この記事では、理系学生のために理系インターンシップの特徴やインターンシップに参加するメリットをはじめ、インターンシップの探し方から選び方、プログラム例をご紹介します。理系インターンシップの特徴を理解して、就職やその後の進路選びにも繋がるインターンシップに挑戦してみましょう。
目次
理系の就活生がインターンシップに参加する目的
2024年卒の学生を対象にしたマイナビの『マイナビ 2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(6月)』では、インターンシップに参加する目的は「どの業界を志望するか明確にするため」が最多でした。先輩達のインターンシップに参加する目的について詳しく紹介します。
どの業界を志望するか明確にするため
理系男女ともに、多くの学生がインターンシップへの参加を通して志望業界を明確にしたいと考えています。これは、文系でも最も多い目的でした。
文理ともに就活の一歩として、志望する業界を明確にするためにインターンシップは有効です。興味のある業界や、志望する業界の現場をインターンシップで伺うことができます。業界のリアルな雰囲気を知ることで、この業界で働くイメージができるのか見極めることができます。
どの職種を志望するか明確にするため
業界だけでなく、どの職種にするか明確にすることもインターンシップ参加目的として多い回答です。理系学生は、研究している内容を志望職種にする人も多いですが、インターンシップを通して改めて職種を考える理系学生も少なくありません。そのため、「学部・学科でこの研究・勉強をしているから」と、勉強している内容で職種を決める必要はないでしょう。
インターンシップに参加する学生の多くは、就活中にいろいろな情報を得ながら志望する職種を絞り込んでいきます。インターンシップに参加をしてから、じっくりと志望する職種を決めることも就活の手段です。
視野を広げるため
理系学生は研究や課題が忙しく、ゆっくりと将来のキャリアについて考える時間が取りづらい場合があります。インターンシップに参加をすることで、研究や課題から離れて、将来のキャリアについて考える時間がつくれます。
また、インターンシップはさまざまな仕事を体験し、多くの業界を知るチャンスです。応募を考えていなかった業界に興味を持ったり、知らなかった職種と出会ったりなど、新たな気付きを得られます。理系以外の分野のインターンシップに参加することもおすすめです。視野を広げ、キャリアの選択肢を広げる機会になります。
特定の企業のことをよく知るため
理系学生の中には、志望する業界や職種、企業先を決めている人や、興味のある企業があるけれど迷っている人もいるでしょう。採用サイトや企業のホームページだけでは、実際の現場の様子が分からないものです。
もっと知りたいと思う企業がある人は、インターンシップへの参加がおすすめです。インターンシップに参加することで、企業の日常風景を見たり、先輩社員から話を聞くことができたり、よりリアルな情報を得ることができます。
自分が何をやりたいのか見つけるため
そもそも何をやりたいのか決まっていない、悩んでいる理系学生にとって、インターンシップは絶好の機会です。やりたいことが見つかっていないからこそ、インターンシップでさまざまな業界、職種に触れてみましょう。
インターンシップは就活の一環ではありますが、仕事体験の場でもあります。インターンシップでの行動が内定に必ずしも繋がると身構えすぎず、自分の経験の一つと捉えて、興味をもったプログラムにはどんどん参加してみると良いでしょう。
そして、インターンシップで実際の業務体験をしたり、企業の中を自分の目で確かめたりしながら「やりたいこと・やりたくないこと」を整理してみましょう。
理系就活生のインターンシップ参加方針
「理系学生はどんなインターンシップに参加しているの?」と気になっている方に向けて、マイナビの調査をもとに、理系学生がどのようなインターンシップを選んでいるのか紹介します。
理系男性は「2日~5日」「5日以上」の長期プログラムを希望
研究や課題で忙しい理系男子学生ですが、「2日~5日」「5日以上」の長期プログラムを希望する割合が文系学生よりも多い結果になりました。一方、半日や1日の短期プログラムの希望はやや少ない結果で、理系男性は時間を取ってじっくりと企業を知りたいと考える傾向にあるようです。
長期プログラムの場合、社内システムに触れたり、実際の業務を担当したりするケースも多くあります。短期のインターンシップよりも実務的なプログラムが組まれるため、企業の現場をじっくり見れることがポイントです。
また、長期プログラムの場合、給与が支払われるケースがあったり、専門性が高い職種でのプログラムが多かったりするのも特徴です。
理系女性は「短期間×複数参加」と「極力参加しない」に意見が分かれる
理系女性は、インターンシップへの参加・不参加が分かれる結果となりました。参加する場合は「短期プログラムにたくさん参加したい」が50.9%と最も多い回答でした。1つの企業でじっくりと長期でインターンシップをするより、複数のインターンシップに参加をして、さまざまな企業を知りたいと思う理系女性が多いようです。
また、短期プログラムは学業とも両立しやすいため、理系学生にとって気軽に参加しやすいことが魅力です。
一方で、理系女性で「極力参加したくない」という回答が16.4%と、他分野の学生よりも多い結果となりました。理系学生は研究など学業に集中したいと考える人も多いため、無理にインターンシップに時間を割きたくないと考えるようです。
理系インターンシップの特徴
数あるインターンシップの中には、理系学生を対象にしたプログラムもあります。ここでは、理系インターンシップの特徴を紹介します。理系用の推薦枠がある
インターンシップは、自分で情報を探して応募するものが基本です。しかし、大学と企業が連携して、理系学生の推薦枠を設けて募集するタイプのインターンシップがあります。推薦枠の場合は、インターンシップのための選考を受けずに優先的に参加できる場合もあるのが魅力です。
