「オンライングループディスカッションは対面のものとどう違うの?」
「ただでさえ苦手意識があるのにますます不安…」
選考で実施されるケースが増えているオンライングループディスカッションに対し、このような悩みを抱いている人は多いのではないでしょうか。
オンラインだと会場までわざわざ足を運ぶ必要がないメリットがありますが、画面越しでコミュニケーションを取るのは難しいように感じますよね。「対面よりオンラインのほうが苦手」という人も少なくないはずです。
この記事ではオンライングループディスカッションの流れや進め方、コツを紹介します。オンラインでの実施に苦手意識がある人は、記事を参考に万全の準備を整えてから本番に臨みましょう。
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目次
オンライングループディスカッションとは
オンライングループディスカッションとは、会場に赴くことなく参加できるグループディスカッションの形式を指します。採用担当や他の学生と直接対面せずに、パソコンやスマートフォンなどの端末画面を通して実施するのが特徴です。
これまでの就活では対面グループディスカッションが一般的でしたが、新型コロナウイルス感染拡大で対面での実施が難しくなったのをきっかけに、オンラインで実施するケースが増えてきました。
就活の選考全体でもオンライン化の流れは加速しており、今後もグループディスカッションをオンラインで実施する企業は増えていくと予想されます。
対面グループディスカッションとの違い
流れや進め方、評価ポイントなどに大きな違いはありませんが、オンライングループディスカッションにはオンラインならではの難しさがあります。特に、相手の感情が読み取りづらい分、コミュニケーションも取りづらいのがオンラインならではの難しさの一つです。
対面と同じような心構えで臨んだ結果、うまく意思疎通が図れずにグダグダな議論のまま終わってしまう、というのがよくある失敗談です。
オンライングループディスカッションならではの難しさについては、「オンライングループディスカッションのコツ」の項目で詳しく解説します。
グループディスカッションの概要については、こちらの記事でより詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
【人事コンサル解説】グループディスカッションの裏側を徹底公開!通過率や評価軸、お題も紹介
議論の時間と人数
オンラインディスカッションは1グループ4〜6人、議論の時間は30分程度で実施されるケースが多いです。
オンラインでのコミュニケーションの取りづらさを考慮し、対面グループディスカッションと比べると、やや少なめの参加人数と短めの議論時間に設定する企業が多いようです。
参加時の服装
企業から指定がない場合は、自宅から参加できるとはいっても、本番時は対面の場合と同じくスーツが基本です。自宅だからといって普段着や部屋着のようなカジュアルすぎる服装は避け、選考の場にふさわしい服装で臨みましょう。
「服装自由」や「私服OK」などの指定がある場合も、カジュアルすぎる服装は避けるのが無難です。スーツのように堅すぎず、私服のようにカジュアルすぎない、「ビジネスカジュアル」と呼ばれる襟付きの服を着用するのがおすすめです。
オンライングループディスカッションの評価ポイント
オンライングループディスカッションでうまく結果を残すために、まずは企業が見ている評価ポイントを理解しましょう。ただやみくもに対策を進めるのではなく、「何を見られているのか」を理解したうえで対策することが重要です。
こちらの記事でグループディスカッションの評価ポイントをより詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
【人事コンサル解説】グループディスカッション対策!評価ポイント・落ちる人の特徴【就活生必見】
コミュニケーション能力
他の学生と議論を進める中で、社会で求められている”コミュニケーション能力”が備わっているかを評価されています。
コミュニケーション能力の中でも特に重視されているのが、自分の意見をわかりやすく伝える「説明力」と、他者の話を聞き考えをくみ取る「理解力」です。
自分のアイディアを伝える場面、他の学生と意見交換をする場面での様子から、これら2つの能力が備わってるのかを見極められています。
オンライングループディスカッションでは、異なる意見をいかに擦り合わられるかが重視されているため、自分の主張を押し通そうとしすぎないよう注意が必要です。
論理的思考力
さまざまな課題に対して筋道を立て、推論や結論を導き出す「論理的思考力」も評価ポイントの一つです。単なる思いつきや感情的な意見ではなく、しっかりとした根拠をもとに自分の意見を伝えられるかを評価されています。
