不動産業界の動向は?仕事内容・向いている人・志望動機のポイントを紹介

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「不動産業界にはどんな仕事があるのだろう」
「不動産業界にはどんな人が向いているの?」

就職活動の業界選びをするときに、このような悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。

不動産業界と聞くと、駅前にある賃貸仲介会社のイメージが強いかもしれませんが、それ以外の業種もあります。自分に合った会社・職種を見つけるためには、不動産業界の全体像を把握し、どのような人に向いているか知っておくことが大切です。

この記事では、不動産業界の仕事内容や向いている人、志望動機のポイントを紹介します。不動産業界の市場動向や今後も解説していくのでぜひ参考にしてください。

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不動産業界とは

不動産業界とは土地や建物など「不動産」を扱うビジネス全般を指します。皆さんがよく目にする賃貸仲介だけでなく、「不動産」を扱うビジネスは多岐に渡ります。

不動産業界は大きく「開発」「流通(売買・賃貸仲介)」「管理」「投資・運用」の4つに分類されます。不動産投資や運用をおこなう会社も不動産業界の1つです。この後の章でそれぞれの仕事内容や職種、求める人物像・スキル、キャリアパスなどを紹介します。

宅建業者との違い

不動産業界と聞くと不動産の売買や賃貸をおこなう企業を思い浮かべる人が多いでしょう。実は不動産の売買や賃貸仲介をする企業は「宅建業者」に分類されます。「宅建業者」は不動産業界の1つで、全国に約12万社あります。

「宅建業者」は免許制で、国土交通大臣か都道府県知事から免許を交付される必要があります。また「宅建業者」は宅建業法に沿って活動し、違反すると業務停止や免許取り消しなどの処分を受けてしまいます。

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不動産業界の全体像【図解】

不動産業界を知るために、まず不動産業界の全体像を把握しましょう。不動産業界は大きく「開発」「流通(売買・賃貸仲介)」「管理」「投資・運用」の4つに分類できます。これからそれぞれの事業内容や特徴を解説します。

1.開発

不動産業界の主な事業の1つが開発です。デベロッパーとも呼ばれ、マンションなどの建設、商業施設や都市開発をおこない、販売または貸出しをします。具体的には以下の3つの事業をおこないます。

・土地の取得
・建築
・販売

デベロッパーはゼネコンや建築会社と協力し、土地の仕入れから建設まで担います。完成した建物を販売する際には仲介業者とのやり取りが発生します。

デベロッパーと似ている事業にハウスメーカーがあり、戸建ての住宅設計や施工をおこなっています。デベロッパーは街全体の開発をおこなうため、ハウスメーカーよりも規模が大きい点が特徴です。

2.流通(売買・賃貸)

流通は不動産の売買や賃貸の仲介をおこなうもので、不動産業界の代表的な業種といえます。

不動産の売り手(貸主)と買い手(借主)を結びつけ、仲介手数料を得るビジネスモデルです。デベロッパーのように仕入れをする必要がないので少ない資本で事業ができますが、競合他社が多いのが特徴です。

仲介は「売買仲介」と「賃貸仲介」に分けられます。それぞれ詳しく解説します。

売買仲介

売買仲介は不動産業界の代表的な業種です。アパートやマンション、店舗などの所有者である売主と不動産を購入したい買主を結びつけます。取り扱う不動産はさまざまで、不動産事業者によって戸建てやワンルーム、事業用店舗など強みの分野が異なります。

売買仲介は仲介だけでなく、以下の役割も担います。
・物件の買い取り
・再販
・リフォーム提案
・不動産テック

なかには売主の代理となり、不動産の販売業務を担うケースもあります。

賃貸仲介

賃貸仲介はアパートやマンション、店舗を貸したい人(貸主)と借りたい人(借主)を結び付ける仕事です。賃貸仲介は客付け仲介、管理仲介、自社物件仲介の3つに大別できます。

賃貸仲介の主な仕事内容は下記のとおりで、反響営業が中心です。
・物件掲載
・お問い合わせ対応
・カウンターセールス
・内見立ち合い
・契約書作成

3.管理

不動産管理は、土地や建物、駐車場などの不動産を管理して収益を得る業態です。管理物件には自社物件と委託物件があり、どちらの物件を扱うかによって仕事内容が異なります。委託物件を扱う管理の主な仕事は以下の通りです。

