「学んだこと」を企業が質問する意図や答え方、例文を紹介

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就活の面接で「学生時代、学んだことはなんですか?」と質問されることがあります。そのとき、質問の意図が分からなかったり、学んだことが浮かばなかったりして困っている人は多いのではないでしょうか。

企業が学んだことを質問する意図を理解したうえで答えることで、自分らしさ・自分の魅力が相手により伝わりやすくなります。

この記事では、エントリーシートや面接で「学んだこと」を質問する企業の意図やと質問されたときの答え方のポイントなどを解説します。回答の例文も紹介しているので、自分なりの回答を考える参考にしてください。

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「学んだこと」を質問する企業の意図

まずは企業が「学んだこと」を質問する意図についてみていきましょう。

学びを得る力を知りたい

企業は「学んだこと」の回答を通じて、学生が経験から学ぶ力があるかを知りたいと思っています。

経験から学びを得られるかどうかは、その人の姿勢次第です。前向きに取り組むことができ、常に自分を高めたいと思っていれば、一見小さな経験からも大きな学びを得られます。

一方、学んで次に活かす姿勢がないと、成功例からも失敗例からも学びを得られません。
新卒は、入社後に様々な経験をしながら成長することを期待されています。そのため企業は、学生が大きく成長できる人材かを見極めるために「学んだこと」を質問します。

興味をもっていることを知りたい

「学んだこと」の回答からは、学生の興味がどこにあるかが見えてきます。

例えば、仲間と協力する大切さを学んだと回答すれば、日ごろからチームワークを意識している人物だと分かります。地道な作業の中で継続力を学んだと言えば、コツコツとした仕事に興味がある人だということを知ることができます。

「学んだこと」の質問の回答からは、特に「どんな人間でありたいか」が見えてくるので、企業にとっては、学生の方向性やありたい姿が自社と合っているかを見極める材料になります。

特別なエピソードを聞きたいわけではない

企業はあくまで学びの内容を聞いているので、特別目立った結果を残したエピソードを聞きたいわけではありません。失敗経験からも学ぶことは多くありますし、失敗から学びを得て次に活かせる学生は企業にとって魅力的です。

そのため、変にエピソードを盛ることはせず、自分が学んだことを素直に伝えるようにしましょう。

無理して特別なエピソード、特別な学びを作っても、それは自分の本来の姿でではありません。入社後にミスマッチに気付く事態にならないよう、エピソードの大きさではなく自分らしさが出るエピソードを話すことを意識してください。

「学んだこと」を質問されたときの答え方のポイント

続いて、「学んだこと」に対して回答する際のポイントについて紹介します。また、文章の組み立て方も解説しますので、エントリーシートを書く際や面接で回答する際の参考にしてください。

仕事に生きる水準まで抽象化する

「学んだこと」をその事柄の中だけのことで終わらせず、仕事にも応用できるように抽象化することが大切です。

以下の例を見てみましょう。

例)大学院の研究で難しい課題に挑戦して解決策を見出した経験

何度も実験を重ねた結果、○○という仮説を証明するには○○をすれば良いということを学びました

この説明だけでは、学んだ内容を仕事や社会人生活に結びつけることができていません。また、その回答からは、人柄も見えてはきません。
以下のように抽象化してみましょう。

仮説検証において重要なことは、最初から確からしい仮説を立てることではなく、検証しながら仮説の精度を高めることだと知りました。

すると、「実験を頑張った人」という印象から、「考えながら行動できる人」という印象に変わるので、面接官も採用したいと感じやすくなります。

どんな経験で学んだのか具体的に伝える

学んだことについて伝えるときには、どんな経験を通してその学びを得たのかをできるだけ具体的に伝えるようにしましょう。

「チームワーク」「コミュニケーション」「◯◯の大切さ」などの学んだ内容はどうしても類似しがちです。ただ、「学んだこと」に関しては、自分らしさが表れるものを正直に話した方がいいので、ここで無理にオリジナリティを出す必要はありません。

他の人との差別化を図るには、学びの過程の経験を具体的に話すようにしましょう。経験は唯一無二のものなので、エピソードを具体的に話すことで自分らしさが伝わりやすくなります。

仕事への生かし方は求められたら答える

「学んだこと」は仕事にも使える水準まで抽象化することが大切と前述しましたが、「仕事にどう生かすか」までを無理に回答に含める必要はありません。

あくまで「学んだこと」が主題であるため、「企業でこう生かせます」という内容は、聞かれた場合に答えれば大丈夫です。

面接はあくまでもコミュニケーションの場であり、一方的にアピールする場ではありません。会話の流れのなかで適切なタイミングがあれば話す、くらいのイメージでいましょう。

