「自己PRの締め方が難しい」
「自己PRを締める際に何を話せばいいか分からない」
上記のような悩みを抱える学生は多くいます。実際に面接を受けて、自己PRをどう終えていいのか分からず、気まずい思いをしたことがある人もいるのではないでしょうか。
自己PRは就職活動中に頻出の項目ですが、質問が抽象的なのでどのように締めるべきなのか、分かりづらい部分があります。
そこで今回は、自己PRの締め方のポイントや企業が自己PRを評価しているポイント、わかりやすく伝えるための構成方法を紹介します。
7つの強みを例に、自己PRと締めの言葉の例文も紹介するので、参考にしてみてください。
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目次
自己PRの締め方は重要?
自己PRをどう締めていいのか悩んでいる方は多くいますが、そもそも自己PRの締め方は重要なのか、確認しましょう。
締めの言葉で最後の印象が決まる
締めの言葉ですべての評価が決まるわけではありませんが、締め方次第で印象が大きく変わるのは確かです。
心理学では「初頭効果」と「親近効果」という認知の性質が明らかにされており、人間は最初に提示された情報と最後に提示された情報が印象に残りやすい傾向にあります。
自己PRを伝える際も例外ではなく、印象に残るような内容にするためには締めの言葉が重要です。
話がまだ続くのかそれとも終わりなのか分からないような曖昧な締め方は避け、内容を一言でまとめるような締め方を心がけましょう。
自己PRは自分の強みを伝えることがゴール
自己PRの最大の目的は、自分の強みを伝えることです。どんな強みをアピールするにしろ、最後は自分の強みがシンプルに伝わる締め方にすることをおすすめします。
自己PRを伝える際に注意したいのは、強みの根拠となるエピソードを具体的に伝えようとするあまり、結局何をアピールしたいのか分からなくなってしまう失敗です。
エピソードばかりを長々と話しすぎないためにも、自己PRのゴールはきちんと設定しましょう。
締めの言葉はキャッチコピーと考える
締め方に悩んでいる場合は、自分の働く姿を分かりやすくイメージさせるキャッチコピーとして捉えると考えやすいでしょう。
最もアピールしたい自分の強みを、以下のように相手がイメージしやすい表現に変えてみてください。
- 継続力→小さなことも習慣化する継続力
- 責任感→結果までこだわる責任感の強さ
- 冷静→前向きな冷静さ
- リーダーシップ→メンバーの主体性を引き出すリーダーシップ
- 協調性→メンバーの強みを活かす協調性
会話の流れに沿っていないとマイナスになる可能性も
例えば「自己PRをしてください」と言われて、「入社後にやりたいこと」を答えるのは、質問と答えが合っていないですよね。自己PRは企業に自分の魅力をアピールするものですので、自分がやりたいことだけを主張するのは質問の意図に沿っていません。
相手の質問の意図がなにかを判断したうえで、正しく質問に答えて自己PRを締めることが重要です。
また、前段のキャッチコピーに関しても、奇をてらってただインパクトを重視するのではなく、あくまで質問の答えとして適切に伝わりやすいように修飾することが大切です。
自己PRで企業が評価しているポイント
続いて、企業が自己PRで評価しているポイントを正しく理解しましょう。
企業は、主に以下の3つの観点で自己PRを評価しています。
- 強み
- 論理的に説明する力
- 自己理解度
強み
1つ目はその人の「強み」です。企業は自己PRの内容をもとに性格や価値観を把握し、自社にマッチしているのか、見極めようとしています。
アピールしている強みが魅力的なものでも、求める人物像や職場の雰囲気と合わない人材は、仮に採用しても大きな活躍を期待できません。
例えば「個人作業で高い集中力を発揮できる点が私の強みです」とアピールしても、チームでの作業が多い職場ではその強みを十分に活かせない可能性が高いです。
このように企業は自己PRで学生の強みを知り、自社にマッチするかをイメージしています。
論理的に説明する力
2つ目は「論理的に説明する力」です。自分の強みを学生自身に説明してもらうことで、考えや意見を人にわかりやすく伝える力が備わっているか見極めています。
物事を人にわかりやすく伝える力は、社内会議やプレゼンテーション、上司とのやり取り、チーム作業など、働く際に多くの場面で必要とされる能力です。
自分の言いたいことを詰め込んで話しても、相手に伝わらなければ評価されることはありません。自分本位ではなく、相手にとってわかりやすく伝えることを心がけましょう。
自己理解度
3つ目は「自己理解度」です。自分の強みとなるのかを、自分自身で正しく理解できているか確かめています。
ここで重要となるのは、主観的でなく客観的に強みを理解することです。例えば、自分では「あきらめない性格」を強みだと考えていても、その根拠となるエピソードや事実がないと説得力に欠けます。