・オーナー開拓
・オーナーフォロー
・客付け賃貸対応
・借主対応(入居者管理、集金業務など)
・マンション管理組合の運営補助
・管理費の調整

地道にオーナーと信頼関係を構築するやりがいがあり、安定した収益が見込めるのが管理業務の特徴です。ただし、管理業務だけでは大きな利益を得にくいため、管理と仲介双方の事業をおこなう企業が多い傾向にあります。

4.投資・運用

不動産の投資・運用は投資家から資金を集め、物件を購入し、運用益を投資家へ分配する仕事です。マンションやオフィスビル、商業施設などが購入物件にあたります。不動産業界のなかでは、学生にはあまり馴染みがない仕事かもしれません。

不動産投資・運用の主な仕事は以下の通りです。
・物件買付
・投資家への営業・販売
・売買契約締結
・物件の引き渡し・アフターフォロー

投資・運用には不動産の知識だけでなく、投資や融資、金融といった専門的な知識が求められます。専門知識の習得や最新情報の収集などの努力が求められる分、成果を出した時には高いインセンティブなどが与えられるケースもあります。

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不動産業界の市場動向

不動産業界に関心はあるものの、就職すべきか迷っている学生も少なくないでしょう。この章では、不動産業界の市場規模の推移や、不動産市況DI調査について解説します。データを読み解き、不動産業界の市場動向をつかみましょう。

市場規模の推移

総務省統計局の「サービス産業動向調査」から不動産業界の市場規模の動向を解説します。

不動産業・物品賃貸業全体の2021年売上は約49兆円で、毎年50兆円前後を推移する市場規模です。医療・福祉(約59兆円)、運輸業、郵便業(約57兆円)、情報通信業(約54兆円)に次ぐ市場規模を占めています。

内訳をみると不動産取引業は約15~17兆円、不動産賃貸・管理業は約20~22兆円で推移しています。新型コロナウイルスの影響を受けたものの、堅調な業界と言えるでしょう。

不動産市況DI調査

不動産市況DI調査とは全宅連がおこなう調査で、不動産価格や取引同行の3ヶ月前と現状の比較、3ヶ月後の見通しをまとめています。2022年10月公表の第27回不動産市況DI調査では、全国のDI指数が18.6と2016年以降もっとも高い指数でした。

取引価格の上昇しているのは新築戸建(取引価格指数30.5)、新築マンション(取引価格指数31.6)の2つで、取引価格の下落が目立つのは事業用賃貸(賃料指数‐8.3%)です。

アンケート回答者からは「アフターコロナによる事業用賃貸物件の需要が今後上向くのではないか」と明るい意見が出る反面、「建築資材の高騰が今後の不動産取引に大きく営業を及ぼしてくる気がする」と先行き不安の意見も出ています。

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不動産業界の今後

不動産業界は市場規模が大きく、堅調に推移しているものの、新型コロナウイルスの影響や建築資材の高騰などで先行きに不安を感じる人もいるでしょう。不動産業界の今後について解説します。

新築マンションの高騰化

先に紹介したように新築マンションの取引価格は上昇し、高騰が進んでいます。背景には建築資材の高騰や人手不足による人件費の上昇などが挙げられます。

新築マンションの価格が高騰する一方で、国民の所得は上昇せず、物価高も重なり購入が難しくなりつつあります。また新型コロナウイルスの影響により先行きが読めず、新築マンションの購入をためらう人もいます。そのため、一部の新築マンションでは販売は伸び悩んでいる状況です。

中古マンションのリノベーション・リフォームが活発

新築マンションの販売が伸び悩む中、中古マンションのリノベーションやリフォーム市場は好調に推移しています。中古マンションをリノベーション・リフォームをして販売する市場が活発です。

またリノベーション・リフォーム向けの補助金や減税・優遇制度が充実している点も、中古市場を後押しする要因となっています。

補助金の対象になるリノベーション・リフォームの例
・省エネリフォーム
・バリアフリーリフォーム
・耐震リフォーム

新型コロナウイルスの影響(巣ごもり需要・リモートワーク)

新型コロナウイルスの影響により、不動産にも巣ごもり需要が生まれています。多くの企業でテレワークが浸透したことで、北関東など首都圏以外の関東地区の住宅需要が高まっています。

テレワークが前提となれば、通勤時間を考慮せずに住宅を選ぶことができるようになるため、首都圏近郊への引っ越しや地方移住を検討する層が増加します。今後も引き続き、大都市圏以外の不動産需要が増える見込みと予想できるでしょう。

