「SPIの結果を知る方法はないのだろうか」
「なかなか企業から選考結果が通知されない」
就活を進めるなかで、このような悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。
選考の過程で実施されるSPI。テストを受けた後に「前回より正答率は上がったのだろうか」「合格ラインを超えられたのだろうか」など、自分の結果が気になる学生は多いと思います。
この記事では、SPIの結果を知る方法や推測する方法の正確性について紹介します。企業がSPIを行う目的についても解説します。
SPIの結果が気になっている人は、ぜひ記事を参考にしてください。
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目次
SPIの結果を知ることはできない?
実際、SPIの結果を受検者本人が知る方法は本当にないのでしょうか。結果を推測する方法と合わせて見ていきましょう。
SPIの結果は企業しか知ることができない
合格・不合格の判断や次回テストの対策のために結果を知りたがる学生は多くみられますが、SPIの結果は受検者本人には知らされません。
結果を見られるのは企業の採用担当だけで、受検者本人が結果を知る方法はありません。
また、PCで受検する方式はもちろん、ペーパーテストでも問題用紙や計算用紙は手元に残りません。ペーパーテスト以外は出題順が一律でないため、受検後に自分で採点するのも困難です。
推測する方法はいずれも不確実
「正答率で問題が変化するテストセンターの特徴を活用して推測する」「試しに志望度の低い企業に応募してみる」など結果を推測する方法はいくつか存在しますが、いずれも確実とはいえません。
もしわかったところでそれだけで合否を判断することはできません。他の就活生との比較になるため絶対的な合格点はないためです。
そのため、結果を推測するのは労力の無駄といえます。それよりも、次回テストに向けて対策し直したり、企業研究や面接対策など他のことに時間を割いたりするほうが効率的です。
企業がSPIを行う目的
SPIを選考に採り入れている企業は、どのような目的で実施しているのでしょうか。SPIはただ学生の学力を数値化するためだけに実施されているわけではありません。
候補者を絞り込むため
一つは単純に候補者を絞り込むためです。
採用枠の大きい大企業となれば選考を受ける学生の人数も膨大になります。限られた時間のなかで全員に対し面接を実施して評価するのは難しいため、SPIの結果によってある程度候補者を絞り込んでいるのです。
そのためSPIは選考の序盤で実施されるケースがほとんどです。SPIを通過した後に、人事面接や社長面接が実施されます。
面接で質問するポイントを決めるため
候補者を絞り込む目的に加え、面接で質問するポイントを決める目的もあります。
SPIでは検査結果と合わせて、受検者一人ひとりの資質と特性がわかる報告書が発行されており、企業はそれを面接の参考資料として活用しています。
報告書の主な内容は、結果から分析した受検者の性格特性、受検者それぞれに合わせた質問例などがあります。短時間の面接でも、可能な限り受検者の人柄を把握するサポートの役割をSPIは担っています。
企業に伝わるSPIの結果の内容
具体的に、SPIの結果から企業にどのようなことが伝わるのでしょうか。SPIの結果からわかることは受検者の学力や性格だけではありません。
ここではSPI3を受検した場合に、企業に伝わる結果の内容をお伝えします。
職務適応能力
職務適応能力は、配属を予定している部署の雰囲気や仕事の進め方との相性を考慮し、受検者がどれくらい職務に適応しやすいかを見極める指標です。
「対人」「協調活動」「課題遂行」「企画」の4項目・5段階で評価され、企業に結果が伝わります。
組織適性
組織適性は、組織の風土やメンバーにどれくらいなじめるかを見極める指標です。
学力と性格の両面から、「創造重視風土」「結果重視風土」「調和重視風土」「秩序重視風土」の4項目・5段階で評価されて企業に結果が伝わります。
少なくない時間と労力を採用活動にかける企業は、せっかく採用した人材がうまく組織になじめず早期離職につながる事態は避けたいと考えています。そのため、たとえ能力が高くても、明らかに組織の風土とミスマッチな学生は採用を見送る傾向があります。
性格特徴
「行動的側面」「意欲的側面」「情緒的側面」「社会関係側面」の4項目・5段階で性格が評価され、対象的な性格のなかでのそれぞれのバランス・位置付けが企業に伝わります。
短時間かつ1・2回の面接では、学生の考え方や仕事に対する価値観を深く理解するのは困難です。面接官の主観に左右された評価になってしまわないよう、SPIはあらかじめさまざまな角度から学生の資質や性格を分析する役割を果たしています。
面接で確認すべきポイントと質問例
25観点・77パターンの質問例から、その人に質問すべきことが伝えられます。
