ゲーム業界の業界研究|代表的な職種や年収・志望動機のポイント

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「ゲーム業界にはどんな職種があるの?」
「将来性のある業界なのだろうか」

ゲーム業界に興味を持つ学生のなかには、このような悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。

自分の好きなことを仕事に繋げやすいことから人気のゲーム業界ですが、具体的にどんな職種があって、今後どう発展していくのかイメージが湧きづらいですよね。ゲーム業界を志望するのであれば、まずは基礎知識を抑えて業界への理解を深めることが重要です。

この記事では、ゲーム業界の基礎知識から代表的な職種、平均年収まで詳しく解説していきます。志望動機のポイントについても紹介するので、ぜひ選考対策に役立ててください。

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ゲーム業界とは

ゲーム業界は、ゲームに関連する商品やサービスを提供する業界です。例えば、家庭用ゲーム機やゲームソフト、ゲームセンターに設置される筐体の開発・販売などが主な事業として挙げられます。

市場規模、動向、将来性の3つの観点から、ゲーム業界がどんな業界なのか詳しく見ていきましょう。

【業界研究で抑えておきたいポイント】

  • ゲーム業界の市場規模
  • ゲーム業界の動向
  • ゲーム業界の将来性

ゲーム業界の市場規模

ファミ通ゲーム白書 2022』によると、2021年の世界ゲームコンテンツ市場は約21.9兆円でした。それに対し国内ゲーム市場は2兆円台だったことから、世界の約10%を占める大規模な市場だと分かります。

なかでも、国内ゲーム市場で一際大きな存在感を発揮しているのがゲームアプリ市場です。コロナ禍におけるゲームの需要増加や、『ウマ娘 プリティーダービー』の大ヒットなどが影響し、国内ゲーム市場の約8割を占めるほどの市場に成長しています。

ゲーム業界の動向

ゲーム業界の歴史は、業務用ビデオゲーム・家庭用ゲーム・ソーシャルゲームの3つの時代に大きく分けられます。業務用ビデオゲームはゲームセンターに設置される筐体のことで、1970年代後半に登場した「スペースインベーダー」をきっかけに一大ブームを築きました。

業務用ビデオゲームのブームと同時期に登場したのが家庭用ゲームです。任天堂のファミリーコンピュータを筆頭に、家庭で気軽に楽しめるゲームが続々と登場し始め、現在でも根強い人気を誇っています。

家庭用ゲームの人気が長らく続いたのち、2010年頃から流行り始めたのがソーシャルゲームです。ちょっとした隙間時間に遊びやすく、定期的なアップデートのおかげで常に新鮮さを感じられることから、家庭用ゲーム以上にユーザーが多い市場となっています。

ゲーム業界の将来性

市場規模が大きく、ソーシャルゲームのような新しい市場の需要が生まれているゲーム業界は、今後も成長していくと考えられます。eスポーツ選手やゲーム実況者など、これまで見られなかった職種も登場しており、安定的な成長を見込めるでしょう。

特に拡大が見込まれるのは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、メタバースなど、ユーザーの世界を仮想的な世界に置き換えたり入り込んだりする技術です。

これらの技術を使ったゲームは既に登場し始めており、今後はさらに没入感の高いゲームが続々と登場すると予想されます。

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ゲーム業界のサービス分類とビジネスモデル

ゲーム業界は主に、ゲーム機器そのものを作るメーカー、ゲームソフトを企画するメーカー、ゲームソフトを開発するメーカーの3つで成り立っています。各メーカーの役割と代表的な企業の例を見ていきましょう。

家庭用ゲーム

家庭用ゲームは、テレビに接続して遊ぶ据え置き型のゲームです。任天堂のNintendo SwitchやソニーのPlayStation5が代表的な例に挙げられます。

家庭用ゲームの収益の柱は、ゲームハード(ゲーム機器本体)とゲームソフトです。ゲームソフトをプレイするためのゲームハードと、各企業が開発する多様なゲームソフトを売ることで収益を上げています。

