自己PRでは、自分の培ってきたスキルや知識、能力などを効果的にアピールすることが重要です。特に最近では企業の海外展開も多く、就活の段階で英語力を問われるケースも少なくありません。
しかし、就活の自己PRで英語力をアピールしようとしても、実際にどのような風にアピールをすれば良いかわからない人は多いのではないでしょうか。また、場合によっては応募先の企業が英語力を求めていないケースもあるでしょう。
そこでこの記事では、自己PRで英語力を効果的にアピールする方法や書き方のコツ、アピールするときの注意点などを例文を交えてわかりやすく解説します。後半では英語面接への対策も具体的に紹介しているので、ぜひ就活の際の参考にしてみてください。
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目次
自己PRで「英語力」はアピールにならない?
英語力を重視する企業は少なくないため、アピールすること自体は全く問題ありません。
ただし、英語力のアピールについてまず押さえておきたいのは、英語力単体でアピールしても採用の決定打にはなりづらいという点です。
英語ができるからと言って、即戦力として活躍できるケースは非常に少ないです。英語力が高くても、始めから一人で業務を進められるわけではないためです。
また、英語は比較的入社後でも身につけやすいスキルです。そのため、現時点で英語ができる人よりも、英語を含めて入社後に成長・習得できる素養がある人を高く評価する企業もあります。
このように、英語力があるというだけで採用に至ることは少ないことを念頭に置いておきましょう。
自己PRで効果的に英語力をアピールするポイント
英語力だけではアピールになりづらいですが、習得までの過程やエピソードなども含めることで、魅力的な自己PRになります。
ここでは、自己PRで効果的に英語力をアピールするポイントについて解説します。
英語を身につけた「きっかけ」を書く
英語力をアピールする際は、英語を身につけるまでの背景も交えて伝えるように意識しましょう。単純に英語力があることだけではなく、その動機にも触れることで、自分の考えや人となりが企業に伝わり、面接官側も採用がしやすくなります。
具体的には、英語を学ぶようになったきっかけについて詳しく書くと良いでしょう。なぜ英語を身につけようと考えたのか、なぜ英語が重要だと考えたのかについて深堀りしてみてください。
英語習得までに努力した経緯を書く
英語習得までの努力の過程についても触れるようにしましょう。英語力を身につけるために行ったことや努力のエピソードについて述べることで、目標に向かって努力できる姿勢をアピールできます。
企業によっては英語力を求めていない場合もありますが、目標に対して真摯に向き合う姿はどの仕事でも大切なことなので、仮に英語力が必要とされていない企業でも評価してもらえるでしょう。
数字を使って説明する
英語力に限らず、自己PRで能力をアピールする際は数字を使って説明することが重要です。定性的な自己PRではどのくらいの英語力があるのかわかりづらいため、企業側も評価に困ってしまいます。
例えば「目標を決めてから1年間、毎日2時間欠かさず英語を勉強しました」「1年間でTOEICが400点から600点になりました」といったように、具体的に数字を用いて説明することを心がけましょう。
仕事でどのように英語力を活かすのか書く
ただ英語が話せるというだけではあまり選考合否に直結しません。身につけた英語力を、実際の仕事の場でどのように活かせるのかも考えてみましょう。特に、志望企業の事業や理念と絡めた書き方ができると評価してもらいやすくなります。
募集要項をしっかり読み、「英語力を活かしてゆくゆくは〇〇の事業に携わりたいです」といったように、将来の話にも触れられると志望度の高さがより伝わりやすくなります。
自己PRで英語力をアピールする際の注意点
効果的な英語力のアピールについて紹介しましたが、英語力を自己PRでアピールする際の注意点も把握しておきましょう。ここからは、自己PRで英語力をアピールする際の注意点をご紹介します。
そもそも企業が英語力を求めていないこともある
まず気をつけたいのは、そもそも企業が英語力を求めていないこともあるという点です。せっかく身につけた英語力をアピールしたい気持ちはよくわかりますが、英語力が求められていない企業に対しての過剰なアピールは、「本当にうちに入りたいのだろうか?」と疑念を抱かせてしまう可能性もあります。
英語力を求めていない企業であれば、努力過程やエピソードなどを絡めた自己PRが必要になります。適切な自己PRを行うためにも、企業分析をしっかり行うことが大切です。
見栄を張って誇張しない
英語力をアピールしたいあまり、見栄を張って誇張することは絶対に避けましょう。
たとえば、英語を話せないにもかかわらず「日常生活に困らないレベル」であると嘘をつけば、面接や入社後のタイミングでバレてしまう恐れがあります。
また、TOEICをはじめとする資格の点数の詐称が発覚すると、最悪の場合解雇となる可能性もあります。
資格がないとアピールが厳しい場合も
