企業の採用広報解禁の3月1日より前に、インターンシップや説明会、採用選考に参加をする学生が増えており、内定を獲得する学生もいます。
また、2023年の夏からは、採用直結インターンも解禁され、大学3年生の夏から就活をスタートすることがますます一般的になると予想されています。
このような就活の早期化により、学業と就活の両立が難しくなってきていると感じる学生が多くいるのも事実です。
今回は、特に学業と就活の両立が難しいと言われている理系就活生の3人にインタビュー。新型コロナウイルスの影響を受ける以前の、2020年卒の先輩が、いつからどのような就活をしていたのか就活スケジュールを聞いてみました!
古澤さん(男性 立命館大学 理系 学部4年生) 写真 左
中澤さん(男性 京都産業大学 理系 修士2年生) 写真 中央
籠本さん(女性 近畿大学 理系 学部4年生) 写真 右
目次
■3月1日の広報解禁日以前に就活を始めた2020卒の理系就活生
ーーみなさん、それぞれはいつから就活を始められたんですか?
古澤さん「3年生(2018年)のときに大学内で開かれた、キャリアセンター主催の学内就活イベントです。興味を持ったので自分の生活をそっちに持って行こうかなと。」
中澤さん「今年(2019年)の2月から本格的に動きはじめました。就活っていう就活ではないんですが、自分がやっている研究をアピールするための練習や自己PRに関しては2018年の4月頃からしていましたね」
籠本さん「2018年 6月の学外で開催された合同説明会に参加したのがきっかけです。インターンは2018年の7月から2019年の3月までずっと参加していました」
OfferBox事務局「みなさん理系ですが、それぞれ就活を始めた時期は異なるものの、情報解禁日以前に動きだされていたんですね」
■自己分析のやり方
ーー自己分析や企業研究はしていましたか?
古澤さん「自己分析は就活が終わるまでしていました。志望理由書やES(エントリーシート)を書いて、キャリアセンターに添削して貰うたびに考え直すということが多かったですね。学内のイベントで『自己分析は早くからしておいた方がいいよ』とアドバイスを貰っていたのですが、正直『自分は大丈夫だろう』と放ったらかしになっていて就活が終わるギリギリまで自己分析に時間がかかっていました。自己分析をするのは早いに越したことはないですね」
中澤さん「自己分析は自分のことだからかなり分かっているつもりなのであまりしませんでした。僕は自分のやりたいことが出来なければ意味がないと思っていたので、企業分析は暇な時間を使って学部3回生からしていました。先輩からも企業についての情報収拾をしていました。先輩の情報は強いです」
OfferBox事務局「理系だと研究室の繋がりが強い場合もあるので、先輩からの生の就活体験や情報を聞くのもいいですね」
ーー就活をはじめるまでにかかった準備期間はどれくらい長さですか?
古澤さん「結構かかりましたね。自己分析はノウハウを教えてもらって、自己分析シートに幼稚園から今までを年表を書きました。そうすることで、今までの人生の中でどこに喜びや楽しさを感じたか、さらに、それがどういう企業で活かせるかみたいなのは見つかったと思います」
中澤さん「就活でアピールできることが大学に入学してからなので、僕は就活の準備はすぐ終わりましたね」
ーーエントリーシート(ES)の提出について
籠本さん「6月からESを書きはじめました。実際にちゃんとキャリアセンターに添削してもらったのは本選考の前です。私の場合、はじめて受けた企業の選考が3年生の10月だったので、結構簡単でした。早くからESを書く練習をしていたので3月の解禁後は楽々書けました。書き方がある程度分かっていたので苦労しませんでした」
中澤さん「ESは1日で下書きから完成まで書き上げて、その後は完成したESをコピーをして各企業ごとに提出していました」
古澤さん「企業ごとに求める社風や人材が違うので、僕はそこを意識しつつも書いていました。キャリアセンターで見てもらって提出していましたね」
■ OfferBoxを登録したきっかけ
ーーOfferBoxを登録したキッカケは何ですか?
中澤さん「僕は2019年の2月の友達に紹介してもらったのがキッカケで登録しましたね」
古澤さん「僕はインスタの広告で見て登録しました。2018年4月の学内説明会が終わった5、6月くらいに登録してそこからインターンに参加しました」
籠本さん「最初に知ったのは生協の広告で、そのタイミングではOfferBox知っただけで、登録しませんでした。けれど、秋(2018年)にOfferBoxの社員の方が学内で自己分析のやり方講座を開いてくれていて、そこで登録しました」
ーーインターンは何社参加しましたか?
