
就活に自己分析が必要だと分かってはいても、自分のことを分析するのはなかなか難しいものです。自分を大きく見せようとしてしまったり、反対に謙遜してしまったりして、どうすればいいのか分からなくなったという声もよく耳にします。
自己分析が適切にできていないと、就活中の自分と本来の自分との間にギャップが生まれ、就活で望む結果が得られないことがあります。
また、自己分析ができていないと「自分が何をしたいのか」「どんな職業が本当は合っているのか」が分からないまま就職をすることになり、入社後のミスマッチによる早期離職に繋がってしまうケースもあります。
そうした事態を回避するためにも、就職活動期間になるべく早くから自己分析をしておくことが大切です。この記事では、無料でダウンロードできる自己分析シートを紹介し、シートを活用した自己分析の方法を解説します。ぜひ活用してくださいね!
目次
自己分析の種類・方法
自己分析をするための代表的なアプローチとして、「自分自身の経験を網羅的に振り返る」方法と、「他人から見た自分を知る」方法の2種類があります。それぞれ、どのように自己分析が深まるのか解説します。
自分自身の経験を振り返り、納得感を高める
納得感を持って就職活動を終えるには、自分の過去・様々なシーンを振り返ることで、「自分を網羅的に見つめ直して、自分に合う企業と出会うことができた」と実感できることが大切です。
網羅的に見つめ直すための方法として、自分が覚えているシーンをすべて書き出し、振り返る方法があります。「すべてのシーンを振り返った」と自分で納得できることが大切です。
なかには自分ではあまり思い出せない人もいるかもしれません。自分で思い返してもなかなか過去のエピソードが出てこない場合は、家族や古くからの友人に自分の印象的なエピソードを聞いてみてください。
「こんなことは取るに足らない」「就活に関係ない」と切り捨ててよいエピソードはひとつもありません。まずはすべて洗い出すことが大切なので、小さなことまで覚えていることは書き出してみましょう。
ほかの人に協力してもらい、客観性を高める
自己分析では、自己評価だけではなく他己評価を取り入れることも大切です。
自分で気付いていない自分は、誰しもが抱えています。極端な例を挙げると、自分では「気が弱い」と思っていても他人からは「気が強い」と思われているかもしれません。
これを知るには、ほかの人に頼るしかないので、自分の性格、特徴について、身近な人に聞きましょう。前述の「エピソード」とは別に、「強み」「弱み」「特徴」について聞くのがおすすめです。実は客観的に見た自分の魅力は、自分の思いもしないところにあるかもしれません。
もし、他人の評価が自己評価と食い違っていることに気付かないまま、自分が思う自己PRをしても、採用担当が納得できるものにはなりません。
また、自分の思っている自分を誤解したまま社会人になっても、うまく就職先とマッチせず不満が募るかもしれません。そのため、できる限り他者から見た他己評価と自己評価をすり合わせることが重要です。
ぜひ、身近な友人、サークルやアルバイト先の先輩・仲間、家族などを頼ってみてください。また、今も付き合いのある恩師がいれば、より、的確な意見をもらえるはずです。
無料ダウンロードできる自己分析シート
先に紹介した代表的な2つの方法で自己分析するための自己分析シートをご紹介します。Excelで手軽にできる分析方法なので、ぜひダウンロードして試してみてくださいね。
経験を元に納得感を高める自分史

自分史を作成する際は、小学校入学前や中学1年生など、年代別に、自分の歴史を振り返っていきます。ぱっと思い出せたことは自分にとって、とても印象深い大きなできごとである可能性が高いです。
できごとを書き出し、時代ごとに何を考えていたかを追っていくことで、自分の特徴を確認しましょう。
自分史を記入できる、自己分析シートのテンプレートを用意したので、ぜひご活用ください!
