「傾聴力は自己PRのテーマにできるの?」
「傾聴力を評価してもらえるアピール方法を知りたい」
自己PRで傾聴力をアピールしようと考えている人の中には、このような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
傾聴力は確かに素晴らしい強みではありますが、意味を勘違いしたり伝え方を間違えたりしては効果的なアピールになりません。傾聴力を自分の強みとして選考でアピールするのであれば、まずはその方法と注意点を理解することが大切です。
そこで今回は、傾聴力を自己PRでうまくアピールする方法を解説していきます。アピールする時の注意点や具体的な例文も合わせて紹介するので、ぜひ自己PRの参考にしてください。
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目次
自己PRでアピールできる傾聴力とは
傾聴力とは相手の話に耳を傾け、しっかり聞く能力のことです。相手が言い出しづらい話をうまく引き出して理解する目的があることから、臨床心理士やカウンセラーなど、心理学に関わる職種で求められる傾向にあります。
このように傾聴力は「人の話をよく聞く」という意味を持ちますが、自己PRにおいてはそれだけではアピールになりません。相手の話をよく理解するのは大前提として、課題解決に向けた効果的な提案ができる能力かが自己PRで評価されています。
傾聴力のある学生を企業が求める理由
自己PRは企業が求めていない能力を強みにしても高い評価には繋がらないため、企業側の視点を考慮する必要があります。評価してもらえる自己PRに仕上げるために、傾聴力のある学生を企業が求める理由を知っておきましょう。
チームの成果を最大化できるから
一つは、傾聴力のある学生はチームの成果を最大化できるためです。どんな業界・企業であれ、仕事を進めるうえでチームでの業務を避けては通れませんが、チームで成果を出すには他のメンバーとのコミュニケーションが欠かせません。
時には自分と異なる意見を丁寧に聞き、議論を活発化して質の高い仕事をしていく必要があるため、傾聴力のある学生が高く評価されるのです。人の話をしっかりと聞いて適切な提案ができる学生であれば、入社後に周りに好影響を及ぼしてくれると期待できます。
信頼関係を構築しやすいから
傾聴力のある学生であれば、信頼関係を構築しやすいという理由もあります。傾聴力のある人は取引先や社内の人から信頼を得やすいため、商社やコンサルティングファームのように、信頼が非常に重要となる業界で特に重宝されるでしょう。
傾聴力の有無が信頼関係の構築に影響するのは、人間は自分の話を真摯に聞いてくれる人に信頼を寄せやすいためです。話を聞いているのかよく分からない人より、適度な相づちや質問を入れながら会話できる人のほうが、好印象を持たれやすいのは言うまでもありません。
相手のニーズを引き出せるから
傾聴力の高い人は、顧客から潜在的なニーズを引き出しやすい強みがあります。傾聴力によって話しやすい雰囲気を作ることで、顧客が持つ「話をしたい欲求」を強くさせられるためです。
例えば営業職では、顧客の潜在的なニーズを引き出せれば競合他社との差別化点になるうえ、人として気に入られることで継続的な関係を築きやすくなります。さらに、ニーズに対して最適な解決策を提示できれば、会社にとって欠かせない戦力となるでしょう。
自己PRで傾聴力をうまくアピールする方法
傾聴力は企業に評価してもらえる強みではありますが、何の工夫もせずにアピールしたのでは他の学生との差別化点になりません。以下の3つの方法を参考に、どんな傾聴力が強みなのか、仕事にどう活きるのかが伝わる自己PRを心がけましょう。
傾聴力を発揮した具体的なエピソードを入れる
傾聴力が自分の強みであることを裏付けるには、具体的なエピソードが必要です。過去の経験の中で、傾聴力を発揮して課題を解決したり、周りに好影響を及ぼしたりしたエピソードを自己PRに含めましょう。
