成功体験は就活で聞かれやすい質問のひとつですが、「成功体験がまったくない」「失敗しか思い浮かばない」などと悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
成功体験は、大きなチャレンジや成功だけに限定されるものではありません。小さな成功体験も伝え方によってはアピールにつながるため、見つからない場合はまず探し方から見直してみましょう。
この記事では、成功体験がないと感じてしまう人の特徴や、見つからない場合の対処法を紹介します。面接で伝える時のポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも成功体験とは?
成功体験とは、自分が過去に経験した出来事の中で、成功につながったエピソードを指します。例えば、「テストで目標の点数をとれた」「在学中に簿記検定1級に合格できた」などのエピソードです。
また就活で聞かれる成功体験は、学校生活やアルバイトのように、特定の場面だけに限定されません。趣味や特技の中で収めた成功であっても、成功するまでの過程を具体的に語れるのであれば、立派なエピソードになります。
面接官が就活で成功体験について聞く理由
成功体験を上手に伝えるには、面接官がどんな意図をもって質問しているのか理解する必要があります。何を特に見極められているのかを知り、質問意図に沿った回答を準備しましょう。
面接官が就活で成功体験を聞く理由は、こちらの記事でも解説しています。
成功体験を面接でアピール!答え方やポイント・回答例を徹底解説
成功に対する考え方や価値観を見極めるため
同じ出来事を経験した場合でも、すべての人が成功と感じるわけではなく、中には失敗したと感じる人もいます。そうした学生個々の考え方や、価値観を見極めるのが目的です。
成功体験と言われるとどうしても経験そのものに注目しがちですが、重要なのは「どのような経験をしたのか」だけではありません。
「経験から何を感じたのか」が同じくらい重視されており、この価値観から企業の特徴に合う学生かを見極め、ミスマッチが生まれないようにしています。
成功するための取り組み方を知るため
成功に向けた取り組み方からは、学生の人柄と仕事に対する姿勢を読み取れます。「目標達成に向けて取り入れた工夫」「困難への対処法」などを知るのが企業の狙いです。
例えば、「TOEICで800点を取った」と同じ成功体験を語る学生が2人いたとしても、勉強方法や困難に感じた出来事には少なからず違いが生まれます。
そうした違いにこそ学生の人柄と仕事に対する姿勢が出るため、面接官は就活で成功体験を質問するのです。
成功体験がないと感じてしまう人の特徴
ここでは、成功体験がないと感じてしまう人によく見られる特徴を紹介します。自分が特徴に当てはまっていないか確認し、成功体験を見つけるための適切な対処をしていきましょう。
大きなチャレンジをしたことがない
自分にとって大きなチャレンジをした経験がないと、成功体験がないと感じてしまう場合があります。資格の取得、部活動の大会のように、分かりやすく大きなチャレンジの経験がないケースです。
このような人は、質問への回答を考える際に「誰もが認めるような成功体験でないと語れない」と思い込みがちです。
成功体験は本来、チャレンジの大きさや成功の大きさだけで評価されるものではありませんが、自ら視野を狭めているせいで見つけられずにいる可能性があります。
最初から失敗すると思い込んでいる
失敗を過度に恐れるのも、成功体験がないと感じてしまう人の特徴のひとつです。最初から失敗すると思い込むと自分に自信が持てなくなり、成功体験はないと感じてしまう場合があります。
こうした特徴に当てはまる人は、失敗だけに目を向けてしまっているので、失敗の裏にある小さな成功に気づかない可能性が高いです。
ひとつのチャレンジには大小さまざまな成功と失敗があるはずですが、失敗を恐れるあまり成功に気づかないという、もったいない状況に陥ってしまうタイプです。
結果に強いこだわりがある
意外かもしれませんが、結果に強いこだわりがある人は、成功体験を見つけづらくなります。たとえ何かを成し遂げたとしても、目標が高すぎるあまり、成し遂げたことを成功と捉えない可能性があるためです。
このようにストイックな性格の人は自己成長や目標達成の意識が強いため、周りからすると成功体験のように見えても、本人は満足していないケースがしばしば見られます。
あらゆる物事に高い目標を設定しているので、本当は成功体験があるにもかかわらず、それを成功として捉えることができていないため、「成功体験がない」と思い込んでしまうタイプです。
成功体験が見つからない場合の対処法