ダウンロード_自分史Excelテンプレート_OfferBox
手順①年代別に所属していた組織、立ち位置を記入する
Excel上で、小学校入学以前、小学校低学年など年代別に自分の歴史を振り返っていきます。まず、C列に年代ごとにしていた活動を、D列には組織の中での自分の立ち位置を記入します。
活動は所属した学校、部活、地域の活動、環境などを書き入れます。まずは、思い出せるものはなんでも列挙してみるとよいでしょう。
そして活動の中で、自分はどういうキャラクターで、どういう立ち位置だったのかを考えます。
リーダー的存在だったのか、中継ぎ役だったのか、周囲についていくタイプだったのかなど、思いつくだけ書き出してみてください。「お調子者」「サッカー少年」「一歩引いていた」のようなイメージです。言葉は選ばなくていいので、なるべくたくさん書き出してみましょう。
手順②記憶にあるできごとを具体的に列挙する
年代ごとにあったできごとをE列に列挙します。まとまった文章ではなく、箇条書きで十分です。自分ではつまらなかったと思えるできごとも、意味のあるエピソードである可能性があるので、まずは思いつく限り書きましょう。
ぱっと考えてすぐに思い出せることが少なければ、家族に聞いてみるのもよいでしょう。幼い頃の記憶はあいまいになりがちですが、家族はしっかりと覚えてくれているものです。
例えば、「友だちとおもちゃの取り合いでケンカした」「中学1年のときは本を読むのに夢中になった」「高校生の頃は部活に夢中で授業中によく居眠りをしていた」「成績が上がらない自分に対して先生が我慢強く指導してくれた」「交通事故で骨折をした」など、なんでもいいので、エピソードを集めてみてください。
手順③ライフラインチャートに幸福度の起伏を記入する

ライフラインチャートとは幸福度をグラフ化したものです。その年ごとにあったもっとも印象深いできごとをピックアップし、できごとの幸福度が低ければ低いほど左寄りにポイントを打ちます。そして高ければ高いほど右寄りにポイントを打ちます。
それぞれのポイントをつなげてラインを書くと、ライフラインチャートが出来上がります。PC上での作成が難しい場合にはプリントアウトして手書きで作成しても問題ありません。
ライフラインチャートを見ることで、人生の幸福度の波がひと目で分かるようになります。
手順④年代別に考えや感情、学びを記入する
年代別に、当時考えていたことや感じていたことをF列に、経験から学んだことをG列に記入します。
考えていたことや感じていたことについては、とくに難しく考える必要はありません。「部活が楽しかった」「つい人見知りをして、仲間に入れてほしいと言えなかった」「コツコツと努力することが好きだった」といった内容で十分です。
経験から学んだことは「苦手な友人とも付き合ううちに、誰でもいいところがあると気付くようになった」「厳しい環境に身を置くことで成長ができる」などのように記入してみてください。
H列には、転換点になった年だと感じたところに*マークを入れましょう。マークは1ヶ所だけではなく、複数ヶ所に入れてかまいません。
客観性を高めるジョハリの窓

ジョハリの窓では自分から見えている自分と、他人から見えている自分の差を見つけだすことができます。ギャップに気づくことで、新しい自分を発見したり、自己理解を深めたりすることができます。
ジョハリの窓は自分だけではおこなうことができないので、友人などに協力を依頼するようにしましょう。就活仲間と協力し合うことをおすすめします。
ジョハリの窓もテンプレートを用意したので、ぜひご活用ください!