ゲームハードメーカー

ゲームハードとは、家庭用ゲーム本体・ハードウェアを指します。そのゲームハードを製造・販売しているのがゲームハードメーカーです。

ゲームハードの製造・販売をメインとしているゲームハードメーカーですが、任天堂のようにゲームソフトや玩具の製造・販売をする企業も存在します。いずれも大手企業ということで事業範囲が幅広く、知名度も非常に高いのがゲームハードメーカーの特徴です。

【代表的なゲームハードメーカー】

  • 任天堂(Nintendo Switch)
  • ソニー(PlayStation)
  • マイクロソフト(Xbox)

ゲームソフトパブリッシャー

ゲームソフトは、ゲームハードでゲームをプレイするためのソフトウェアです。自社でゲームハードを作らず、他社が製作しているゲームハードを通じてゲームソフトを販売している企業がパブリッシャーに該当します。

パブリッシャーの主な役割は、ゲームソフトの企画と販売です。ユーザーの需要に適したゲームソフトを企画し、ゲームデベロッパーのもとで作られたゲームソフトの宣伝・販売を担当しています。

【代表的なゲームソフトパブリッシャー】

  • スクウェア・エニックス
  • バンダイナムコエンターテインメント
  • カプコン

ゲームデベロッパー

ゲームデベロッパーとは、ゲームソフトの開発を専門とする企業です。パブリッシャーが提案する企画をもとにゲームソフトを開発し、販売・運営をパブリッシャーに委託しています。

ポケモンシリーズで知られるゲームフリークのように、知名度が高い企業はメディアで見かける機会がありますが、基本的にデベロッパーをメディアで見かける機会はあまりありません。

そのため、たとえ有名なゲームソフトを手がけていたとしても、パブリッシャーほど名を知られていないのがデベロッパーの特徴です。

【代表的なゲームデベロッパー】

  • ゲームフリーク(ポケモンシリーズ)
  • エヌディーキューブ(マリオシリーズ)
  • バンダイナムコスタジオ(テイルズオブシリーズ)

PCゲーム/モバイルゲーム

PCゲーム/モバイルゲームとは、PCやスマートフォンを使ってプレイするゲームのことです。miHoYoの原神やガンホーのモンスターストライクなどが代表的な例に挙げられます。

買い切り型のゲームソフトが大半を占める家庭用ゲームに対し、月やシーズンごとにイベントを開催するゲームアプリが多いのがPCゲーム/モバイルゲームの特徴です。

ダウンロードは無料とし、キャラクターやアイテムを入手するための課金システムによって収益を上げるゲームアプリが多くみられます。

ゲームアプリデベロッパー

ゲームアプリデベロッパーは、PCやスマートフォン上で動くゲームアプリの開発者です。ゲームアプリを有料販売したり、アプリ内に課金システムを設けたりして収益を上げています。

少人数の開発者によって作られるインディゲームが非常に多いのが、PCゲーム/モバイルゲームの特徴です。そのため、ゲームアプリデベロッパーは、メディアでよく見かける大手企業から個人まで開発元が多岐に渡っています。

【代表的なゲームアプリデベロッパー】

  • ガンホー(パズル&ドラゴンズ)
  • ミクシィ(モンスターストライク)
  • Cygames(アイドルマスター、ウマ娘など)

アプリマーケットプレイス

アプリマーケットプレイスは、PCやスマートフォン上で動くゲームを購入するプラットフォームの運営者です。ゲームアプリデベロッパーとユーザーの橋渡し役を担うことで、ゲームアプリ販売によって生まれる収益の一部を自社の売上としています。

ゲームアプリの場合はゲームソフトと異なり、ディスクやパッケージを必要としないのが特徴です。プレイしたいときにすぐにダウンロードしたり、PCやスマートフォンを買い換えたときにデータを移したりできるメリットがあります。

【代表的なアプリマーケットプレイス】

  • Valve Corporation(Steam)
  • Apple(Apple Store)
  • Google Play(Google)

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ゲーム業界の企業の売上ランキング【日本】

ゲーム業界の企業の売上ランキングトップはソニーグループです。2021年(2022年3月決算)のゲーム&ネットワークサービス事業の売上高は2兆7,398億円と、他企業の追随を許さない圧倒的な売上高を誇っています。

