「学業で力を入れたこと」は就活でどう答える?話すときのポイントや徹底解説

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「学生時代に力を入れたこと」(ガクチカ)はしっかり準備していたのに、『学業』で力をいれたことを質問されてしまい、答えられなかった…。
これはとてもよくある話です。アルバイト・ボランティア・サークル活動などと異なり、エピソードが思い浮かびにくく、答えにくいものです。

学生は本来「学業」に力をいれるべきですよね。そして、就活ができているのであれば、単位が順調にとれているということ。つまり、少なからず学業でも頑張っているはずです。
あなたが学業で力を入れたこと、頑張ったこと、工夫したことなどをしっかり思い浮かべて、答えられるようにしておきましょう!

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目次

企業は「学業で力を入れたこと」をなぜ聞くのか

まずは、相手の質問の意図を考えることが大事です。

企業の採用担当が「学業で力を入れたこと」をなぜ質問するのかを考えてみましょう。

 

専門性を確認したい

あなたの専攻がその企業で求められるスキルとどれぐらい一致しているかを確認するために質問をしています。特に理系の方に多いパターンですね。

この場合は、しっかりと自分の学んでいることと、その企業での業務がどこまで一致しているのか、逆に一致しない部分があるのかをまとめて、準備しておきましょう。

もし、一致するところが多いとしても、きちんと整理できずにダラダラ答えてしまっては意味がありません。きちんと整理して答えられるようすることがポイントです。

 

「経験」や「人となり」が知りたい

多くの企業が面接を通じて知りたいことは、就活生の「人柄」です。
以下のグラフからも分かる通り、知識や専門性ではなく、過去の経験や自己PRなど学生の人柄に通じる項目を企業は見ているのです。

それはなぜでしょうか。

大学で学んだ知識を用いて、就職後にいきなり大活躍できることはほとんどありません。大学で得られる専門性は、それほど深いものではないことを採用担当は知っています。

 

採用担当が知りたいことは、学業において「何を考えて、どのように勉強してきたか、いかに成長してきたか」という過程と、それを説明できる力です。

 

「学業で力を入れたことなんてない!成果なんてなおさらない!」と思う方もいるかと思いますが、このアンケート結果から分かるように、選ぶエピソードはなんでも構わないのです。

特に成果が自慢できるようなものでなくても、例えば、定期テスト対策・レポート作成など誰もが日常的におこなっている事柄の「過程」を分析ししっかりと説明できるように整理することが大切です。

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「学業で力を入れたこと」の評価基準

では、具体的に採用担当は、「学業で力を入れたこと」の回答を、何を基準にして評価しているのでしょうか?

「学業で力を入れたこと」の評価基準

  • 取り組んだ内容をわかりやすく説明できる力を測りたい
  • 力を入れて取り組もうとした内容=その学生の興味関心の対象を知りたい
  • 取り組みの過程から、計画力や解決力・目標達成力を測りたい

採用担当は、学業で力を入れたエピソードを元に、あなた自身の能力を知ろうとしています。同時に、どんなことに興味を持ち、力を発揮できるかも見定めようとしています。

「学業で力を入れたこと」であまり見ていないポイント

  • 取り組んだ内容のすごさ・目立った実績
  • 出てくるエピソードの派手さ・華やかさ

一部の職種では、専門性を確認するためにこの質問をしますが、取り組んだエピソードの派手さなどは、あまり重要視していません。
なぜなら、企業が最も知りたいのは、「入社した後に、その能力を活かせるか」ですので、大きな発表の舞台に立った経験よりも、日々取り組む姿勢を重要だと考えているからです。

