25卒から、採用直結型インターンシップが解禁されたこともあり、26卒の就活でもますます重要度が高まる「インターンシップ」。
しかし、周囲に流されてなんとなく参加してそのまま終わってしまうようでは、せっかくの機会を無駄にしてしまいます。
そこで、今回のコラムではインターンシップに費やした時間を最大限活かすためのインターンシップの振り返り方法をご紹介します。
インターンシップ選考に通過してほっとしている方も、これからインターンシップ先を探すという方も、ぜひ参考にしてください。
目次
インターンの振り返りをしないとどうなるのか
せっかくインターンシップに参加しても、振り返りをしなければそこで得た情報や学びを今後の就活に活かせません。自分でも何のためにインターンシップに参加したのか分からなくなることもあるでしょう。
インターンシップの振り返りをしないとどうなるのか、より具体的に解説します。
選考の時には、インターンで得た情報を忘れてしまう
インターンシップでは、企業・事業や仕事に関するさまざまな情報が得られます。先輩社員と交流したりインターンシップで出された課題に取り組んだりする中で、求められる人物像や必要とされる能力について気づきや発見もあるでしょう。
しかし、インターンシップの振り返りをしなければ選考が始まる頃にはそうした情報を忘れてしまいます。
ほかの学生との差別化や自己PRにもつなげられたはずの情報を忘れてしまうのは、大きな痛手でしょう。
企業への印象や志望度を忘れてしまう
インターンシップで受けた企業への印象やインターンシップに参加することで高まった志望度は、志望動機にオリジナリティや説得力を持たせる材料となります。
しかし、インターンシップのあとに振り返りをして、その時の気持ちを書き留めておかないと、企業への印象はだんだんと薄まり、志望度も下がってしまいがちです。
自分らしさや熱意の感じられる志望動機につながる経験をしたはずなのに、インターンシップに参加していない学生と同じような志望動機しか作れないおそれもあるでしょう。
インターンで気づいた強みや弱みを忘れてしまう
インターンシップで課題をこなしたり、同じ企業・業界を目指す学生と交流したりすることで、自分の強みや弱みに気づくことがあります。
ここで気づいた強みや弱みは選考時の自己PRにも活かせますし、選考までに強みを伸ばし弱みを克服すれば向上心や成長スピードのアピールもできるでしょう。
しかし、インターンシップでの振り返りをせずに自分の弱みや強みを忘れてしまうと、インターンシップ時よりも成長した自分をアピールするどころか、「インターンシップの経験を何も活かせていない」と判断されてしまう可能性があります。
自己分析が深まらないまま選考にも臨むことになりかねず非常にもったいないです。
成長実感をなくしてしまう
インターンシップに参加したあとには、課題解決能力や協調性、社会人としてのものの見方・考え方が身についているなど何かしらの成長をしているはずです。参加直後は、やり切った充実感も感じられていることでしょう。
しかし、そうした成長は意識的に振り返らなければ自覚できないことも多いです。自分の成長を自覚できないままでは選考時の自己PRにつなげられませんし、その能力を活かしたり伸ばしたりできずだんだんと失ってしまうことも考えられます。
どのような成長をしたのか振り返り文字に残しておかないのは、非常にもったいないでしょう。
インターンを振り返る前に…準備はしていたか?
