「インターンシップの志望動機はどのように答えるのがよいのだろう」
このような悩みを抱えている学生は多いのではないでしょうか。
インターンシップとは職業体験を通じて、学生が仕事内容や企業、業界などを知る機会のことです。就職する前にビジネスの現場を体験し、社会の理解を深めることができます。
人気企業のインターンシップには数多くの学生がエントリーするので、志望動機はインターンシップに参加できるかどうかを決める重要なポイントの1つです。
この記事ではインターンシップで志望動機が問われる理由や志望動機の構成、業界・職種ごとの志望動機例などをご紹介します。
目次
インターンシップで志望動機が問われる5つの理由
まずインターンシップで志望動機が問われる理由を5つ解説します。なぜインターンシップで志望動機が聞かれるのか、企業の意図を把握しましょう。
1.インターンシップに対する熱意を知りたい
1つ目の理由は、学生のインターンシップに対する熱意を知るためです。
人気のある企業のインターンシップでは数百人以上、中には1,000人を超える学生が集まります。参加希望の学生には「人気企業だから」「友達が参加するから」など熱意の少ない人もいます。
開催する企業は多くの学生に参加してもらいたいのと同時に、熱意のある・学ぶ意欲のある学生に参加して欲しいと考えています。志望動機を通じて、インターンシップへの熱意を確認し、学生をふるいにかけているのです。
2.コミュニケーション力や人柄を知りたい
企業は志望動機を通じて、学生のコミュニケーション力や人柄を知りたいと考えています。インターンシップに参加する学生が自社の求める人物像にマッチしているかを確認するため、志望動機からコミュニケーション力や人柄、個性を確認しているのです。
多くの企業が採用で重視するコミュニケーション力以外にも、主体性や積極性、協調性などもチェックしています。企業は志望動機を聞くことで、インターンシップに参加を希望する学生1人1人を見極めているのです。
3.学生の希望とインターンシップの内容がマッチしているか
企業は学生の希望とインターンシップの内容がマッチをしているか確認するために、志望動機を聞いています。
インターンシップを通じて学生が学びたいことや知りたいことを提供できないと、参加した学生の満足度が低くなってしまいます。満足度が低いと採用選考にエントリーしてもらえないだけでなく、クチコミなどでほかの学生の評判を下げてしまうかもしれません。
インターンシップで提供する内容と学生が求める内容にずれがないかを確認し、参加する学生の満足度を高める目的で志望動機を聞いています。
4.優秀な人材を集めて採用PRにつなげたい
採用PRにつなげるようなインターンシップの実施を目的に、志望動機を聞いて、優秀な学生を集めていることもあります。
多くの学生に注目してもらえるよう、企業はインターンシップの内容を工夫しています。例えば参加すると報酬がもらえたり、海外出張へ同行できたり、長期開催など趣向を凝らしたインターンシップを企画・実施しています。
話題性のあるインターンシップを実施し、優秀な学生を集めることで採用PRにつなげ、自社の認知度を高めています。志望動機を聞くことで、優秀な学生かどうかを見極めているといえるでしょう。
5.本選考をふまえて見極めたい
インターンシップで志望動機を聞いて、採用選考に向けて学生を見極めたいと考えている企業もあります。
「インターンシップは職業体験で、採用選考とは関係ないのでは?」と感じた学生もいるでしょう。インターンシップの従来の定義は職業体験でしたが、25卒から一定の要件を満たすとインターンシップで取得した学生の情報を採用選考に利用できるようになりました。
今後のインターンシップでは、志望動機や自己PRなど採用選考と同様の質問をインターンシップでおこない、学生の見極めを早期に進める可能性があります。
インターンシップの志望動機の基本構成をおさえよう
次にインターンシップの志望動機の基本構成について解説します。必ずこの構成に沿って話さなくてはいけないわけではありませんが、基本構成をおさえて、インターンシップの志望動機の作成に役立ててください。
今回ご紹介する基本構成は、「参加した理由・きっかけ」「業界や企業への興味・理解」「企業が求める人物像に沿った自己PR」「インターンシップに対する熱意・気持ち」の4つです。1項目ずつ解説します。
参加理由
まずインターンシップに参加する理由を伝えましょう。どこでインターンシップを知ったのか、参加の動機は何かを簡潔に伝えます。
「友達が参加するから」「周りに勧められたから」という理由もあるかもしれませんが、まったく興味がないインターンシップには参加しないはずです。自己分析をおこない、インターンシップに参加したい理由をなるべく自分の言葉で表現してみましょう。
中には1dayインターンやグループディスカッションなど複数のコースでインターンを実施する企業があります。複数のコースのなかから、なぜそのインターンシップに参加したいと思ったのか、という視点も参加理由に組み込むとよいでしょう。
業界・企業への興味や理解度
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次に参加を希望する企業が属している業界や、企業そのものについての興味、理解度を盛り込みましょう。職種ごとにコースが分かれている場合、希望する職種への興味や理解度もあわせて伝えます。
採用選考同様に、企業は企業研究や業界研究ができているかを志望動機で確認しています。またインターンシップに参加して、何を知りたいか、何を得たいのかという点も企業が知りたいポイントです。
事前に業界研究や企業研究をおこない、インターンシップへの参加を希望する企業に対し、興味や関心、理解度を高め、志望動機に落とし込みましょう。
求める人物像に沿った自己PR
企業が求める人物像に沿った自己PRを忘れずに伝えましょう。自己PRは単に自分の伝えたい内容ではなく、参加を希望する企業の求める人物像に沿った内容にします。
