就活の過程では誰しも、自分が興味を持った業界や企業について、社内の実際の雰囲気や仕事内容などについて情報を得たいと思うことがあります。OB訪問・OG訪問はそのための優れた手段です。
先輩社員を直接訪問することで、リアルな話を聞いたり社内の雰囲気を感じたりして業界・企業研究に役立てることができます。ここではOB・OG訪問の基本とOB・OG訪問時に役立つメールの書き方や例文について解説します。
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OB・OG訪問メールの基本的な書き方
OB・OG訪問のメールは一種のビジネスメールですから、書き方やマナーを守らないと相手に不快感を与えかねません。宛先から最後の署名までOB・OG訪問メールの書き方を詳しく解説します。大切なOB・OG訪問の入口でつまづかないよう、基本をしっかり身につけましょう。
宛先
メールアドレスを見ながらキーボードを打って入力すると打ち間違いをする可能性があるため、可能な限りメールをコピー&ペーストしましょう。
件名
既に社会人として働いているOB・OGは、毎日数多くのメールを受信しているかもしれません。それらに埋もれることなく、件名だけで確実に目に留めてもらうため、件名は自分の大学名、氏名などを入れて簡潔に分かりやすくする必要があります。
例:OB訪問のお願い/XY大学経済学部経済学科 鈴木次郎
宛名
OB・OG訪問する方の企業名、部署名、担当者名を省略せずに書きます。株式会社を(株)と略してはいけません。2-3行に分けて書き、担当者名のあとには「様」をつけます。
例:BCD商事株式会社
営業部 東日本営業課
山田太郎 様
本文
冒頭であいさつを述べ、続いて自分を名乗ります。「あいさつ文」は、初回メールでは「突然のメールで失礼いたします」、2回目以降は「お世話になっております」を使うといいでしょう。「名乗り」は、ご自分の「学校名」「学部・学科」「氏名」を記載します。
その後は本題に入りますが、初めてのメールが長すぎると読むのが億劫になりますし、あなたへの印象もよくありません。要点は簡潔にして、1文あたりの長さは50文字以下、適宜改行を入れると読みやすくなります。
署名
署名には「氏名」「学校名・学部・学科」「連絡先(メールアドレス、携帯電話番号)」を記載します。住所を入れる必要はありません。記号での修飾は控え、シンプルに署名が分かるようにします。必要な情報を相手に読みやすく提示するようにしましょう。
あらかじめメールソフトの「機能」で署名をテンプレートとして登録しておくと便利です。
OB・OG訪問で役立つメール例文
OB・OG訪問のメールにおいては、OB・OG訪問依頼をするメール、事前質問を送るメール、訪問後のお礼メールなど複数のメールを作成する必要があります。それぞれのメールにおいて注意しておくべきポイントもあるため、例文を用いながらご説明していきます。
訪問依頼のメール例文
訪問依頼のメールは、ほとんどの場合、OB・OGに対して送る初めてのメールです。依頼メールが数多くのメールに埋もれてしまわないよう、用件と送信者が分かりやすい件名をつけます。
メールの本文で大切になるのは、志望する
業界や企業に大きな関心を持っていることを伝えることです。それらに興味や関心があること、業界で働く先輩たちの生の話を聞きたいことを書くと、気持ちが伝わるメールになるでしょう。
また訪問依頼日については複数候補日を提示して、先方の都合がよい日程を確認するようにしましょう。
例文
質問がある時のメール例文
メールで送る質問は大別して2つに分けられます。1つは就活について、もう1つは業界や職種について質問する場合です。
そこで望ましい質問は、【企業ホームページや企業説明会では得にくい情報についての質問】が望ましいです。現場で働く方
からリアルな情報を集めれば、就活にプラスになるだけでなく、業界への理解も深まります。
例文
関連記事:【OB訪問の質問】目的別の質問例やリストの送付方法を解説
訪問後のお礼メール例文
OB・OG訪問をしたあとは、必ずお礼のメールを送りましょう。まずは貴重な時間を割いていただいたことへのお礼を述べます。次に、OB・OG訪問の感想、そこで具体的に何を学んだか、今後どのようにしていきたいかを記述します。最後に、今後につながる挨拶で締めくくりましょう。再訪だけではなく、入社後にお世話になる可能性もあるからです。
例文
就活終了後のメール例文
内定を獲得し就活が終了したときには、OB・OG訪問した方にも報告メールをしましょう。
入社先であるかどうかに関わらず、OB・OG訪問を受けていただいた方にお礼と報告をするのは、社会人のマナーです。貴重な時間を割いてOB・OG訪問に対応してくれた方に対して、きちんとお礼を伝えることが大切です。
例文