インターンシップに参加する場合、参加後の振り返りも重要ですが事前準備も非常に大切です。
事前準備をしっかりしていたかによってインターンシップで得られるものも変わってくるでしょう。
インターンシップの準備の重要性やすべき準備の内容、準備していなかった場合の対処法を解説します。
インターンの準備が大切な理由
インターンシップでどれだけのことを学び、吸収できるかは、事前の準備にかかっています。
単にインターンシップで与えられる課題をこなし、採用担当や社員の話を聞く受身の姿勢でいるよりも、インターンシップで学びたいこと、知りたいこと、身につけたいことなどを明確にして参加するほうが多くの収穫を得られるでしょう。
また冒頭でもお伝えした通り、25卒からは採用直結インターンシップが開始されました。しっかり活躍して選考につなげるためにも、事前準備は重要なのです。
インターンの前に準備すべきこと
インターンシップ前には、企業の事業内容や歴史、インターンシップの概要など基本情報を押さえておきましょう。基本的なことを理解せずインターンシップに参加すると、志望度や意欲を疑われかねません。
積極的・能動的にインターンシップに参加し実り多い経験にするために、インターンシップにおける自分なりの目標も設定する必要があります。
インターンシップ中は採用担当や先輩社員と話しやすいため、ネットなどでは分からない質問も洗い出しておくと良いです。
その他、会場までの行き方や持ち物、ビジネスマナーなども確認しておきましょう。
インターンシップの準備に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
インターンの準備をしていなかった場合の対応方法
事前準備をせずにインターンシップに参加してしまった場合は、この次に紹介するテンプレートを使い振り返りをしましょう。
インターンシップ前に記入する項目は、参加前にどう感じていたかを思い出しながら書いてください。
そうすることで、事前準備ができていなくてもインターンシップ参加前と参加後の変化を確認できます。
インターンシップ参加前のことも参加後のことも時間が経つと忘れてしまうので、事前準備をしていなかった場合はなおさら、参加後すぐに振り返りをしてください。
インターンシップの振り返り方法
ここからは、具体的なインターンシップの振り返り方法をお伝えします。
私がやっていたインターンシップの振り返りは、インターンシップに行く前と後のギャップを書き出してみるという方法です。
具体的には、インターンシップに行く前に
「インターンシップの目標」
「インターンシップに参加するのはどんな学生が多そうか」
などをあらかじめ表に書いて準備していました。
このように仮説と検証をインターンシップ参加後に振り返ることで、インターンシップ参加前よりも深まった情報を整理したり、イメージとのギャップを見つけたりすることができます。
表に必要な要素は、
- インターンシップの前後で振り返る項目
- 参加前の知識やイメージ
- 参加後に学んだこと
というシンプルなもの。 振り返る項目を決めたら、自分の知識やその業界・企業のイメージを書き出してみましょう。
インターンシップが始まる前に、業界分析や企業研究を進めておくことも重要!何も調べずに参加することだけはやめましょう。
ポイント!:振り返り表作成をきっかけに、業界や企業についての事前勉強をしよう!
インターンシップの振り返りテンプレートの記入例
参考までに、ここからは私が行ったインターンシップの振り返り項目と、実際に書いたことを紹介します。
例)某大手保険会社のインターンシップ(参加前)
項目 | インターンシップ参加前:事前情報 | インターンシップ参加後:学んだこと |
インターンシップの目標 | インターンシップ先の仕事を生で理解したい。 | |
業界での立ち位置 | 生命保険業界2位(2015年) | |
業務内容 | どの職種に関わらず、はじめは営業での保険商品販売。またはそのサポート側。 | |
業界の最新トレンド | 競合が増えてきて、サービスの質向上が求められる。 | |
社員のタイプ | 生真面目で成績重視のタイプ | |
参加学生のタイプ | 保険業界だから、無難に働きたい人達? |
このようにインターンシップ参加前に調べた情報や仮説(企業のイメージ)を表で整理してみます。
例)某大手保険会社のインターンシップ(参加後)
項目 | インターンシップ参加前:事前情報 | インターンシップ参加後:学んだこと |
インターンシップの目標 | インターンシップ先の仕事を生で理解したい。 | ネットの情報よりも現場で感じた情報のほうが理解しやすく、イメージが湧いた。 |
業界での立ち位置 | 生命保険業界2位(2015年) | 売上などで3位以下に圧倒的差をつけていた。 |
業務内容 | どの職種かに関わらず、はじめは営業での保険商品販売。またはそのサポート側。 | 概ね調べた通り。キャリア職であれば、営業チームの管理側に早く就くことも。 |
業界の最新トレンド | 競合が増えてきて、サービスの質向上が求められる。 | 学資保険が減少しているので、ほかでカバーしようとしている。 |
社員のタイプ | 生真面目で成績重視のタイプ。 | 年齢関係なく活躍したいと思う熱量が滲み出た社員さんが多い。 |
参加学生のタイプ | 保険業界だから、無難に働きたい人達? | キャリア職の場合、露骨に成績が昇進に関わるので、インターンシップ中でも意欲が高い人は目に止まりやすかった。 |
インターンシップ参加後に、実際に現場で学んだことや仮説(企業イメージ)の検証結果を記載します。これで、インターンシップ振り返り表が完成!