論理的思考力が特に評価されるのは、議論のテーマに対する自分なりの考えを述べる際です。私的感情にもとづく考えではなく、テーマについて論理的に考え、他の人が納得できるような根拠にもとづいて自分の考えを伝えることが重要です。
組織の中での立ち振る舞い
オンライングループディスカッションでは、「組織の中での立ち振る舞い」も評価されています。ここで言う立ち振る舞いとは、組織の中での立ち位置や役割のこなし方のことです。
議論を牽引するリーダータイプなのか、それとも適切な意見を述べるアイディアマンなのかといったように、どんなタイプに分類されるのかを見極められています。
グループディスカッションでは司会や書記などの役割によって評価が変わると思われがちですが、実際の組織で必要となるのはリーダータイプだけではありません。
さまざまなタイプの人材をバランスよく揃えてこそ良い組織ができるため、必ずしも司会を務めたからといって有利になるわけではないことを理解しておきましょう。
オンライングループディスカッションの前に確認すべきこと
会場が用意されている対面グループディスカッションとは異なり、オンラインの場合は自分で環境を整えなければなりません。本番の際に通信不良やトラブルで慌てなくて済むよう、以下の4つのポイントを入念に確認しておきましょう。
ネット通信環境・接続
オンライングループディスカッションで特に注意したいのが、ネット通信環境・接続です。きちんとネットが繋がるかはもちろん、不安定でないか、一定時間で切れてしまわないかなどを必ず確認してください。
ネット通信環境や接続が悪いと自分が損をするだけでなく、一緒に受けている他の学生にも迷惑をかけてしまいます。本番の際に議論だけに集中できるよう、通信に関わる不安はあらかじめ消しておきましょう。
カメラの映像(乱れ・背景)
カメラの映像が乱れていたり、背景がごちゃついたりしていないかを確認しておきましょう。表情が伝わりにくくならないよう、直接顔に自然光や照明の光が当たる角度は避け、なるべく映り込むものが少ない場所を背景にするのがおすすめです。
また、表情の写り映えを気にして、Web会議ツールに搭載されているフィルター機能や卓上ライトを使用する人は要注意です。相手から見て不自然な画面になっていないかを、事前にきちんと確認してください。
マイク・スピーカー
ネット通信環境・接続やカメラの映像以外では、マイク・スピーカーの音が正しく入るかを確認する必要があります。音割れがないか、極端に音が小さくなっていないかなどを確認しておきましょう。
マイク・スピーカーのトラブルは、カメラのトラブルよりも発生頻度が高く、解決までに時間がかかりがちです。インターネット回線の速度や周囲の雑音など、さまざまな影響で音声の乱れが発生するため、設定の確認はもちろん利用環境の見直しもしておきましょう。
Web会議ツールの設定
オンライングループディスカッションで使用するWeb会議ツールの使い方に、あらかじめ慣れておくことも大切です。ツールによって使い方に違いがあるため、ビジネスの場でよく使用されるWeb会議ツールを中心に、なるべく多くのツールに触れておきましょう。
企業によっては独自のWeb会議ツールを使用するケースもありますが、オンライングループディスカッションでは「Zoom」もしくは「Google meet」がよく使用されています。
【事前に使い方を確認しておくべき機能】
・ミュート機能
マイクのオンオフを切り替える機能。他の人が話しているときにこちらの雑音が聞こえなくなるので、相手は説明に集中しやすくなります。
・画面共有機能
自分のパソコンやスマートフォンの画像を相手の画面にも表示できる機能。資料やメモを見せながら説明するときに便利です。
オンライングループディスカッションの流れ・進め方
必要な準備こそ異なりますが、大まかな流れと進め方は対面グループディスカッションと違いはありません。どのようなテーマが出題されても対応できるよう、まずは一連の流れを押さえておきましょう。
STEP1. 議論のテーマ共有・質問
始めに企業から議論のテーマが共有され、制限時間やその他ルールなどが提示されます。
1回の議論につき1つのテーマで進められるケースが基本ですが、複数の問いに対しての答えを出すことを求められるケースもあります。議論のあと、何をアウトプットすればいいのか、採用担当の話をしっかりと聞いておきましょう。
採用担当からの話を聞いている時間は、グループディスカッションの制限時間に含まれません。テーマがよく理解できない場合や、ルールについて気になる点があれば、分からないままにせず積極的に質問しましょう。
STEP2. 1人ずつ自己紹介
議論が始まったら、まずは1人ずつ簡単に自己紹介をしましょう。自己紹介の時間が事前に用意されている場合は30秒〜1分間ほど、議論の時間に含まれている場合は名前だけを伝え合うのがおすすめです。
