面接で突然「自分をものに例えると何?」という質問をされて、回答に詰まってしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。
志望動機や自己PRのような定番質問であれば事前にある程度考えることができますが、こうした変わった質問を想定して準備するのは難しいですよね。特に、自分をものに例えるという抽象的な質問では、急な事態への対応力や発想力が求められます。
この記事では「自分をものに例える」質問をする企業の意図をはじめ、回答例や効果的な答え方のコツをご紹介します。他の「〇〇に例える」系の質問についても紹介するので、参考にしながら回答を考えてみてください。
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目次
「自分をものに例えると?」質問に対する3つの疑問
「自分をものに例えると?」のように想像していない質問をされると、頭の中に「?」が浮かびますよね。実際に聞かれたときに浮かぶ3つの疑問をみてみましょう。
何を選んだら正解?…
まず、何を選んだら正解なんだろう?という疑問を覚える人は少なくないはずです。
この質問については、「掃除機と答えたらプラス評価」「電子レンジと答えたらマイナス評価」などのように、例えたもので評価が変わることはほぼありません。
この質問で大切なのは、自分を何に例えるかより、自分を例えたものに相応の理由があるかという点です。
例えば、 「自分をものに例えると電子レンジです。ほかの人をサポートすることで熱量を高めて、魅力を引き出すことができます。」と言ったら、電子レンジであることもある程度納得がいきますよね。
ただ、「私をものに例えると鍋です。鍋を食べるのが好きだからです。」と言われても、人間をものに例えた例としては不適切だと感じますよね。
このように、何を選ぶかではなく、自分を例えたものに適切な理由があることが重要です。
他の人とかぶるのはNG?…
集団面接の際に、自分が考えていた回答を先に言われてしまったら焦ると思いますが、例えるものは他の人と被っても問題ありません。
「自分をものに例えると?」の質問では、例えるものよりも想定外の質問への対応力や説明力が評価されています。例えば同じ「パソコン」という回答であっても、パソコンに例えた自分なりの考えを述べれば、他の人とは違う自分らしさを出せます。
かぶるのを避けるために無理に変更し、しどろもどろな回答になるぐらいなら、同じものに例えたうえで、自分なりの考えを自信を持って伝えましょう。
ユーモアやセンスが問われる?…
「自分をものに例えると?」のような変わった質問では、とんちの効いたユーモアのある回答をしなければならないと勘違いしがちです。
しかし、面接官が見たいのはあなたの人柄や対応力であって、ユーモアやセンスではありません。ユーモアな回答が印象に残る場合もありますが、必ずしもよい意味で印象に残るわけではありません。 無理に奇をてらった回答をして、悪目立ちしないようにしましょう。
無理に面白さを発揮しようとすれば逆効果になるリスクも大きいので、自分らしさが伝わる回答を心がけることが大切です。
「自分をものに例えると?」面接官が質問する意図
回答を考えていく前に、まずはなぜ企業が面接で「自分をものに例えると?」という変わった質問をするのか理解しましょう。3つの主な意図を紹介します。
- 性格や強みを知りたい
- 素直な答えが知りたい
- 納得させる論理的な説明ができるか知りたい
性格や強みを知りたい
企業が面接で知りたがっているのは、「あなたの性格や強み」です。「自分をものに例えると?」の質問でも、あなたの性格や強みを知りたいと考えています。
どんなものに例えるのか、自分のどんな特徴をものに例えるのか、などの情報をもとに、あなたがどんな価値観や考え方を持つ人なのかを確かめています。
回答そのもの以外にも、想定外の質問をされた際の表情や立ち振る舞いも、性格や強みを評価する要素の1つです。「うまいことを言わなければ」と意識しすぎて慌てないよう、気をつけましょう。
素直な答えが知りたい
想定していないであろう質問を投げかけることで、あなたの素直な回答を引き出そうとしています。多くの人が回答を用意している頻出の質問志望動機や自己PRとは違い、想定外の質問への回答は本音や素の自分が出やすいものです。
「あなたはどんな人間ですか?」と聞かれるよりも、「自分ををものに例えると?」と聞かれたほうが、「自分がどういう人間か、改めて考えて回答しなくちゃ」と感じますよね。
準備していた質問に対しては準備した100点満点の回答をしやすいですが、準備していなかった質問に対してはその場でベストと思う回答をすることになるのも、素直が答えが出やすい要因です。
納得させる論理的な説明ができるか知りたい