資格の詐称や点数の誇張はもちろんNGですが、一方で明確な数値となって示せる評価がないと英語力のアピールとして響かない可能性が高い点も念頭に置いておきましょう。
自己PR提出の期限まで猶予がある場合は、TOEICなどの試験を受けるのもひとつの方法です。また、資格がなくても英語力をアピールしたい場合は、資格の有無を重視しない企業に応募するなどの方法もあります。
英語力だけをアピールしない
冒頭で述べたように、英語力だけをアピールしても採用の決定打にはなりづらく、物足りない印象を与えてしまいがちです。
もちろん英語が話せることがマイナスに働くことはありませんが、自己PRではどのように実際の仕事に活かせるのかや、英語力をどのように高めたのかなどの観点も絡めながらアピールしましょう。
また、英語力単体で勝負しようとせずに、自分の他の長所とセットでアピールすることも重要です。
自己PRで英語とセットでアピールしやすい強み
ここでは、自己PRで英語力とセットでアピールしやすい長所や強みをいくつか紹介します。就活で英語力をアピールしようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
①継続力
1つ目は「継続力」です。
先に述べた通り、英語力を習得するまでのエピソードや努力過程は評価してもらいやすい項目のひとつです。特に目標に向かって継続的に努力を続ける姿勢は、どの企業でもプラスに働く内容でしょう。
また、アピールの際は「1年間毎日2時間英語の勉強に励んだ結果、TOEICのスコアが600点から800点になりました」というように、継続した結果の実績を挙げられるとより説得力のあるアピールになります。
②向上心・挑戦心
2つ目は「向上心」と「挑戦心」です。
英語を学ぼうとする向上心や前向きな姿勢は、たとえ英語のスキルを必要としない業種や企業であっても採用側にプラスのイメージを与えられるはずです。
また、英語学習にあたって海外留学などの経験がある場合、留学に挑戦したチャレンジ精神や、留学先で学んだことなどを積極的にアピールするのも良いでしょう。
③社交性
3つ目は「社交性」です。仕事をスムーズに進めるためのコミュニケーション能力は社会人として必要なスキルのひとつであり、選考時にも特に重要視される項目です。
例えば英語力を身につけるために外国人と交流したり、学習コミュニティに所属したりした経験がある場合は、その社交性を英語力とともに積極的にアピールしてみましょう。
④素直さ
4つ目は「素直さ」です。英語力を身につけるためには、一朝一夕で身に付く裏技はなく、正攻法でコツコツと勉強する必要があります。
そのため、一定以上の英語のスキルがある人は、素直に努力を積み重ねることができた人であるといえます。実際に社会に出てからも、素直に取り組める人は成長が早く活躍する可能性が高いので、ビジネスシーンでも評価されるポイントの一つです。
ただし、「素直さ」は他のソフトスキルと比較するとやや抽象的なため、「他者の意見を積極的に取り入れられる」といったように表現を具体的にすることを意識して伝えてみましょう。
英語力をアピールした自己PRの例文
続いて、実際に自己PRで英語力をアピールするときの伝え方の例を見てみましょう。日本語の例文だけでなく、英文で作成する例もあわせて紹介します。これから自己PRを作成する人は、ぜひ参考にしてみてください。
①海外留学・勉強
もともとグローバルな仕事に興味があり英米語学科を選びましたが、ゼミでの発表を何度も経験する中で、自分は周囲の学生よりも自己表現力や英語スキルが足りないと感じました。
そこで、カナダへの留学を決めました。必然的に英語で自己主張しなければならない環境に身を置くことで、自己表現力と英語スキルのどちらも向上させることができるのではと考えたためです。
留学先では、はじめは文化の違いに戸惑いましたが、意識的に他の学生に話しかけることで次第に自分の考えに自信を持って発言できるようになり、日常生活には困らない程度の英語力も身につけることができました。
実際の仕事でもこの経験を活かし、向上心をもって仕事に取り組みたいと考えています。
【ポイント】
海外留学の経験は英語力のアピールとしてとてもわかりやすく、高評価を受けやすいです。また、ここで挙げられた「自己表現力」のように、他に身につけた力もセットで紹介しやすいメリットがあるので、留学経験がある場合は積極的にアピールすると良いでしょう。
【英語で自己PRする場合の例文】
I originally chose the Department of English and American Languages because I was interested in global work, but after many presentations in seminars, I felt that I was lacking in self-expression and English skills in some areas compared to the students around me.
