適性検査のCAB(キャブ)とは?例題や対策方法などを解説

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就活における適性検査というとSPIが有名ですが、CAB(キャブ)と呼ばれる適性検査もあります。IT業界・IT系の職種を中心に適性検査として採用されており、受検を求められることがあります。

しかし、CABの問題は独特・複雑そうなものも多く、対策せずに受検して思うように解答できなかったという学生も少なくありません。

この記事では、CABとは何か、ほかの適性検査との違いは何なのか、具体的にどのような問題が出るのかを解説していきます。CABは問題の数や難易度に対して制限時間が短い点も特徴なので、CABの問題を早く解くための対策・コツも紹介します。

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CAB(キャブ)とは

CABとは「Computer Aptitude Battery」の略で、日本エス・エイチ・エル社が提供する適性検査の1つです。

バイタリティやストレス耐性、論理的思考力を測る問題が出され、プログラマーやSEといったIT系の職種への適性が評価されます。

このことからIT系の職種を目指す場合に受検する可能性が高いですが、最近ではIT系の職種だけでなく、幅広い業種・職種でも用いられるようになっています。

GAB(ギャブ)との違い

CABと似た適性検査として、GAB(Graduate Aptitude Battery/総合適性診断テスト)があります。

CABもGABも日本エス・エイチ・エル社が提供する適性検査ですが、CABがIT系職種向けの適性検査であるのに対し、GABはより幅広い職種向けの適性検査です。

GABでは営業や研究職など7つの職務に対する適性や、将来のマネジメント適性などが測られます。長文読解のような言語分野のテストが含まれている点も、CABとの大きな違いです。

総合商社や金融業界、各企業の総合職を目指す場合には、GABの受検を求められる可能性があります。

GABの詳細についてはこちらの記事で解説しています。
GABとは|問題例や解き方、対策方法

SPIとの違い

SPI(Synthetic Personality Inventory=総合適性検査)は、リクルートマネジメントソリューションズが開発・提供している、一般社会人として広く必要とされる資質を測定する適性検査です。

CABは主にIT系の職種への適性を測るのに対し、SPIは幅広い資質を測るのが違いです。SPIはCABに比べて利用している企業が多いため、就活の中で受検する可能性が高いです。

難易度は中学修了〜高校受験程度とされており、スピーディな情報処理能力が求められるCABに比べると難易度は低いと言えるでしょう。

SPIを始めとした適性検査対策全般について知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
適性検査対策|いつから始めるべき?落ちる理由と合格のコツを紹介

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CABの狙い

企業が学生にCABの受検を求めるのは、プログラマーやSEといった職種への向き・不向きを見極めるためです。

具体的には、CABを通して以下の能力がチェックされます。

  • コンピューター関係職に必要とされる基礎能力
  • プログラマーとしての優秀性
  • コンピューター言語への適応度
  • 複雑なシステム・デザインへの適性
  • プログラミングにおけるデバッグ能力
  • コンピューター職への性格面での適性

CABの成績と入社時のITスキル研修における習熟度には、相関性があることも分かっています。

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CABのテスト形式

CABのテストには、マークシートで解答する形式とWeb上で解答する形式の2種類があります。単に形式が違うだけでなく、問題数や制限時間にも違いがあるためそれぞれの特徴を見ていきましょう。

紙のマークシート

マークシート形式では試験会場にて紙の問題冊子を見て、マークシートに解答を記入します。暗算・法則性・命令表・暗号の問題が出題されます。性格検査も含めると全体の問題数は247問、制限時間は95分です。

TOEICなどのマークシートテスト同様、マークのつけ方が不適切だと採点時に認識されない可能性があります。CABでは1問当たりにかけられる時間が少ないため急いで解答を記入しがちですが、落ち着いて丁寧にマークをつけるよう心がけましょう。

Web-CAB

Web-CABは、自宅や大学などのパソコンを使って受検できます。マークシート形式のCABと同じように暗算・法則性・命令表・暗号・性格検査の問題が出題されますが、全体の問題数は214問、制限時間は120分となっています。