これは、SPIの結果から、「受検者の性格傾向がマイナスに働いたらどうなるか」というポイントと、「本当に悪く出ているか、苦手をカバーするような行動をとれているか」を確認するための質問例です。
具体的には、「周りに対して攻撃的で、自分と異なる意見を受け入れられないかもしれません。その場合は、〇〇という質問で確認しましょう」といったアドバイスが企業に伝えられています。
コミュニケーション上の注意
受検者の性格に応じて、コミュニケーションを取る上の注意点や、OK例・NG例が伝えられます。アドバイスの内容は、「『がんばればなんとかなる!』などの根性論は響きません」などがあります。
受検者との具体的な接し方が伝えらえるので、面接を担当する採用担当は、それを面接の進行や質疑応答時などに活用できます。
SPIテストセンターの結果は使い回せる
SPIにはテストセンター・インハウスCBT・WEBテスティング・ペーパーテスティングの4つの受検方式がありますが、テストセンターであれば結果の使い回しが可能です。
就活を効率的に進めるためにも、結果に手ごたえを感じたら他の企業にも使い回すことをおすすめします。
SPIの結果を使い回すメリット
最大のメリットは再受検の手間が省け、空いた時間を企業研究や面接対策などに割けることです。
テストを受けるだけならまだしも、自宅からテストセンターまで足を運ぶのは時間も交通費もかかります。そのような手間を省けるのが、使い回しの大きなメリットです。
使い回す際は、検査ごとに前回の結果を送信するか選択できるほか、新たに受検したか前回の受検結果を送信したかは企業に通知されません。
結果を使い回しても企業からの印象が悪くなることはないので安心です。
結果を使い回す際の注意点
手間を省けるのは大きなメリットですが、いくつかの注意点もあります。結果を使い回す場合は、きちんと注意点のことも頭に入れておきましょう。
有効期限は1年以内
各検査の有効期限は最後に受検してから1年間です。受検してから1年以上経っている場合は、企業から指定された期限に間に合うよう時間に余裕をもって再受検しましょう。
結果をまだ使い回せるかどうかは、テストセンターのマイページから確認可能です。「使い回すつもりが有効期限を過ぎていて無効だった」という事態を避けるためにも、自分が受検した日付を正しく把握しておいてください。
使い回せるのは最新の受検結果
使い回せるのは最新の受検結果のみであって、それ以前の結果は使い回せません。前回の受検で失敗してしまったと感じたら、再度受検するのがおすすめです。
また、使い回す結果は検査ごとに選択できるので、すべての検査を受け直す必要はありません。
「性格検査は前回の結果を送信し、他の検査は受け直す」というように、自分の状況に合った選択が可能です。
悪い結果を使い回すリスクあり
受検者本人が結果を確認する方法がないため、悪い結果を使い回してしまうリスクがあります。
悪い結果を使い回せば、当然のことながら企業の選考に落ちる確率が上がってしまう点に注意しましょう。
感覚でテストの出来を判断するのは難しいと思いますが、明らかに出来が悪い場合は自分でもなんとなくわかるはずです。
再受検が面倒だからといって手ごたえのない結果を使い回さず、素直に受け直すようにしましょう。
SPIの選考結果が企業から来ない理由
選考結果がなかなか来なくても自分では何もできませんが、遅れれば遅れるほど「もしかして落ちたのでは…」と不安が大きくなりますよね。
連絡の遅れにはさまざまな事情がありますが、特によく見られるのは以下の3つの理由です。
企業にもまだ結果が届いていない
そもそも企業にもまだ結果が届いていない可能性があります。
テストセンター・インハウスCBT・WEBテスティングの場合は受検後すぐに結果が企業に送られますが、採点物流センターで採点を行うペーパーテストの場合は他の受検方式よりも時間がかかります。
配送が遅れたり採点に手間取ったりと、不測の事態によってまだ企業に結果が届いておらず、選考結果の連絡が遅れているのかもしれません。
次回選考の案内を順番に行っている
順番に電話連絡をしている場合なども遅くなりがちです。
限られた選考枠のなかで評価が高い人から順に次回選考に案内されており、自分の順番が後ろのほうになっているだけの可能性があります。
特に、選考の参加者そのものが多い大企業の場合は、選考結果の連絡にも手間がかかります。
予想以上に連絡が遅れるケースが想定されるため、そのような場合はこちらから選考結果の連絡時期について問い合わせてみましょう。
サイレントで選考を見送られている
なかには選考結果の連絡自体しない方針の企業もあります。
連絡しない企業によっては募集要項に「不採用の場合は連絡しない」と記載してる場合があるため、連絡がなかなか来ないようなら確認してみましょう。
いずれにしても、選考結果が来ないからといって悩んでも自分にできることはありません。
不安を膨らませて精神的疲労を溜めないためにも、SPIの受検後は選考結果をあまり気にせず、他の対策に時間を使うことをおすすめします。
