「四季報」で就活を有利に!簡単&分かりやすい使い方【徹底的な企業研究で内定獲得】

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就職活動で企業研究をするときに大きな助けとなってくれるのが、東洋経済新報社発行の企業情報誌『会社四季報』や『就職四季報』などの「四季報」シリーズです。「四季報」と聞けば「投資や株式情報を得るためのデータ集」とイメージする人も多いと思いますが、就活でも大いに役立てることができます。今回は就活での「四季報」活用法について解説します。

OfferBoxは、プロフィールを登録しておくと企業から選考やインターンシップのオファーが届く新卒逆求人サービスで、就活生の約24万人(※1)に利用されています。
また、登録企業数は約19,242社(※2)で、大手から中小・ベンチャー企業まで幅広い企業に登録されています。
完全無料で利用できるため、ぜひご活用ください。

(※1) OfferBox 2024年卒利用実績データより
(※2)当社アカウントを開設した企業数で、直近で利用していない企業含む(2024年10月時点現在)

「四季報」とは?

一般的に「四季報」と呼ばれているものは、投資家たちが利用する企業情報誌『会社四季報』のことを指しますが、就職活動向けの情報をまとめた『就職四季報』も発行されています。まずは、それぞれの内容や特徴を見てみましょう。

上場企業の情報を網羅!『会社四季報』

『会社四季報』は経済専門誌(雑誌)『週刊東洋経済』を発行している東洋経済新報社が年に4回、発行している企業情報誌のことで、略して「四季報」と呼ばれています。上場しているすべての企業情報を一冊に網羅していることから、“お宝銘柄”を探すには打ってつけで「株式投資のバイブル」とも称されます。
辞書のように分厚いのですが、毎号、必ず購読し、発売後に全ページをくまなくチェックする投資家もいるほど圧倒的な支持を集めています。1936年の創刊以来、戦中・戦後の一時期を除いて「継続」して発行されていること、またすべての企業に担当記者がついて取材をしていることが情報の信頼性につながっています。

就活生には『就職四季報』がおすすめ

『会社四季報』の情報から、さらに採用実績や有給取得状況、男女別採用数や配属先など就職活動において知りたいデータをピックアップし、年に1回発行されているのが『就職四季報』です。

 主な対象発行時期・頻度主な内容
会社四季報投資家四半期ごと全上場企業の情報を網羅詳しい企業情報を得られる
就職四季報総合版就活生年1回(11月下旬)採用データがわかる大手企業を中心に掲載
優良・中堅企業版知られざる優良・中堅企業を見つけたい学生年1回(11月下旬)地方にベースを置く企業やベンチャー企業など、総合版に掲載されていない企業を掲載
女子版女子学生年1回(11月下旬)女性の働きやすさがわかる情報が充実
企業研究・インターンシップ版インターンシップに参加する学生年1回(6月ごろ)就活の入門編。インターンシップの時期や募集人数、内容などを掲載

■「四季報」シリーズの特徴

会社四季報
主な対象投資家
発行時期・頻度四半期ごと

主な内容

全上場企業の情報を網羅詳しい企業情報を得られる
就職四季報
総合版
主な対象就活生
発行時期・頻度年1回(11月下旬)

主な内容

採用データがわかる大手企業を中心に掲載
優良・中堅企業版
主な対象知られざる優良・中堅企業を見つけたい学生
発行時期・頻度年1回(11月下旬)

主な内容

採用データがわかる地方にベースを置く企業やベンチャー企業など、総合版に掲載されていない企業を掲載
女子版
主な対象女子学生
発行時期・頻度年1回(11月下旬)

主な内容

採用データがわかる女性の働きやすさがわかる情報が充実
企業研究・インターンシップ版
主な対象インターンシップに参加する学生
発行時期・頻度年1回(6月ごろ)
主な内容就活の入門編。
インターンシップの時期や募集人数、内容などを掲載

(注)発行時期については東洋経済新報社のウェブサイトで確認してください

『就職四季報』には、日本を代表する企業を中心にピックアップした「総合版」、総合版に掲載されていない企業をまとめた「優良・中堅企業版」、産休・育休についてなど女性の働きやすさが分かる情報を充実させた「女子版」、入門編となる「企業研究・インターンシップ版」の4種類があります。
関連本として「四季報」記者による「業界地図」も発行されており、「四季報」シリーズは就活生の強い味方となるでしょう。