マークシート式よりも問題数が少ない一方、制限時間が長いです。ただし、難易度はWeb-CABの方が高いため油断は禁物です。パソコン画面上でのテストであるがゆえの解きにくさもあるため、慣れが必要でしょう。

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CABの問題構成・例題

CABの問題構成は、マークシート式とWeb-CABでそれぞれ次の通りです。

【紙】

 問題形式 問題数 制限時間 1問当たりの解答時間(目安)
 暗算 50問 10分 12秒
 法則性 40問 15分 22.5秒
 命令表 50問 20分 24秒
 暗号 39問 20分 約30.7秒
 性格検査 68問 約30分 約26.4秒

【Web-CAB】

 問題形式 問題数 制限時間 1問当たりの解答時間(目安)
 暗算 50問 9分 10.8秒
 法則性 30問 12分 24秒
 命令表 36問 15分 25秒
 暗号 30問 16分 約32秒
 性格検査 68問 約30分 約26.4秒

問題の複雑性・難易度に対して1問当たりの解答時間が少ないため、スムーズに解答できるように準備する必要があります。

ここからは、具体的にどのような問題が出るのか、各分野ごとの例題と特徴を紹介していきます。

暗算

暗算では、電卓を使わずに計算問題を解いていきます。例題を見てみましょう。

【例題(1)】
71×35=?
(A) 2,485 (B)2,3725 (C)4,675 (D)5,115 (E)6,345

この場合、答えは(A)です。

【例題(2)】
0.15÷0.3×0.8÷10=□×□(□は同じ数字)
(A)0.5 (B)0.2 (C)0.25 (D)0.45 (E)0.4

この場合、答えは(B)です。

例題(1)のような基本的な計算式のほか、例題(2)のような独特な問題も出題されることがあるので、問題に慣れておくことは重要です。

足し算、引き算、掛け算、割り算が1つの式に混ざっている時の計算の順序など、基本的な計算方法についても復習しておきましょう。

法則性

法則性は、5つの図形群の法則性を発見し、欠けている部分に当てはまる図形を選ぶ問題です。例題を見てみましょう。

【例題】 この例題の場合、答えは(C)です。左から順に図形の動きを見てみると、3つの図形の位置関係は変わらないまま時計回りに回転しています。このことから、答えは(C)になるのです。

問題に出る法則にはさまざまなものがあり、例題の場合はすべての図形が同じ法則で動いていますが、マス内で複数の図形がそれぞれ別々の法則にしたがって動いている場合もあります。

こうした法則を見つける力は例題を多く解くことで身についていくので、例題を多く解いてみることをおすすめします。

命令表

命令表では、図形を変化させる命令がいくつか出されます。それにしたがった結果、図形がどのようになるかが問われるのです。例題を見てみましょう。

【例題】 この例題の答えは(B)です。

まず、一番上の図形に対しては「上下を反転させる」命令が出されているため、回答は(A)と(B)、(C)に絞られます。

次に、真ん中の図形に対しては「下の指示を取り消す」という命令が出ているため、真ん中の図形は変わらず回答は(A)と(B)に絞られます。

最後に一番下の画像に対しては「左右を反転させる」という命令が出ていますが、真ん中の図形に対して「下の指示を取り消す」という命令が出ているため変わらず、回答は(B)となります。

暗号

暗号では、図形の変化からどのような暗号が出されたのかを解読して問題を解きます。例題を見てみましょう。

【例題】 この例題の答えは、(A)です。

まず「★」と「♪」の暗号を経た図形は、白黒反転、左右反転しています。次に「★」と「!」の暗号を経た図形は白黒反転し、数が3倍になっています。

このことから、「★」は白黒反転、「♪」は左右反転、「!」は数が3倍になる暗号であると分かります。

このことを踏まえて問題の画像を変化させると、答えは(A)になります。

暗号を経て画像がどう変わっているのかを分析すると、各暗号の意味が分かってきます。図形の変化を整理することで問題が解きやすくなるでしょう。

性格検査

性格検査は、GABと共通で行われます。例えば以下の例題のように、4つの質問文から自分にもっとも当てはまるものを1つ選んでYESと回答し、反対に自分にもっとも当てはまらないものをNOで回答します。