使用するWeb会議ツールの種類によっては、参加者の名前が表示されないものもあります。本番中に「この人の名前忘れてしまった…」とならないよう、自己紹介の際にメモを取っておくと安心です。
STEP3. 時間配分の決定
提示された制限時間を守るため、議論全体の時間配分を決定しましょう。テーマの定義付けを全体の30%、アイディア出しを30%、優先順位付けを30%、残りの10%をまとめや発表に当てると余裕を持って進められます。
【時間配分例】
制限時間が30分の場合の時間配分の例を紹介します。
- 役割決め/時間配分:2分
- テーマに対する定義付け:7分
- アイディア出し:8分
- 優先順位付け:8分
- 議論結果のまとめ/発表準備:5分
STEP4. 役割決め(司会・書記・タイムキーパー)
時間配分が決定したら、役割を決めます。役割によって選考結果が変わるわけではないため、リーダータイプでない場合は無理に司会に立候補する必要はありません。役職がないからといって、選考に不利になるわけでもないので、安心しましょう。
意見をまとめるのが得意なら書記、アイディアを出すのが得意ならアイディアマンといったように、自分の得意な役割で能力をアピールしていきましょう。
【グループディスカッションの主な役割】
-
- 司会
- 書記
- タイムキーパー
- 発表者
発表者を決めるのは、議論の最後でも問題ありません。
グループディスカッションの役割については、こちらの記事でより詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
【人事コンサル解説】グループディスカッション対策!進め方/役割/練習
STEP5. テーマに対して定義付け
アイディアを出し合う前に、テーマに対して定義付けをします。抽象的なテーマだった場合により分かりやすい言葉に言い換え、参加者の理解を一致させるのが定義付けの目的です。
たとえば「利益」という言葉でも、「営業利益」を浮かべる人や「粗利」を浮かべる人、はたまた「純利益」を浮かべる人もいます。
このような認識のズレがあると、議論が後から覆ってしまう事態になりかねないため、前もってテーマに対して定義付けしておく必要があります。
STEP6. 回答のアイディア出し
テーマに対して定義付けができたら、いよいよ回答のアイディア出しです。1回の発言が長くなりすぎないよう注意しつつ、アイディアをどんどんと出していきましょう。
この段階では、アイディアの質にこだわりすぎる必要はありません。アイディアが的確か否かにかかわらず、多くの意見を出して議論を活発化させることが大切です。そのために、事前に設定しておくとよいルールを紹介します。
【アイディア出しのおすすめルール】
-
- 否定禁止:他人の意見を否定しない
- 比較禁止:アイディアを比較しない
- 吟味禁止:頭に浮かんだことは吟味しない
- 極端な意見OK:
- 非論理的OK
たとえ自分の意見と真逆の考えであっても否定せず、発言を深掘りしたり、部分的に同調したりすると議論が活発化していきます。
STEP7. 回答の優先順位付け
アイディアが出揃ったら、意見をまとめるために回答の優先順位付けをしていきます。
ポイントは、良い悪いで取捨選択するのではなく、複数のアイディアを組み合わせてよりよいものを作り上げる意識で優先順位付けすることです。
アイディアを似たもの同士に分類し、良い部分を見つけて組み合わせることで、複数のアイディアの良い点をいいとこどりした回答ができます。
たとえ参加者の同調を得られなかったアイディアだったとしても、すべてを否定するのではなく、何か良い点がないか探りながら優先順位付けしていくのが大切です。
STEP8. 議論結果のまとめ
発表に向けた準備を整えるため、書記が中心となって議論結果をまとめていきましょう。できる限り多数決をとることはせず、参加者全員が納得できる形で意見をまとめてください。
また、わざわざパワーポイントでしっかりとまとめる必要はありませんが、まとめた内容を紙にまとめておくと発表の際に役立ちます。特に、発表を担当する人は、議論の内容を忘れてしまわないようメモを取っておきましょう。
発表者を最初に決めていなかった場合は、このタイミングで発表者を決めます。
STEP9. 発表
グループディスカッションの最後に、議論の内容を採用担当に発表します。議論の時間に対して、発表の時間が少ないケースもよくあるため、議論の仮定を長々と話すのではなく、議論の結果を要点に絞って簡潔に伝えるのがポイントです。
発表は議論中に決めて代表者が1人で担当しますが、発表者へのサポートも非常に重要です。