インターンシップ参加前の情報に比べると、質も量も高くなっているのが一目瞭然ですね。
自分で得た情報だからこそ、文章には書かれていない「感情の部分」も把握しやすくなります。
インターンシップの振り返りをするメリット
上記のテンプレート例を見ていただくと分かる通り、インターンシップ参加前後の情報を見比べると、明らかにインターンシップ参加後のほうが情報が深まりますよね。
ただ、振り返りをするメリットは「企業のことをよく知ることができた」だけではありません。
ここでは、インターンシップの振り返りをするメリットをご紹介します。
企業と自分の相性を冷静に判断できる
企業のことを知れば知るほど、その企業に愛着を持ちやすいものです。
一方で、「その企業が自分にあっているか」という視点を忘れてしまうと、本当に自分にとってやりたい仕事や働きやすい企業ではないにもかかわらず、その企業に時間を投資してしまう可能性があります。
項目に沿って振り返りをすることで、一つひとつの項目を文字にして客観的に見ることができます。
項目によっては参加前のイメージと実際の業務のギャップが大きい事柄もでてくるかもしれません。
それによって、志望度が下がってしまうこともあるかもしれません。
しかし正しい情報を理解することが振り返りの一番のポイントなのです。
もし志望度が下がってもがっかりする必要はありません。
「早いうちに、自分に合わないことに気づけてよかった!」と考え、もっと自分に合う企業を探しにいきましょう。
選考に向けて、オリジナルのエントリーシート作成に役立つ
インターンシップ参加企業の選考に進む場合、インターンシップで得た経験はその後の選考でのアピールに大いに役立ちます。
ネットやその他手段で得た情報とは異なり、自分で集めた情報であるからこそ、エントリーシート(ES)でオリジナリティのあるエピソードを書くことができます!
例えば、 上記のテンプレート例の企業であれば、
「競合が増えてきているので、既存サービス品質の向上が重要と考えていたが、インターンシップで少子化にともない学資保険の売上高が減少している現状を知った。この業界は新しい市場を開拓することが重要と考えています。」
といった深い考察をエントリーシートに記入することができるでしょう。
振り返りによって、自己分析が深まる
振り返りシートに自分が学んだことを書いていくことで、無意識に自分がよく見ていたポイントや、気になる項目に気づくことができます。
例えば、インターンシップで自分から聞きに行った項目や、もっと知りたいと思ったことがあれば、それが自分自身にとって大切な就活の軸である可能性があります。
インターンシップの時期は、まだまだ自己分析も途中という方が多いでしょう。
こうした振り返りも、「企業の振り返り」のためだけでなく、自己分析のヒントに使えると、就活を効率的におこなえますよ。
ちなみに、自己分析を効率的におこないたい方には、適性診断ツールを使うのもおすすめします。
こちらの記事では、実際に適性診断ツールを使って自己分析、さらには自己PRにまでつなげた先輩の話が読めます。
ぜひ読んでみてください!
無料の自己分析ツール、適性診断AnalyzeU+で、企業も納得の自己PRをつくる方法
就活モチベーションUP!
何も考えず数だけこなしてインターンシップに参加していると、ひとつひとつの記憶が薄れてしまいがちになります。
一方で、インターンシップの振り返りを行うと、インターンシップで成長している自分、業界の知識を広げている自分を再確認できます。
また、自分がどんな仕事に興味を持ちやすいかも振り返りでわかってくるので、次の企業や業界を探すヒントになります。
せっかく費やした時間の分だけ、一歩一歩ゆっくりでもいいので前進できるようにしましょう。
インターンに行ってよかった!で終わらせるのではだめ
最後に…私も、この手法は正直「面倒くさい」と思います。手間がかかります。
しかし、文字に残しておくことで、たとえインターンシップで行った企業の選考を受けなかったとしても、業界を理解することに役立ちます。
また、自己分析にもつながります。
何が武器になるか就活が始まって蓋を開けてみないとわかりません。
ぜひインターンシップの振り返りをしてみてくださいね!