ソニーグループに次ぐ売上高を誇るのが任天堂です。大きく差をつけられてはいるものの、2021年の売上高は1兆6,953億円と1兆円の大台を越える売上高を記録しています。

ソニーグループと任天堂という2大ゲームハードメーカーを筆頭に、バンダイナムコやサイバーエージェント、スクウェア・エニックスHDといったゲームソフトパブリッシャーが売上上位にランクインしています。

順位 企業名 年収
1位 ソニーグループ株式会社(ゲーム&ネットワークサービス部門) 2兆7,398億円
2位 任天堂株式会社 1兆6,953億円
3位 株式会社バンダイナムコホールディングス 8,892億円
4位 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス 3,652億円
5位 セガサミーホールディングス株式会社 3,209億円

※売上を公開している上場企業のランキング
※2022年12月時点で最新の有価証券報告書の情報から作成

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ゲーム業界の企業の平均年収ランキング

ゲーム業界の企業の平均年収ランキングトップはスクウェア・エニックスHDです。平均年齢が高いHDということで平均年収も高くなりやすい傾向にありますが、2022年3月31日現在の平均年収は1,427万円と高水準にあります。

スクウェア・エニックスHDに次いで平均年収が高いのが、バンダイナムコとソニーグループです。2022年3月31日現在の平均年収はそれぞれ1,205万円、1,084万円といずれも大台の1,000万円を超えています。

市場規模が大きいうえ、専門性の高い職種の多さが平均年収の高さに繋がっていると考えられます。

順位 企業名 年収
1位 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス 1,427万円
2位 株式会社バンダイナムコホールディングス 1,205万円
3位 ソニーグループ株式会社(ゲーム&ネットワークサービス部門) 1,084万円
4位 任天堂株式会社 988万円
5位 セガサミーホールディングス株式会社 805万円

※平均年間給与を公開している上場企業のランキング
※2022年12月時点で最新の有価証券報告書の情報から作成

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ゲーム業界の代表的な職種と平均年収

ゲームハードやソフト、アプリを開発するためには様々な職種が業務に携わっています。自分の性格に合う職種や、能力を活かしやすい職種を見つけるため、ゲーム業界にどんな職種があるのか知っておきましょう。

ゲームプロデューサー

ゲームプロデューサーは、ゲーム制作のプロジェクトを取りまとめる仕事です。予算決めやプロジェクトに関わるスタッフの決定、スケジュール管理、他の職種のサポートなど、リーダー的役割を果たしています。

平均年収は約570万円と、日本の平均年収433万円と比べると高い傾向にあります。全体を見る必要があるため大きな責任感が問われますが、そのぶん平均年収が高く、やりがいも大きい職種です。

ゲームディレクター

ゲームディレクターは、ゲーム制作の現場監督を務める仕事です。全体を見るという点ではプロデューサーとよく似ていますが、プロジェクトを統括するプロデューサーに対し、ディレクターは実際の開発現場を主戦場としています。

平均年収は約535万円と、プロデューサーより少し低めです。プランナーやデザイナーと一緒に業務に携わりたい人や、開発現場とプロデューサーの橋渡し役をこなしたい人に向いています。

ゲームプランナー

ゲームプランナーは、ゲーム制作の最初から最後まで携わる仕事です。企画の提案からゲームの世界観やシステムの考案、完成したゲームのクオリティーチェックなど、あらゆる業務に関わっていきます。

平均年収は約499万円です。自分の考えたゲームをユーザーに遊んでもらえるという唯一無二のやりがいを持つことから、ゲーム好きな人にうってつけの職種といえます。

ゲームクリエイター

ゲームクリエイターは、ゲーム制作に携わる職種の総称です。上記に挙げたゲームプロデューサーやゲームディレクター、ゲームプランナーのほか、ストーリーを考えるシナリオライターやゲーム内音楽を担当するサウンドクリエーターなどがあります。

ゲームクリエイターの平均年収は約498万円です。ゲームプロデューサーのように大きな責任感が問われる職種や、ゲームプログラマーのように専門的なスキルが求められる職種ほど平均年収が高い傾向にあります。