『就職四季報 総合版』を使いこなすポイント

「四季報」を就活で活用するなら、『就職四季報 総合版』(以下『就職四季報』)が最もオーソドックスな内容でおすすめです。その内容や使い方について解説します。

『就職四季報』を就活に利用するメリットとは

『就職四季報』2022年版には大手1279社について会社情報と働く環境に関するデータが掲載されています。さらに全国の上場会社と未上場ながら優良な会社3721社の概要や採用数を一覧で紹介。就活人気企業ランキングや、注目データの最新動向、博士・高専生を採用する会社などの特集や会社比較の記事も掲載しているため、就活情報を総合的に得られるメリットがあります。何より客観的、中立的な立場で担当記者が取材している点が『就職四季報』の大きな魅力です。

有給休暇や残業時間はどれぐらい? 知りたい情報が手に入る

志望企業の情報で気になる新卒3年後離職率や有給取得年平均日数、残業時間・残業代など、「働きやすさ」を考えるうえで就活生なら知っておきたい情報なども『就職四季報』で確認できます。
有給日数は求人情報や企業のウェブサイトなどでも公開されていますが「最大で休める日数」を示しているに過ぎず、実際は社員が全日数を消化できていないケースがあります。その点、『就職四季報』に掲載されているのは「取得平均日数」なので、より実態に即した情報だと言えるでしょう。
また『就職四季報』に掲載されている「残業時間」の全体平均は月10~15時間ほどですが、30~40時間を超える企業も中にはあります。残業が多い企業の中には成長が著しく、業務が多忙になっているケースもありますので、自分がどのような働き方をしたいのか、よく考えたうえで志望企業を判断する目安にしてみてください。

業績や選考情報もひとまとめに

ほかにも「業績」欄は、会社の将来性を見るために必ずチェックしておきたいところ。まず「売上高」が増えていれば、売り上げが伸びているということなので企業の成長性が分かります。一方、営業利益は「売上高」から人件費や広告費、原材料費などを差し引いたもので、「本業の儲け」を表しています。表記されていませんが「営業利益÷売上高×100」で「営業利益率(%)」を計算した結果と、金融を除く全産業の平均・約7%と比べれば、その会社に本業で「稼ぐ力」があるかどうかをチェックできます。
利益などの用語について知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
よく聞く「ナントカ利益」って何? ~ 企業の儲けをカンタンに解説

さらに就活成功の戦略を立てる上で役に立つエントリー情報、採用プロセスのほか、「試験情報」では重要科目や選考ポイント、通過率、倍率が一目で分かるようになっています。男女別・大卒/修士別の採用数や採用実績校も参考になるでしょう。

★マークで情報開示に積極的かどうかが分かる

また欄上に「開示★★★★★」などの表記がありますが、これはその会社が情報開示にどの程度、積極的かを相対評価で表したものです。各企業のページを見ていると、「NA」と記された項目が見つかることがあります。
NAとは「No Answer」の略で、あまりオープンにしたくない情報や、就活生に知らせる必要がないと企業が判断した情報だと考えられます。そのため、その会社が情報開示に積極的でない場合は★の数が少なくなり、情報公開度をチェックする一つの目安となるでしょう(開示マークは「総合版」と「女子版」のみの掲載です)。

『就職四季報』総合版以外の内容は?

就活では必要に応じて、総合版以外の『就職四季報』も役に立つことがあるでしょう。その内容について確認してみます。

知られざる有望企業が見つかる!「優良・中堅企業版」

『就職四季報 優良・中堅企業版』の2022年版には、総合版に掲載されていない4600社の情報が掲載されています。総合版は大手企業が中心ですが、優良・中堅企業版には地方にベースを置く企業やベンチャー企業なども紹介されており、知られざる優良・有望企業を見つけたいときには強力な情報ツールとなります。

女子学生のための就活情報なら「女子版」

将来の結婚や出産も考える中で、どのようなキャリアプランを立てられるのかが気になる女子就活生もいるでしょう。その点、『就職四季報 女子版』では、産休や育休の期間、女性既婚者数・子を持つ女性人数、女性役職者数などリアルに知りたい情報がまとめられています。女性新入社員の配属先や部署、総合職と一般職の採用人数など、女子学生のための就活情報に特化しているのが特長です。