また、主観のみで構成された文章は、前項の論理的に説明する力もないと判断されてしまいかねません。
具体的なエピソードや事実を提示することで、客観的にも正しいと考えられる自己PRにしましょう。
自己PRの締め方のポイント
企業の評価ポイントを理解したところで、自己PRの締め方のポイントについても確認しておきましょう。
自己PRの締め方のポイントは以下の5点です。
- アピールするポイントは絞る
- 企業に貢献できるポイントに絞る
- PREP法で構成して結論で締める
- 入社意欲を流れに沿って伝える
- 質問に合わせた締め方をする
アピールするポイントは絞る
自己PRのアピールポイントは、基本的に1つに絞って伝えましょう。「私の強みはリーダーシップと計画力です」などと強みを複数伝える自己PRは、それぞれの強みで伝える内容が薄くなってしまい、印象に残りづらくなってしまいます。
自己PRを聞く側としても、どのエピソードがどの強みの根拠となっているのか分からず、混乱してしまいます。相手が理解しやすい自己PRにするためにも、アピールするポイントは1つに絞りましょう。
どうしてもアピールしたいポイントが複数ある場合は、それらを組み合わせて1つの強みに言い換えられないか、考えてみましょう。例えば、「リーダーシップと計画力」であれば、「チームを目標達成に導く力」というようにまとめることができます。
企業に貢献できるポイントに絞る
さらに言えば、アピールするポイントは「企業に貢献できるポイント」に絞ることが大切です。アピールポイントを1つに絞ったうえで、企業に関連するような内容にしましょう。
自己PRは企業に自分を売り込むためのものですから、ただ自分の言いたいことだけではアピールになりません。求める人材や求めるスキルなど、企業側の視点に立って考えることで初めて魅力的な自己PRになります。
PREP法で構成して結論で締める
自己PRは「PREP法」を意識して書くのがおすすめです。「PREP」とは、「Point」「Reason」「Example」「Point」の頭文字を取ったもので、結論を最初に伝える手法のことです。
①結論(Point(結論) )
「私の強みは〇〇です」などのように、自己PRの結論を最初に伝えます。
最初に結論を伝えてこれからどんな話をするのか明示することで、相手に話の内容を理解してもらいやすくするのが目的です。
②理由(Reason/Example(理由/具体例))
自己PRの場合、ReasonとExampleが一緒になる場合が多いです。なぜなら、自分の強みの根拠となるのは、強みが活かされたエピソードであることが多いためです。
ここでは、自分の強みを発揮したエピソードを書きましょう。当時の環境やとった行動を具体的に盛り込むことで、相手がイメージしやすい自己PRになります。
③Point(結論)
最初に伝えた結論を改めて伝え、質問への回答を再度明らかにします。
具体例で終わらせてしまうと、質問に対する答えが何だったか、相手が分かりづらくなってしまうので、結論を再提示することをおすすめします。
入社意欲を流れに沿って伝える
会話の流れの中で入社意欲をアピールできると、より魅力的な自己PRになります。自分の強みをどう活かして企業に貢献していくつもりなのかを伝えましょう。
ただし、入社意欲を無理に会話の中に組み込むのはNGです。定型文のように話してしまうと質問と噛み合わない場面が出てくるため、質問に合わせて自分が働く姿をイメージできるような内容に調整する必要があります。
質問に合わせた締め方をする
自己PRの締め方で大切なのは、質問の内容に合った締め方をすることです。聞いていないことまで話したり、質問の意図に合わない回答をしたりすることは印象がよくありません。
自分の魅力をアピールする姿勢を持つのは悪いことではありません。しかし、肝心の質問に答えられていないと、「うまくコミュニケーションが取れない人」という印象を与えてしまいます。
そのため、自己PRでは相手が知りたがっていることに対する答えで締めることを徹底してください。
「自己PRをしてください」と聞かれた場合
自己PRは、自分が企業にとって採用すべき人材であることをアピールすることが主な目的なので、「自分の強みが企業にどんなメリットをもたらせるか」を伝えるようにしましょう。
締め方の例
「企業で活かせるあなたの強みは?」と聞かれた場合
この質問では、”企業で活かせる”という言い回しがポイントです。単に自分の強みを伝えるだけでなく、それをどのような形で活かせるのかを締める言葉として伝えましょう。
締め方の例
「自分の強みと身についた背景を教えてください」と聞かれた場合
この質問から企業が知りたがっているのは、学生の強みとその根拠となるエピソードなので、入社後の意気込みなどは不要です。身についた背景とエピソードをそのまま自己PRの締めとしましょう。
