面接での「ストレスを感じるとき」の質問|意図やポイント、回答例など紹介

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「なぜ面接でストレスについて質問されるのだろう」
「正直に答えてマイナスの印象につながらないか心配」

「ストレスを感じるとき」という質問に対して、このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

ストレスに関する質問は面接の定番質問の一つですが、具体的にストレスを感じる場面や解決策を聞かれても、なかなか自分では言葉にしづらいものですよね。かといって曖昧な回答では、「ストレスをうまくコントロールできていない」という評価につながってしまいます。

そこで今回は、面接官が「ストレスを感じるとき」の質問をする意図と、答え方のポイントをご紹介します。ストレスを感じる場面ごとの回答例もいくつか紹介するので、回答を考える際の参考にしてみてください。

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面接での「ストレスを感じるとき」の質問の意図

まずは、企業が面接で「ストレスを感じるとき」の質問をする意図を紹介します。

大切にしている価値観を知りたい

企業は「ストレスを感じるとき」の質問を通して、学生がどのような場面でストレスを感じるかを知り、その裏側にある価値観や考え方を見極めようとしています。

多かれ少なかれストレスは誰もが受けているものですが、ストレスを感じる場面は人によってさまざまです。

例えば、Aさんは「自分が仲間はずれにされること」にストレスを感じるが、Bさんは「自分以外の誰かが仲間はずれにされること」にストレスを感じる、などの違いがあります。

このように、似たような場面でも人によって捉え方は異なるため、企業はストレスを感じる場面から学生の人間性を推測しているのです。

例)
・仲間はずれにされている人がいるときにストレスを感じる
→全員で協力することを大切にしている

・物事が計画通りに進まなかったときにストレスを感じる
→何事もスピーディーにこなしたい

ストレス耐性を知りたい

「ストレスを感じるとき」の質問は、どの程度のことにストレスを感じるか、またどのくらい耐えられるかを見極める意図もあります。

企業が採用選考で重視するのは、主に「自社で活躍できるか」「長期間に渡って貢献してくれるか」の2つです。そのうち、長く企業に貢献してくれる人材を見極めるための、基準となるのが「ストレス耐性」です。

1人の人材を採用するにあたっては、膨大なコストと時間がかかるため、企業は少しでも辞めにくい人材を採用したいと考えています。企業が学生のストレス耐性を知りたがるのは、早期離職のリスクを軽減するためです。

状況を客観視できるか知りたい

「ストレスを感じるとき」の質問には、学生自身が状況を客観視できているか見極める目的もあります。

自分がどんな場面でストレスを感じ、どういった解決策をとるのが適切なのかは、状況を客観視できていないと分析できません。

仕事を進めるうえでもストレスのかかる場面は少なからず存在するため、そのような場面でも状況を客観視し、対応できる人間なのかを企業は判断しています。

特に、状況を主観的・感情的ではなく、公平に客観視できているかが重要なポイントです。

例)
・主観的、感情的に捉えてしまっているケース
→ 意思疎通がうまくいかないのは、相手の理解力に原因があると考える

・公平に客観視できているケース
→意思疎通がうまくいかないのは、●●に関する知識に差があることに原因があると考える

ストレスへの対策を知りたい

「ストレスの原因を客観的に分析できているか」という点に加え、「具体的にどのような対策をとっているのか」という点も質問の意図に含まれます。

仕事を進めるうえで遭遇するであろうストレスがかかる場面に対し、適切な対策をとれるか、過ごしやすい環境づくりに取り組めるかが評価ポイントです。

面接では、ストレスを感じるか感じないかはそれほど重要ではありません。誰もが感じるストレスに対し、自分なりにどう対処しているのかを伝えるのが大切です。

面接での「ストレスを感じるとき」の答え方のポイント

なかには「正直に答えたら印象が悪くなりそう」と感じる人もいるかもしれませんが、ストレスに対しては適切な対応をできていることはアピールになります。

効果的な答え方とNGな答え方をきちんと理解して回答するようにしましょう。

ストレスを強く感じる場面を正直に伝える

入社後になってからミスマッチが発覚するのは双方にとって損なので、無理に相手に合わせた回答をせず、正直にストレスを感じる場面を答えるのがおすすめです。

特に、評価を高めたい一心で「ストレスを感じたことがありません」と答えるのは禁物です。ストレス耐性の高さをアピールしたつもりでも、企業からすると自分を客観視できていない人のように見えます。