成功体験が見つからない場合は探し方を見直してみましょう。「大きなチャレンジの経験がない」「満足できる成果ではない」などと難しく考えすぎず、視野を広げて探していくのがポイントです。
成功体験がひとつもない人はいない
成功体験がないと感じてしまう人の多くは、本当に何もないわけではなく、自分では成功だと捉えていないだけです。誰もが大小かかわらず何かしらの成功体験をしているので、悲観的にならないようにしましょう。
また就活の面接で期待されている成功体験では、エピソード自体の派手さは重要ではありません。
OfferBoxがとった企業アンケートでも、成果の大きさを重視する企業は2%のみ。
経験の派手さを重視する企業はたった1%でした。
人事の本音ランキング発表!ガクチカや自己PRの「エピソード」で見ているポイント
51%の企業が最も重視しているのは「経験の過程」ですので、エピソードの大小はあまり関係ありません。
経験の過程をどう伝えるかを重点的に考えると、成功体験が見つかりやすいはずです。
小さな成功体験を思い出す・探す
「成功体験」は大きなものでなくても問題ありません。大きなチャレンジや成功に限定してしまうと見つからない場合があるので、小さな成功体験にまで視野を広げて探してみましょう。
例として、「毎日ストレッチをする習慣が付いた」「1ヶ月間毎日自炊をした」といったエピソードが挙げられます。
特定の場面に限定せず、学校生活と私生活両方の経験を含めて考えると、小さな成功体験を見つけやすいでしょう。
趣味や特技、継続していることを思い出す・探す
趣味や特技、継続していることなども成功体験にできます。趣味でやっていることであっても、ひとつの物事を継続したり、何かしらの学びを得たりするのは難しいものです。
私生活の経験は就活のエピソードにふさわしくないと最初から決めつけず、自分の興味の対象を起点に探してみましょう。
散歩が趣味なら、散歩の楽しみ方や、散歩によって得られている効果・学びを考えてみると成功体験が見つかるかもしれません。
特技や趣味のアピールの仕方はこちらの記事でも詳しく紹介しています。
履歴書・ESの「特技・趣味」欄で悩んだら?就活でアピールできる特技の伝え方や書き方!【特技の具体的な例15選付】
努力したことや力を入れたことについて思い出す・探す
成功体験の質問で、面接官は経験の過程や考え方を重視しています。そのため、これまでに努力したこと、力を入れたことから探すのも一つの手です。
例えば、大学でゼミの研究に力を入れたのであれば、小さな成功体験がひとつはあるはずです。「研究発表がうまくいった」「効率的な手法を考案した」など、些細な出来事を成功体験として伝えられないか考えてみてください。
成功体験は最終的な目標を達成できたか否かを考えがちですが、最終的な目標に至るまでの成功体験もエピソードとしてアピール可能です。
面接で成功体験が思いつかない場合の注意点
成功体験が思いつかないからといって、次のような言動をしてしまうと面接での評価を下げる可能性があります。これまで紹介してきた対処法を参考に、しっかりと回答を準備してから面接に臨みましょう。
「成功体験がありません」と言わない
探すのを諦めて面接に臨み、「成功体験がありません」と答えるのはNGです。質問に何も答えられないのは準備不足のように見えるため、自ら評価を下げてしまいます。
そもそも、面接での受け答えは自分を詳しく知ってもらうためのアピールタイムです。「成功体験がありません」と終わらせてしまえば、その後の会話に発展しなくなるので、アピールのチャンスを逃すような言動は避けましょう。
先に述べた通り、成功体験は誰もが持っているもので、ないと感じるのはうまく見つけられていないだけです。小さな成功体験でも問題ないので答えられるように準備しておきましょう。
成功体験の嘘を言うのもNG
言うまでもありませんが、思いつかないからといって嘘をつくのはNGです。嘘をついても深掘りされた時に簡単にバレてしまい、信用の低下につながります。
仮に面接の場で嘘がバレなかったとしても、入社後に本来の自分とは異なる期待をかけられる事態になり、採用のミスマッチが生まれやすくなります。
その場しのぎの嘘は自分で自分を追い込む結果になるので、成功体験の質問に限らず、面接の受け答えで嘘をつくのはやめましょう。
これから成功体験を得る方法
成功体験はこれから得ることも可能です。過去の経験から探すのが難しい人は、次の3つの方法を参考に、成功体験を得られるようチャレンジしてみましょう。
まずは目標を立てる
漠然とした目標では、結局のところ達成できたのか自分でも判断できないケースがあります。
成功体験と自信を持って言えるようにするには、「目標の明確化」が大事です。
悪い目標の例:英語を話せるようになる。(どの状態になったら目標達成したかわかりづらい)