籠本さん「インターンは25社参加しましたね。なので、スケジュール管理が一番大変でした。授業を優先して休まないように気をつけていたので。だから行けなかった企業も多かったですね」
OfferBox事務局「スケジュール管理能力が凄まじいですね。中澤さんと古澤さんはいかがですか?」
中澤さん「僕はインターン自体はOfferBoxの登録後に3社行きました。そのうちの1社が内定先です。」
古澤さん「僕も少ないんですけど、夏に2社、冬に3社参加しました」
OfferBox事務局「3社とか5社でもインターンに参加するためにスケジュールの調整は大変じゃありませんでしたか?」
中澤さん「僕の場合は大学院で研究しかしていなかった時期で時間の融通が効きました。なので3社インターンに行くのは難しくなかったです。」
■ スケジュールの管理 / 就活との両立のコツ
ーースケジュールの管理はどうやってしていましたか?
古澤さん「Googleカレンダーのアプリで管理していました。予定は1日前に通知を送っていましたね」
中澤さん「基本的に暗記していましたね。メッセージやアプリなどその都度見て覚えていました」
籠本さん「最初は大学から配られるスケジュール帳で管理していました。スケジュールが変わった際に書き換えるのがが面倒になったのでLife Bearというアプリを使い始めました。
ただアプリの場合は電話をしながらだと、すぐに確認しにくかったですね」
ーー学業とバイト、就活はどのように管理(両立?)していましたか?
古澤さん「2月〜3月の就活が忙しい期間はバイト休んでいました。バイトのスケジュールも就活の予定同様、Googleカレンダーで管理していました。スケジュール管理を少しミスしたこともあって、東京に選考で行った時に朝から1発目面接で、そのあと昼くらいに会社説明会、14時からインターンというタイトすぎるスケジュールを組んだこともあります」
中澤さん「僕は夜中にバイトしていたので、特にスケジュールに関しては困りませんでした」
籠本さん「1日2社に絞っていました。そこからオーバーしてもいいように予定を組んでいましたね。元の予定から考えてギリギリ間に合うようであれば選考やインターンに行く、という無理はしないようにしていました」
ーー業界ごとで選考スケジュールが特殊であったり異なっていた業界はありますか?
籠本さん「私は業界は絞って就活をしていたのではないのですが、アウトソーシング系の企業は早い時期から選考がありました」
■ 2020年卒の就活生が教える就活前に知っておくべきこと
ーー就活前後にやっておいた方が良かったことがあれば教えてください。
古澤さん「学内の合同説明会は直接出向かなくて良いので楽だし役立ちますね。リクルーターの方のメールアドレスを貰えたりして、ESの添削してもらえたので良かったです。あと、大学のキャリアセンターの面接練習です。面接のマナーを教わることができてよかったです。例えば面接時の正しい入退室の仕方であったりを教えて下さいました」
OfferBox事務局「面接をマナーをを知っていると望みやすいですもんね」
中澤さん「自己PRを文章に起こしてそれを自分で録音していました。あとでそれを聞き返して聞き手が内容を理解できるか、という伝え方の練習をしていました」
籠本さん「私は学内のSPI対策講座を受講していました。なので本を買う必要もありませんでした。」
ーー就活のために実践したけどやる必要がなかったことはありますか?
古澤さん「学年・学部全体に向けられた学内就活ガイダンスは全体に向けた内容なので、個人的に何か違うなぁと思うこともありました。あと、大規模な合同説明会には1回行って他の就活生達の雰囲気を知れば、あとは行かなくてもいいのかなと思います。参加している人が多すぎて人事の方と距離があるので」
ーーこれをやっておけばもっと就活が上手くいったと思うことはありますか?
中澤さん「色んな企業を知るという点では、OfferBoxに早く登録してインターンに行っておくべきでした。企業研究をする際に情報量が少なすぎて比較することができないので、そこに苦しんだ時期もありました」
古澤さん「僕は情報系なので、プログラミング力を身に付けておけば良かったなと思います。ソフトウェア系の会社だとプログラミングの試験があったりしました。大手のソフトウェア系企業のインターンのテストを断念する経験があったので、本選考だったら実践レベルのスキルを求められていたと思います」
籠本さん「正直なところ、もっと早くにOfferBoxに登録しておけばよかったなと思います」
OfferBox事務局「籠本さんはかなり3年生の秋ごろという早い段階で登録してませんか?」
籠本さん「3年生の4月ごろの段階で登録しておいて夏季インターンとかも行っておけばよかったなと思います」
■ 就活の大変だった時期も
ーー就活で1番大変だった時期はいつですか?