ゲームデザイナー

ゲームデザイナーは、ゲームの基本設計を担当する仕事です。例えば、ゲームデザイナーの一種であるグラフィックデザイナーはキャラクターや背景のデザインを考え、CGデザイナーはゲーム内での2D・3Dの動きを表現していきます。

ゲームデザイナーの平均年収は約499万円です。自分の生み出したキャラクターが動く嬉しさや、自分の頭にあるイメージをゲームの世界に表現できる楽しさを感じられる職種といえます。

各職種の年収参考:求人ボックス

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ゲーム業界に就職する際の志望動機のポイント

自分の好きなことや趣味との関連性が高いことからも、ゲーム業界は学生からの人気が非常に高い業界です。ゲームが好き、仕事が楽しそうといった理由だけでは差別化が難しいため、志望動機を考える際は以下のポイントを意識しましょう。

①「楽しませる」側の視点で独自性を考える

ゲームを楽しませる側の視点で、独自性を考える必要があります。ゲームが好きな人であれば、任天堂やソニーなどのゲーム業界の企業に対して様々な印象を持っていると思いますが、それはゲームを楽しむ側の印象でしかありません。

「なぜその企業なのか」を突き詰めていく志望動機では、そうした楽しむ側の視点だけでなく、楽しませる側の視点から各企業の特徴や魅力を明らかにすることが大切です。

例えば、企業の方針がゲームのどんな点に現れているのか、ゲーム制作で何を重視しているのかなどを企業研究を通じて考えてみましょう。

②「ただのゲーム好き」はNG

ゲームが好きであることは問題ありませんが、ただゲームが好き・好きなゲームの開発に携わりたいだけではアピールになりません。企業は自社のファンを求めているのではなく、自社に貢献してくれる人を求めているためです。

そのため志望動機では、ゲームが好きで終わらず、ゲームが好きだからこの企業で何を実現したいのかまで言及する必要があります。ゲームが好きという理由以外に、好きなことを仕事にしたいと思ったきっかけや、携わりたい業務などを具体的に述べましょう。

③実際にプレイしてみて考えるのはOK

ゲーム好き自体はアピールになりませんが、企業が公開・リリースしているゲームはプレイしてみるのは効果的です。実際にプレイすることで、各企業の特徴や魅力を理解しやすくなるでしょう。

プレイする際は純粋にゲームを楽しむだけでなく、企業側の視点を考慮しながらプレイするのがおすすめです。楽しいと感じる点や不満に感じる点を探しながらプレイすれば、企業の強みと弱みの発見に繋がります。

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ゲーム業界に関するよくある質問

最後に、ゲーム業界に関するよくある質問にお答えします。ゲーム業界は多種多様な企業と職種が関わる複雑な業界です。入社後のミスマッチを避けるためにも、疑問点はきちんと解消してから就活を進めましょう。

ゲーム業界には文系でも就職できる?

ゲーム業界は文系・理系に関係なく就職できます。例えば、シナリオライターでは文章力や構成力、ゲームプランナーではコミュニケーション力や論理的思考力が求められます。

文系に関連する能力が求められる職種は多いため、しっかりと準備を進めれば文系でも就職できる可能性は高いでしょう。ただし、ゲームプログラマーのように専門的なスキルが必要な職種は、一定の知識とスキルを有する理系のほうが有利です。

ゲーム業界への就職は難しい?

どの企業も採用枠が少ない傾向にあるうえ、その採用枠に対して応募者が多いため倍率は高めです。他の業界に比べ、ゲーム業界への就職は難しいといえます。

任天堂やソニーのような世界的大企業であれば当然倍率は高くなるため、企業選びの際は中小企業まで視野を広げて探すのがおすすめです。採用の可能性を高めるためにも、知名度にこだわりすぎず志望企業を検討すると良いでしょう。
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まとめ

以上、ゲーム業界の基礎知識や代表的な職種、志望動機のポイントを紹介しました。

ゲーム業界は多くのユーザーがプレイするゲーム制作に携われる、非常にやりがいのある業界ですが、人気が高いだけに倍率は高めです。

ゲームが好きなだけでは他の学生の志望動機と差別化できないため、ゲームを楽しませる側の視点で企業研究を進め、その企業を志望する理由を明らかにしていきましょう。

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