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「学業で力を入れたこと」の見つけ方

「学業」という限定された分野の中で力を入れたことを考えても、なかなか思いつかない方もいるでしょう。

このような場合、どのように学業で力を入れたことを見つければ良いのか解説します。これから紹介する4つの流れをたどることで内容を深めることもできるでしょう。

これまで勉強してきたことを振り返る

まずは、学校で好きだった授業や力を入れていた発表を思い返してみましょう。頑張った、楽しかったなど特に思い入れのある内容なら、高校・中学でのことでも構いません。

最初は選考で話せるほどの内容かに関係なく、柔軟にこれまでのことを思い出してください。

思い返しているうちに芋づる式に頑張った勉強を思い出すこともありますし、「意欲的に取り組んだ勉強にはこういう共通点がある」という気付きが得られることもあります。

力を入れた学業を書き出す

次に、振り返った中で特に印象深い学業を書き出しましょう。あわせて、自分がその学業をする中で何をしたか、具体的な行動を書き出してください。

具体的な行動の例としては、自発的に関連する本を読んで知識を深めた、積極的に友人や先生に質問をした、グループ学習でリーダーをしたといったものが挙げられます。

その学業に意欲的に取り組んだり、楽しんで取り組んだりしていたことが分かる行動を洗い出しましょう。

なぜその学業に力を入れたのかを書き出す

続いて、なぜ自分がその学業に力を入れたのか、当時の背景や感情を書き出します。

例えばテストで1度良い点が取れて意欲が高まった、その授業の先生が熱心でついていきたいと思った、友人と成績を競い合ったなどがあるでしょう。

何が自分にとって頑張る原動力となったのか、自分の興味関心は何によって刺激されるのかといった点を意識して書き出してみると、「学業で力を入れたこと」の回答につなげやすくなります。

力を入れたプロセスを書き出す

力を入れた学業について、結果だけでなく目標を達成するまでのプロセスも書き出しましょう。

例えば成績を上げるためにどのように勉強に取り組んだのか、プレゼンを成功させるためにどのような工夫をしたのか、良い論文を作るためにどのような努力をしたのかなどを考えます。

頭で考えるだけでは整理できていないことが多いので、紙に書き出すことが重要です。

この部分は、入社後に目標達成のためどのように頑張れるのかをアピールする材料となります。

「学業で力を入れたこと」の答え方

先に解説した評価基準を頭に入れたうえで、答え方を知っていきましょう。
 

STEP1.学業の内容を簡潔に分かりやすく

「学業で力を入れたこと」という質問なので、まずは学んできた内容を簡潔に伝えます。

前述のとおり、採用担当は、必ずしも学業の内容を詳しく知りたいのではありません。「どのような勉強・研究をしているのか」がある程度伝わるのであれば問題ありません。

発表会・学会などに参加して「入賞・表彰」という実績などがあるのであれば、その内容は良いアピールポイントになりますが、成功体験ほど話が長くなりがちです。

学業の内容を時系列で説明することのないよう注意しましょう。

 

STEP2.目的・過程は丁寧に

前述のとおり、採用担当者は学生の価値観・人柄・物事への取り組み方、解決能力を知りたいと思っています。学業で力を入れようと思った目的や、その目的達成のための過程はとても重要です。

ここをきちんと伝えられるよう意識しましょう。

 

STEP3.そこから得たものは何か

結果として、どのように成長したか、またはどのような課題に取り組むようになったか、などを伝えましょう。

例えば、結果として失敗をしたことであっても、そこからの気付きやその後の成長などがあるのであれば、それは自信をもって語れるエピソードになります。長々と過去の優れた実績を説明するぐらいであれば、失敗体験からのエピソードと、そこから得た結果をきちんと説明できる方が良いかもしれません。失敗から得られるものは大きいと思っておきましょう。

 

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「学業で力を入れたこと」を話すときのポイント

選考で「学業で力を入れたこと」を話す際は、単に事実・エピソードを伝えるだけでなく、採用担当に自分を採用するべき理由・メリットを感じてもらえるような工夫が必要です。

