「履歴書の志望動機の書き方がわからない…」
「志望動機で何を見られているのか知りたい」
このような悩みを抱えている就活中の新卒学生も多いのではないでしょうか。ほとんどの企業では、選考過程で履歴書を提出する必要があります。なかでも、履歴書の志望動機で何を記載すればよいか悩む学生は多いでしょう。
志望動機を履歴書に書く際は、企業が志望動機から何をみているのか評価されること理解したうえで、書き方やポイント、注意点を意識して書くことが重要です。
この記事では、企業は新卒の履歴書の志望動機の何をみているのかを解説し、志望動機を書くときのポイントや注意点、おすすめの構成などを説明します。また、具体的な例文も紹介するので、志望動機を考える参考にしてください。
(※1) OfferBox 2024年卒利用実績データより
(※2)当社アカウントを開設した企業数で、直近で利用していない企業含む(2024年10月時点現在)
目次
企業は新卒の履歴書の志望動機の何をみているのか
企業にとって志望動機は、ミスマッチ採用を防ぐためにも重要な選考材料です。まずは、企業が新卒の履歴書の志望動機の何をみているのかを把握しておきましょう。
自社の「何に」魅力を感じているのか知りたい
まず企業が知りたいのは、「自社のどの要素」に魅力を感じて志望してきたのかです。
企業には商品やサービス以外にも、それぞれの企業理念や社風、文化などさまざまな要素があります。そのなかの「何に」魅力を感じて志望したのかをみるために、志望動機をチェックします。
自社に「なぜ」魅力を感じているのか知りたい
自社に「なぜ」魅力を感じたのか、企業はその具体的な理由を知りたいと考えています。
「何に」魅力を感じたかだけを聞いても、その学生が本当に魅力を感じてくれているか分かりません。本当に自社を志望してくれているかを判断するためには、その理由を聞く必要があります。
また、その魅力を感じている理由で、自社で継続的に働いてもらえる人材かどうかも確かめています。例えば、「企業規模が小さくて裁量権がもらえそうなこと」を理由としていた場合、「企業規模が大きくなったら離れていってしまうのではないか」とも考えられるわけです。
このように、企業は「なぜ」魅力を感じているかを聞くことで、内定辞退や早期離職を避けて、長期的に活躍してくれる人材を採用したいと考えています。
履歴書の志望動機を書くときのポイント
履歴書の基本情報や学歴などはどの企業を受ける際も大きく変わらないと思いますが、志望動機は1社1社異なるので、書くのが大変だと考えている学生も多いのではないでしょうか。
ここでは、志望動機に記載すべきポイントを紹介します。
ありきたりな志望動機にならないコツ
ありきたりな志望動機とは、主に以下の2つの状態の志望動機です。
- 他の企業にも言えてしまう志望動機
- 自分以外でも言えてしまう志望動機
他の企業にも言えてしまう志望動機になることを避けるためには、他の企業と比較したうえで、その企業ならではの特徴を伝える必要があります。ただその企業を分析・研究するだけでなく、他の企業と比較してみてください。
自分以外でも言えてしまう志望動機になることを避けるためには、自分だけの「就活の軸」に沿った企業選びをしていることを伝えましょう。この場合は、自己分析で自分が経験してきたことなど絡めて、志望度が高いことが伝わるようにしましょう。
その企業でなければいけない理由を書く
志望理由は「企業研究をしたうえで自社を選択したのか」をみられています。なぜ同業他社でなくその企業なのか、明確な理由を書くようにしましょう。
その企業でなければいけない理由の例
- 業界のなかで海外売上比率を高める取り組みに最も注力していると感じたから
- 〇〇の国内シェアがもっとも高いから
- 独自の商品やサービス、その根底にある思想に魅力を感じているから
- 創業時から受け継がれている文化に魅力を感じたから
- 幅広い年齢層の顧客に愛されており、その背景にある商品開発方針に
開発手伝国魅力を感じた共感したから
その企業でなければならない理由を考えるコツとしては、以下のような方法が挙げられます。
- 他社比較をして企業がオンリーワン、ナンバーワンなポイントを理解する
- OB訪問、インターンシップなどで社内の人の話をより深く聞く
自分の就活の軸を志望動機に含める
企業研究をアピールするのもいいですが、志望動機は無理に企業にあわせて考えるのは避けるべきです。志望動機は本音で考えたほうが伝わりやすいので、自分の就活の軸から話を展開するようにしましょう。
就活の軸とは、以下のような自分だけの考えです。
- 自分の基本的な就職に対する考え
- 自分は何のために就職し仕事をするのか
- 自分はどのような仕事内容や働き方、条件の企業に入社したいのか
企業の理念や社風に感じている魅力を伝えていても、誰でも言えると思われてしまいます。ただ、企業の魅力的な点を書いていくのではなく、「自分の就活の軸が〇〇で、就活の軸にこの会社が合っているから志望している」ことが伝わるようにしましょう。