自己PRではいかに説得力を持たせられるかが重要となるため、「傾聴力が高い人間です」と伝えるだけでは企業に信用してもらえません。客観的に見ても傾聴力が強みだと分かるよう、自分ならではの具体的なエピソードが不可欠です。
傾聴力が対人にどのように影響しているのか書く
傾聴力の高さが、対人でどのような成果に繋がっているのかを明記しましょう。周りの人との関係性を伝えられれば、入社後のチームでの立ち位置やメンバーとの関係性をイメージしてもらいやすくなります。
「集中力が高い」「計画性がある」といった個人中心の強みに対し、傾聴力は人間関係と切っても切り離せない関係にあります。周りに好影響を及ぼせる点が傾聴力ならではの利点になるため、周りとの関係性や与える影響を詳しく伝えてみましょう。
傾聴力をどのように仕事に活かすのかを書く
傾聴力が高いから仕事にどう活きるのか、未来の話をすることが大切です。具体的な場面や業務内容を挙げ、自身の傾聴力によって会社にどのように貢献していくつもりなのかを示しましょう。
例えば自己PRの締めくくりとして「傾聴力を活かして顧客との信頼関係構築に努めます」などと伝えると、仕事への意欲や理解度を示せます。意気込みと合わせて、具体的な事業や取り組みを挙げて関連性を示せるとより熱意が伝わるでしょう。
傾聴力が高い人の4つの特徴
具体的に、どのような特徴を持つ人が「傾聴力が高い」と言えるのでしょうか。自分の強みが本当に傾聴力なのか自信がない人は、以下の4つの特徴に自身が当てはまるか確認してみましょう。
①相手の目を見ながら話を聞ける
傾聴力の高い人は、相手の目をしっかり見ながら話を聞ける人が多い傾向にあります。にらみつけるような表情ではなく、柔らかい表情で話を聞ける人は傾聴力が高いと言えるでしょう。
威圧感を与えないポイントは、適度に目を離したり、話を聞くときに目を合わせたりすることです。目を合わせない人は「自信がなさそう」「話を聞いていない」といった印象を持たれがちですが、アイコンタクトが上手な人は相手も気持ちよく話ができます。
②相手の話を遮らずに話を聞ける
傾聴力の高い人は、相手の話を途中で遮ることなく最後まで聞けます。相手の話を遮らないということは、自分の意見を伝えたい欲求よりも、相手の話をしっかり聞きたい気持ちが強い証拠になるためです。
最後まで話を聞ける人は相手が話し終わってから話し始めるため、「自分の話を聞いてくれたのだから相手の話もしっかり聞こう」と相手に考えてもらえます。そうするとお互い心を打ち明けて話しやすくなり、信頼関係を構築できるのが傾聴力の高い人の特徴です。
③適切なタイミングで相づちを入れられる
相づちの巧さも、傾聴力の高い人にみられる特徴の一つです。傾聴力の高い人は相手に威圧感を与えず、柔らかい表情かつ適切なタイミングで相づちを入れる能力を持っています。
相づちは意識すれば誰にでもできるものですが、「適切なタイミング」となると非常に難しくなります。不要なタイミングで入れると不快に思われ、相づちを入れすぎても話を聞いているのか不安に思われるため、相手の話に合わせた相づちが大切です。
④上手に質問できる
傾聴力の高い人は、相手の話を聞き出すための質問力も高いのが特徴です。適切なタイミングで質問を入れることで、「自分の話に興味を持ってくれている」と相手に思わせる能力があります。
具体的には、相手の話を膨らませるためにオープンクエスチョン(Yes,Noで答えられない質問)を使って会話を広げるテクニックが代表的です。相手の考えを引き出せる質問であればこちらの興味や好意が伝わるうえ、自分自身の疑問を解消できる利点もあります。
傾聴力をアピールした自己PRの例
ここでは、傾聴力をアピールした自己PRの例を5つの場面別に紹介します。文章の構成がよく分からない人や、自分が持つ傾聴力をうまく説明できずに悩んでいる人は、例文を参考に考えてみましょう。
①ゼミ
【例文】
所属するマーケティングのゼミでは毎週木曜日に討論会があったのですが、最初のうちは相手の意見を否定したり、自分の意見を推し通そうとしたりする人ばかりでした。