良い目標の例:TOEICで800点をとる。毎日30分の英語学習を1年継続する。
目標を立てる時は、まずはハードルを低めに設定するようおすすめします。最初からハードルの高い目標を立ててしまうと、失敗につながる可能性が高いからです。
ポジティブな気持ちで努力をする
ネガティブな気持ちでは成功する確率が低くなるうえ、小さな成功を認識しづらくなります。成功体験を得るには、失敗ばかり考えてネガティブになるのではなく、ポジティブな気持ちで努力することが大切です。
【ポジティブな気持ちを作る方法例】
- 無理のない小さな目標をコツコツ達成する
- 長所に目を向ける習慣をつける
- 完璧にこだわりすぎない
- 何でも自分のせいにしない
- 十分な睡眠と食事をとる
ネガティブな人は自分にも他人にも完璧を求めやすい傾向があります。完璧を追い求めすぎずリラックスして物事に取り組むほうが、結果をポジティブに捉えて成功体験を得やすいでしょう。
リサーチや下準備を心がける
事前にリサーチをしたり、下準備をしたりすると成功する可能性は高くなります。
例えば接客のアルバイトで成功体験を得たい場合、事前に顧客のニーズや行動をリサーチしておけば、顧客に喜ばれるような接客をしやすくなります。これはアルバイトに限らず、学校生活でも同様です。
ただやみくもに努力をするよりも、十分なリサーチや下準備をして正しい努力をするほうが、成功しやすいと理解しておきましょう。
就活で成功体験について上手に伝えるためのポイント
成功体験を伝える時は、次の5つのポイントを抑えると内容を評価してもらいやすくなります。
- 結論から伝える
- 成功するまでの過程を具体的に伝える
- どのような困難があったのか伝える
- 成功体験で何を得たのか伝える
- 成功体験をどう企業に活かせるのか伝える
5つのポイントを詳しく解説していきます。
結論から伝える
話の内容を理解してもらうため、結論から伝えましょう。
「中学生の頃から現在まで、週3日のランニングを続けられたのが私の成功体験です」などと最初に伝えると、後に続く内容が明確になり、面接官に自分の成功体験をイメージしてもらいやすくなります。
反対に、何の話か最後まで分からない伝え方は、面接官に嫌われやすい行為です。ダラダラとした話はアピールポイントを読み取りづらいので、就活では常に結論ファーストを心がけましょう。
成功するまでの過程を具体的に伝える
前述の通り、面接官は成功自体を重視しているわけではなく、成功するまでの過程を重視しています。そのため、過程を具体的に伝えるのがポイントです。
例えば部活動の大会での活躍を成功体験とするなら、アピールすべきは大会での成績ではなく、どのような行動が好結果につながったかです。
優勝経験や表彰経験はそれほど重視されていないので、どのような練習方法と心がけが好結果につながったかを具体的に伝えましょう。
どのような困難があったのか伝える
ひとつの成功体験を得るまでの過程には、少なからず困難があったはずです。どのような困難にぶつかり、どう乗り越えたのかを伝えて問題解決力をアピールしましょう。
入社後の仕事で困難にぶつかった際、どんな考え方と行動で乗り越えていく学生なのかは、面接官が事前に知っておきたいポイントです。
成功の過程での困難や失敗は悪いことではないので、自分なりの乗り越え方を正直に伝えましょう。
成功体験で何を得たのか伝える
ただ成功して終わっただけの話では、成長意欲や向上心が読み取れません。経験から学びを得られる学生だと評価してもらうため、成功体験から何を得たのか伝えましょう。
面接官は質問を通じて、入社後も同じような成功を収めてくれるか判断しようとしています。
「成功できて嬉しかった」と感想を述べるだけの伝え方では再現性がないため、「研究の失敗と成功から簡単に諦めない大切さを学びました」などと学びを伝えましょう。
成功体験をどう企業に活かせるのか伝える
成功体験で得た学びを、企業と結びつけてアピールできるとより好印象です。学びが企業のどんな特徴にマッチするのか、どう仕事に役立つのかを説明しましょう。
特に企業と結びつけやすいのは、社会との接点が多いアルバイトの成功体験ですが、学校生活や私生活の成功体験も企業と結びつけることは可能です。
「ランニングの習慣で身についた継続力が、日々知識を吸収する必要のある企画職で役立つ」というように、学びをうまく関連づけてアピールしてみてください。
まとめ
成功体験が見つからずに悩んでいる人は、自分の状況を把握するところから始めましょう。その結果「最初から失敗すると思い込んでいる」のが原因と分かったなら、小さな成功体験を探す、ポジティブな気持ちで成功体験を得る、といった方法が効果的です。
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