So I decided to study in a foreign country, Canada. I thought I could enhance both my personal expression and my English skills by putting myself in an environment where I would inevitably have to assert myself in English.
At first, I was bewildered by the cultural differences in my studies abroad. But by consciously talking to other students, I gradually became able to speak my own thoughts with confidence, and I was also able to acquire enough English to cope with daily life.
I would like to make use of this experience in my actual job and work with ambition.
②ボランティアやサークル活動
将来のために英語力を身に付けたいと考えていましたが、学費を自分で支払っていたため、海外留学するのは難しい環境でした。そこで、普段から英語を話す環境に身を置くことで英語スキルを習得できるのではないかと考え、大学2年生の春に英会話サークルに入りました。
途中からの参加だったため周囲との能力差に悩んだ時期もありましたが、同級生や先輩に勉強のコツを教えてもらいながら練習を重ねた結果、3年生の夏に行われたスピーチコンテストでは入賞しました。
入社後も、自分の掲げた目標を達成するために積極的に行動することで、どんな環境でも活躍できるビジネスパーソンになりたいです。
【ポイント】
日本にいながら英語を勉強した場合でも、工夫次第で自己PRは十分に可能です。海外ボランティアや英語の塾講師、翻訳のアルバイトなど、英語の使用が必須である環境に身をおいたエピソードがあれば評価に繋がりやすいため、積極的に取り入れるようにしましょう。
【英語で自己PRする場合の例文】
I wanted to learn English for my future, but because I was paying my own tuition, I had difficulty studying abroad. Therefore, I thought that I could acquire English skills by putting myself in an environment where English is spoken on a regular basis, and I joined an English conversation club in the spring of my second year at university.
I joined the club in the middle of my junior year, so there were times when I worried about the gap between my abilities and those of the people around me, but as a result of repeated practice and study tips from classmates and seniors, I won a prize at a speech contest held in the summer of my junior year.
After joining the company, I want to become a businessperson who can play an active role in any environment by proactively taking action to achieve the goals I have set for myself.
③資格取得
将来はグローバルな環境で活躍したいと考えていたため、英語力を身につけるために大学2年生の時から独学で毎日2時間勉強を続けました。スコアが伸び悩んだときもありましたが、毎日継続することが重要だと考え、1日も怠らずに継続してきました。その結果、1年間でTOEICのスコアが600点から200点アップし、目標の800点に達することができました。
御社に入社後、ゆくゆくは海外事業に携わりたいという大きな目標があります。そのために、日々の仕事の中でも自分なりの目標を決めて、これまで以上にコツコツと努力を積み重ねていきたいと考えています。
【ポイント】
自分で立てた目標を達成したエピソードにより、「努力を継続できる」という強みに説得力が生まれます。また、入社後の目標にも触れることで「自社で働きたいと思ってくれている」というイメージが沸きやすくなるため、長期的な人材を求めている企業にとっては好印象です。
なお、資格の中でもTOEICやTOEFLなど、具体的なスコアが現れる資格は評価されやすいです。一方で、点数があまり高くない場合はかえって逆効果になってしまう可能性もあるため注意しましょう。
【英語で自己PRする場合の例文】
Since I wanted to work in a global environment in the future, I started studying 2 hours a day on my own from my sophomore year of college in order to improve my English skills. There were times when my score did not improve, but I believed that it was important to continue studying every day, and I did not slack off for a single day. As a result, my TOEIC score increased from 600 to 200 points in one year, and I was able to reach my goal of 800 points.
After joining your company, I have a big goal of eventually being involved in overseas business. In order to achieve this goal, I would like to set my own goals in my daily work and make steady efforts to achieve them.