話し合うというより、相手をいかに論破するかが目的になっていたため、どんな意見に対してもまずは傾聴するよう心がけました。自分と反対の意見でも一度受け入れたうえで、どうしても理解できない点には反論する方法です。
その結果、冷静に意見を受け入れる雰囲気がゼミに浸透し、多様な意見を出し合う建設的な話し合いができるようになりました。社内会議や商談の場面でも、反対の意見を一度は受け入れる姿勢を大切にしたいです。
【ポイント】
チームワークはどんな業界・企業でも求められる能力です。反対の意見を受け入れる雰囲気をゼミに浸透させたエピソードから、傾聴力はもちろん、組織の中で調整役を担ってくれそうな人物像がうかがえます。
②部活動
【例文】
この強みが最も発揮されたのは、大学の合唱部での出来事です。仲の良かった部員が突然部を辞めると言い出したのですが、恥ずかしさからか、その理由までは教えてもらえないことがありました。
相手の悩みを引き出すため、私が試したのは自分から悩みを相談してみる方法です。悩みを相談してもらいたい相手に対し、逆に自分から悩みを相談することで、お互い相談しやすい雰囲気を作ろうとしました。
その結果「学費を稼ぐためのアルバイトと部活動を両立するのが難しい」という理由を打ち明けてもらえ、部活動を辞めなくて済む方法を2人で考えられるようになりました。
この経験から、相手が話すのを待つだけでは悩みを引き出せない場合があると学んだため、時には自分から行動して良好な人間関係を構築していきたいと思います。
【ポイント】
傾聴力というと相手の話をじっくり聞くイメージがあると思いますが、自分から相手の悩みやニーズを引き出す能力も傾聴力の一種です。例文からは積極的な姿勢や、友達思いな性格が読み取れます。
③サークル活動
【例文】
所属するフットサルサークルでは、意見の対立から練習中の雰囲気が悪い時期がありました。対立する派閥の話を聞いてみると、一方は「全体練習を増やして連携力を高めるべき」と考え、もう一方は「個別練習を増やして全体の底上げを図るべき」と考えていました。
両者ともサークルのレベル向上を考えながらも、やり方の違いから対立していたことが分かったため、全体練習と個別練習をバランスよく練習に取り入れるよう提案しました。
試合で連携力の低さが敗因になった場合は全体練習をより重視するなど、柔軟に練習時間を設定したところ、全員が納得できる練習ができるようになりました。
意見が対立した時に片方だけ聞き入れてしまうともう一方の不満が大きくなるため、仕事で意見が対立した時は、できる限り不満が生まれない折衷案を提案したいと思います。
【ポイント】
傾聴力を折衝力と関連付けながらアピールした例文です。相反する意見を持つ相手と話し合い、上手く折り合いをつけていく必要がある営業職や、接客業において強みを活かしやすいでしょう。
④アルバイト
【例文】
この強みが最も発揮されたのは、家庭教師のアルバイトで生徒の悩みを解決したときです。その生徒は学校の授業が面白く感じられないのが原因で、頻繁に居眠りしてしまうことに悩んでいました。
そこで私は「授業中に先生や友達と積極的に会話してみてはどうか」と提案しました。ずっと黙ったまま聞くだけの授業は苦痛だと考え、会話しながら楽しく勉強してもらうのが狙いです。
その結果、一方的な授業に退屈して居眠りするケースが減り、勉強を楽しめるようになったと生徒に喜んでもらえました。
「居眠りが多いならもっと早く寝るべき」などと画一的な提案をするのではなく、生徒の事情に配慮して解決に導いたこの出来事のように、仕事でも顧客に合わせた柔軟な解決策を提案していくつもりです。
【ポイント】
頻繫に居眠りをしてしまうという生徒の悩みに対し、個々の事情に配慮した解決策を提案できている点が好感を持てます。実際の業務でもマニュアルに沿った提案ではなく、顧客の状況やニーズに沿った柔軟な提案をしてくれそうです。
⑤ボランティア
【例文】
この能力が身についたのは、大学2年生の頃に1年ほど経験した児童館でのボランティアがきっかけです。子どもたちとの遊びや会話を通じ、自慢話や好きなことの話に対して私の反応が薄いとテンションが下がることに気づきました。