締め方の例
自己PR締めの言葉の例文一覧
自己PRを締める際の具体的な例文を紹介します。
- 入社後も主体性を持って働くことを心がけ、お客様や先輩の期待を超えて信頼を獲得していきたいと考えています
- 実際の仕事で行き詰まった時も、何が問題点なのかを明確にしてチームを導いていくつもりです
- 持ち前の分析力を活かし、与えられた課題を分析してよりよい方法を探りながら、コツコツと努力を続けていきたいと思います
- 資格勉強で培った継続力を発揮して、失敗が続いても簡単には諦めず、結果が出るまで粘り強く業務に取り組んでいきます
- 人当たりの良さとコミュニケーション力を活かし、顧客に信頼されるような営業マンになるつもりです
自己PR締めの強み別の例文
実際にどのような文章にしたらよいのか、自己PRの例文で確認してみましょう。
例文1. 「向上心」
将来はグローバルな環境で働きたいと思っていたので、語学力を身につけるために英会話教室に通い、さらに大学在学中に海外留学を経験することを目標に掲げました。
学業をおろそかにしないように、英語の勉強と留学費用を貯めるためのアルバイトをするのは大変でしたが、春休みと夏休みを利用して短期バイトに励んだ結果なんとか留学費用を貯めることができました。
海外留学は大学3年の春休みの2ヶ月だけと非常に短い期間だったものの、留学のおかげで、それまで以上に世界の多様な価値観に触れてみたい気持ちが強くなりました。
仕事を進めるうえでも自分なりの目標を掲げ、それを達成するためにコツコツと努力を続けていきたいです。
【ポイント】
目標を実現したエピソードから、向上心を持って努力できる人間性が読み取れます。仕事においてもコツコツ働いてくれそうな期待が持てます。
例文2. 「計画性」
自炊を続けるために採り入れたのが、買い物で何を購入するかあらかじめ考えておく方法です。買い物しながらレシピを考えるのではなく、1週間分の晩ご飯のレシピを先に考えてから買い物に行くことで食材の無駄を削減できました。
また、料理の手間を省くため日曜日と水曜日にまとめて作り置きするようにしたのも、自炊を続けられた要因だと思います。
実際の業務でもまず何をすべきかきちんと計画を立て、着実に仕事を進めながら大きな目標を達成したいと考えています。
【ポイント】
自炊の体験談から計画性という強みに具体性を持たせている点が良いですね。一人暮らしを経験していることから、自己管理能力の高さも伺えます。
例文3. 「気配り」
大学1年次から続けているカフェのアルバイトでは、決められた仕事や指示された仕事だけをこなすのではなく、自分から仕事を見つけるよう常に心がけています。
例えば掃除の際には、玄関や客席、トイレなどの汚れが目立つ部分以外に、店の裏や厨房などの見えづらい部分にも注意を払うよう徹底しました。
手の空いた時間を見つけては清潔な環境づくりに取り組んだ結果、口コミサイト上で細かいところまで掃除が行き届いている清潔感のあるお店という高評価をいただきました。
入社後も細かな点まで気を配ることを心がけ、お客様や先輩の期待を超えて信頼を獲得していきたいと考えています。
【ポイント】
気配りをアピールした例文ですが、自分なりに考えながら働いている様子から主体性も読み取れます。能動的に行動できる人材はどんな業界・企業でも高く評価されるでしょう。
例文4. 「継続力」
高校生の時に母が「健康づくりのために一緒にどう?」と誘ってくれて以来、週3回のエアロビクスを欠かさず続けています。
私は運動に苦手意識があったので最初は乗り気ではなかったのですが、運動で汗をかくことの楽しさを知り、いつしか1つの習慣になりました。エアロビクスを習慣にしたおかげか寝つきと目覚めが良くなり、多忙な大学生活でも体調を崩すことなく学業に集中できています。
社会に出てからも週に3回のエアロビクスを継続し、しっかり体調を管理して長く企業に貢献していくつもりです。
【ポイント】
継続力といえば学業やアルバイトなどをイメージしがちですが、プライベートで長く続けている習慣もアピール材料になります。単に続けているだけでなく、エアロビクスで健康管理できている点も安定的に働いてほしい企業にとっては好印象です。
例文5. 「責任感」
大学のテニスサークルでは代表を務めたのですが、自分で決めた役割を全うしました。
チームを言葉で引っ張っていくタイプのリーダーではない私が最も意識したのは、ルールを守ることです。
「無断で欠席・遅刻をしない」といった当たり前のルールを守ることを自らが率先して行動で示しました。その結果、メンバーから信頼を寄せられ、引退の際には「代表が◯◯でよかった」と声をかけてくれました。
入社後も会社やチームに貢献するため、どんな仕事にも責任感を持って取り組んでいきたいと思います。
【ポイント】