具体的なポイントを2点紹介します。

感情を混ぜて伝える

採用担当は、学業で力を入れたことを通して学生の人間性も見極めたいと考えています。

何の学業にどのように取り組み、どのような結果を出したのかという事実だけでなく、その中で感じた自分の感情も混ぜることがポイントです。

例えば成績がなかなか上がらず悔しい思いをしたが自分を奮い立たせた、目標をクリアしたときに達成感があり頑張って良かったと思った、といった内容です。

逆境やプレッシャーにも負けない性格、目標達成に意欲的な人柄など、仕事をするうえでもプラスに働きそうな要素が感じられる感情を盛り込みましょう。

仕事でどう活かせるか伝える

学業に力を入れてどのような結果が得られたのかを伝えたら、そこで得た学びや姿勢、物事への取り組み方をどう仕事で活かせるのか伝えましょう。

これにより、採用担当に自分を採用するメリットを感じてもらえたり、入社後に活躍する姿を想像してもらえたりします。

例えば、「社会人になってからも同様に、目標から逆算して計画を立て、目標を達成したい」「周りにアドバイスや協力を依頼し、さまざまな視点を取り込んで多くの人に役立つ仕事がしたい」などが挙げられます。

志望業界や職種も踏まえて内容を考えましょう。

「学業で力を入れたこと」の例文

 

「ゼミ」× 「物事に取り組む姿勢」

私は、経営学のゼミでリーダーを務めていました。人数が多いゼミだったので、教授とゼミ生の間にたち、調整を期待されていました。

実際に他のゼミ生の研究の進捗状況の把握や、ゼミで行うイベントのまとめ役を担うことで、スケジュール管理能力やみんなの意見をまとめる力が身につきました。

普段から精一杯その役割を果たしていたので、私が研究で忙しい時は周りのゼミ生が進んで協力してくれました。普段から与えられたことを愚直にこなしていくことで、周りの信用を勝ち取れることをこれらの経験を通じて学びました。

人事のコメント
特に珍しいエピソードではありませんが、そこから得た「学び」がはっきりしており、仕事にも役立てるイメージができる点が良いと思います。

 

「ゼミ」× 「真面目さ」

私はゼミの中で〇〇についての研究を行っていました。

それによって計画力と、それを実行する力を身につけられたと思います。

私のゼミでは、1年間、自身が設定したテーマに沿って研究を行うスタイルでしたが、私は先行研究がなかったテーマを選んだためにさらに難易度が高くなっていました。研究結果を出すためには、綿密な計画とそれを遂行する根気が必要でした。

計画通りにいかないことも多々ありましたが、軌道修正をしながらも、1日も欠かさず継続して研究活動を行うことで、研究結果に対して教授から高評価をいただくことができました。

毎日少しずつの積み重ねが、大きな成果につながることを学びました。

人事のコメント
高い課題を自ら選ぶ姿勢、さらに、それを継続する力があることが、このエピソードから分かります。

 

「授業」× 「物事に取り組む姿勢」

私は、第二外国語である中国語の授業に力を入れました。

周りの学生は、単位さえ取得できれば良いという考え方でしたが、せっかく学ぶ機会があるのであれば真剣に学びたいと思い、毎日の学習を欠かしませんでした。

その結果、中国語のスピーチコンテストに推薦していただきました。スピーチコンテストの結果はあまりよくありませんでしたが、コンテストに出場したことで刺激を受け、さらに学習に励むようになりました。また、話す機会を増やすため、中国人留学生の友達をたくさん作るようになりました。

このことから、毎日の積み重ねが、自分の可能性や世界観を広げることを知りました。

人事のコメント

誰でも履修しているような授業にも、真剣に取り組みたいという姿勢が評価できます。また挫折経験を活かせている点も良いですね!

 

回答例からも分かるように、特別際立った成果が出ているエピソードではなくても、採用担当者に響く回答は作ることができます。

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エントリーシート(ES)の学業欄を書くときの注意点

エントリーシートは、面接での口頭回答と違い、字数やスペースが限られています。
また、発表の後に追加で説明をすることもできないため、その文章だけで伝わる内容にすることもポイントです。
 

