初任給の平均は? 手取り額とは? 就活生必見の新卒の給与支給について

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就活で企業選びをする中で、初任給の金額は気になるものです。一方、社会人となり、初任給を手にしてみると社会保険料や税金が引かれ、手取り額が思ったより少ない、と感じる人も多いようです。そこで今回は新卒初任給の平均額や相場、手取り額などについてまとめて解説します。

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初任給の平均はどれぐらい?

求人票などで確認できる初任給ですが、平均はいくらぐらいなのでしょうか。いくつかの指標をもとにチェックしてみましょう。

新卒の給与平均は大卒で約23万円

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査の概況』(2021年3月31日公表)によると、新規学卒者の給与額(通勤手当を含む)は大学卒で22万6000円、大学院卒で25万5600円でした。調査の対象は全国にある社員10人以上の会社、約4万8000 事業所です。

男女別に見ると、大学卒では男性が22万7200円、女性が22万4600円。大学院卒では男性が25万4100円だったのに対し、女性が26万100円でした。

この賃金構造基本統計調査は令和2年調査から内容が変更され、通勤手当を含む額で公表されるようになりました。そのため以前より高いと感じる人もいるかもしれません。

初任給の額が高い企業が多い業種は?

一方、日本経済新聞社が2021年4月18日に公表した主要企業の採用計画調査では、2021年春の大卒初任給(平均)は22万1153円でした。調査対象は上場企業と日本経済新聞社が独自に選んだ有力な非上場企業で、ランキング1位は「住宅・建設・不動産」の「日本商業開発」で50万円となっています。

初任給の額が高かった上位200社を業種別に見ると、最も多かったのは「住宅・建設・不動産」で47社。次いで「情報・通信」44社、「生活・サービス」41社で、この3業種だけで66%を占めます。次いで多かった業種は「流通・外食」16社、「商社」15社、「銀行・保険」10社などでした。

初任給に対するコロナ禍の影響

同調査の結果によると、前年に比べて初任給が10万円以上アップという企業もありました。しかしコロナ禍の影響で多くの企業が金額を据え置いており、全体では前年比0.3%の増加にとどまっています。伸び率は0.5ポイントのマイナスで、7年ぶりの低水準とのことでした。

調査では、学生の応募を増やすための工夫についても尋ねています。これまでは初任給の引き上げが多かったのですが、今回はテレワークの整備など社員の働きやすさ向上を優先するという回答が多くありました。初任給にも新型コロナウイルスの影響が出ているようです。

初任給を比較したいなら『就職四季報』

就活で何かと役に立つ『就職四季報 総合版』(東洋経済新報社)には、「給与の仕組みがわかる 初任給の内訳」という企画が盛り込まれています。2022年版では、業種別に1,033社の初任給(大卒総合職)の内訳を掲載。初任給の金額と、それを構成する基本給と各種手当の内訳が紹介されているので、細かい分析に役立ちます。ぜひチェックしてみましょう。
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額面と手取りの金額が違う? 知っておきたい給与の仕組み

いざ入社して、初めての給料日。楽しみに振込額をチェックしてみると、「あれ? 思っていたより少ない?」なんてことがあるかもしれません。それは初任給として提示された金額から、差し引かれたものがあるからです。事前に知っておきたい給与の仕組みについてまとめてみました。

給与の「額面」とは基本給+各種手当の金額

会社から給料を受け取るときには、給与明細が発行されます。

給与明細を見ると、給与として支給されるのは「基本給」と「各種手当」の合計だと分かります。これが総支給額で、一般的に「額面」と呼ばれるものです。

「基本給」とは勤続年数や年齢、スキルなどを基準に会社が決めた基本となる賃金のこと。これにプラスして支払われる「各種手当」には、通勤手当や住宅手当、時間外(残業)手当などがあります。手当の種類は会社によってさまざまで、従業員のスキルアップやヘルスケアを支援する内容のものもあります。

給与の「手取り」とは保険や税金などを差し引いた金額

「基本給+各種手当」である総支給額が丸々手元に残ると良いのですが、実際は「社会保険」や「税金」などを差し引いた金額(差し引き支給額)が「手取り」となります。手取り額こそが実際に手にできる金額ですので、およそいくらになるかのチェックは重要です。