SPIの結果をよくするポイント
結果を知る方法はありませんが、事前の対策によって結果をよくする方法はあります。簡単そうだからといって対策を怠らず、SPIの特徴を知ってきちんと対策を進めましょう。
効率的かつ効果的に勉強する
問題のほとんどは中学校や高校で習った知識で解けるレベルとはいえ、何の対策もなしで簡単に合格ラインを超えられるものではありません。
SPIのやり方に慣れるのはもちろん、限られた時間のなかで効率的かつ効果的に勉強することが大切です。
具体的な方法としては、いきなり色々な問題集に手を出すのではなく、1冊の問題集に集中して勉強していくのがおすすめです。
SPIの問題はそれほどパターンが多くないため、1冊の問題集を繰り返し解くことでパターンごとの解き方を覚えられます。
1冊解き終わったらすぐ次の問題集に行くよりも、間違えた問題が解けるようになるまで反復学習するほうが効率的です。
初めは解けなくてもいいので、少しずつパターンごとの解き方を覚えていきましょう。
より詳しい勉強方法については、SPIの勉強法の記事を参考にしてください。
適切な時間配分をする
SPIを難しいと感じる人が多いのは、問題の難易度そのものより制限時間が非常に短いことにあります。
例えば、ペーパーテストの能力検査の制限時間は70分で、出題数は70問。単純計算で1問当たり1分で解かなければなりません。
立ち止まって考え込んでいるとあっという間に制限時間が来てしまうため、SPIでは適切な時間配分が重要です。
問題を繰り返し解くことによってSPIに慣れておくのはもちろん、分からない問題は早めに見切りをつける判断力が必要になります。
「難しい問題に時間をかけすぎて解けるはずの問題に手をつけられなかった」なんてことがないよう、テスト中は常に時間配分を意識しましょう。
具体的な時間配分の目安については、SPIの時間配分の記事を参考にしてください。
Webテストの種類を見分けて対策する
受検方式がWebテスティングの場合に限った方法ですが、企業から送られてきたURLからWebテストの種類を見分けられます(SPIであればURLに「arorua」が含まれるなど)。
同じWebテストといっても種類によって出題傾向が異なるため、事前に見分けられれば対策を講じやすいでしょう。
そのほかの受検方式については、口コミサイトやOB訪問などから得た情報をもとに、Webテストの種類を推測できます。
必ずしも毎年同じWebテストが実施されるとは限りませんが、企業が急に変更するケースは珍しいため情報の信頼性は高いでしょう。
Webテストの見分け方については、Webテストの見分け方の記事を参考にしてください。
SPIの結果に関するよくある質問
最後に、SPIの結果に関するよくある質問にお答えします。
不安を抱えたまま就活を進めないためにも、以下の内容をチェックしておきましょう。
SPIの結果はいつ出る?何日後?
テストセンター・インハウスCBT・WEBテスティングの場合、結果は受検完了した時点で企業に送られます。
ただし、結果を確認できるのは企業の採用担当だけ。受検者本人が確認する方法はありません。ペーパーテストの場合は、受検後にマークシートが採点物流センターに送られます。
その後、採点が終わり次第、企業に受検結果が伝えられます。
SPIの選考結果が来ない…どうしたらいい?
SPIの選考結果が来ない場合は、まだ企業にも結果が届いていない、もしくは順番に次回選考の案内をしている可能性があります。
特に焦る必要はありませんが、3週間ほど経っても結果が来ないようなら問い合わせてもよいでしょう。
企業はSPIの結果を教えてくれる?
面接や交流会などで企業がSPIの結果に対するコメントをくれる場合はありますが、基本的に結果自体を見せてくれることはありません。
教えてもらえることに期待せず、自分の手ごたえをもとに、結果を使い回すかそれとも受け直すかを判断しましょう。
SPIで結果を出すにはいつから勉強したらいい?
SPIでよい結果を出すためには、3ヶ月前からの勉強がおすすめです。
SPIの勉強は最低でも30時間、念入りに対策する場合は60時間が目安とされており、週5日ペースで1日1時間の勉強だと約3ヶ月必要になります。
開始時期が早すぎてはモチベーションを保ちづらいので、本番の3ヶ月前くらいから勉強し始めるのが適切でしょう。
SPIに必要な勉強時間の目安については、SPIの勉強時間の記事を参考にしてください。
まとめ
以上、SPIの概要や企業がSPIを行う目的について解説しました。
選考に関わるSPIの結果を知りたいのは当然ですが、残念ながら受検者本人が知る方法はありません。結果を気にして時間を無駄にするよりも、再受検に向けて対策し直したり、企業研究や面接対策など他のことに時間を割いたりするようにしましょう。
また、問題自体はそれほど難しくはないといっても、SPIは何の対策もなしで簡単に合格ラインを超えられるものではありません。よい結果を出すために、本番の約3ヶ月前を目安にしっかりと準備を進めていきましょう。