もう1つの質問の意図は、答えのない質問でも、相手を納得させるようなわかりやすい説明ができるかを見極めています。「わかりやすく伝える力」は、仕事上の多くの場面で必要となる能力です。
例えば営業職であれば、商談の場で相手から出た質問に対して、その場で納得させる論理的な説明をすることが求められます。自分が営業を受ける立場だったら、「わからないので調べてからお伝えします。」と答えられてばかりでは、あまり信用できないと思ってしまいますよね。
このように、その場で相手を納得させる論理的な説明ができる能力があるかどうかを確かめることも、「自分をものに例えると?」という質問をする意図の1つです。
【特徴別】性格・アピールポイントに合うものの回答例
それでは、それぞれの性格やアピールポイント別に回答例をご紹介します。回答例をもとに、自分の特徴がどんなものに置き換えられるのか、考えてみましょう。
素直さをアピール
素直さをアピールできるものとしては、「クッション」「綿」「スポンジ」などが挙げられます。スポンジは多用される例えなので、理由でオリジナリティを出せない場合は、避けたほうがよいかもしれません。
自分をものに例えると「クッション」です。圧力のかけ具合によって自由自在に形を変えられるクッションのように、素直に人の意見を聞き入れ、柔軟な対応をとれるのが私の強みです。
例えば、大学入学当初から続けている塾講師のアルバイトでは、自分のやり方だけにこだわらず、先輩や生徒の意見を聞き入れるよう心がけています。仕事上でも周りの意見をないがしろにせず、聞き入れながら自分のやり方にうまく昇華していくつもりです。
行動力・主体性をアピール
行動力・主体性をアピールしたい場合は、「ロボット掃除機」「エアコン」などに例えられます。
自分をものに例えると「ロボット掃除機」です。部屋の形やゴミの位置など状況を検知し、主体的に掃除してくれるロボット掃除機のように、自分で状況を判断して行動できるのが私の強みです。
カフェのアルバイトでも指示された仕事だけを淡々とこなすのではなく、付加価値のある仕事ができるよう常に考えながら業務に取り組んでいます。誰もいないときでもきちんと働くロボット掃除機と同様に、誰も見ていないところでの努力を大切にしていきたいです。
協調性をアピール
協調性をアピールしたい場合は、「空気清浄器」「水」「観葉植物」などに例えられます。
自分をものに例えると「空気清浄器」です。汚れや匂いを自動で感知して部屋の空気をきれいにしてくれる空気清浄機のように、日頃からチームの空気を良くするよう心がけています。
チームで何かしらの作業に取り組むときには、適度に冗談を交えたり、ポジティブな発言を増やしたりして、メンバーが作業しやすい環境を整えることを大切にしています。「ネガティブなことも笑顔でポジティブに変えていく」が私のモットーです。
粘り強さ・忍耐力をアピール
粘り強さ・忍耐力をアピールしたい場合は、「ガムテープ」「もち」「納豆」などに例えられます。納豆はよく例えられる例なので、注意が必要です。
自分をものに例えると「ガムテープ」です。一度貼れば簡単には剝がれないガムテープのように、困難なことでも簡単にはあきらめない粘り強さが私の売りです。
「大学生のうちにTOEICで900点をとる」という目標を掲げたときには、勉強方法を試行錯誤しながら学習を粘り強く続け、大学3年次になって目標を達成しました。
計画性・コツコツ努力する力をアピール
計画性・コツコツ努力する力をアピールしたい場合は、「メトロノーム」「時計」などに例えられます。
自分をものに例えると音楽用具の「メトロノーム」です。一定の間隔でリズムを刻み続けるメトロノームのように、リズムを崩さず目標に向かってコツコツ努力するのが得意です。
小学校で皆勤賞をもらって以来、無遅刻無欠席を一つの目標にし、現在に至るまで一度も学校を休まず無遅刻無欠席を続けてきました。働くうえでは自分の体調をきちんと管理するのが大切だと思うので、健康を維持して長く会社に貢献していくつもりです。
サポート力をアピール
サポート力をアピールしたい場合は、「スマートフォン」「電子レンジ」「充電器」などに例えられます。
自分をものに例えると「スマートフォン」です。今では当たり前になった、電話やメール、調べもの、動画などの多様な機能で人々の生活を支えるスマートフォンのように、環境に溶け込み縁の下の力持ちとして組織を支えることができます。
大学で所属していた野球部では、4年間で一度もレギュラーにはなれませんでしたが、声出しや道具の管理など、自分なりにチームに貢献できる方法を見つけて行動してきました。将来、希望の部署やプロジェクトに参加できなかったとしても、自分のできることを見つけて貢献していきたいです。
「ものに例えると?」への論理的な答え方
自分の特徴を表現する「もの」が見つかったとしても、面接官を納得させる論理的な説明ができなければ高評価にはつながりません。