自分だけの「就活の軸」の見つけ方はこちらの記事も参考にしてください。
入社後にやりたいことは絞りすぎない
志望動機には「入社後にやりたいこと」も盛り込んでもよいでしょう。その企業でしか経験できないことに取り組みたいと考えるのは、立派な志望動機になります。
ただ、入社後にやりたいことを絞りすぎると、「それしかやりたくないのか」と思われてしまいかねません。やりたいことは絞りすぎず、「仕事を通して実現したいこと」をイメージして書くのがポイントです。
履歴書に志望動機を書く際の注意点
履歴書に志望動機を書く際は、「どれくらい書くべきか」「手書きがいいのか印刷がいいのか…」など、自分では判断が難しいこともあります。履歴書に志望動機を書く際の注意点を解説するので、参考にしてください。
記入欄の8割ほどは埋める
履歴書の志望動機欄ですが、記入欄の8割以上埋めるのが一般的です。無理に8割くらい書けばいいわけではありませんが、文字が少なすぎると入社意欲が低いと受け取られる可能性もあります。
指定文字数があるならそれに従い、特に指定がないなら全体の枠の8割以上は埋めることを心がけましょう。
履歴書では「御社」ではなく「貴社」
履歴書で使う敬称は、「御社」ではなく「貴社」です。どちらも同じ意味の尊敬語ですが、言葉で表現するときと文字表現するときとで異なります。
履歴書やメールなど文語では「貴社」と表現、面接や電話など口語では「御社」です。
例えば履歴書では「貴社の〇〇に感銘を受けました」ですが、面接では「御社の〇〇に感銘を受けました」となります。
社会人になってからも頻繁に使うので、頭に入れておきましょう。
手書きか印刷かは重要でない
履歴書を書くとき「手書きじゃないと悪いイメージをもたれる」という噂を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
履歴書は、手書きか印刷かはそれほど重要ではありません。履歴書は内容が大切です。基本的には印刷で問題なく、手書きのほうが表現したいことが表現できるのであれば手書きで書く、と考えましょう。
どうしても気になるなら、企業にメールなどで直接質問する方法もあります。その際は「指定の書式などはありますか?」と質問するようにしましょう。
履歴書に志望動機を書く際におすすめの構成
履歴書に志望動機を書く際のおすすめは、以下5つを盛り込んだ構成です。
- 志望している理由
- 自分の企業選びの軸
- 志望している業界
- 業界内でその企業がよい理由
- 入社後にやりたいこと
①志望している理由
あなたがその企業を志望する理由を最初に一言で書きましょう。
はじめに結論を一言で書くことで、その後に記載されている内容がどんな結論につながるのかを理解して読むことができるので、読み手が読みやすい文章になります。
②自分の企業選びの軸
続いて、自分が企業選びで大事にしている就活の軸を紹介します。
就活の軸とは、就職する企業選びで重視する仕事内容や働き方など、自分で決めた基準のことです。
例えば「人々の日常生活で広く使われているもの・サービスに携わりたい」など、自分が携わりたいことや働く目的が挙げられます。
③志望している業界
続いて、志望している業界を紹介してください。自分の就活の軸が必ずしもある業界に当てはまらない場合は、「これから世界進出を進める企業」のように、どんな企業群に絞っているかが伝われば問題ありません。
②で紹介した企業選びの軸を踏まえて、それに当てはまる業界や企業であることを書きましょう。
例えば、企業選びの軸が「人々の日常生活に貢献できる業界の企業で働きたい」とした場合、「生活に欠かせない日用品を作っている〇〇業界を志望した」とできます。
④業界内でその企業がよい理由
次に③で紹介した業界、もしくは企業群から、どうしてその企業を選んだかの理由を書いてください。
例えば、③では「人々の日常生活に欠かせない〇〇業界を志望した」としている場合は、続けて「〇〇業界でも△△のサービスに特に注力している貴社に魅力を感じた」と盛り込めます。
⑤入社後にやりたいこと
最後に入社後にやりたいこと、実現したいことを書いてください。
例えば「より多くの人に〇〇の魅力を知ってもらえるようなマーケターになりたい」などです。
仕事で活かせる自分の強みをアピールしたり、入社後どのような目標に向け働いていくのかなどを盛り込んでもいいでしょう。
【新卒向け】志望動機の例文を紹介
ここからは具体的な例文を紹介するので、志望動機を考える参考にしてください。
例文1:会社の事業戦略に魅力を感じている例文
貴社の事業戦略に魅力を感じ志望いたしました。
私は、目の前の流行に乗るよりも、将来実現したいものに向けて努力することが大切だと考えています。貴社の属する◯◯業界は、現在〇〇が大きなテーマとなっており、各社がこぞって注力していると認識しています。