省エネ型住宅への関心

環境への配慮から住まいにおいても省エネへの関心が高まっています。省エネ型住宅への取り組みが進み、ZEHと呼ばれる「ネット・ゼロ・エネルギー住宅」が普及期に入っています。ZEHは家庭内の消費電力以上に自家発電をおこない、エネルギー消費量を実質ゼロ以下にすることです。

また自家発電や蓄電池、HEMSと呼ばれる住宅内のエネルギーを管理する仕組みを組み合わせた「スマートハウス」も注目を浴びています。

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代表的な職種

不動産業界にはどのような職種があるのか気になる人も多いでしょう。不動産業界の職種は業態や事業内容によって異なりますが、今回は不動産業界の代表的な4職種を取り上げて紹介します。自分に合った職種があるか確認してみましょう。

営業

営業は不動産業界のなかでも人数が多い職種です。不動産業界の営業は多岐に渡り、マンションなどの販売営業、売買仲介、賃貸仲介、法人営業、不動産投資営業などが挙げられます。

不動産営業の仕事に就く人は、国家資格の宅地建物取引主任者やファイナンシャルプランナーの資格を取得するよう求められる場合もあります。ファイナンシャルプランナーは、住宅の提案とあわせてライフプランニングをおこなう際に役立つ資格です。

働き方は、法人営業以外は個人消費者を対象にしていることが多いため、土日祝日に出勤する場合が多いです。オーナーの休みとあわせて、日・水休みの企業も多いのが特徴です。

企画・開発

企画・開発はマンションや商業ビル、分譲住宅、市街地開発などの企画開発を手がけます。土地の取得から企画開発、プロジェクトマネジメント、竣工から引き渡しまで担当します。

企画・開発は簡単にいうと、取得した土地にどのような物件を建てて、人を集めるかを考える仕事です。不動産開発は不動産業界の花形として人気の職種で、希望する学生が多く、競争倍率が高い傾向にあります。

管理

不動産の管理は、担当するマンションやビルの維持・管理をおこないます。具体的には日々の管理のほかにトラブルの対処やテナントおよび入居者の誘致、修繕工事の企画から実行など、管理する不動産の価値を高める役割を幅広く担います。

大手不動産会社は、グループ内に管理専門の会社を有しているケースがあります。またマンションやアパートを管理する会社は、並行して賃貸仲介をおこなうこともあり、希望すれば営業から管理へ異動の可能性があります。

事務(バックオフィス)

営業や企画・開発、管理の仕事を支えるバックオフィスは重要な役割を担います。主に以下のような仕事があります。

総務:庶務や法務、経営管理などの一般事務
経理財務:企業の経理業務、資金調達などの財務業務
人事:採用業務や人事制度の策定、人事評価、労務管理など

また不動産業界には不動産事務と呼ばれる事務職があり、物件へのお問い合わせ対応や契約書の作成などをおこない、営業をサポートします。

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不動産業界に向いている人の特徴

不動産業界に興味を持ったものの、自分に向いているのか悩む人もいるでしょう。この項では不動産業界に向いている人の4つの特徴を紹介します。自身の特徴に当てはまるか1つずつ確認してみてください。

ストレス耐性や体力に自信がある人

不動産業界では精神的、体力的にタフであることが求められます。営業職の多くは毎月与えられる目標に向かって売上を伸ばし、売上に応じて給与が上がったりインセンティブがついたりします。仕事の成果が数字で現れやすい職種が多いため、プレッシャーに弱いタイプにはやや不向きと言えそうです。

また、実際に物件や土地を回るため外出も多く、契約対応など事務作業もあり残業が発生しやすい業界のため、体力面に自信がある人の方が望ましいでしょう。

成果主義で稼ぎたい人

成果主義で稼ぎたい人は不動産業界が向いています。売買仲介や投資・運用の営業は販売実績に応じてインセンティブがつくことが多く、成果に応じて高い給与をもらえます。

なかには20代で1,000万円を超える年収を得る人もいて、成果を出せば若いうちから稼げるのが不動産業界の特徴です。ただしインセンティブの割合は会社によって異なり、完全歩合制の場合もあるので入社前に確認しましょう。

コミュニケーション力を高めたい人

不動産業界はコミュニケーション力を高めたい人にも向いています。不動産業界は顧客や不動産のオーナー、投資家など複数の人の間に立って、交渉や折衝、調整をおこなう仕事が多いです。

多くの利害関係者と関わるため、コミュニケーションスキルが身につきます。不動産売買や不動産投資では億単位の物件を扱う場合もあり、自分のコミュニケーション力次第で大きなお金を動かせるダイナミックさを感じられる点も魅力のひとつです。