サークルの代表を務めあげた経験から、責任感の高さをアピールする例文です。代表としての行いからは、縁の下の力持ちタイプのリーダー像や、真面目な人間性を想像できます。
例文6. 「粘り強さ」
人生で初めて経験したパン屋のアルバイトでは、200種類にも及ぶパンの名前と値段を覚えることに苦労しました。
手打ちレジの仕事をするにはきちんとパンの名前と値段を覚える必要があったので、ケーキの絵と特徴を載せたノートを自作し、必死に覚えました。
種類ごとに分類したり、良く売れるパンから優先したりした結果、約1週間ですべてのパンの名前と値段を覚えられ、私も戦力の一人としてお店に貢献できるようになりました。
入社後はアルバイト以上に覚えなければならないことがたくさんあると思いますが、持ち前の粘り強さを活かして早く仕事を覚え、一日でも早く会社に貢献したいです。
【ポイント】
エピソードの内容が非常に具体的なので、どんな姿勢で仕事に取り組む人間なのかがよく分かります。早く仕事を覚えて貢献する心がけから、働くことへの意欲が読み取れます。
例文7. 「柔軟性」
罰として正座をするルールに疑問を感じた私は、ルールの正当性についてメンバーに質問したところ、大多数が私と同じような疑問を感じていました。
そこで「遅刻したときは、練習後の矢を拭いた雑巾を洗う」というルールに変えた結果、時間通りに来た人と遅刻した人両方の練習時間を減らさずに、サークル全体の利益にもつながるルールだということで、定着しました。
入社後もこのような柔軟な発想を活かし、改善できそうなポイントがあれば積極的に提案していきたいと思います。
【ポイント】
「既存のやり方にとらわれない」柔軟性をアピールすると同時に、よりよい環境に変えていきたいという向上心を持っていることもアピールできています。
自己PRの締め方の注意点
最後に、自己PRの締め方の注意点を紹介します。
定型文をそのまま使わない
「貴社に貢献したいと思います」「精一杯頑張ります」など、自己PRの回答例で使われている定型文を、そのまま使うことは避けましょう。
例文は分かりやすいように一般化されていることが多いです。そのため、定型文をそのまま使っても、自分らしさの出ない自己PRになってしまうことが多いです。
できるだけ定型的な表現は避け、自分の言葉で自己PRをまとめるよう心がけてください。
自分らしさを出すためのコツは、「どう貢献したいのか」「何を頑張るつもりなのか」を具体的に伝えることです。
例えば「貴社に貢献したいと思います」という定型文も、どんな業務にどのような形で貢献するのかを自分の強みと併せてあわせて伝えれば、自分らしさのあるオリジナリティのある締め言葉に変えられます。
根拠のないことを書かない
自己PRは自信を持って伝えることが大切ですが、根拠のないことを書くのはNGです。
NG例
- 私が入社した場合は、1年以内に◯◯万円の売上を上げます。
- 国内事業で大幅な収益拡大を必ず実現します。
例のように「〇〇の成果を出す」「必ず実現する」などの根拠のない表現は避けましょう。
仮に自分では実現できるイメージがあっても、仕事では想定外のことが多く発生します。そうしたリスクを顧みず、根拠のないことを断言してしまうと、かえって「無責任なことを言う人だ」と評価されてしまう可能性が高いです。
企業も確証のないことを約束してほしいとは思っていません。自分自身が根拠を示すことができる範囲で自分をアピールしましょう。
自己PRを登録してOfferBoxでオファーをもらおう
自己PRを作成したら、OfferBoxのプロフィールに登録して企業からのオファーを待ちましょう。自己PRのほかにも画像や動画を登録してアピールできるので、自分がアピールしたいポイントをそのまま伝えられます。
例えば、サークルやゼミでの活動、アルバイトに取り組んでいる姿など、自分の強みと関連するような写真を登録するのがおすすめです。文章だけでなく視覚的な情報も載せることで、自分の強みを企業にイメージしてもらいやすくなります。
また、OfferBoxでは自分のプロフィールにどれくらいの企業がアクセスし、興味を持ったのかを確認できるのも大きな特徴です。データを参考にして、どういったエピソードが興味を持たれやすいのか分析して、さらに魅力的な自己PRにブラッシュアップしてください。
まとめ
以上、今回は自己PRの締め方のポイントの重要性と、構成の仕方、例文相手の印象に残る締め方をご紹介しました。
面接の場は、会話のキャッチボールをする場です。相手の質問の意図に合った回答・締め方をしましょう。相手に伝わりやすくするためにも、結論は1つに絞ると良いでしょう。
また自己PRは企業に合わせるのではなく、自分らしさが伝わる内容にすることをおすすめします。きっと自分らしさを理解して評価してくれる企業に出会えるはずです。
自己PRを磨き、自分に合った企業と出会いたい方は、ぜひOfferBoxを活用してみてくださいね。