な反応をする学生を、「採用したい」と思うだろうか。「自分らしく」かつ「うまくコミュニケーションをとる」にはどうしたら良いのだろうか。

自分の特性をつかみつつ、伝えたいことを伝える

アサーティブネスなコミュニケーションについては、こちらを参照されたい。また、いろいろなコミュニケーションについての書籍が出されているので、参考にすることもいいだろう。自分らしいアサーティブネスを身につけるには、自分で模索するしかない。
アサーティブネスなコミュニケーションをうまくとるには、「自分の特性」を多少は理解することも必要だろう。OfferBoxの「適性診断360度」は無料で利用できるので、うまく使ってほしい。自分のタイプ、他人から見たタイプを客観的に理解しつつ、「伝えやすい方法」「きっかけをつかみやすい方法」から相手の話をスムーズに理解できるように工夫できれば、かなりコミュニケーション上手と思われるようになるだろう。

就活はコミュニケーションを鍛えるための通過点

OfferBoxを作ったきっかけのひとつに、「価値観にマッチした就職を目指す」ことがあり、OfferBoxは特にコミュニケーションの双方向性に対して重点を置いて開発してきた。学生の皆さんには、ぜひ企業に向けて自分のプロフィールでアピールし、採用担当者と積極的にコンタクトを取って、自分が納得する就活を送ってほしい、そんな想いでOfferBoxは作ってきた。ぜひこのサービスでコミュニケーション力を身につけ、「自分と合っている企業」に就職してもらえれば、と思う。
学生プロフィールでも十分に想いは伝わるし、人物像もアピールすることは出来る。そのときに重要なのは、「虚飾」ではなく、自分らしさ。これは企業インタビューでもアンケートでも、採用担当者が一番に感じていることだ。思っていること、やってみたいことをとりあえず書いてみよう。書きっぱなしにせず、感じたことや経験したこと、インターンで学んだことなどを更新していけば、画一的な履歴書とは全く違う自分らしいプロフィールになる。まだ登録していない人は、今からでもぜひ始めてみてはどうだろうか。
もし、「自分はコミュ障だから」と思っているならあきらめるのはもったいないし、「自分は活発だからそんな心配はない」と思っているなら少し省みてみてはどうだろうか。それぞれに「自分なりのコミュニケーション」に磨きをかければ、就活でも、その後の社会人生活でも、活かすことが出来るだろう。