以下に英語力をアピールできる点数の目安をまとめました。あくまで一般的な目安にはなりますが、目標設定や自己PR作成時の参考にしてみてください。
資格の種類 | スコアの目安 |
---|---|
TOEIC | 730点以上 |
TOEFL iBT | 6以上 |
IELTS | 外資系企業の本選考開始 |
英検 | 2級以上 |
英語面接での自己PRのポイント
英語力が求められる企業の選考では、日本語ではなく英語で面接が実施される場合もあります。ここでは、英語面接で気をつけたいことや自己PRのポイントについて紹介します。
事前準備でスムーズに
実施言語にかかわらず、自己PRは面接で頻出の質問です。そのため、事前準備をしてスムーズに受け答えができるようにしましょう。
自己PRはある程度事前に内容を決めて準備することが可能です。伝えたい内容をスムーズに言えるようになるまで、面接前に何度も繰り返し練習しておきましょう。
自己PRの内容を考える際には、PREP法を活用して組み立てることをおすすめします。PREPとは「Point」「Reason」「Example」「Point」の頭文字を取ったものです。この順番通り、「結論から入り、その理由や具体例を示し、改めて結論で示す」ことで、内容が伝わりやすくなるでしょう。
ジェスチャーやアイコンタクトも意識する
英語圏では、話す内容だけでなくジャスチャーやアイコンタクトなどの「非言語メッセージ」も重要視される傾向にあります。せっかく一生懸命話していても、話す声が小さかったり、挙動不審な態度であったりすると説得性に欠けてしまいます。
面接時には相手の目をしっかり見て、自分の考えや思いを伝えようとするポジティブな姿勢を意識して話すように心がけましょう。
非言語メッセージは的確に覚え込むほどの必要はありませんが、日本語の文化に慣れていると身につけるまでに時間がかかる場合もあるため、自己紹介とあわせて事前に練習しておくことをおすすめします。
英語で書いた履歴書も控えておく
英語面接では、面接官は英語で書かれた履歴書を見て質問を投げかけます。そのため、英語で記入した履歴書は提出前に必ずコピーで控えを取っておくようにしましょう。
また、履歴書から想定される質問を洗い出し、各回答を事前に準備しておくことも重要です。
英語力が高くても、面接では緊張して咄嗟に答えが出ない場合もあります。回答に詰まってしまわないように、想定できる質問には答えられるようにしておきましょう。
英語面接の自己PRで見られるポイント
面接官側がどのような基準で選考を行うのか気になる人も多いでしょう。ここでは、英語面接の自己PRで見られるポイントについてまとめました。英語面接を控えているひとは、ぜひ参考にしてみてください。
業務に必要な英語力を身につけているか
1つ目に見られるポイントは「業務に必要な英語力を身につけているか」という点です。
前述の通り、ただ単に英語力が話せるだけでなく、どのように業務に活かせるのかを見られる場合がほとんどです。外資系などの企業では流暢なビジネス英語が求められるケースもあるものの、必ずしもネイティブレベルのスキルが必要なわけではありません。
的確な表現をできることに越したことはありませんが、仕事に必要な情報共有や意思疎通が円滑に行えるかどうかの方が重要視されやすい傾向にあります。
応募した職種に適しているか
2つ目に見られるポイントは「応募した職種に適しているか」という点です。例えば通訳に応募した場合は「英語が話せること」が重要ですが、英文事務職に応募した場合は「英語の読解力」が必要になります。
業務内容やポジションごとに求められる英語力の方向性は異なるので、業務に適した英語力が身についているかどうかを面接で確かめる場合があります。
また、英語面接では英語力だけでなく、職種ごとに必要なスキルもあわせてチェックしていることを念頭に置いておきましょう。
意思疎通を図る積極性があるか
3つ目に見られるポイントは「意思疎通を図る積極性があるか」という点です。
英語面接といえど、実は一部企業を除いて英語が完璧である必要はない場合がほとんどです。流暢に話せることよりも、積極的に相手とコミュニケーションを取ろうとするポジティブな姿勢が大切です。
適切な表現が即座に思いつかない場合でも、諦めずにジェスチャーや別の言い回しを使うなどして、英語力をカバーしようとする積極性を見せることを意識するようにしましょう。
「英語力」の自己PRが完成したらOfferBoxに登録しよう
英語力をアピールする自己PRが完成したら、OfferBoxのプロフィールに登録して企業からのオファーを待ちましょう。プロフィールの他にも画像や動画を登録することで、自分のアピールしたいポイントを企業にそのまま伝えられます。
また、OfferBoxでは企業がどのくらい自分のプロフィールにアクセスし、興味を持っているのか確認できるのも大きな魅力です。データを参考にしながら、どの経歴やエピソードに興味を持たれやすいのか分析することで、さらに魅力的な自己PRのブラッシュアップに活用してみてください。
まとめ
以上、今回は自己PRで英語力を効果的にアピールする方法や書き方のコツ、アピールするときの注意点などを解説しました。
もちろん英語力があるに越したことはないですが、単純に英語だけをアピールしても印象に残りづらいことが多いです。自己PRでは、英語習得における努力の過程やエピソードを踏まえて伝えるように意識するほか、英語力以外の強みとセットでアピールするなどの工夫をしてみましょう。
また、英語面接がある場合は日本語の面接以上に事前準備が重要となります。自己紹介や履歴書から想定できる質問は事前に回答を作成し、スムーズに話せるようになるまで練習を繰り返しましょう。
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