そのなかで、貴社は「今の流れに合わせるのではなく、未来を引き寄せる」という事業方針のもと、すでに話題になっている◯◯ではなく、その先に向けた事業を展開されています。
将来を予測して先回りして動くことにはリスクもあると思いますが、実現したい未来に向けて努力する姿勢や方向性に非常に共感を覚えました。貴社の先頭に立って事業を推進するプロダクトマネージャーになりたいと考えています。
ポイント
事業戦略・方針に魅力を感じて志望したことを述べたうえで、自分の志向性とマッチしていることを紹介できています。他社と比較した上で選んだことが伝わる文章になっています。
例文2:商品に魅力を感じている例文
貴社の商品〇〇に魅力を感じ志望いたしました。
私は中学生の頃から貴社の〇〇を愛用させていただいており、この商品を扱う〇〇で働くことを目標としていました。ほかにも同じような商品を販売している企業もありますが、ユーザーの声を製品開発者が直接聞いている企業は多くありませんでした。
そのなかで、貴社は商品開発フローに「徹底したユーザーインタビュー」を組み込んでいることが、コアなファンを獲得できている秘訣だと感じています。
入社後は、まだ顕在化していないお客様の声を吸い上げて、より使用しやすい〇〇の開発を目指したいと考えております。
ポイント
その商品が好きであること、ファンであること自体は、あまり採用する理由にはなりません。しかし、生産者・サービス提供者側の視点にも立てることが伝われば、ユーザーとしてではなく、その企業で働く意志が強いことを伝えることができます。
例文3:福利厚生に魅力を感じている例文
貴社の福利厚生に魅力を感じ志望いたしました。
私は、〇〇の商品やサービスを通して社会貢献したいと考えています。〇〇を扱う企業は多くありますが、ほかの企業にはない貴社の充実した福利厚生に興味を持ちました。
その背景を座談会でお伺いしたところ、「社員のことを考えている企業で働く社員は、お客様のことも考えられる人材に育つ」と聞き、その考え方に感銘を受けました。
私も福利厚生が充実した会社で、会社に提供されたもの以上に会社や関係者に還元できる人材になりたいと考えております。
ポイント
「福利厚生が充実している会社」だけで企業を絞るのは難しいですが、業界や福利厚生の考え方などは、企業によっても差が生まれる部分です。また、福利厚生の充実を志望動機にするときは、自分がメリットを享受するばかりでなく、どう貢献していくかを盛り込むこともポイントです。
例文4:社風に魅力を感じている例文
貴社のチャレンジ精神旺盛な社風に魅力を感じ志望いたしました。
私はチャレンジが推奨される環境で働きたいと考えています。私自身が立てた挑戦・目標に向けて頑張るのは当然ですが、同じように積極的に挑戦する志向性があるメンバーが集まる環境に身を置くことで、さらに大きなチャレンジができる可能性があると考えているためです。
貴社のインターンシップに参加させていただいた際、「まずやってみよう」という言葉が社員の方の間で飛び交っており、チャレンジ精神の高さを感じました。
私もチャレンジが推奨される環境でより多くのことに挑戦して成長し、会社に貢献できる人材になりたいです。
ポイント
どのような雰囲気の職場で働きたいか、自分の就活の軸を中心に志望理由を述べられています。インターンシップで実際に自分が見た経験を盛り込み、どんな場面で自分が魅力を感じたか具体的に伝えられています。
例文5:評価制度に魅力を感じている例文
貴社の実力主義の評価制度に魅力を感じ志望いたしました。
私は社会人になったら自分の実力がどれだけのものか試してみたいと考えています。一方で、実力主義でもほかの社員と協力的に業務を進められる環境で働きたいと考えています。
貴社は実力主義の評価制度を採用しているうえに、社員間でナレッジを共有する仕組みができていると、貴社の営業部の〇〇さんからもお伺いしました。
入社後はまずは自分が高い結果を残し、それを周囲に還元しながら全員の成長を牽引できるリーダーになりたいです。
ポイント
「実力主義の社風」「周囲とも協力的な社風」という自らの就活の軸と企業をうまく結び付けられています。また大学のOBから話を聞いたことを盛り込み、この企業でなければいけない理由にも触れられています。
まとめ
以上、新卒の履歴書で書く志望動機の書くときのポイントや注意点、おすすめの構成、例文などを中心に紹介しました。
志望動機を企業ごとに考えないといけない…と考えると大変に思えるかも知れませんが、自分の「就活の軸」をもとに考えることで、考えやすくなりますし読み手にも伝わりやすくなります。
そのため、志望動機が浮かばないときは、企業分析をする以上に自己分析をして「就活の軸」「自分のキーワード」を整理することをおすすめします。自分が大切にすることが見えてくれば、「なぜその企業に魅力を感じているのか」が自ずと見えてくると思います。
今回ご紹介したおすすめの構成や例文を参考に、履歴書の志望動機が自分らしさを盛り込めているかを考えてみましょう。