「企業研究・インターンシップ版」は入門編

インターンシップに参加する学生におすすめなのが『就職四季報 企業研究・インターンシップ版』。インターン参加への選考の有無や、本採用選考との関係についても取材されているため、インターンをきっかけに企業研究をしたい人の参考になるでしょう。

業界地図も利用したい

『就職四季報』シリーズと合わせて利用したいのが『「会社四季報」業界地図』です。『会社四季報』の情報を、分かりやすい業界地図の形で紹介。業界の研究・分析には欠かせないツールとなっています。
業界地図については、こちらの記事をご参照ください。
【就活成功へ導く!】業界研究本はどう選ぶ?どう使う?志望業界を見つけるヒント

『会社四季報』も就活に使える?

『会社四季報』は主に投資家向けの情報がまとめられていますが、四半期ごとに発行されるため、継続してチェックすればより細かに企業の動向をつかめます。投資に興味・関心がある就活生はもちろん、より詳しい企業情報や市場の動向を見たいときには『会社四季報』も合わせてチェックしてみましょう。

四季報記者の視点が参考になる

各企業ページの冒頭には「業績欄」があり、短い記事ながら端的に業績について書かれています。【増益】や【V字回復】など見出しに注目していくだけでも業績の勢いがつかめそうです。
続く「材料欄」では株価を左右する可能性のあるトピックスが書かれています。例えば会社が取り組んでいる課題や収益に影響を与えるトピックスなどで、四季報記者による客観的な指摘が参考になるでしょう。

より詳しい企業情報を得たいときに

会社の安全性を評価する基本の指標「自己資本比率」など、『就職四季報』にはないデータを見たいときにも『会社四季報』は役立ちます。
自己資本比率とは「総資産に占める自己資本の割合」を示したもの。自己資本比率の高い会社は、資本金や利益剰余金(過去に稼いだ利益が積み重なった額)などが多い会社なので安定していると考えられます。逆に自己資本比率が低い会社は借入金などが多いことを表しています。

財務省の「法人企業統計調査」(2019年度)では金融業・保険業を除く全産業の自己資本比率は42.1%でした。このことから自己資本比率の目安は業種によって異なるものの、4割程度あれば倒産のリスクは少なく、5割以上あれば安定度はさらに増すと考えられるでしょう。

また「海外売上比率」を見れば、海外での売上高が全体の売上高に占める割合が分かり、グローバル化の進ちょく具合が分かります。ほかにもさまざまな指標や情報が掲載されていますので、志望企業を『会社四季報』でもチェックしておけば、より理解が深まるはずです。

オンラインサービスも利用価値あり

「四季報」はオンラインサービスも充実しています。使いこなせば、こちらも就活に強力なツールになるでしょう。

スクリーニング機能が充実した『会社四季報ONLINE』

『会社四季報』の膨大なページから、知りたい情報を探すのはなかなか大変です。そのようなときに投資家の人たちが併用して使っているのが『会社四季報ONLINE』。『会社四季報』を過去分も含めてウェブサイト上で閲覧できるほか、細かく条件を設定し、該当する企業をスクリーニング(ある条件で振り分けること)できるのが重宝されています。

投資家向けの情報がメインとはいえ、最新ニュースやマーケット情報の閲覧、業績予想など就活生でも知っておきたい記事も多数掲載されています。有料サービス限定のコンテンツもありますが、必要に応じて利用してみたいものです。
気になる企業からオファーがきたら、まずは『会社四季報ONLINE』で情報を検索するのもよいでしょう。

「四季報」は、業界・企業研究で差を付けたい就活生におすすめ

新型コロナウイルス感染症拡大による経済への打撃は大きく、改めて社会の不安定さが浮き彫りとなりました。就職活動においても、何か危機的な状況が起きてもすぐには“つぶれない”会社を選びたい、将来性のある企業で働きたい、などを希望する学生が増え、業界・企業研究がより重要になっています。そのようなとき『就職四季報』をはじめとする「四季報」シリーズやオンラインサービスは、客観的で確かな情報を得たいときに大きな助けになってくれるはずです。自分に合ったものを選んで、ライバルに差を付けましょう!