【2019年卒市場動向】1dayインターンシップがもたらす脅威

【市場動向予測6】1dayインターンシップがもたらす脅威

1dayインターン解禁で「とりあえず参入」が失敗する理由

 

この市場動向予測6では、1dayインターンシップ解禁により、時期による土俵ずらしが効果的でなくなった今、インターンシップでの学生の獲得競争をどう乗り切るのかについて考えていきたい。

 
市場動向予測2では、18卒の実績と1dayインターンシップ解禁が追い風となり、広報解禁直前の冬インターンシップから本選考へ流れが加速していること。さらに、「認知獲得」や「参加後のフォローアップ」への関心が高い大手企業の参入により、インターンシップが認知向上につながるという構図が崩れてきているということがわかった。
 

弊社で調査した下記データによると、半数以上の学生は、インターンシップ先を「志望する/興味のある業界や企業」を基準に選んでいるということがわかる。さらにそのエントリーに至る認知経路として、「ナビサイトや就職関連サイト」のほかに「ナビサイトや就職関連サイトからのメール」や直接「企業名で検索する」という方法が挙がった。
 

1dayインパクト
【出典】株式会社i-plug 『2019年卒インターンシップ意識調査』2017年8月実施

 

このことから、1dayを始め、秋・冬インターンシップを実施する上で2つの懸念が浮上してくる。
1つ目は、企業規模による格差だ。学生が学期中にインターンシップに参加できる回数にも限度があるため、結果的に比較的知名度のある中堅~大手企業へのエントリーが集中すると考えられる。業界上位の企業へは参加学生が増えても、業界5位、6位以下ともなると、インターンシップですら本選考並みに激化するだろう。さらに、インターンシップ参加により中堅~大手企業への接触頻度が高まることで、ますます学生の大手志向が進む可能性もある。

2つ目は、業界格差。多くは自主的にナビサイト等でインターンシップを探すであろう学生たちは、探す時点で「業界」軸で候補を絞り込んでいる。始めから土俵に上がれていない可能性があり、せっかく準備したインターンシップの定員割れや、インターンシップに呼び込みたいターゲット学生を呼び込めない可能性があるということ。

では、上記のような1dayインターンシップがもたらす脅威には、どのような対策が有効か。
それは、「認知獲得」のタイミングだ。
インターンシップのエントリー開始のタイミングで認知獲得を狙っていては、すでに学生は他社プログラムへのエントリーの意向がかなり高まっているかもしれない。
また、かつては多くの学生を魅了し、インターンに参加することが就職活動においてのステータスにもなり得たハッカソンやビジコンなどといった企画も、今では飽和状態にある。企画内容の工夫だけでは、学生の興味を引くことは難しい。
 

重要なのは「認知獲得」に向けた施策をインターンシップのエントリーよりも前に打ち出しておくこと。
インターンシップにも認知獲得の活動が必須であるといえる。

そのためには、認知を獲得するために企業から学生に向けてアプローチしていくなど、インターンシップにも「待ち」から「攻め」への転換が必要なのだ。

※本記事は「【市場レポート】どうなる? 2019年新卒採用の動向・変化予測 ー秋冬・本選考対策編ー」の一部を抜粋したものです。


2017年11月8日公開