キャンセル依頼をする時のメール例文
OB・OG訪問のキャンセルは緊急でない限り、基本的にはやめておきましょう。業務時間を調整して作っていただいた社会人の予定を変更させてしまうからです。
どうしてもキャンセルが必要な場合は、可能な限り早くメールにてその旨を伝えましょう。前日や当日にキャンセル依頼をしなければいけない時は、メールと電話の両方にて連絡をすべきでしょう。(メールだけだと確認できない可能性があるため)
例文
OB・OG訪問メールを送る際に気をつけたいポイント
OB・OG訪問メールを送る際に気をつけておきたいポイントは複数あります。OB・OG訪問を成功させるために、下記で紹介するメールの注意点に気をつけながら、OB・OG訪問メールを作成していきましょう。
件名を見ただけでメールの内容が理解できるものにする
OB・OG訪問のメールを確認する社会人は、日々多くの業務メールを確認しています。その中からきちんと「OB・OG訪問メール」に気づいてもらうためには、メールの件名に依頼内容を簡潔に記載することが大切です。下記のような簡潔な件名を意識しましょう。
【OB訪問のお願い/XY大学経済学部経済学科 鈴木次郎】
冒頭の例であげたように、件名の冒頭には必ず「OB訪問」という文字列を入れます。そのあとに大学・学部学科名、氏名を入れれば、就活生によるOB訪問ということは一目で分かるはずです。
短く、簡潔な文章を作成する
OB・OG訪問では、通常面識のない社会人の方にメールを送ります。社会人の方は忙しい業務の中でOB・OG訪問に対応してくれるので、OB・OG訪問のメールについては短く簡潔な文章を書いて、要点が分かりやすいように作成しましょう。行間を空ける、箇条書きを利用する、専門用語は使いすぎない、などを意識してメール作成をしていきます。
誤字脱字や読みやすさなどに注意
メールの誤字脱字、社名や名前の間違いは最も注意すべきポイントです。誤字や脱字があると文章が読みづらくなってしまうため、念の為声を出して文章を読んで、誤字脱字の確認をしておきましょう。また、メールソフトによっては自動校閲機能がついているものもあるため、こちらも積極的に利用しておきましょう。
メールの返信は必ず行う
OB・OG訪問を依頼して返信があった場合など、あなたがOBからメールを受け取った場合には必ず返信しましょう。OB・OG訪問の受け入れの可否にかかわらず、受け入れ不可の場合においても、「ご検討ありがとうございます」という返信は必要です。
いずれの場合でも、OBからメールが届いた場合は、速やかに返信しましょう返信のレスポンスが早いほど、熱意が感じられて好印象を持たれます。逆に返信が遅いと、OB・OG訪問への意欲が低いと思われてしまう可能性もあります。
また、件名を引き継ぐことで、返信が重なってもメール内容がすぐ分かります。
メールを送信する時間帯に気を配る
メールは電話と違いいつ送ってもいいように思えますが、実はそうではありません。メールソフトによっては、パソコンとスマートフォンの双方からアクセスすることが可能です。すると、着信があったときにスマートフォンの着信音が鳴る可能性があります。仮にそれが深夜や早朝だとしたら、受信したほうは迷惑です。
また、深夜や早朝のメールは見落とされて連絡ミスが起きる可能性もあるため、企業の一般的な営業時間である9時から187時の間に送るのが望ましいでしょう。
正しい敬語表現を用いる
日本語には、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類の敬語表現があります。
この3種類の敬語を適切に使い分けることは、社会人としての基本です。もちろん日本語における全ての敬語表現を使いこなすことは不可能ですが、ビジネスシーンでよく使われる表現は使いこなせるようにしておきたいものです。
それは、「言う、見る、行く、来る、会う」などのそれぞれの表現です。
署名を忘れない
OB・OG訪問を依頼する社会人の方から急な連絡に対応するために、署名には名前のみならず、大学・学部・学科・電話番号、メールアドレスは必ず明記します。
直前に日程や時間の変更をしない
OB・OG訪問は社会人の方に業務時間を割いて対応いただくことになるため、直前の日程変更や時間変更は原則しないように注意しましょう。突然の体調不良、冠婚葬祭、他の企業の最終面接と被ってしまうなどどうしても変更依頼が必要な場合は、可能な限り早めに連絡をしておきましょう。当日の変更依頼については、電話を丁寧に事情を説明することがおすすめです。
まとめ
OB訪問・OG訪問は、就活において志望するする業界や企業の情報を得るための優れた手段です。
OB・OG訪問依頼時には基本メールで連絡することが多くなりますが、依頼先の社会人の方に失礼の無いように、今回ご紹介した注意点を踏まえてメール作成の参考にしてください。