また、ストレスを感じないと伝えると、他者のストレスにも気づかないような人だと判断される可能性もあります。面接官はストレスを感じるか感じないかで評価しているわけではないので、取り繕った回答ではなく、本心での回答を心がけましょう。

具体的なエピソードも伝える

「私は物事が計画通りに進まなかったときにストレスを感じます」だけだと、面接官はあなたの価値観や考え方を見極めづらいので、具体的なエピソードも合わせて伝えましょう。

上記の例でいえば、物事が計画通りに進まなかったせいでストレスを感じたエピソードを伝える必要があります。エピソードは学校生活やアルバイト、プライベートなど、どんな場面でもかまいません。

また、どんな場面でストレスを感じるかだけでなく、どのように対処するのかまで伝えられると状況を客観視できているアピールになります。

エピソードに盛り込むべき5つのポイント

  1. どんな場面でストレスを感じたのか
  2. どこにストレスを感じたのか
  3. どんな気持ちだったのか
  4. どう対処したのか
  5. 今後同じような場面に遭遇したときどう対処するのか

発散するよりも解決する方法がベター

ストレスへの対策は「発散」と「根本的原因の解決」の2通りの方法がありますが、より好印象につながりやすいのは後者です。

「発散」はとある場面で受けたストレスを別のことで晴らす方法であるのに対し、「根本的原因の解決」はストレスの元となっている原因を解決する方法を指します。

・ストレス発散の例
→仕事が思うように進まずむしゃくしゃしたので、友達とカラオケに行って気分転換をした

・根本的原因の解決例
→仕事が思うように進まないので、上司や同僚に相談したり、自分のやり方を見直したりして効率化を図る

自分なりの発散方法を持っているのは素晴らしいことですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。問題分析力と解決力をアピールするためにも、面接では、ストレスの元となる原因の解決策を伝える必要があります。

ストレスの原因を他人だけに押し付けない

「ストレスを感じるとき」の質問に答える際に、ストレスの原因を他人だけに押し付けてしまうことは避けましょう。

自分には何の落ち度もなく、周りから迷惑をかけられているだけのケースも時にはありますが、ほとんどのケースは周りだけでなく自分にも原因があるものです。また、他人が悪い場合でも、その状況にならないような工夫は自分にもできるはずです。

自分のことを棚に上げ、他人だけに責任を押し付けるような人は「協調性がない」「人間関係で苦労する」という評価につながるため、ストレスの原因を他人に押し付けるような答え方は避けましょう。

NG例
・「他人が自分の思い通りに動いてくれないときにストレスを感じる」
・「仕事が思うように進まないのは、他のメンバーの能力が低いせいだ」

面接での「ストレスを感じるとき」の回答例

ここではストレスを感じる場面ごとの回答例をご紹介します。先に紹介した面接官の質問意図と、答え方のポイントを踏まえたうえで、自分なりの回答を考える参考にしてください。

自分の失敗にストレスを感じる例文

細かなミスをしがちな自分の性格にストレスを感じます。

例えばコンビニのアルバイトでは、廃棄商品の見落としやレジの入力ミスなど、しばしば細かいミスを起こしてしまっていました。

口頭で教わったことをそのまま感覚でやってしまうことで対応漏れが発生することが多かったので、チェックリストを作り業務が終わるごとに確認するようにしました。

その結果、各業務で気をつけるべきことが明確になり、以前のような細かいミスが格段に減っています。

ポイント
ストレスを感じた場面と、原因を解決するためにした工夫が具体的に述べられています。ミスの原因を自分で把握できていることから、この学生は入社後も、同じミスを繰り返さないよう改善しながら働いてくれそうな印象があります。

周囲にストレスを感じる例文

私は自分の主張ばかりで落ち着いた話し合いができない人にストレスを感じます。

大学で所属していたサークルに我が強い性格のメンバーがいて、話し合いをするたびに口論に発展していたのが印象に残っています。

ただ、相手の考えや性格を変えるのは難しいので、まずはその人の意見を受け入れてから自分の意見を伝えるよう心がけました。

「我が強い」というのは「芯がしっかりしている」という長所でもあるので、自分の意見を押し付けがちな人でも、その強みを尊重しながら接していくのが最適な方法だと考えています。

ポイント
自己主張の強いタイプに振り回されるのは、よくある職場の悩みの一つです。この例文では自分の苦手な人ともうまく関係を築こうとしているため、ストレスの根本的原因を解決しようとする意思が読み取れます。