学ぶ意欲が高い人

不動産の仕事ではさまざまな知識が求められ、学び意欲が高い人に向いています。例えば仲介営業は、宅地建物取引主任者に相当するレベルの知識が求められます。また、顧客の信頼を得るためには担当エリアの住環境について日々学び、知識をつける姿勢が重要です。

顧客のライフプランニングに携わる機会もあるため、不動産知識に加えてファイナンシャルプランナーなど金融系資格を取得するケースもあります。あらゆる専門知識を自ら学んでいける、意欲の高い人が向いている業界といえます。

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志望動機のポイント

不動産業界に限らず、志望動機のポイントは自己分析をおこない、自身の強みや大切にしている価値観の言語化が重要です。自己分析のやり方が分からない人はOffer Boxの自己分析ツール「AnalyzeU+(アナライズユープラス)」を使ってみましょう。

志望動機のまとめ方や答え方に不安のある人はこちらの記事も参考にしてください。

また不動産業界では以下のような人物像が好まれます。志望動機を作成する時に該当するエピソードを盛り込むと好印象に繋がるでしょう。

・結果にこだわる人
・他者から信頼される人
・チームワークを大切にする人
・情報や知識を積極的に得られる人

例えば学生時代に高い目標を持って部活動に取り組んできた人は、結果へのこだわりをエピソードを盛り込むとアピールに繋るでしょう。

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不動産業界に関するQ&A

不動産業界の全体像や職種など理解を深めてきましたが、ここから不動産業界の気になる項目をQ&A形式で回答します。

最新の売上高ランキングは?

不動産業界の2022年最新の売上高ランキングは次のとおりです。

順位 企業名 売上高
1位 三井不動産 2兆75億円
2位 大東建託 1兆5830億円
3位 飯田グループホールディングス 1兆3869億円
4位 三菱地所 1兆3494億円
5位 東急不動産ホールディングス 9890億4900万円
6位 オープンハウスグループ 9526億8600万円
7位 住友不動産 9394億3000万円
8位 野村不動産ホールディングス 6450億4900万円
9位 ヒューリック 4470億7700万円
10位 レオパレス21 3983億6600万円

売上高トップは三井不動産です。三井不動産は旧財閥系の総合不動産デベロッパーで、オフィスビルや大型商業施設、住宅(2006年に三井不動産レジデンシャルを分社化)と不動産に関わる幅広い事業を展開しています。

次いで賃貸住宅の管理や供給をおこなう大東建託、第3位は戸建やマンションの分譲をおこなう飯田グループホールディングスがランクインしています。

不動産業界はきついって本当?

「不動産業界はきつい」と耳にする学生も多いのではないでしょうか。先にご紹介したように不動産の営業職は成果主義の会社が多く、なかにはノルマを設けているケースもあるため、「きつい」と感じることがあるようです。

最近はIT技術を導入して効率的な営業ができるようになったり、チームで成果を出すような会社も出てきています。残業時間の長さや休みの取りやすさは、会社によって異なるため、会社説明会や面接の際に確認すると良いでしょう。

不動産業界の年収は?

不動産業界は、ほかの業界と比べて高年収が期待できます。厚生労働省が調査・発表している「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」では、不動産業、物品賃貸業の平均月給は326,100円、年収換算では約391万円で、全産業の平均月給が307,400円で平均より高い給与水準です。

就職Agent neoの「業種別平均年収ランキング」では、不動産業界は医薬品業界に次ぐ第5位に位置しています。国税庁の「民間給与実態統計調査」では、不動産業・物品賃貸業の平均年収は426万円で、運輸業・郵便業と同等程度となっています。

調査やデータによっては全産業の平均年収より低いケースもありますが、不動産業界は投資・運用や仲介の営業などは人によって高給を得ており、また大手企業は高い給与水準となっています。

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まとめ

不動産業界は大きく分けて「開発」「流通(売買・賃貸仲介)」「管理」「投資・運用」の4つの事業から成り立っています。

不動産業界の市場は約50兆円で推移し、新築マンションの高騰や新型コロナウイルスの影響を受けながらも、中古マンションのリノベーション・リフォームや省エネ型住宅への注目が集まり、新しい市場が開拓されています。

ストレス耐性や体力に自信があったり、成果主義で稼ぎたい、コミュニケーション力を高めたい、学ぶ意欲が高い人などに不動産業界は向いているといえます。自分の強みや価値観が不動産業界に合致する際には、就職先の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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