PREP法を活用する

エントリーシートでも面接の回答でも、できるだけ簡潔に分かりやすく文章を組み立てることが大切です。

話を伝えやすくするためにはいくつかの推奨される文章構成がありますが、なかでも使いやすくて分かりやすいのがPREP法です。

PREP法は以下の流れで文章を構成する方法を指します。

  1. Point(結論)
  2. Reason(理由)
  3. Example(具体例)
  4. Point(結論)

「学んだこと」の場合は、ReasonとExampleがほぼ同じになります。まずは文章の基本を押さえたうえで、自分らしさを出してみることをおすすめします。

ガクチカとかぶってもOK

「学んだこと」を回答する際には、内容がガクチ力など他の質問とかぶっても問題はありません。ある程度は似たようなエピソードが出てくることを、採用担当も理解していますし、それだけ自分に影響を与えた経験だったのだと考えます。

ただし、似たような内容でも、それぞれ話のポイントが変わってきます。ガクチ力では取り組む姿勢に主眼を置き、学んだことは、学生時代に力を入れたことによって得た学びにポイントを置くようにします。

例えば、バイトリーダーで全体をまとめたエピソードでは以下のように変わります。
ガクチ力

バイトリーダーとして現場の作業がうまくいくようにそれぞれの声をしっかりと聞くようにしました

学んだこと

バイトリーダーとしてみんなをまとめていく中で、仕事をスムーズに進めるためには、傾聴力が必要だと学びました

まだガクチカの内容が固まりきっていない・自信がない場合は、ぜひ以下の記事をチェックしてください。

「学んだこと」への回答例文

最後に、アルバイトや大学の授業などのパターン別に回答例文を紹介します。実際に回答する際には自分の経験に基づいて文章を組み立ててみてください。

アルバイトで学んだことに関する例文

私は塾でのアルバイトで「人が強みを発揮できる環境を用意することの大切さ」を学びました。

生徒はそれぞれ個性があり学力もさまざまです。そのため、同じ教え方をしても伸びる生徒と伸びない生徒がいました。集団授業だったので、その場で個別に教えるのは難しかったのですが、授業以外の場で、生徒それぞれに自分に合った勉強法を提案してみました。

例えば、公式を証明するなどして論理的に覚えるタイプと問題を解きながら感覚的に理解していくタイプなどに分けて、それぞれのスタイルが確立できるようサポートしました。

その結果、伸び悩んでいた生徒の成績も伸びるようになりました。自分の強みを発揮できる環境を用意するだけで、人が発揮できるパフォーマンスは大きく変わることを学びました。

ポイント
この例文は、教育・研修の人材系企業を志望する学生のものを元に作成されています。

強みを発揮できる環境を用意することは教育研修の場でも役立ちますし、マネージャーとしても使えるので、広く使えるスキルにうまく抽象化できています。

部活動で学んだことに関する例文

私は陸上部に所属しながら、常に改善を続けることの大切さを学びました。

陸上部の練習は筋トレやフォームの改良など地道なことが多いのですが、地道な工夫を積み重ねることで少しずつ変化が現れます。私は、ケガなどもあり辛い時期もありましたが、毎日リハビリ・フォームチェックをして、負担の少ないフォームに改良することで、怪我から復帰して無事部活動をやり抜くことができました。

怪我をしたときは、医師からも復帰は難しいと言われていたのですが、日々細かな改善を続けることで想定以上の結果を出せることを学びました。

ポイント
部活動に継続的に取り組んだ例なのですが、ただ続けるのではなく「常に改善を続ける」ことに昇華しているのがこの例文のポイントです。

入社後も日々の業務をただこなすのではなく、改善できるところがないか考えながら取り組む姿がイメージできるようになっています。

サークル活動で学んだことに関する例文

私は文芸サークルで傾聴力の重要性を学びました。

私が所属していた文芸サークルは個性豊かなメンバーが多い一方、書くのが得意でも話すのは苦手な人もいて、話をまとめるのが非常に大変でした。月に1回、一つの作品の解釈についての討論会をおこない、私が司会を担当していましたが、最初は全員の意見がくみ取れず、なかなかうまくいきませんでした。