【例文】
(A)新しいことをするのが好きだ
(B)慣習にしたがうのが得意だ
(C)注目を集めるのが好きだ
(D)コツコツと物事を進めるのが得意だ

1問当たり約26秒で答えなければならないため、あまり深く考えすぎずテンポよく回答していくことが重要です。

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CABの対策【共通】

CABの問題がどのようなものか分かったところで、CABを受けるにあたってどのような対策をすれば良いのか解説していきます。まずは、どの分野の問題にも共通して言える対策について見ていきましょう。

過去問を何度も解く

問題を解くスピードを上げ高得点を狙うためには、過去問を何度も解くことが重要です。CABは一見独特な問題が多く解きにくく感じがちですが、実は過去問と解法は同じで、数字だけを変えただけ、など、パターンを理解していれば解ける問題が多いです。

しっかり過去問をこなせば問題や解き方のパターンがある程度見えてくるので、答えを導くまでの時間を短縮できます。問題に慣れることでWeb-CABにも落ち着いて対応できるようになるので、地道に過去問を解くことが重要です。

1問あたりを素早く回答する

CABを受ける時は、1問当たりにかける時間を短くするよう心がけましょう。CABでは問題1問当たりにそれほど多くの時間はかけられません。

そのため、素早く問題を理解して解き方をつかむこと、序盤からしっかり集中すること、分からない問題があってもこだわりすぎず次に進むことなどがポイントとなります。

過去問を解く際はストップウォッチなどで解答時間を計測し、問題を解く速度を常に意識するようにしましょう。

苦手な分野を重点的に回答する

苦手な分野がある場合は、重点的にその分野の対策をすることもポイントです。

まずは全分野の問題をある程度解いてみて、解くのに時間がかかる分野、正解率が低い分野を把握しましょう。全体をまんべんなく対策することも重要ですが、苦手な分野を集中的に対策することで効率よく点数を上げられます。

苦手な分野があると本番で緊張して実力を出せないこともありますが、しっかり対策しておけば本番でも落ち着いて問題を解けるようになるでしょう。

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CABの対策【カテゴリー別】

続いて、CABのカテゴリー別に対策方法を解説します。早く正解を導き出すコツはカテゴリーによって違うので、上で解説した全カテゴリー共通の対策方法と合わせて効果的にCAB対策をしていきましょう。

暗算

暗算では、すべてを正確に最後まで数値を計算する必要はありません。解答の選択肢が出されているので、どの選択肢に該当するかが分かれば、計算は途中まででも問題ありません。

例えば、小数点以下まである数字の計算が出ると複雑そうに見えるかもしれませんが、一番上の桁に注目してざっくり計算するだけでも答えが分かることはあります。

繰り返し過去問を解くとざっくりとした計算にも慣れてくるので、スピードを上げるためにもしっかり問題を解くことが重要です。

法則性

法則性の問題には、次のいずれかの法則が隠れていることが多いです。

  • 回転:マスの中の図形が一定の法則で回転する
  • 移動:マスの中の図形が一定の法則で移動する
  • 交互移動:図が上下斜めに移動する
  • 増減:図形が増減する

法則は複数隠れていることもあります。例えば空欄に複数の丸が入っている場合、それぞれの丸は違う法則にしたがって動いていることもあるので、その点も踏まえて問題を解くと良いでしょう。

法則は、空欄が左寄りなら右から、右寄りなら左側から見てみると見つけやすくなります。

命令表

命令表は、わかるところから答えを出し、選択肢を絞ることが重要です。1つ答えを出すだけで選択肢を2つに絞ることができるので、3つ命令がある場合でもすべての命令に対しての答えを出す必要がありません。

