【セミナーレポート】データで振り返る新卒採用最新データ②~18卒攻略の決定版~

HR総研所長の寺澤康介氏をお迎えし、人事担当者が知っておくべき最新の採用動向と、そのデータに基づく18卒採用の予測にフォーカスしたセミナーを開催しました。

このレポートは2016年10月18日に開催されたHR総研様とのトークセッションレポートです。
綿密に戦略を練ったはずが、なぜ今年も新卒採用は上手くいかなかったのか?
HR総研所長の寺澤康介氏と共にデータを読み解きます。


【セミナーレポート】データで振り返る2017新卒採用の最新情報②~18卒攻略の決定版~

通常は有料で提供されている、HR総研様制作の「人事白書」データも公開!
~17卒採用の後半戦、そして18卒採用をいかに勝ち抜くか~

 

 

2018年卒採用動向

18卒

HR総研所長 寺澤様:

続いて、18卒の採用動向の予測を調査したデータと、私が直近で聞いたり関わったりしたことを織り交ぜながら説明します。

18卒は17卒と同様のスケジュールで、3月に広報解禁、6月に選考開始です。その翌年の19卒については、最近の新聞に掲載がありました。6月1日の選考開始は変更がないものの、広報解禁を2月に早める可能性も検討されています。
経団連の採用を検討する場では、13~15卒のスケジュールに戻すのが一番良いのではないか、という意見も多くあったようです。最終的には、やはり学業を圧迫するということで、少し選考時期を戻し現状の6月になっています。16卒、17卒の2年、選考時期が行ったり来たりと安定せず、みだりに企業や学生を振り回しただけという考えもあり、結果的に18卒以降の選考時期の変更は今のところありません。
一方で、きちんと選考時期が守られないことで批判も出ています。面接と言わずに面談やその他の表現を用い、学生が行くと「実際は面接だった」ということも珍しくないようです。明示したところで守られないのであれば、今後はおそらく、企業の自主性に委ねられるようになっていく可能性もあります。それゆえ18卒に関しては、経団連から「選考開始の6月1日は必ず守るように」という含みは全く出ていませんし、現状19卒に関しても同じです。
6月下旬に18卒採用の調査をしたところ、企業側で、大幅に採用活動の前倒しが進みそうな結果が出ています。今までは秩序立って守ってきましたが、大手でも早期に採用活動を始める企業が増えるのではないかとみています。

 

2018年卒採用向けインターンシップ

グラフ1:18年卒採用向けインターンシップ 出典:HR総研(ProFuture株式会社)

18年卒採用向けインターンシップ

インターンシップを「これまでも実施しており、18卒でも実施予定」の大手企業は50%、中堅企業は45%、中小企業は25%でした。これに加え、「これまでは実施していないが、新たに始める予定」の大手企業は6%、中堅企業は10%、中小に至っては19%とすべての企業群において拡大する見通しです。

 

実施予定の2018卒向けインターンシップのタイプ

グラフ2:実施予定のインターンシップタイプ  出典:HR総研(ProFuture株式会社)

実施予定のインターンシップタイプ

「1日」タイプのインターンシップが、17卒よりもさらに増加しています。また経団連推奨の「1~2週間(5日以上)」タイプよりも「1日・半日」タイプの比率が増えているのも特徴です。「半日」タイプはあまりセミナーと変わらないため、おそらく今後さらに増えるとみています。

 

 

2018卒向けインターンシップ実施時期

グラフ3:インターンシップ実施時期 出典:HR総研(ProFuture株式会社)

インターンシップ実施時期

現時点では「8~9月」実施のインターンシップが最多という結果です。しかし、「実施未定」(36%)や追加実施の企業を見込むと、17卒と同様「1~2月」実施の企業が多くなるのではないかと予測しています。というのも、昨年も同様のデータを取った際、やはり「8~9月」実施の方が多かったのですが、結果的に「1~2月」実施が高くなりました。そのため、18卒の予測としても「1~2月」実施が伸びると考えられます。

 

採用直結型インターンシップ

大学側に「採用直結型のインターンシップをどう思うか」を調査したところ、全体の3割が「インターンシップと採用選考は切り離すべき」と回答しました。また「インターンシップと採用選考が結びつくのは悪いことではない」と回答した大学は約5割に上り、さらに8%は、「ミスマッチ低減のためにもどんどん推進していくべきだ」と回答しています。
しかし、大学の規模別で見ると、マンモス大学になるほど「採用とは切り離すべき」と考える大学が多かった。これは、マンモス大学になればなるほど伝統を重んじる大学が多いからだと考えられます。とは言え、全体的には「選考直結型インターンシップを容認」「選考直結型インターンシップを推進」している大学の方が多いという結果です。
大学側も、多くの企業が「インターンシップを選考に活用している」ことを把握しており、学生に「インターンシップは選考だと思って臨め」と進路指導しています。


 

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データで振り返る2017新卒採用の最新情報①~17卒後半を戦う~」を含む、セミナー完全版をご覧いただけます。

 


 

寺澤さん

<講演者プロフィール>

寺澤 康介氏

ProFuture株式会社 代表取締役社長
HR総研 所長 / 中央大学大学院戦略経営研究科 客員教授

1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。約6万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。 約25年間、大企業から中堅中小企業まで幅広く採用、人事関連のコンサルティングを行う。週刊東洋経済、労政時報、企業と人材、NHK、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、アエラ、文春などに執筆、出演、取材記事掲載多数。企業、大学等での講演を年間数十回行っている。


2016年12月22日公開