ダウンロード_ジョハリの窓Excelテンプレート_OfferBox
手順①自分で強みだと思うことを記入する
まず、自分で思う自分の強みを見つけていきます。日ごろから自分の特徴や強みだと思っている点を「記入シート_A(本人)」に記入してください。
ジョハリの窓では、思いつくままに自分の強みを自由に書き込むという方法と、強みを列記したシートを作り、あてはまると思われるものを、選択式でチェックしていくという方法があります。
今回は初めての人でもジョハリの窓がおこないやすいように、選択式でチェックができるシートを用意しました。「頭が良い」「発想力がある」「段取り力がある」「話し上手」「親切」などとB列に書かれているので、当てはまっている場合にはD列に「1」、当てはまっていない場合は空欄にしておきます。
手順②ほかの人に強みだと思うことを記入してもらう
「記入シート_B」「記入シート_C」「記入シート_D」のシートを使って、友人にも記入をしてもらいます。
自分が記入したExcelファイルを友人に送って、記入したものを返送してもらってもいいですし、PCで見られない人にはプリントアウトしてあげてもよいでしょう。チェックを入れていく要領は、自分用の「記入シート_A(本人)」と変わりません。
ちなみに、現シートでは項目がB38までとなっていますが、他にもあるようでしたらB39以降に書き足してもかまいません。項目の数については自由です。ただし、書き足す場合は、A~Dのすべてのシートで同様に加えるようにしてください。
手順③4つの窓に強みを配置する
入力が完了すると、「ジョハリの窓」のシートの4つの窓に自動的に分類されます。
ジョハリの4つの窓とは以下の通りです。
- 開放の窓…自分も他人も分かっている自分
- 秘密の窓…自分は分かっているが、他人は分かっていない自分
- 盲点の窓…自分は分かっていないが他人は分かっている自分
- 未知の窓…誰からも知られていない自分
もし、「行動力」が開放の窓に入った場合には、自分から見ても他人から見ても「行動力がある人」になります。秘密の窓に「空気が読める」と入った場合には、自分だけはそう感じているものの、他人は気付いていないか、または自分が誤認している強みだということになります。
「向上心がある」と盲点の窓に入ったならば、自分では気付いていないものの、実は向上心があると周囲から見られているということになります。
このように、自分からみた自分と他人からみた自分のギャップが明確になります。
手順④「盲点の窓」を中心に理由を聞く
4つの窓の中でもっとも理解を深めたいのが「盲点の窓」に関することです。協力してもらった友人に、なぜチェックを入れたのか聞いてみてください。
盲点の窓は自分の知らない、もしくは気づいていない特徴となります。客観的に自分を知るには、盲点の窓に着目することが大切です。
例えば、自分は人前に立つような人間ではないと思っていても、盲点の窓に「リーダーシップ」が入っていたことから、リーダー役が向いていると分かるかもしれません。
また、「発想力がある」「想像力が豊か」などの項目が盲点の窓に入っていれば、クリエイティブ系の職業が向いている可能性が広がります。
無料で強みや長所が分かる自己分析ツールAnalyzeU+
「もっと簡単に自己分析をしたい」「ほかにも客観的な評価がほしい」というときに便利なのが、Web上でダウンロードできる自己分析ツールや自己診断ツールと呼ばれるツールです。
Web上の自己分析ツールはさまざまですが、なかでも無料でダウンロードができ、多くの就活生が活用しているのが、OfferBoxで受験できる自己分析ツールAnalyzeU+(アナライズユープラス)です。
診断項目は、社会人基礎力11項目と次世代リーダー力14項目からなり、100万人以上のデータを元に、「社会人基礎力」の偏差値が割り出されます。
社会人基礎力は経済産業省が提唱する「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの項目に分けられ、それぞれに偏差値が出ます。
さらに3つの項目は細分化され、よりきめ細やかに、自分の社会人基礎力を知ることができます。例えば「前に踏み出す力」であれば、「主体性」「働きかけ力」「実行力」に細分化され、それぞれの偏差値が表示されます。
この偏差値により自分の強みをひと目で知ることができ、自己PR文を作成する際に役立てることが可能となります。
弱みについてもアドバイスしてくれるので、今後の自己改善に役立てることもできます。
所要時間は15分前後と手軽なので、チャレンジしてみてください。
【まとめ】自己分析シートを無料でダウンロード!
就職活動の中では自己分析が重要な鍵となります。自己分析ができていれば、本当にやりたい仕事と出会うことも夢ではありません。
その自己分析をする際には、今回紹介した「自分史」「ジョハリの窓」の自己分析シートをぜひ活用してください。