特定の学問・分野に対する専門知識を持った理系学生を、専門職として受け入れたい、積極的に採用したいと考える企業も少なくありません。推薦枠の有無は大学のキャリアセンターで確認してみましょう。
理系限定のプログラムがある
職種によっては専門的な知識を必要とされるため、理系限定のプログラムを用意している企業があります。
エンジニア職や研究職、開発職、品質管理、インフラ系など理系学生の知識を求めている業界が多くあります。具体的には、技術コンサルティング、ゲームコンテンツの企画業務など、分野によってさまざまなプログラムに参加可能です。
志望する業界・職種を実践しながら体験できる、理系ならではのインターンシップです。
文系職種も積極的に理系就活生を受け入れている
理系学生が参加するインターンシップといえば、専門的な知識を必要とする技術職の募集が多い傾向ですが、文系職種でも理系学生の受け入れは多数存在します。
理系学生が持つ論理的思考や集中力を魅力的に感じている企業は、営業職やコンサルタントなど文系に人気の職種でも、理系学生を積極的に採用しています。
理系学生を対象としたインターンシップだけに捕われず、幅広い職種を見て選んでもよいでしょう。
理系がインターンシップに参加するメリット
インターンシップ参加のメリットは文理で大きな違いはなく、忙しい理系学生でもインターンシップに参加するメリットは多数あります。下記に、インターンシップに参加するメリットをまとめました。
志望業界・企業探しができる
さまざまな業界、企業を知ることができるインターンシップは、志望する業界・企業探しができます。インターンシップを通して、興味のある業界や自分に適した職種が見つかる可能性は高くなります。
研究や課題で忙しく、ゆっくりと企業探しをする時間が取れない方こそインターンシップを活用するのがおすすめです。やりたいことが見つかっていなくても問題ありませんし、多くの学生が志望業界・職種を見つけるためにインターンシップに参加しています。
視野が広がる
理系学生は研究内容に没頭する日々も多いと思います。専門的な勉強をしていると、外部との交流機会がどうしても減りがちではないでしょうか。
インターンシップに参加すると、他大学の学生と情報交換したり、先輩社員から話を聞いたりするなど視野を広げるきっかけが得られやすいのもメリットです。
実際に現場に出てみると、「イメージしていた働き方と違うな」「苦手だと思っていたけど、意外とやってみると面白い職種かもしれない」など、気付きを得る場面も出てきます。
人脈ができる
インターンシップでは、ほかの大学や、理系以外の分野を学んでいる学生との出会いも多くあります。多様な学生と交流しながら人脈が広がり、就活に役立つ情報を得られるのもメリットです。
また、インターンシップ先で関わる企業の先輩方も貴重な人脈です。先輩方の就活時のエピソードや、入社してから現在までの取り組みなど、学べることが多くあります。
インターンシップに参加し、多くの人と関わり、就活や就職後に活かしていきましょう。
就活に有利になる
インターンシップに参加した経験や、就業体験で得たスキルは就活時に採用担当者へのアピール材料になります。業界・企業のことを深く知った上で応募すれば、志望度が高いと評価されるでしょう。
また、インターンシップに参加した学生は選考が一部免除になったり、早期に内定を得られるケースもあります。本選考を進める際に有利になる場合もあるので、積極的にインターンシップへは参加してみると良いでしょう。
面接や応募書類作成の経験を積める
インターンシップの中には、参加するために選考をおこなう企業があります。インターンシップの選考で応募書類を作成したり、面接を受けたりした経験は、本選考のときに役立つはずです。
理系学生の場合は、就活本番の時期になっても研究や課題があり忙しい可能性があります。そのため、インターンシップを通してあらかじめ場数を踏んでおくのも一つの手段です。
応募書類の作成も、面接も回数を重ねるほど本番に強くなるはずです。インターンシップの選考を通して経験値を上げていけると理想的でしょう。
理系インターンシップの選び方
インターンシップに参加しようと思っても、多くの募集があり、どのインターンシップに応募すればいいか選び方に悩む方もいるでしょう。理系インターンシップを選ぶ際は下記の点に注意して選びましょう。- 学びたいことなど目的を決める
- 自分の中で候補を絞りすぎない
- 企業の知名度だけで応募しない
- 給料の有無だけで選ばない
- 日程がかぶらないように調整する
上記の5つは、文理ともに気をつける必要があるポイントですが、理系学生は、研究室や課題の状況によって参加する期間や時期を選ぶ必要もあります。
インターンシップの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。インターンシップを選ぶ際はぜひ参考にしてください。
理系インターンシップの探し方
理系学生が参加できるインターンシップをどのように見つけたらいいのか、効率的な探し方が分からない方は、下記の方法でインターンシップを探してみましょう。
- 就活ナビサイト
- 新卒オファー型就活サイト
- インターンシップ合同説明会
- 企業のホームページ
- SNS
- 大学のキャリアセンター
この6つが基本的なインターンシップの探し方になります。理系学生の場合は、インターンシップの募集サイトで「理系 おすすめ」「理系も歓迎」と探してみるのも効率的です。インターンシップの詳しい探し方はこちらの記事でも紹介しています。
理系インターンシップの特徴を押さえてプログラムを探してみよう
インターンシップへの参加は、志望する業界・職種が明確になったり、企業について詳しく知ることができたりなど、多数のメリットがあります。また、理系学生の推薦枠や理系限定のプログラムなど、理系学生が参加しやすいインターンシップも開催されています。
インターンシップを通して視野を広げることで、理系学生でも就職の選択肢が増えることも魅力です。プログラムの期間や内容も多種多様なため、状況に応じてインターンシップを探して、積極的に参加してみてください。