今回は英語が堪能という京都産業大学の井上宗一郎さんにお話しを伺いました。弾けるような笑顔が魅力的な井上さんですが、たくさん悩むこともあったそうです。一体どのような学生生活・就職活動を過ごしてこられたのでしょうか?
人生の基盤を作り上げられた中学高校の六年間
―井上さんは英語が堪能と伺ったのですが、留学経験があるのですか?
はい、高校二年の頃に一年間、オーストラリアに留学していました。
僕の通っていた高校が中高一貫でして、今はもうないコースなのですが、その中の留学コースに通っていました。中学三年間で英語をみっちり叩き込まれて、高校で留学というプログラムだったんです。
―ということは、小学生の頃から英語がお好きだったんですか?
いえ、そういうわけでもないんです。実は両親に無理やり受験させられて(笑)
それで受験に面接があったのですが、そのことを正直に言ってしまったら面接官にめちゃめちゃ怒られて、面接の間ずっと泣いてました(笑)なぜか受かったのですが、今思えばこの六年間の学生生活が僕の考え方の基盤となっていると思います。この留学コースの目標も、「英語を喋ることができるようになることではなく、人間として成長すること」だったので。
―実際、オーストラリアへ留学に行って何か変わりましたか?
語学力というより、内面の変化が大きかったです。中学からの積み重ねがあったので、そこそこ話せる力はあったのですが、カタコトの英語だったら通じないかもとか、いろいろ考えたら自分から話しかけることができなくて。
そうしているうちに話せる友達が誰もいなくなってしまって、いわゆる“陰キャ”みたいになってしまったんです(笑) それでもう孤独にも耐えられなくなって「どんな英語でもいいからとにかく話しかけよう」と決めたんです。
そうするうちに、また明るさも戻ってきて、英語も自然と話せるようになりました。
―井上さんが陰キャだったなんて、想像もつかないですね(笑) 大学入学後もやはり英語が鍵になっていたんですか?
そうですね。大学では、模擬国連というサークルを新しく立ち上げました。いろいろな大学に模擬国連ってあると思うのですが、僕のところでは英語で会議するんです。大体のところは日本語で会議していると思うんですけど。今では20人ほどで会議をしていて、外国人の子も7~8人います。
―模擬国連って、学生がいろいろな国の代表の役を務めて、実際の国連のように会議を行うんですよね。沢山吸収できそうなサークルですね!
留学を経て見えてきた日本教育に足りないもの
―そんな風に学生生活を過ごすなかで、就活はどのように始まったのですか?
先輩が就活の話をしているのを聞いて、はやく始めないとやばいのかな?と少しずつ焦り始めたのがきっかけです。でも三年生の冬に、院に行くのか就職するのか悩み始めました。大学院に行ってもすぐ自分のやりたい事ができるとは限らない、とも思っていました。そんな時に出会ったのがOfferBoxです。OfferBox Partyというものに参加して、そこで今の内定先の人事の方に偶然お会いしました。僕のやりたい事と一致していると思ったので、入社を決めました。
―やりたい事とはなんだったのですか?
教育に関わりたいとずっと思っていました。これは僕がいろいろな教育システムを経験してきた事が根底にあるんじゃないかなと。小学校は公立、中高は私立で一貫校、海外の教育も実際に受けた事があって、大学にも行かせてもらっている。このような経験をしていく中で、日本の教育そのものに疑問を抱き始めたんです。
例えば日本人って英語が苦手、特にスピーキングが苦手と思っている子が多いと思うんですけど、それってたぶん点数をとるためだけの教え方をしているからだと思うんです。だから興味が湧かないしおもしろくない。僕はそんな今の日本の教育のシステムそのものを変えたいと思っています。
―そこで教師になろうとは思わなかったのですか?
考えなかったわけではないんですけどね(笑)。ただ、これにも大きな理由がありまして。
僕のターニングポイントとなったのが、留学と、今している塾講師のアルバイトなんです。塾で教えていると、いろんな学校の子を教える事になりますよね。 それで学校によって異なる教え方をしているんだ、と知れるわけです。そうやっていろいろ見ていくうちに、教育の制度そのものを変える事が大切なんだ、と思うようになりました。教師になると、そんな大きな事はすぐにはできないですからね。
―なるほど。大きな夢としては、日本の教育制度を変えていきたいということなのですが、来年から社会人になるにあたって目標はありますか?
はい。学校を立ち上げたいと思っています。 今の内定先が専門学校の経営や、保険や留学斡旋で学校をサポートする企業を経営しているので、まずはそこで基礎を学びたいです。将来的には、学業だけではなく人間教育をしっかり行えるような学校を立ち上げたいですね。もちろん英語にも力は入れたいです(笑)
―人間教育を行うって、今の学校にはあまりない発想ですもんね。なんだか私まで楽しみです!最後になりますが、これから就活を迎える大学生に、何かアドバイスを頂けますか?
僕が具体的にやっていたことなのですが…
まずは、自分がやって楽しいと思うこと、楽しそうでやってみたいと思うことをリストにして書き出すんです。僕の場合は、富士山に登ることとかでした。書き出してみて、一番楽しい事は英語を教える事だと気付いたんです。
それで行きたい業種も将来の夢もはっきりして、今の内定先にも出会えました。就活はしんどいという人もいますが、僕は楽しんで就活できたと思います。会社を探すのも、面接を受けるのも、将来の夢への一歩だと思ったらとてもワクワクしました。これから就活という方も、しんどいばかりではなくて、ワクワクする気持ちをもって臨んだら楽しいと思います。
―就活は楽しんだ方が、働き始めてからも絶対に得だとおっしゃる井上さん。
その背景には、中高六年間で培った人間力と、未来の日本教育への強い思いがありました。とても大切なことに気づかせて頂けたような気がします。ありがとうございました!
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