発表者の説明が不十分だったり、採用担当からの質問の答えに詰まったりしている場合は、発言してもいいか採用担当に確認しましょう。全員でサポートし、よりグループの回答に説得力を持たせられるようにフォローしてください。
オンライングループディスカッションのコツ
ルールを最初に決める
議論を進めるため、最初にいくつかのルールを設定しておくとスムーズです。オンライングループディスカッションでは、音声や映像の乱れの影響で発言が被ってしまったり、沈黙が続いたりしてしまうケースが見られます。
今誰が発言していて、次に誰が発言するのかを明確にするため、画面越しでもわかりやすいルールを最初に設定するのがおすすめです。
【ルールの例】
-
- 一回の発言は20秒以内にする
- 最初の発言は名前順にする
- 発言したい時は画面上で見えるように手を挙げる
- 発言した人が次の発言者を指名する
表情や動きを大きくする
慣れ親しんだ自宅から参加できるメリットがある一方で、画面越しであるがゆえに相手の表情を読み取りづらいのがオンラインの難しい点です。表情や動きが対面に比べて格段に伝わりづらいため、いつも以上の笑顔とボディランゲージを心がけましょう。
また、無理に合わせる必要はありませんが、画面越しでは視線にも注意してください。画面上の相手の顔を見れば、こちらからは目が合っているように見えますが、相手からは下を向いているように見えます。
相手と目を合わせられるよう、余裕があるときは画面ではなくカメラのほうを見ましょう。
対面よりも丁寧にお互いの理解を確認する
オンライングループディスカッションでは、対面以上に理解できているか丁寧な確認を心がけましょう。自分ではお互いの理解が一致しているように感じても、相手はまだ納得できていないケースがよく見られます。
自分の意見に賛成しているのか反対しているのか曖昧なまま、議論を進めていくのは得策ではありません。最後に、議論が最初の段階まで戻ってしまうこともあります。
お互いの理解が一致していないまま議論を進めないよう、表情や反応の読み取りづらさを丁寧な確認によって補いましょう。
書記・議事録は必ず全員に画面共有する
書記として議論の内容をまとめる場合は、必ず全員が見える形で資料を共有しましょう。対面の場合は、一つの紙に内容をまとめてそれを全員で見ながら議論を進められますが、オンラインの場合はできません。
どんな意見が出たのかを後から確認できるよう、ツールをうまく活用して情報を共有しましょう。Web会議ツールに元々搭載されている機能の中では、「ホワイトボード」の機能がおすすめです。
これは一般的なホワイトボードのように画面に文字やイラストを書き込める機能で、画面共有すれば参加メンバー全員が自由に書き込みながら議論を進められます。
【主要Web会議ツールの操作方法】
・Zoomでホワイトボードを使用する方法
-
-
- 画面下部ある「画面の共有」をクリック
- 「ホワイトボード」を選択してクリック
-
・Google meetでホワイトボードを使用する方法
-
-
- ①画面右下にある設定アイコンをクリック
- ②「新しいホワイトボードを開始」をクリック
-
1回の発言を長くしすぎない
1回の発言が長いと周囲が入りづらいので、発言時間は短めにしましょう。対面よりも時間の短いオンライングループディスカッションでは、1人1人の時間管理意識が非常に重要になります。
また、簡潔な発言を自分が心がけるのはもちろん、話が長い人をうまく制御していくことも大切です。
話が長い人に対して司会やタイムキーパーが注意しない場合は、「時間が限られているので『1度の発言は20秒以内』というルールを設けませんか?」などと提案すると好印象です。
話せていない人には話を振る
対面グループディスカッションと同じく、議論に参加できていない人への気づかいが大切です。話せていない人がいる場合には、自分の役割にかかわらず意識的に話をふるようにしましょう。
特に、発言のタイミングを図りづらいオンライングループディスカッションでは、特定の人物だけに発言が偏りがちです。
そのような場合に、「現状は◯◯の意見が多いようですが、Aさんはどのようにお考えですか?」といったように話を振ることで、視野の広さや協調性を評価してもらえます。
まとめ
以上、オンライングループディスカッションの流れや進め方、コツについて解説しました。
基本的な流れや評価ポイントは対面の場合と変わりませんが、自分で環境を整えなければならない点がオンラインならではの特徴です。本番の際に通信トラブルや音声トラブルなどで他の人に迷惑をかけないよう、事前の準備と確認を入念におこないましょう。
また、画面越しであるがゆえに、相手の表情と反応を読み取りづらいのがオンライングループディスカッションの難しい点です。お互いの理解が一致しないまま議論を進めないよう、対面のとき以上に丁寧な説明と意思疎通を心がけましょう。