これという正解がない質問だからこそ、イメージしてもらいやすいよう答え方を工夫するのが大切です。ポイントを一つずつ見ていきましょう。
答える流れ
①自分を例えるものを簡潔に伝える。
どんな質問でもまずは結論から答えましょう。結論が分からないまま話が進むのは聞き手が非常に聞きづらいので、最初に結論を明示してから自分の考えや根拠となるエピソードを伝えてください。
例)
自分をものに例えると「クッション」です。
②例えたものと自分の共通する「キーワード」を伝える
「キーワード」とは、あなたの特徴・アピールポイントのことです。
自分の特徴を知ってもらうため、何を根拠に自分をそのものに例えたのかを伝えましょう。基本的には弱みではなく、強みにつなげるのが一般的です。
例)
圧力のかけ具合によって自由自在に形を変えられるクッションのように、素直に人の意見を聞き入れ、柔軟な対応をとれるのが私の強みです。
③キーワードの根拠となるエピソードを伝える。
素直さがあなたの強みであれば、その根拠となるエピソードを伝えてください。エピソードは長くなりすぎないように心がけるのが大切です。不十分な部分は面接官のほうから深掘りしてもらえるので、一度にすべてを伝える必要はありません。
例)
大学入学当初から続けている塾講師のアルバイトでは、自分のやり方だけにこだわらず、先輩や生徒の意見を聞き入れるよう心がけています。
答え方の例:同じものでも別の言い回しで説明できる
具体的な答え方の例を紹介します。同じ「クッション」に例えても、キーワードが違うだけで全く異なる特徴の例えになります。
【例:キーワード=柔軟性】
自分をものに例えると「クッション」です。圧力のかけ具合によって自由自在に形を変えられるクッションのように、素直に人の意見を聞き入れ、柔軟な対応をとれるのが私の強みです。
【例:キーワード=サポートする】
自分をものに例えると「クッション」です。人の身体をサポートするクッションのように、人のサポートをすることを得意としています。
「ものに例えると」の面接のNG回答例
回答例や伝え方のポイントを紹介してきましたが、一方でNGな回答もあります。
以下のような内容は自分らしさが伝わらない要因になりますので、避けたほうがよいでしょう。
例えた「もの」のイメージがわきづらい
自分を何に例えるかは自由ですが、あまりにもマニアックなものは面接官がイメージしづらいので避けましょう。「何の話なのかわからない」とうんざりさせてしまいます。
例えば、自分が好きなものをテーマに挙げて詳しく説明しても、面接官が知識を持っていなければあなたの人柄は十分に伝わりません。価値観や人柄を知ってもらうのがこの質問の目的なので、テーマはあくまでも一般的に知られているものの中から選びましょう。
NG例
自分をものに例えると「エジソンバルブ」です。エジソンバルブとは、フィラメントが様々な形をしたカーボン電球のことで、1880年代に作られていたエジソン球を復刻したものです…
あまりに頻出のものに例えるのは避ける
「スポンジ」や「潤滑油」など、長年就活生に使い古されているようなものを例に挙げるのは避けましょう。何に例えるかが大切ではないとお伝えしましたが、あまりに使い回されたような回答だと、人の言葉の受け売りかな?と思われてしまう可能性があります。
スポンジや潤滑油のようなありきたりな回答ではなく、自分なりに考えた回答を心がけましょう。
NG例
自分をものに例えると「潤滑油」です。ものとものの接触をなめらかにする潤滑油のように、人と人の間の関係性をスムーズにできることが強みです。
面接で「○○に例えると」系質問に答えるコツ
今回は「自分をものに例えると?」の質問への対策を紹介してきましたが、面接では「もの」以外の例えを求められるケースもあります。
そうしたイレギュラーな「例え系」の質問をされても困らないよう、答え方のコツを紹介ます。
動物や色に例えると?と質問されることもある
「もの」以外では、「動物」や「色」なども頻出の質問です。そのほかでは、食べ物に例えると?、家電や文房具に例えると?と聞かれる場合もあります。
このように「例え系」の質問にはさまざまなバリエーションがありますが、質問の意図や答え方のコツはすべて同じです。
そのため、わざわざすべての質問を想定して回答を用意しておかなくても、自分の特徴さえ理解しておけばどんな質問にも対処できます。
自分の核となるキーワードを持っておく
自分の核となるキーワードを持っておけば、想定していなかった何かに例えるように質問されても、回答に困りづらくなります。
キーワードはそのままにテーマだけを変えれば、わざわざ根拠となるエピソードを考え直す必要もなくなります。
例「適応力の高さ」:カメレオン、水、ごはん、透明
例「素直さ」:犬、クッション、うどん、白色
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