しかしあるときに、活動にに来てくださったOGから「相手の話が終わるまで自分は話さないようにしてみて」と言われました。

実践してみたところ、うまく話を引き出せていなかったメンバーからも意見が聞けるようになりました。さらに、意見を言うだけでなく、私がディスカッションの内容をまとめる際に積極的に関わってくれるようになりました。

ただ意見を聞くだけでなく、信頼を勝ち取るためにも傾聴力が重要だと学ぶことができました

ポイント
ただ話をよく聞くようにしたらまとめられるようになった、という振り返りではなく、傾聴することで相手や自分にどんな変化があったか、客観視できていることが伝わる内容になっています。

勉強(ゼミ)で学んだことに関する例文

私はゼミで社会学を専攻していましたが、その際に役割分担の大切さを学びました。

ゼミでは4人のグループに分かれてレポートをまとめる必要がありました。初めは、全員で等しく分担してアンケート調査をしてまとめてくる計画でしたが、想定よりも進みが悪い人がいることに気が付きました。そこで、私は現地アンケートをとるのが得意だったので、データの集計をアンケートをとるのが苦手なメンバーにお願いしました。

結果的に、功を奏して想定していたよりも短期間でより多くのデータを集めることができました。また、そのデータの考察も深いものになりました。全員で同じことを分かち合うチームワークだけでなく、役割分担をしてそれぞれの強みを活かすことの大切さを学ぶことができました。

ポイント
勉強そのものが、知識を学ぶというもののため、ゼミの内容に主眼を置きがちですが、この例文のようにゼミの中でも抽象化できる学びを考えてみましょう。

ゼミや研究活動は結果が出るまで試行錯誤する機会が多いと思うので、その過程を振り返ってみることをおすすめします。

大学の授業で学んだことに関する例文

私は法学部に在籍をしていますが、ほかの人に対して論理的に話すことの大切さを学びました。

何事も自分だけの感情を優先すれば話が進まず、話すことで相手を動かすには、順序だてて話すことが大切だと身を持って感じたからです。

授業のなかで、刑法のある判決についてディスカッションする機会がありましたが、最初は学生同士で時間内に話をまとめることができませんでした。

授業の中で、論理的に考えるフレームワークなどを学び、最終的には時間内に一定に結論を導き出せるようになりました。この経験から、感情的ではなく論理的に主張を整理することの大切さを学びました。

ポイント
例文では、授業の中でおこなわれたディスカッションでの学びを伝えています。ほかにも理系であれば実験・研究を通して得た粘り強さや観察力、文系であれば語学や国際問題の授業などで得た国際感覚や、文章作成力なども学んだこととして伝えてみてもよいでしょう。

長期インターンシップで学んだことに関する例文

インターンシップを通じて、物事の優先順位の付け方を学びました。

最初の頃は頼まれるとなんでも「できます」と答えてタスクを抱えすぎて、細かいミスが出てしまいました。

そのときに、社員の方から緊急度と重要度の高低で4象限に分けて、象限ごとに優先順位をつけていく方法を学びました。

以降、インターンシップに限らず、大学の授業やレポートづくり、アルバイトなどで忙しいときも、優先順位をつける方法で、効率よく物事を進められるようになったと思います。

ポイント
インターンシップは仕事に近い学びを得られるケースも多いので、そのまま学んだこととして取り入れやすいです。この例では、インターンシップの仕事の経験を学校生活に活かせていることから、学びを応用する力があることも伝わる内容になっています。

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自分なりの「学んだこと」の回答が作成できたら、「OfferBox」にプロフィールを登録してみましょう。

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企業のプロフィール閲覧数や自分にオファーが来る数から、自分が魅力的なアピールができているかを見直すきっかけにもなります。

「学んだこと」は、自己PR欄や過去のエピソード欄に書くのがおすすめです。や学んだことが作成できたら、ぜひプロフィールに登録してみてください。

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まとめ

以上、「学んだこと」を質問する企業の意図や答え方のポイント、回答の例文などを紹介しました。

企業は「学んだこと」の質問を通して、学びを得る力や学生の興味・志向性などを見ようとしています。変に取り繕っても入社後ギャップが発生してしまう原因になるため、素直に自分が経験の中で学んだことを伝えてみてください。

ただし、「化学物質の組成の解析について学びました」など得た知識を答えるのではなく、「粘り強さ」や「計画性」など、仕事にも使えるような汎用性のある学びに抽象化して回答しましょう。

紹介した例文も参考に、自分らしさの表現できる文章を考えてみてください。