  • 最も伝えたい要点を1つに絞る
  • 固有名詞は、内容がイメージできるように説明を添える
  • 同じ意味でも、短い言葉を選ぶ

 
要点は2つ以上になるとダラダラとした文章になりがちです。1つに絞りましょう。

また、固有名詞は第3者が読んでも意味が正しく伝わるように、説明を添えましょう。

文字数が制限されているエントリーシートでは、言葉選びにも気をつけましょう。

短い言葉選びの例)
○:〜が決定しました。
×:〜することに決まりました。

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エントリーシート(ES)の学業欄に書けることがない場合の対処法

「本当に書けるエピソードがない」という場合は、以下の方法を試してみましょう。

自分の行きたい企業・業界が求めているスキルから考えてみる

志望がある程度固まっている場合は、その企業の募集要項を見てみましょう。新卒採用する学生に求める資質やスキルが書いてあるはずです。

「そのスキルを、学業の中で発揮した経験はなかったか?」という風に、具体的に思い返してみましょう。

先輩の学業に関するエピソードを見てみる

具体的な完成物がイメージできないから書けない場合は、こちらのOfferBoxStoryで、学業をガクチカに挙げているOfferBoxユーザーのエピソードを参考にしてみてください。
自分と似たような経験がある人を見つけられるかもしれません。

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エントリーシート(ES)のNG例文

最後に、エントリーシート(ES)のNG例文を確認しておきましょう。

一見力を入れた学業とそれに対する取り組み方、そこで得た学びや姿勢をどう仕事で活かせるかをアピールできているようでも、実は採用担当に響かない内容になっていることがあります。

例文1

私は、英語の勉強に力を入れました。

TOEICのスコアを700から900にする目標を立て、テキストや教材CDを活用して継続的に勉強し、定期的に留学生の友人と英語で話す時間を作りました。結果、目標だったスコアを達成できました。

社会人になってからも、目標に向かってすべきことを洗い出し、それらを計画どおりに進めていくことで成果を出していこうと思います。

人事のコメント
過程の説明が淡々としすぎて、何をしたのかは分かるのに努力した姿が想像しにくくなっています。なぜそのスコアを目指したかの理由や、目標達成までにぶつかった壁や苦労を加えると、頑張り屋、負けず嫌いなどの人柄が見えてくるでしょう。

例文2

私はゼミでの研究に力を入れました。

この研究は卒論にもつながるので、積極的に他大学の教授にもアドバイスを請うなどできる限りの努力をしています。

中間論文はこだわりすぎて提出期限に遅れそうになりましたが、なんとか間に合い、全学部合同の中間報告会では学部代表に選ばれました。

入社後も質の高さにこだわり貴社に貢献していきたいです。

人事のコメント
「できる限りの努力」など、まとめられすぎていて、内容の具体性に欠けるため、イメージがしづらいです。また、熱意や努力を惜しまない人柄は評価に値しますが、提出期限に遅れそうになった点から入社後のスケジュール管理が懸念されるかもしれません。

「学業で力を入れたこと」をアピールして、オファーをもらおう!

せっかく自分の「学業で力を入れたこと」ができたのであれば、応募する企業だけでなく、たくさんの企業に見てもらいましょう!

OfferBoxは、企業が学生のプロフィールを見てオファーを送るサービスです。
自分のやってきたことを活かせる企業や、取り組み方に共感してくれた企業からオファーが届くかもしれません。

また、オファーには「あなたのこんなところに魅力を感じた」というコメントが書かれていることも少なくありません。それによって、あなたの「学業で力を入れたこと」の伝え方を、よりブラッシュアップできます。

なお、OfferBoxでは、学業や研究内容を記載する項目のほかにも、写真や自己PRなどを自由度高く入力できます。
「学業で力を入れたこと」よりも、それ以外のアルバイトやサークルでの経験を見て欲しい…という方にも、おすすめです。

実際にプロフィールを作ってオファーをもらった先輩の記事はこちら!
OfferBox流:読まれるプロフィールの書き方

「特に答えることがない…」と悩まず、少しでも、学業において、頑張ったこと、工夫したこと、失敗から学んだことなどをまとめてみましょう!

それでも何を書けばいいかわからない!と思う方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
学生時代に頑張ったことない人向けのガクチカの書き方

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