特定の場面にストレスを感じる例文

私は大勢の前でプレゼンをしなければならないときにストレスを感じます。

大学では、作品の発表会が頻繁に開催される学部に所属していたため、発表会の日が近づくにつれて不安で眠れなくなることがよくありました。

うまく話せるか不安でストレスにつながっていたので、不安を軽減するために事前準備を徹底するようにしました。事前準備の徹底しプレゼンの回数を重ねたことにより、プレゼンがうまくいくことが多くなりました。

今でもプレゼン前は緊張しますが、緊張と上手く向き合い、準備を徹底することで今後も乗り越えていきたいと思います。

ポイント
ストレスの原因となっているプレゼンを避けるのではなく、前向きに改善しようとする姿勢が好印象です。このような回答であれば、状況を客観視して適切な対策をとれる人材だと評価されるでしょう。

特定の環境にストレスを感じる例文

私は閉所恐怖症で、閉じられた空間で思うように身動きが取れない環境にストレスを感じます。

私は考え事をするときは歩いたり、身体を動かしたりすることで、脳を活性化させているのですが、それができない環境だとストレスを感じてしまいます。

誰かが動いていると集中できないという人もいると思うので、最近では手を動かすことで解消しようとしています。

一方で、オープンな場だからこそ生まれるアイディアや人との交流もあると思うので、自分でできる対策は取りつつ、シェアスペースなども積極的に活用できればと思っています。

ポイント
ストレスの原因が閉所恐怖症という解消がなかなか難しい問題ですが、うまく向き合っている印象を与えられています。少し蛇足気味ではありますが、開かれた環境を大切にしている価値観も伝わる内容となっています。

「ストレスを感じるとき」に関する疑問

「自分から伝えないほうがいい?」「あの場面を回答に挙げても大丈夫?」など、ストレスを感じるときの質問に関する、よくある疑問について考えてみましょう。

伝え方によっては、マイナスの印象につながる場合もあるので、以下の内容はチェックしてみてください。

ストレスを感じやすいとは伝えないほうがよい?

「ストレスを感じやすい」と正直に伝えることは悪いことではありません。自分の特徴が伝えられるのであれば、伝えるとよいでしょう。

ストレスを感じやすいことは決して悪いことではありません。例えば、UI/UXについて考えるときは、ユーザーが感じるストレスに敏感な方が使いやすいUI/UXを考えやすくなりますし、業務の自動化をしたいときはストレス耐性が低いほうが自動化のアイディアが浮かびやすくなります。

ただ、「細かいことが気になる人」だという印象に終わってしまうのは、あまりよくありません。「ストレスを感じやすいタイプだが、自分なりに対策を取れる人」であれば、企業も採用しやすくなります。

ストレスを感じるとき:就職活動はOK?

焦りや不安が多い就職活動にストレスを感じるのは無理もありませんが、面接で就職活動がストレスだと伝えるのはNGです。

正直に伝える気持ちがあるのはよいですが、就職活動を通して会っている相手に「就職活動がストレスだ」と言われて、いい気持ちはしませんよね。正直な人という印象よりも「相手の立場に立てない失礼な人」という印象が勝ってしまいます。

そのため、就職活動がストレスだと伝えるのは、基本的には避けましょう。

ゲームやペット、ドライブをストレス解消法としてもいい?

趣味や遊びなどをストレス解消法として伝えるのは問題ありません。

ただ、これらは「ストレス発散」に該当する方法です。「根本的原因の解決」にはなっていないので、できれば解決するための工夫を伝えたほうがよいでしょう。

ストレスの原因がどこにあるのか、解決するためにどんな工夫をしているのかを伝えたうえで、ストレス解消法を伝えるのが最良です。解消法だけを伝えて終わらないよう注意しましょう。

まとめ

以上、面接で「ストレスを感じるとき」について質問される意図や回答のポイント、例文を紹介しました。

「ストレスについて正直に答えると、印象が悪くなりそう」と不安に思う気持ちもわかりますが、面接官は、ストレスを感じるか感じないかで評価しているわけではありません。

ストレスへの向き合い方からそれぞれの価値観や考え方を見極めようとしているので、自分がストレスを感じる場面を正直に答えましょう。

やってはならないのは、評価を上げたい一心で取り繕った回答をしたり、「ストレスは感じない」と答えたりすることです。多かれ少なかれ、ストレスは誰もが感じるものだと面接官も理解しているため、正直に答えたからといって印象が悪くなることはありません。

今回ご紹介した答え方のポイントに注意しつつ、自分なりの回答を考えてみてくださいね。