求める人物像はインターンシップの募集ページや前年の採用ページで確認できます。企業が求める人物像にあわせて自己PRの内容を考えましょう。自己PRそのものが上手く作れない人は、まず自己分析をおこなってください。
なお、就職活動で自己分析をする際は、適性診断を活用してみてください。OfferBoxの適性診断ツール「AnalyzeU+」は自分の強みや弱み、それを裏付けるエピソード探しのきっかけに役立ちます。
熱意ややる気
インターンシップの志望動機の最後は熱意ややる気、成長したい気持ちを盛り込みましょう。
熱意ややる気だけでは不十分ですが、熱意ややる気、成長意欲を盛り込んでいない志望動機は魅力に欠けてしまいます。参加理由や企業・業界研究、自己PRをおこなった上で、最後に熱意を伝え、企業の目に留まるような志望動機に仕上げましょう。
単に熱意を伝えるよりも「どのような点がマッチしているか」など具体的に伝えることで、より企業の印象に残ります。企業・業界研究を通して自分の想いや考えと合致する部分を見つけ、熱意ややる気をアピールしましょう。
[業界別]インターンシップの志望動機の例文
業界別にインターンシップの志望動機の例文を紹介します。例文だけでなく、アドバイスやポイントを解説していますので、志望動機作成の参考にしてください。食品
私はスーパーでアルバイトをしていますが、同じ用途の商品でも特徴が違うことに興味を持ち、どのように商品が作られるのかに関心を持つようになりました。貴社のインターンシップでは商品企画を体験できます。アルバイトの経験を交えながら、商品企画を学びたいと考えています。
インターンシップを通じて商品企画を学びたい理由をアルバイトの経験から伝えられており、参加理由が明確な志望動機です。学生生活の経験から参加理由をまとめるとよいでしょう。
銀行
今までの経験や学びから将来取り組みたいことを伝えるとともに、業界動向もチェックしており、熱意や意欲を感じる志望動機です。
メーカー
マーケティングに関心を持ったきっかけをしっかりと述べており、参加理由が明確です。ワークをおこなうインターンシップについて調べられており、企業研究の姿勢も感じられます。
アパレル
志望業界について調べるとともに自己分析をおこなっており、インターンシップで身に付けたいことが明確な志望動機です。あえて不安な気持ちも正直に伝えていることで、人柄が伝わる志望動機です。
インフラ
業界研究、企業研究をしっかりとおこなっている志望動機です。参加意欲や熱意だけでなく、なぜその企業のインターンシップを志望するのかを伝えることで志望動機の内容が充実します。
医療事務
最後の一文で熱意ややる気が伝わる志望動機です。やや業界研究が不足しているように感じますが、自分で医療事務について調べており、意欲が伝わる内容といえます。
医薬品(製薬業界)
インターンシップの内容を調べており、なぜこのインターンシップを希望するのかが明確です。業界研究のために参加をしたいという意欲も伝わってきます。
印刷
学園祭の経験を通じて、業界への興味が高いことが伝わります。過去の経験が志望動機につながっていて、シンプルで伝わりやすい点が高評価です。
介護
インターンシップで学びたいことを明確に伝えています。本気で介護業界を志望しているからこそ、仕事の大変な面も知りたいという思いが伝わってきます。
観光
事前にどのような仕事があるか調べた上で、どの点が分からなかったのか、何を知りたいと思ったのか伝えられている志望動機です。
「全部分からないので教えて欲しい」と伝えるのではなく、「〇〇業界の、この部分は調べてもよく分からなかったので教えて欲しい」と話した方が、自ら調べて動ける人だと感じてもらいやすいでしょう。
建築・建設
インターンシップへ参加する理由がはっきりとしている志望動機です。参加意欲があり、採用選考に向けてよい印象を残せるでしょう。
ブライダル
他のインターンシップとの違いを調べたり、企業のサービスの特徴を理解したうえで応募している点が評価できます。
広告
広告業界に関心を持つようになったきっかけを伝えており、参加理由が明確です。インターンシップを通じて何を学びたいかを伝えており、意欲高く参加してくれるだろうと期待が持てます。
[職種別]インターンシップの志望動機の例文
続いて、職種別にインターンシップの志望動機の例文を紹介します。業界別の例文と同じく、アドバイスやポイントを解説していますので参考にしてください。営業
さまざまな営業職があるなかで、応募先企業にはどのような特徴があるのか自分なりに調べています。インターンシップで学びたい内容も明確で、前向きな姿勢が感じられます。
エンジニア
エンジニアとして最新の技術やスキルを学びたいという自己PRに加え、インターンシップに参加する仲間との交流も期待していると思いを伝えられています。ただスキルや知識を習得したいだけでなく、色々な人から情報を得て学びたい意欲が感じられます。
研究職
業界研究、企業研究を深く行っており、インターンシップの参加目的が非常に明確です。前向きに取り組んでくれる姿勢を感じ、好印象を与える志望動機といえます。
コンサル
インターンシップの内容を調べており、インターンシップを通じて何を学びたいのかを非常に分かりやすく伝えています。
まとめ
インターンシップでは熱意やコミュニケーション力を確認したり、インターンシップの内容が学生の希望とマッチしているかをすり合わせるために志望動機を聞かれます。
志望動機の基本構成は「参加した理由・きっかけ」「業界や企業への興味・理解」「企業が求める人物像に沿った自己PR」「インターンシップに対する熱意・気持ち」の4つです。業界や職種ごとの例文を参考に自分ならではの志望動機を作りましょう。
志望動機を作る時に自己分析は欠かせません。自分の強みや弱みを明確にし、印象に残る志望動機を作りましょう。自己分析のやり方が分からない人はOffer Boxの自己分析ツール「AnalyzeU+(アナライズユープラス)」を使ってみてください。