また、「前の命令を取り消す」「次の命令を取り消す」などの命令がある場合は、それを最初に実行すると混乱をなくすことができます。

命令表の問題は頭で考えるだけでは混乱してしまうことがあるので、余白に矢印や数字、略図などを書いて解いていくことがおすすめです。

暗号

暗号の問題を解く場合は、共通の暗号を経た別々の図形がそれぞれどのように変化したのかを分解して考えると、暗号の意味を解きやすくなります。通過している暗号が少ないほど暗号の意味を解読しやすくなるので、そこから着手することもポイントです。

なお、暗号も過去問を多く解いていると同じようなものが多いことに気が付くでしょう。過去問をこなしてパターンが見えてくると早く解けるようになります。

性格検査

性格検査では、企業に合わせた「正解」を出そうとするのではなく、正直に自分の考え方や性格に合った回答をすることが重要です。本心ではない回答をすると複数の質問への答えに矛盾が生じてしまい、整合性がないとして評価を落とされるおそれがあります。

もし入社できたとしても、入社後に仕事内容や社風にミスマッチが生じる可能性が高く、あまりメリットがありません。そのため、素直な答えを出すことが重要です。

時間も限られているため、自分の本心をテンポよく答えるようにしましょう。

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おすすめのCAB対策本

CAB対策で過去問を解く際に役立つ問題集を紹介します。対策本は、いきなり複数の本に取り掛かるのではなく、同じ問題集を繰り返し解くことで自分の苦手分野を1つずつ潰していくのがおすすめです。

CAB・GAB 完全対策 2025年度版 (就活ネットワークの就職試験完全対策)

CAB・GAB 完全対策 2025年度版 (就活ネットワークの就職試験完全対策)』には、CAB、GABの過去問のほか、巻末資料としてCAB暗号の施令内容、CAB命令表、CAB数計の表がまとめられています。

塾講師や家庭教師をしていた学生が独自のネットワークで収集した情報をもとに作った、実際の難易度と同じ問題集です。

高得点を獲得するための「カンタン攻略法」もまとめられているため、問題を解くスピードを上げるのにも役立つでしょう。

これが本当のCAB・GABだ! 2025年度版 【Web-CAB・IMAGES対応】 (本当の就職テスト)

これが本当のCAB・GABだ! 2025年度版 【Web-CAB・IMAGES対応】 (本当の就職テスト)』には、CABやGABの過去問のほか、簡易的な適性検査であるIMAGESの問題も収録されています。

著者は1997年に設立された就職問題・採用テストを研究するグループ「SPIノートの会」です。

CABについてはマークシート式よりも難易度が高いWeb-CABにも対応しています。豊富な問題と分かりやすい解説が好評で、CABで高得点も狙える内容となっています。

最新最強のCAB・GAB超速解法 ’24年版 (2024年版)

最新最強のCAB・GAB超速解法 ’24年版 (2024年版) 』は、本番のテストさながらの練習問題が収録された問題集です。難易度の高いWeb-CABにも対応した内容となっており、どれくらいのスピードで問題を解けば良いのかがつかめます。

著者は長年就職支援をしている日本キャリアサポートセンターです。

解答やポイントを隠せる赤シートも付いているので、電車や車の中でも繰り返し問題を解いたり重要ポイントを暗記したりするのにも役立ちます。

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まとめ

以上、CABの試験概要やテスト形式、問題と対策について紹介しました。

CABには性格検査も含めて5つのカテゴリーのテストがあります。一見難しそうですが、過去問を多く解いて問題に慣れ、解答のパターンを理解すれば解答スピードと正解率を上げられるので、問題集などを使って対策しましょう。

問題集を使う際は、様々な問題集に手を伸ばすのではなく、まずは1つの問題集を完璧に解けるようにすることをおすすめします。一通り解けるようになったら、実践形式で時間内に解けるようにして、試験当日に慌てずに済むようにしましょう。

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