籠本さん「今年(2019年)の6月ですね。最終面接ラッシュだったので。会社説明とかインターンって選考じゃないので対策がいらないので、気持ちの面でも「緊張」が無いから楽なんですよ。でも面接だと対策もしないといけないし、毎日2社くらい面接に行くと精神的にも身体的にも疲れてきてふらふらの状態で面接にいっていました」
▼ 就活中のスケジュール(籠本さん / 2019年6月)
OfferBox事務局「確かに最終選考の時期は大変ですよね。同時に何社も対策をしないといけないし。中澤さんはいつが一番大変でしたか?」
中澤さん「僕はOfferBoxに登録した2019年の2月ですね。登録した後に、寝て起きたらすごい量のオファーが届いていました。OfferBoxに登録したらオファーが来すぎて、行きたい企業を調べるのが大変でした。こんなにオファーが来るものなのかと驚きました。僕の場合は、オファー枠が全部で10枠だったので、それがいっぱいにならないように気をつけていました。オファーの枠が満枠だと他の企業からのオファーが来なくなるので、急いで企業研究をしてしっかり取捨選択していました。オファーが来すぎて怖かったですね(笑)」
古澤さん「3月1日の解禁日以降ですかね。ナビ系のサイトも解禁して興味がある企業を選びはじめました。。僕は、結構色んなサイトに登録して、人材紹介のリクルーターも付いていたりしていたので「ここの説明会にも行きたい。ここにも、ここにも」ってなってきて。就活の軸がブレそうになったり、周りの子も就活を本格的に始めていたので焦ったりもして。なかなか大変でしたね」
▼ 就活中のスケジュール(古澤さん / 2019年3月)
ーー就活をはじめた当初に想定していたスケジュール感と差はありましたか?
中澤さん「思っていたより、内々定が出たのが早かったですね。僕の場合は4月の頭くらいに内定が出ました。なので、2月に就活を開始して、本格的に就活をしていたのは2ヶ月くらいでしたね。内々定を出して良いのは6月じゃないですか。だからそこまでで活動をするつもりだったので、想定より早く就活を終わることができました」
籠本さん「私は時期としては想定内でしたね。3年生の夏からインターンに参加しはじめて、4年生の6月、7月に就活を終える感じのイメージ通りでした。推薦も受けたんですけど、落ちてしまってそこからがしんどかったです」
ーー大変だった時期にはどのように対応しましたか?
中澤さん「僕は2月が一番忙しかったので、ひたすら来たオファーを精査していましたね。OfferBoxに登録して3日間くらいはずっとオファーが来すぎてたので、オファーを受け取れないようにならないよう枠を空けておくように気を付けていました」
古澤さん「行きたい企業のインターンが被る日があったので、どっちに行くかを前日まで悩んで片方をキャンセルしたりもしました。前日に断ると企業の人事に印象が悪いので、キャンセルした場合は本選考での通過は諦めていました。前日にキャンセルすることは出来る限りしない方が良いですね。」
OfferBox事務局「取捨選択をしっかりしていたんですね」
籠本さん「スケジュール管理と日程調整を一番頑張っていましたね。人事の方に直接この日、この時間しか面接行けません!だから日程調整してください!って無理を言ってお願いしていました」
■就活を終えてから気付いたこと
ーーもう1度、就活をするならどのようなことを気をつけますか?
籠本さん「もう少し早く就活に動き出してたと思います。あと、遠くの企業のインターンでも参加すればよかったなと思いますね。選考は行ってたんですけど。交通費が出るなら行こうと思いました。合同説明会に参加するなら夏前に行くべきだと思いました。だんだん良い企業も減ってくるので」
古澤さん「もうちょっと登録する就活サイトは減らしたら良かったなと思いますね。あと、正直なところOfferBoxだけでも全然就活できましたね」
中澤さん「僕は、やりたいことができないと就職したくないという思いがありました。なので、OfferBoxはやりたいことなどの情報をたくさんプロフィールに書き込めるのが良かったですね」
OfferBox「質問は以上となります。今日はありがとうございました」
理系の就活生といっても各々異なる時期に就活をはじめられていた様子でした。インターンの参加社数も目的などによって異なる印象でした。
しかし、みなさん共通して3月1日の広報解禁日より以前にインターンや自己分析の実施など就活に関する動きをされているとお話してくださいました。
就活の早期化にともなってインターンへの参加もごくごく当たり前なものになってきています。インターンに積極的に参加して、企業や業界への理解を深めましょう!