額面から差し引かれるものとは

額面から差し引かれる(控除される)ものは大きく分けて社会保険料、税金、その他の組合費などの三つになります。

まず社会保険として、会社員の場合は健康保険、厚生年金、雇用保険、介護保険が差し引かれます。いずれも病気やケガ、失業などのリスク、また老後に備えて必要なものです。このうち介護保険の支払いは40歳からなので、新卒社員の初任給では関係がありません。また4月分の社会保険料を5月の給与から差し引く会社もあり、その場合、初任給からは引かれないことになります。

次に、税金として差し引かれるものには所得税と住民税があります。このうち住民税は前年の所得額を基準として決まるため、課税されるのは入社2年目からです。

所得税は1月から12月までの年間所得に応じた額を納めることになっています。しかし納税の負担軽減や確実な徴税のため、給与所得者の場合は毎月、企業が給料から1カ月分の所得税を差し引き、本人に代わって納税する仕組みになっています。これを「源泉徴収」と呼んでいます。12月になって、本来払うべき税額より多く納めすぎている場合には、年末調整で払い戻しの手続きが行われますので安心してください。

そのほかにも財形貯蓄の積立金や会社で契約した生命保険料、労働組合費などが差し引かれることもあります。

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企業選びで気を付けたい初任給の見方

求人票や募集要項で示された初任給を参考に企業選びをするときには、注意すべきポイントもあります。チェックしておきたい項目をまとめました。

初任給の額面をあてにしない

上記のように求人票で示されている給与額と手取り額には差異があるので、家賃の支払いや奨学金の返還などがあるなら注意しましょう。一般的に手取りの金額は、求人票で示された給与額の約8割と考えれば良いとされています。

注意したい「みなし残業代」

初任給として示されている金額が、必ずしも基本給と一致していないことがあります。

次のような例で考えてみましょう。初任給を25万円だとする会社が2社あります。しかし内訳を調べると、一方の会社は基本給が25万円であるのに対し、もう一方の会社は基本給が18万1000円で、「みなし残業手当6万9000円(45時間、深夜10時間分*超過分は別途支給)」となっています。

みなし残業代は固定残業代と呼ばれることもあり、あらかじめ定めた時間分の残業代を給与に含める、というものです。企業側にとっては細かい残業代の計算をしないで良いメリットがあり、たとえ上限時間まで社員が残業をしなかったとしても規定の額を支払います。

残業の超過分は別途支払われますし、想定より少なければ残業代を得する可能性もある、と考える人もいるかもしれません。しかし、実際は書かれている内容の残業は毎月あるものだと覚悟しておいた方が良さそうです。特に上記のケースだと「月45時間、深夜10時間分」となっていますから、それだけの残業をできるかどうかも、よく検討した方が良いでしょう。

初任給以外の指標もしっかりチェック

初任給の額は一つの指標に過ぎません。求人票には初任給の金額のほか、昇給や賞与(ボーナス)についても記述があるはずです。もし上記のように、初任給を「基本給と手当て」で計算している会社の場合は、「基本給×〇カ月分」として支払われる賞与の額も少なくなるので注意が必要です。

『就職四季報 総合版』で各社のページをチェックしてみると、「給与、ボーナス、有休ほか」という項目に、従業員のボーナス平均額と月数(基準給の何カ月分か)、「25歳、30歳、35歳賃金」なども詳細に記載されています。どれぐらいの水準で月給や賞与が支払われるのか、また年収や将来の昇給はどれぐらいなのか、いろいろな尺度でイメージを得るためにも、求人票だけではなく、このような就活情報誌のデータ活用をおすすめします。

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企業選びでは初任給も含め総合的な判断を

誰もが気になる初任給は、単に支給金額だけを見るのではなく、どんな手当てが他にあるのか、残業代は別途支払われるのか、みなし残業代は含まれているのかなど、確認すべきヒントは多くあります。

また初任給など給与の情報だけではなく、休暇や勤務時間など働きやすさ、その他福利厚生についてもチェックしておかないと、入社後に“ブラック企業だった”と後悔することにもなりかねません。初任給の高さに目を奪われず、総合的に志望企業を判断したいものです。

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