例えば、好きなテレビ番組の話に対し、私が興味なさそうに聞いていると子どもたちのテンションが下がってしまうという感じです。それでは子どもたちに心を開いてもらうのは難しいため、話を聞く時は一緒に喜んだり悲しんだりして感情を共有するよう心がけました。
その結果、子どもたちの信用を得られ、色々な話をしてもらえるようになったことが強く印象に残っています。
仕事で相手にするのはたいていの場合大人ですが、大人であっても感情を共有してくれる人には心を開きやすいはずです。好きなことの話にはこちらも楽しそうに付き合うなど、うまく感情を共有しながら人間関係を構築していきたいです。
【ポイント】
傾聴力が対人にどのように影響しているのかが読み取りやすい例文です。児童館で子どもたちと遊ぶボランティアに参加したエピソードから、褒め上手で包容力のある性格がイメージできます。
傾聴力を自己PRでアピールする時の注意点
誤ったアピールの仕方では、傾聴力をうまく評価してもらえない場合があります。自分の持つ傾聴力が入社後の仕事に活かせると理解してもらうために、以下の3つのポイントに注意してください。
「傾聴力」は抽象的なので具体的な言葉に変える
「傾聴力」という言葉自体は抽象的なため、そのまま使うと企業に理解してもらいづらい場合があります。「相手の話を引き出すことに秀でている」「提案する能力に長けている」など、傾聴力にはさまざまな意味があるため、より具体的な言葉に変えるのがおすすめです。
例えば、「相手の話を引き出すことが得意なため、初対面の人でもスムーズに良好な人間関係を築けるのが私の強みです」というように伝えると、どんな傾聴力を強みにしているのかが読み取れます。
「話を聞ける」=「傾聴力が高い」ではない
傾聴力がテーマの自己PRによく見られる失敗として、「話を聞ける」=「傾聴力が高い」という勘違いがあります。確かに傾聴力が高い人は話を聞く能力に長けていますが、その逆が当てはまるとは限りません。
相手の話をうまく聞けるだけでは傾聴力が高いとは言えないため、いかに話を聞く能力を活かして具体的な成果に繋げられているかが重要です。話をうまく聞けるのは大前提として、傾聴力がどんな成果に繋がったのかを記載すれば説得力のある自己PRになります。
多くの学生がアピールするので印象に残るエピソードが必要
傾聴力をテーマにした自己PRはそれほど珍しくないため、企業の印象に残りづらい点が課題です。ありふれたテーマでも他の学生と差別化できるよう、自己PRを工夫して伝えましょう。
解決方法の一つとして、エピソードで差をつける方法があります。「傾聴力が高いことを活かして■■した結果、◯◯という成果を得られた」など、自分ならではのエピソードがあれば、ありふれたテーマでも企業の印象に残りやすくなります。
「傾聴力」の自己PRが完成したらOfferBoxに登録しよう
傾聴力をアピールする自己PRが完成したら、OfferBoxに登録して企業からの評価を確かめてみましょう。スカウト型就活サイトのOfferBoxに登録し、プロフィールに自己PRを載せておけば、傾聴力の高い学生を求める企業からオファーをもらえるチャンスがあります。
また、文章と一緒に写真をプロフィールに載せられるのもOfferBoxの特徴です。ゼミ仲間と議論している場面や、アルバイトでお客さんと接している場面など、傾聴力と関連するような写真を載せて自己PRの説得力を高めてみてください。
まとめ
今回は傾聴力を自己PRでうまくアピールする方法と注意点を紹介しました。
傾聴力は自己PRでアピールしやすい強みですが、他の学生と被りがちな強みでもあります。ありふれた強みをそのまま伝えるだけでは企業の印象に残りづらいため、自分ならではのエピソードを記載し、オリジナリティある自己PRに仕上げましょう。
また、ひとくちに傾聴力といってもさまざまな意味があります。相手の悩みを引き出すことに秀でているのか、それとも信頼関係を構築するのに長けているのかなど、どんな傾聴力を強みにしているのかが分かるよう具体的な言葉での説明を心がけてください。